現在は飛び込み営業をしている営業マンを見かける機会は減り、販路拡大にはインターネットを活用したマーケティングを展開した上で、「コンサルティング営業」に取り組むことが、販路拡大のメインストリームになっています。
従来のセールスと変化したのは、新規顧客獲得の営業スタイルだけではありません。お客様に出会ってから商品を訴求するフェーズも、時代とともに変化しています。
今回は、コンサルティング営業とは、営業コンサルタント活用のポイントついて解説します。
■コンサルティング営業とは?
営業は、顧客に対して自社商品を売ったり、提案したりするのが仕事です。しかし、コンサルティング営業の場合は、顧客の抱える問題を解決することを第一義に考えた営業活動を行います。
コンサルティング営業とは、「お客様の経営課題を把握し、お客様に最大の利益をもたらすためにはどうしたら良いのか?を考えて提案する営業スタイル」です。
そのため、自社の商品を紹介するだけに限らず、他社の商品をお勧めすることもあるでしょうし、商品の紹介以外の提案が適しているかもしれません。
ただし、常に自社商品以外を推奨していては売上になりません。自社商品の魅力を十分に理解し、顧客のニーズと合致する局面を見逃さないことも大切です。
顧客の利益を第一に考えて提案を行うとともに、自社商品の販売も行うのがコンサルティング営業の仕事なのです。
■コンサルタントとは?
コンサルタントの語源は「consult」=「相談する」にあります。コンサルタントは具体的な製品やサービスを売るのではなく、コンサルティングそのものを商品として対価を受け取る職業になります。
つまり、相談を受けたクライアントの課題とは何かを見つけ、その解決策を提案すること。ひいてはその実行を支援することがコンサルタントの提供する価値であり、商品だと言えます。
近年においては、解決策の提案だけでなく、実行可能性を求められ、実際に経営課題の解決までを行うことが一般的になっております。
■コンサルティング営業が必要になった背景
大量情報時代の現在では、消費者の情報感度が高くなり「顧客に選ばれる」視点が重要視され、高度経済成長期の「良いものを作れば売れる」というやり方は時代遅れになりつつあります。
そのため今の市場では、「今、人々が何を求めているか」というニーズやウォンツを確実に満たす「マーケットイン」型の製品やサービスが求められています。
マーケットインとは、消費者の声や意見を起点に企業が製品・サービスの開発を行い、顕在的なニーズを満たすことを指すマーケティングの基本用語の一つです。
企業側を起点に商品・サービス開発を行い潜在的なニーズを満たす「プロダクトアウト」とよく対比されますが、双方にメリット・デメリットがあるので企業・経営戦略の方向性を鑑みて取捨選択、融合することが開発の成功にとって大切だと言えます。
■営業の3つの営業スタイルとは?
1、通常営業(御用聞き営業)
自社の商品を販売する営業が「通常営業(御用聞き営業)」です。
定期的にお客様を訪問して「何か必要なものはありますか?」と尋ねる営業スタイルです。
必要なものがあれば注文をいただけますし、特になければ注文されることはありません。
例えば、食品問屋が企業の窓口を訪問して、「足りない食材や調味料は無いですが?」と御用聞き営業を毎日続けたとします。
企業の窓口の人は、食品問屋の営業マンが来るまでに社内で翌日分の弁当発注依頼を受け付けておいて、食品問屋にまとめて発注をします。食品問屋からすれば、特定の食材などを届けた際に翌日の注文を聞き、それを日々繰り返すことになるので効率的です。
近場の企業を10社、20社と回ることができれば、生産性を向上させることができるので、売上予測を立てることも容易です。
ただし、御用聞き営業にはデメリットがあります。それは、大きな発展がないことです。訪問することで、ある程度の売上をキープできますが、それ以上にはならないというのが御用聞き営業のデメリットといえます。
現在では、インターネットの普及によって、御用聞き営業は減少傾向にあります。
2、提案型営業
御用聞き営業の次に生まれたのが「提案型営業」で、新しい商品を勧めたり、セット販売を勧めるような営業スタイルです。
自社に同じタイプの商品があったとき、より単価が高いものや利益が出るものを買っていただいた方が経営の数字は良くなります。
御用聞き営業のようにルート営業をしつつ、商品の提案も実施するのが提案型営業です。同じ企業グループに違うセグメントの業種をもっていると、提案型営業が活きる場面があります。
企業間でアライアンスを結び、複数の商品を組み合わせるクロスセル営業も提案型営業といえます。起業家の方が自社の商品やサービスをたくさんの人の目にふれさせるために、多くのお客様に会う機会がある起業家仲間と協力することも、提案型営業のスタイルの1つといえるでしょう。
3、ソリューション営業
提案型営業の発展形として「ソリューション営業」が生まれました。お客様に提案するだけでは、お客様が欲しいと思っている商品にヒットしなくなってきたのです。
景気が良いときは、商品の効果を判断せずとも購入してくれるお客様がたくさんいました。提案すればするほど、売上が上がっていくという時代があったのです。
しかし、景気が悪くなると、様々な商品を提案しても容易に購入までたどり着かなくなりました。そこで、ソリューション営業が生まれました。ソリューション営業が生まれた背景には、景気の問題以外にも商品の多様化が挙げられます。
インターネットの普及によって、商品の情報を仕入れる機会が増えたため、お客様は世の中に数多くある商品の中から自由に選ぶことができるようになりました。
提案営業をしているだけでは、他社商品との差別化が図れなくなってきたのです。ソリューション営業は、お客様に商品を紹介する前に「何に困っているのか」をヒアリングした上で提案をする営業スタイルです。
商品の提案をするだけでなく、困っている内容にマッチした提案を行うことで、購入頻度の向上を図ります。
ソリューション営業が主流になってきたことで、営業マンに求められるスキルは様変わりしてきました。お客様に商品を上手くアピールするスキルだけでは通用しなくなってきたのです。
また、ソリューション営業の先にある「コンサルティング営業」が求められる営業スタイルになりつつあります。
■コンサルティング営業に求められる5つのスキル
コンサルティング営業に求められるきめ細かな対応を実現するためには、高いスキルが求められます。コンサルティング営業として活躍するために必要となる5つのスキルをご紹介します。
1、対話力
コンサルティング営業は、顧客の抱える問題を引き出し、潜在ニーズを探っていく仕事です。そのため、高い対話力が求められます。
顧客とスムーズに会話をするだけでなく、顧客自身も気付いていない要望や問題を引き出せる対話力があれば、顧客の期待以上のコンサルティングを行うことができるでしょう。
2、分析力
コンサルティング営業を行うためには、業界の動向や自社商品・他社商品についての分析が必須です。それぞれの分析を行い、特性を理解することが顧客の問題解決に役立ちます。
それと同時に、顧客が抱える問題についての分析力も求められます。
表層的な問題解決ではなく、根本原因がどこにあり、何を改善することが問題解決につながるのかを検討するためには、問題の分析が必要だからです。
3、理解力
顧客が伝えたいことを正しく理解できなければ、適切なコンサルティングを行うこともできません。全ての顧客が高い会話力を持っているとは限りませんし、顧客の主張と実際の問題が別のところにある可能性もあります。
顧客の話を聞きながら、それが何を意味するのかを考え、顧客のニーズや問題への理解を深めていくことが、適切なコンサルティングにつながります。
4、プレゼンテーション能力
いくら顧客にとって有益な提案をしていても、プレゼンテーション能力が欠けていると、それが適切な提案であるということを顧客に理解してもらえません。
また、顧客にとって最適な方法を提案するのがコンサルティング営業の役割ではありますが、自社商品で問題解決ができるのであれば、それが一番です。商品の魅力を熟知し、顧客に伝えるためのプレゼンテーション能力も求められます。
5、顧客に寄り添った営業を行う力
コンサルティング営業の目的はあくまでも顧客の問題解決ですから、まずは顧客自身に寄り添い、ともに問題解決のために尽力するという姿勢が大切です。他者の問題を自分のことのように考え、親身になって相談にのることが、顧客との信頼関係につながります。
コンサルティングや商品の販売が完了した後も、適宜アフターフォローを行い、顧客ファーストの営業を行いましょう。顧客の信頼を得ていれば、顧客に次の問題が発生したときに、指名してもらえる場合があります。
■コンサルティング営業の注意点
自社の商品を販売することだけが、コンサルティング営業の目的ではありません。お客様の利益になるような商品やサービスを紹介し、お客様に最大限のメリットがあるように行動しなければなりません。
ですが、お客様と一緒に経営課題に取り組むだけでは、ただのボランティアになってしまいます。コンサルティング営業は、どこで儲けるのか?を常に考えておかなければなりません。
お客様に無償のサービスをすることだけがコンサルティング営業ではないのです。どこで対価をいただくのかについて、お客様に納得して購入して貰うためには、起業家として交渉力を身につけなければなりません。
また、絶対に効果があると思ったものについては、お客様に実施していただく必要があります。「それは最終的にお客様が判断することだから」と任せっきりにしてはいけません。コンサルティング営業として自信をもってご提案し、お客様を動かす交渉術が求められます。
■まとめ
大企業ができないことをフットワーク良く対応することができれば、ベンチャー企業を経営する起業家としての価値も大きく向上することでしょう。
自社に合ったコンサルティング営業のスタイルを構築することは、会社の成長と共に起業家としても成長することにつながります。
顧問やコンサルタントに仕事を頼むクライアントとしては、その領域に関する知見のある「顧問のチカラ」を一時的に借りることで、コストを抑えつつより良い解決策を見出したいという考えがあります。
そのため、限られた期間の中でクライアントが望む以上の、つまり報酬以上の、高いアウトプットを出すことが求められる職業です。ゆえに、求められる能力は多岐に渡り、いずれも高いレベルであることが求められます。
お客様が求めているものをいち早くキャッチアップし、お客様の利益に貢献することが、これからの起業家には求められています。これからの社会で求められているコンサルティング営業に、ぜひとも取り組んでいってください。
創業時には、販路拡大が成功のファクターになるため、広く人脈を作っていくことも非常に重要です。
■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、営業の課題解決のためにスペシャリスト人材にあたる「営業顧問」によるハンズオン型のセールスの実行支援を行っています。
経営課題がある際に自社のメンバーでは、解決の糸口が導き出せない場合には、「ハンズオン型コンサルティング」と呼ばれる、経営や資本にテコ入れをして成長や再生をはかるコンサルティング手法があります。
この際は、経営企画部門などの実行部門や、場合によっては取締役など経営陣の一画に経営顧問やコンサルタントが招聘される形になります。
特に経営状態が思わしくない中小企業に対して、再生計画の策定だけでなくハンズオンで変革の実行支援を展開するケースもあります。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、セールス強化を目的にハンズオン型で営業支援を行う目的に顧問のチームビルディングを行い、人数無制限で営業のプロ人材に課題解決の依頼ができるサービスを提供しています。
大手企業の販路拡大でお悩みのベンチャー企業や製造メーカーなどは、営業顧問の「人数取り放題プラン」が最適です。また、月額費用を抑えて「成果報酬型」で引き受けて貰えるかがポイントになります。
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