可視化とは?生産性向上に情報の可視化と共有が大事な理由

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

事業の成長を加速させビジネスの改善に取り組むためには、蓄積されたデータや業務プロセス、進行状況を可視化し共有することです。

その理由としては、近年、企業の持つデータが膨大になるにつれて、可視化と共有による大きなメリットがあるからです。

中小企業やスタートアップにおいてもこの考え方を取り入れて全社一丸となった取り組みが推進されていますが、十分な成果につながっていないケースも多いようです。

そこで今回は、可視化とは、生産性向上に情報の可視化と共有が大事な理由について解説します。

「私は夢を見て、夢を信念とし、あえてリスクを背負い、夢を叶えるために、ビジョンを実行してきた。」

<ウォルト・ディズニー>

■可視化とは?
可視化とは、それまで見えなかったり見えにくかった情報をシステム等を駆使する方法によって、誰がみても分かるような状態にすることを意味します。

つまり、業務の進行状況や営業実績などの対象物を、特定の目的に合わせて、定量的に見える状態にすることを指します。

ビジネスで蓄積された情報を可視化する目的としては、データに隠れている大事な情報を表示することで、数字から分かる情報の理解を助けることです。データの「見える化」や「視覚化」とも呼ばれます。

そのため、可視化の最終的な目標はデータから情報や知識を蓄積し、企業の業務プロセスの中で経営の改善に活用できる埋もれた価値を掘り出し、良い部分と悪い部分を明らかにし最適な施策を講じることになります。

見える化された指標は、経営者と全社員が一丸となって問題解決していくための共通の指針やモノサシになるため、一般社員も含めた会社全体に大きなメリットをもたらします。

■可視化の起源
可視化化の起源は、トヨタ自動車における製造管理の現場にあります。トヨタの生産方式では、異常が発生した時点で機械を止める「自働化」を推奨しています。

自働化は、目で見て正常や異常を判断する、機械と人間の知恵を融合させた仕組みです。自働化の実現には管理道具として、作業者自身が機械を止めるボタンである「アンドン」が導入されています。

「アンドン」は正常や異常など状況に合わせてランプの色を変え表すことで、従業員は常に目で見て自身の業務を管理できる状態となりました。

その後、1998年にトヨタ自動車の岡本渉氏の論文「生産保全活動の実態の見える化」において、目で見える管理として「見える化」という表現が生まれました。

■物事を可視化を推進する目的

1、個人の暗黙知を組織に共有する
主観的な知識で言語化や数値化が困難であり他人に伝えるのが難しい知識は暗黙知と呼ばれています。

特定の人物の優れたスキルやノウハウを見える化で分かりやすく表現することでナレッジや成功要因として新たな成果を生み出すことが可能になります。

暗黙知を可視化するには、共通体験によって他者に暗黙知を伝え議論を重ねた上で目で見えるような状態にする方法があります。

例えば、職人やベテランが持っているスキルやノウハウがイメージしやすいでしょう。職人が行う熟練の技を共に体験し、共に体験した者と職人による議論によってそのノウハウを言語化するような流れが挙げられます。

2、業務プロセスを見える化してムダを改善する
業務プロセスの可視化によって進捗や状況を把握しやすく業務効率が改善されます。

例えば、システム開発では特定の進捗状況を確認できるよう進行管理表を利用したり、業務の流れを明らかにするためにフローチャートを作成すると見える化に繋がります。

飲食店の場合だとメニューのレシピや調理に必要な作業をマニュアルや手順書にまとめたりと、業務内容や進捗状況をアウトプットにまとめて明らかにできていれば、均一なメニューの提供や生産性の向上に役立ちます。

その際、既に定量的に表されていても、それだけでは活用できなかったり理解しづらかったりする情報も多くあるため、数値をまとめてグラフや図の形式に表すことで可視化され、状況の分析から改善の具体アクションに繋げられます。

3、顧客を見える化して売上を上げる
企業の売上や成長には、顧客が求める製品・サービスの提供が欠かせません。顧客の見える化によって顧客のニーズが顕在化されるため、より適切な製品・サービスを生み出すことが可能です。

例えば顧客の購買履歴や顧客属性を見える化し、ターゲットごとにニーズを仮説立て製品・サービスを開発します。ターゲット層によって適切なアプローチが可能となり、売上の向上につながるでしょう。

■情報の可視化による3つのメリット
可視化には、具体的には以下のメリットがあります。

1、ミスやトラブルに即座に気づくことができる
システム開発のプロジェクトで担当者に任せているタスクの中で発生したミスやトラブルを、管理者が後から発見するケースも少なくありません。

そのような際に複雑で一見要点をつかめないデータとデータの関連付けを確立し見える化することで、数字の裏に隠している関係性を発見し、よりビジネスてきな価値のある洞察と価値を得ることができます。

問題を大きくしないためには、現状を把握し課題やその原因を発見することが求められます。業務プロセスを可視化しておけばタイムリーに進行状況を確認できるため、迅速な対応が可能になります。

2、営業業務の効率化や生産性の向上に繋がる
法人営業のシーンで営業マネージャーが部下の営業マンが毎日提出する日報などのテキスト形式や数字の簡単羅列をその関係性や他の数字と掛け合わせて分析するには、多大な時間と労力が掛かります。

日報の確認など定常的に発生する日々の確認業務は無意識で属人的にに処理してしまいがちですが、その中にはトラブルやミスが1箇所に集中していたり、ムダが生じていたりします。

また、営業活動は複数の担当者が顧客情報を数珠つなぎで進めることがほとんどなので、業務の開始から終了までの流れがブラックボックスになりがちです。

そのような際に可視化により業務上の問題に気付けるだけでなく原因分析も容易になり、業務改善にも取り組みやすくなります。

3、定性的な情報も十分に活用できる
ビジネスにおけるあらゆる情報は定量化して初めて活用できます。例えば顧客満足度や従業員のモチベーションといった定性的な情報も、サービス・企業のパフォーマンスを表すとても重要な指標になります。

定量的なデータとして管理しておくことで、サービス内容の最適化や次なる打ち手の構想に大きく貢献します。継続的な事業成長のためには、売上やコスト等の定量的な情報と合わせて、こうした定性的な情報も活用できる状態をつくるのがベストです。

データ 見える化で未来の予測を可能にし、企業の将来的な成長をサポートできます。社内に蓄積された様々なデータを統合することで、予測分析を行い、トレンドの洞察を得られます。

■データを可視化する際のポイント

1、対象と目的を明らかにする
データを可視化する際、まず、データ 見える化という作業の「対象は誰か」、「対象が知りたいのどうな情報」ということを考えるべきです。

データ 見える化はデータをシンプル化にして表示するものにしても、対象に合わせて適切な方法を用いる必要があります。対象は専門家である場合、高度な知識と専門用語でデータを解釈する一方、一般的な人に対して、理解しやすい形でデータを示すということになります。

それから、対象が一番関心を寄せることを心がけることも重要です。対象が知りたいポイントを明確に提示しないと、データ 見える化の目的に達したとはいえないでしょう。

2、データの意味を理解する
データビジュアライゼーションの対象と目的を知るだけでなく、視覚化するデータの意味も理解しておく必要があります。もしデータを完全に理解しなければ、データ間の関係を掘り出すことが難しいです。

データからすべての情報を抽出することもできないので、肝心な指標とデータを見出しましょう。それに、データの正確性を確認しなければなりません。データを正しく理解していれば、データから独特で面白い情報を得ることもできます。

3、定性的な情報を可視化も可能
ビジネスの中でも目に見えない定性的な情報は数多く存在します。それらを定量的な基準を設け計測しデータとして見られていれば、定性的な情報を可視化できていると言えます。

例えば、従業員のモチベーションは本来目に見えない情報ですが、モチベーションの高さに合わせて1から5までの数値基準を設けて回答を集めることでデータ化できます。

データ化することで、チームメンバー同士の比較や各社員のモチベーションの変化の確認ができ、今後の施策に活用できるようになります。

■まとめ
環境の変化が著しいVUCA(ブーカ)の時代では、会社にあるデータを可視化することで新たな顧客ニーズを発見し、戦略的にマーケティングに活かすことが大事になっています。

また、法人営業でもセールスで着実に成果を上げていくためにMAツールを導入しし、顧客とのやり取りのデータを有効活用することが不可欠になっています。

また、社内に蓄積された様々ななデータを可視化し、集めた情報を分析することで、今まで気がつきにくく見逃していた問題が浮き彫りになり、効率よく業務改善を行うことが可能になります。

経営情報の可視化は、マネジメント層の意思決定の迅速化、仕事の属人的スキルへの依存を解消するなどにも役立てます。

社内にあるデータをオープンに利用することが可能になれば、良い情報や悪い情報を含めて社内で共有できるため、問題を解決する施策の提案やプロジェクトの実施もスムーズになり、業務の効率を劇的に高められます。

業務プロセスの見える化することことは、業務効率の向上や生産性向上で、非常に期待できる取り組みです。

なぜなら、企業経営に日々生成するデータから予実分析で、情報の透明性が高まり、問題の早期発見と早期解決が可能になるからです。

「可視化」の本当の意義は、システムなどで情報を羅列的に見えるようにするだけではなく、共有すべき情報が体系的に整理されていて、社員がその情報を自立的かつタイムリーに入手することで、全員が一丸となって自社の問題解決に活用することにあるのです。

■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、5000人を超える顧問が集結しており、データの可視化を実現する独自のシステムの導入やAIシステムなどのプロジェクトマネジメントに詳しいプロ人材が揃っています。

社長の懐刀として経営課題を抱えている経営者へのアドバイスだけでなく、実行支援を行うことを最大のミッションとしています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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