本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「生産物が商品という形をとっている社会、商品を作る人達からなる社会では、このような性質の異なる有用な様々な労働が、独立した生産者による互いに依存しない私的な事業として行われ、それが多方面に分岐した体系となって、労働の社会的な分業に発展する。」
<カール・マルクス>『資本論』
スタートアップが破壊的なイノベーションを生み出すための戦略の一つとして、ビジネスの中核業務だけを自社のメンバーで遂行し、他の部分は「スペシャリスト」に任せる「水平分業型」の組織を作り上げることです。
なぜなら、世界屈指のクリエイティブ企業のアップルを代表に、「製造プロセス」と「人材活用」という二つの異なる側面で、「水平分業型」を導入したことでイノベーションを加速させ、企画開発の効率性を実現している未来企業が増えているからです。
「水平分業」とは、技術開発や原料調達、組み立て工程などを、異なる企業が得意分野を生かして協力するビジネスモデルのことです。
その始まりは、大手メーカーが製品のコアとなる「心臓部分」の開発・製造・販売は自社で行い、それ以外は、下請けとなる外部の工場へ安価な金額で生産委託する単なる外注のスキームでした。
ですが、アップルのように様々な部品を自社で開発することを辞め、ファブレス型で優れた部品を供給可能な外部の優秀なメーカーから積極的に調達することで競争力を生み出す、新たなプロダクト開発の方法がリードする時代へと大きく変化していると読み取れます。
アップルの「iPhone」の箱には、「Designed in California. Assembled in China(デザインはカリフォルニアで、組み立ては中国です)」と明確に書かれています。
デザインや商品の設計などの重要な部分はアップル本社で作りつつ、ハイレベルな部品を開発できる外部のメーカーと協業も推進しながら、実際の製品の組み立ては、人件費の安い中国などに依頼した方が、品質の高い製品を安く、スピーディに作ることが可能だからです。
近年では、高度人材の領域でも外部から優秀なフリーランスの「プロ人材」を助っ人として獲得することで、企業が抱えている課題をダイレクトに解決できたという成功事例も増えています。
外部から客観的視点を取り入れることで業務プロセス等を最適化できるという点からも、「水平分業型」の取り組みを人材獲得でも導入することは、これからの時代に合っていると言えるのです。
水平分業型で優秀な外部人材を集め、事業課題を解決してますか?
<本田季伸>