中小企業が取るべきSTP戦略とは?マーケティング戦略の重要性

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

中小企業の多く経営者が、「売上向上」「品質向上」「コスト削減」など、様々な経営課題を解決しようと日々努力しています。しかし、「マーケティング」に関しては、多くの中小企業の経営者が「十分に取り組めていない」と感じているのではないだろうか。

実際「Webマーケティングへの取り組み」に関する調査によると、Web広告の予算が月額10万円以下という企業が半数を占めています。中小企業では、Webを含むマーケティングにかけられる予算は少なく、きちんと取り組めていません。

企業が提供する商品やサービスについて顧客に認知してもらい、実際に購入に結びつけるためには、適切なマーケティングをおこなう必要があります。

しかし、マーケティングにも幅広い観点があることから、「どのようにマーケティング戦略を練れば良いか分からない」と悩む人は多いでしょう。

そこで今回は、中小企業が取るべきSTP戦略とマーケティング戦略の重要性について解説します。

■マーティング戦略とは?
マーケティング戦略とは、「市場のニーズを汲み取ったアプローチを考えること」をいいます。言い換えると「どの顧客層に」「どのような価値を」「どのような手法で提供するか」を決めることを指します。

マーケティング戦略に沿って事業を展開することで、消費者が「こういうものが欲しかった」と思うような商品やサービスを提供できるようになります。中長期的には企業のファンを増やしたり、継続的に商品やサービスを利用してくれるリピーターを獲得することもできます。

マーケティング戦略の策定には、自社の強みや市場における競争優位性を確保するための分析や調査が欠かせません。

そのため、マーケティング戦略に対応したフレームワークや、根拠となる調査データを取得するマーケティングリサーチなどの調査も重視されます。

中小企業にとっては、限られた人員や予算の中で一定の成果を出すためにも、ビジネスにおいて数あるマーケティング戦略の中でSTP戦略は必要不可欠だと言えるでしょう。

■中小企業が取るべきSTP戦略とは?
STP戦略とは、アメリカの経済学者フィリップ・コトラー氏が提唱した、マーケティング戦略の基本フレームワークです。STP分析の「STP」とは、以下の頭文字を取ったもので、マーケティング戦略の中で使われるフレームワークの一つになります。

Segmentation:セグメンテーション
Targeting:ターゲティング
Positioning:ポジショニング

この3つのプロセスへの注力は、ブランディングやプロモーション施策、製品戦略、流通戦略などその他の経営戦略の成功率を高めることができます。

「セグメンテーション」、「ターゲティング」、「ポジショニング」に注力するマーケティング戦略です。つまりSTP分析では、以下の千戦略に導く大事な役割があるのです。

1、同質のニーズを持った市場を細分化
2、細分化した市場のなかでどこを狙うのかを決定
3、狙う市場のなかで自社の立ち位置を明確にする

■STP戦略が重要になった背景
このSTP戦略の重要性が増している背景には、国内市場の成熟化や顧客(消費者)のニーズ・価値観の多様化が進み、同時にマスメディアの影響力が低下していることが挙げられます。

STP戦略は、自社の強みを行かせる市場を細分化し、明確なターゲットを絞り込んだ上で競争優位性の高いポジションを確立することに長けたマーケティング戦略であり、中小企業が取り組むべきマーケティング戦略だと言えます。

市場や顧客のニーズは時代とともに変化していきます。時代の変化に対応していくためには、ターゲットを明確にしたマーケティング戦略が必要になります。

幅広い顧客層へのアプローチは既に効果が少なく、ターゲット市場を特定することが勝敗の分け目となっています。

なぜなら、ターゲットを明確にしていない商品・サービスは、訴求軸がぶれてしまい、顧客に魅力が伝わらないからです。自社の強みを活かせない結果となってしまうためです。

マーケティングの基本は「誰にどんな価値を提供するか」であり、企業活動の根本部分とも言えます。これを突き詰めて考えていくことが事業が成長する最大の鍵になるのです。

■STP戦略の3つのメリット
STP戦略には、以下の3つのメリットがあります。

1、顧客やニーズについて整理できる
STP戦略を行う最初のメリットは、顧客やニーズについて整理できることです。STP戦略は、どのようなニーズがあるのか、そのニーズの中でどういった市場をターゲットにするのかを分析しセグメンテーションします。

セグメンテーションとは、市場を顧客やニーズなどの共通項によって細分化する作業です。ですので、STP分析をしっかりと行えば、商品を購入してくれるユーザー像(ペルソナ)を具体的にイメージすつことが大切です。

セグメンテーションを行うにあたっては、「細分化した市場が充分なサイズか」「自社の強みを生かしやすい市場か」を考えるのが一つのポイントになるでしょう。

2、自社の商品の強みを明確化できる
ペルソナが具体的に導き出せれば、自社の商品の強みやアピールポイントも自ずと明確になってくるでしょう。ターゲティングでは、細分化された市場の中からどこを標的とするのかを決定します。

その際、自社の商品の強みや、ブランドイメージが生かされるような市場を選択することが鍵になります。狙う市場を絞って経営資源を投下することで、自社の強みを最大限に活かすという戦略が取れます。

さらに、チーム全体で自社のアピールポイントを言語化し、共通認識として持つことで、組織力の強化に貢献できます。

3、他社との競争を回避できる
STP戦略によって、他社との不必要な競争を回避することも可能になります。ポジショニングでは、狙うと決めた市場の競合を調査し、自社がどのような立ち位置で勝負するかを決定します。

狙う市場を分析し、競合をしぼり出せば、自社が優位に立つ戦略を練ることができます。

ポジショニングでは「データに基づいた分析をおこなうこと」「一度に多くの指標を比較しないこと」が大切です

■中小企業がマーケティングを成功させるための3つのポイント
実際に中小企業がマーケティングを行う際は、どのように進めていけばいいのだろうか。

1、マーケティングは施策ではなく、「戦略」と考える
マーケティングは企業戦略そのものであり、小手先のテクニックだけではありません。

確かに広告を出したり、展示会に出展したりすれば、一時的に売上は増えるかも知れません。そのため、本当の意味で他社との差別化を図るなら、考え方を変えパラダイムシフトが必要になります。

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングはそれぞれ別で考えずに、連動させて考えることで正しい分析ができます。

まず、STP戦略に従って狙う市場から十分な収益が得られるかを考慮し、選定しましょう。ただし、あまりに小規模すぎたり、成長が見込めない市場は、そもそも売上がたたない可能性があります。STP分析でしぼった市場であっても、多方面からの分析を重ねて、最適な市場を導きましょう。

2、自社の強みを戦略に変える
中小企業のマーケティングにおいて重要なことは、「自社の強みは何か」を正しく把握することです。これが明文化され、全員が理解した上でマーケティングを行うことが、中小企業においては特に重要な要素になると言えます。

中小企業は大企業に比べて経営資源が乏しく、特に人的なリソースが少ないため、あらゆることに手を出していては競争に勝つことはできません。

マイケル・ポーターは、競争戦略を「コストリーダーシップ戦略」と「差別化戦略」に分類しました。中小企業はリソースに限りがあるため、差別化戦略を取るほかありません。他社と差別化を図る方法は、「自社の強み」がベースになります。

あなたの会社の従業員は、自社の強みをきちんと理解しているだろうか。その強みは、業務に落とし込まれているだろうか。まずは、それを確認するところから始めて見てください。

3、単発ではなく、PDCAサイクルが回っているかどうかもチェック
自社の強みを理解し、業務に落とし込めたとしても、それで終わりではありません。マーケティングにおいては、PDCAを回し続けることが重要です。

自社の強みを最大限に活かすには、顧客のニーズを理解する必要があります。なぜなら、本当に良い商品であっても、アプローチする場所が違えば、誰にも響かない商品となってしまう可能性があるからです。

多くの企業はマーケティングを投資と捉えて、単発の施策を行いがちです。しかし、マーケティングとは企業戦略そのものであり、マーケティングは継続的に行わなければ意味がありません。

施策を行うたびに一喜一憂するのではなく、結果が良かった場合は何が良かったのか、再現性はあるのか、横展開はできるのかなどを考える必要があります。ですので、結果が悪かった場合は要因を分析することが次の施策の改善に繋がります。

このようにPDCAサイクルを回し続けることが、マーケティングにおいても重要な取り組みになるのです。

■まとめ
経営を取り巻く環境は、どんどん変化しており、市場動向や顧客の購買心理・行動を常に把握しておかなければ、企業として生き残ることが難しい時代に突入しました。

STP分析は、市場を顧客やニーズなどの共通項によって細分化し、細分化された市場の中からどこの市場を狙うのか、その市場で自社の立ち位置はどこになるのかを分析するものです。

中小企業の経営者が競合に差をつける優れたマーケティング戦略を立案し、実行できるか否かは、STP分析をどの程度行ったかによって左右されます。

なぜなら、マーケティングで成功した企業は、ただ単に施策を行うのではなく、「企業の目指す方向」「自社の強み」をとことん考え、業務にまで落とし込んだうえでマーケティングに取り組んでいるからです。

マーケティング戦略を定めた上で予算を決め、それなりと費用を投資をするという覚悟を持つことが重要です。その上で、リソースの少ない中小企業だからこそ、選択と集中が重要になります。

マーケティングの強化を考えているのであれば、小手先のテクニックではなく、「企業の目指す方向」や「自社の強み」から考え、勝てる戦略を考える必要があるのです。

■最後に
競合を分析し、自社のポジションを優位にするには、客観的な視点での分析が必要です。なぜなら、中小企業の経営者の場合、自社の経営課題が何で、自社の課題解決にとって必要となる顧問の人物像が必ずしも企業戦略や事業方針に合っていないケースが多いからです。

そのため、自社にマーケティング戦略に詳しい人材がいない場合には、外部の人材からSTP戦略のアドバイスや実行支援を仰ぐことが欠かせません。

ただし、戦略系のコンサル会社にマーケティング戦略を相談すると非常に高額な報酬を請求されます。正社員で優秀な人材を採用するという方法もありますが、中小企業の場合には、求人サイトで募集しても応募数が少なく、良い候補者を集めること自体が難しいです。

それ以外に顧問紹介会社を活用し、顧問を探すという方法がありますが、顧問報酬のピンハネをしている会社が殆どなので、中小企業にとっては、大きな費用負担になりがちです。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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