本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「百戦百勝は、善の善なるものに非ず。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。」
<孫武>兵法書『孫子』の作者、中国春秋時代の軍事思想家
軍師というと、兵法、軍配術を会得し知略、計略に長けており、戦において大将に従い、戦術、計略を巡らし敵を倒すための戦略を授ける指南役的なイメージがありますが、最大の強みは何かというと、戦わずして勝つための「人脈」を持っているということです。
なぜなら、戦国時代だからこそ、無駄な戦いをせずに勝利を収められる能力を持つ者が最上の人材であり、平和的勝利ができるか否かは、その軍師が築いた人的コネクションに大きく関係しているからです。
人脈というのは、主に3つの効用を持っています。
1、人脈コネクターとして人と繋げてくれること。
2、信用力を活かし自分を引き上げてくれること。
3、お互い助け合い自分の味方をしてくれること。
また、軍師の持つ強力な人脈によってもたらされる最重要なものは、その人脈を通じて得られる、まだ誰にも知られておらず信用性が高い最新情報やノウハウにあると言えます。
現在、AIによる技術革新が2029年に起こり、AIが人間並みの知能を備え、2045年に技術的特異点=シンギュラリティが来ると提唱されています。
しかし、AI(人工知能)に比べ、人間に優位性のある仕事の代表格が、人と直接関わるカウンセラーやコンサルタントの職種です。
コンサルタントのようにAIのデーターベースに入力可能な会社の事例や課題解決のサンプルを理解させることはテクノロジー的に難しく、人との直接的なコミュニケーションが求められる課題解決の分野は、AI(人工知能)に取って変わられる可能性が低いと考えられています。
交渉の基礎になる信用力と人脈力のある軍師を登用してますか?
<本田季伸>
■シンギュラリティとは?
未来学者でもあるレイ・カーツワイルは人類が進化ためには、「脳のリバースエンジニアリング」による「脳のソフトウェア化」が必要だとしています。
別の言葉に置き換えて「生物としての思考と存在が、みずから作り出したテクノロジーと融合する」臨界点を「特異点=シンギュラリティ」と定義しています。
AI(人工知能)が人間より高い能力を持つようになれば、これまで人間が行っていた仕事の多くが、AI(人工知能)にとって代わられるかも知れません。
AIは単なる人間の代替労働力としてだけでなく、医療、金融、情報通信、さらには軍事にも適用されることが予想されています。
しかし、シンギュラリティにより雇用の変化が起こり、特定の仕事については、現在のような働き方が成立しなくなってしまう可能性があります。
ですが、人と人との信頼関係を築き上げるには多くの時間が掛かり、一長一短ではコネクションは作れません。
人間の特性として相互の繋がりを強化するためには、一緒に仕事をしたり、お互いの考え方を議論したり、食事を何度も共にしたりするなど、交流関係や相互の助け合いの精神が欠かせません。
それゆえ人脈作りについては、様々な事柄や過去の出来事が積み重なって人間関係の構築が成り立っているため、簡単にシステムで自動化されることは、当面の間はまずあり得ないのです。