従来、副業は本業の妨げになるという扱いでした。しかし、副業する際には、会社の看板や他のメンバーに頼ることなく、知識・経験・スキル・人脈を活用し、「自律」して仕事をすることが欠かせない要件になります。
スキルを活かした副業の場合、自分1人のチカラで創意工夫しながら物事を完結する必要があるため、新規事業立上げの要件となるイノベーションや机上の空論とは異なる生きた知見や価値あるノウハウの習得といった「人的資産」の形成に繋がります。
そのため、自律を促進する観点から、企業の副業に対する捉え方が変化しています。
アメリカなどの先進国と同様に日本でも終身雇用が崩壊しつつある今、これまで副業を禁止していた大手企業でも、サバイバル時代を会社に頼らず生き抜く「自律型人材」になる重要性を踏まえ、副業を推奨する企業が増え始めているのです。
そこで今回は、自律とは何か、副業の解禁に伴い自律型人材や独立する人が増えた理由について解説します。
「成功とは、他人の権利を尊重し社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標に向かって、黄金律に従い、一つひとつ実現していく過程である。」
<ナポレオン・ヒル>
■自律とは?
自律とは、価値観や信条、理念や哲学など個人の内的要素に関して、支配や制約を受けずに独り立ちをすることを意味しています。自律は自分自身をコントロールできること・律せることを指します。
自律は、個人の内的要素に関して、支配や制約を受けずに独り立ちすること。英語で「self-directed」と表現します。
自律の考え方は、「カントの倫理学」の根本原理の一つになります。実践理性が、欲望に動かされることなく、みずから普遍的道徳法則を立て、それによって自分の意志を規定する意味を持ちます。
自律している人は、自分自身で規範を打ち立て、それに沿って行動できるのです。よって仕事上で自律している人とは、「自ら仕事の目標を設定でき、仕事への価値や意義を見出せる人」となります。
スタートアップを創業する起業家精神と同様に、自律によって任された仕事というのは、常にその中核に理念や価値観がしっかりとあります。それは、「物事はどうあるべきか」という方向性を帯びています。
その中核的価値に照らし合わせて、人は物事を評価、判断、行動します。「やるか/やらないか」の境界線は常に曖昧です。そして当然、やるなら「どうやるか」を自律した人は、自分で決めます。
■自律と自立との違い
「自立」は自分の足で立てる状態のことで、1人で仕事をこなせる、経済的に独り立ちしている状況などを指します。
一方、「自律」とは、自分の意志を持ち、自らをコントロールしながら、目的や意義を考えて行動に移せる状態を指します。
自立とは、能力や経済力、身体などに関し、他者に依存せず行動すること。自立は、英語で「self-stood」と表記します。
自立している人は、自分の考えや行動に芯があることが特徴です。仕事やプライベートで「何をするか」「何をしないか」という選択も自分で考えて行えます。
仕事上で自立している人とは、仕事のやり方を習得し、仕事をして生活を維持している人になります。
自律と自立の2つの端的な違いは、下記のとおりです。
・自律は内的要素の独り立ち
・自立は外的要素の独り立ち
多くの人は「自立=他人からの支配や援助を受けずに独り立ちできること」だと認識していますが、自立にも複数の分類が存在します。
・経済的自立
・社会的自立
・身体的自立
・精神的自立
自律性とは、他者からの支配や強制を受けず、自らが立てた規範に従い行動することになります。自律と自立は2つは類似している用語として利用されますが、その本質的な意味合いには、大きな相違点があります。
自律型人材とは、自ら戦略を考えて課題を見つけ出すといった主体的に動く人材のことだと言えます。
■自律型人材の特徴
自律型人材は、自律した考えを持ち「仕事への価値や意義を見出せる人」になります。つまり、責任感を持って自身の業務を行い目標を達成できるプロ人材であることを意味しています。
自分で考え判断して動くことにより、責任感が生まれるため、自らを律した行動ができるようになります。ビジネスで自律している人とは、「自ら仕事の目標を設定でき、仕事への価値や意義を見出せる人」であると定義されています。
あくまで、自らが目標を立てて実行できる人材であるため、業務の改善や提案を自ら率先して行えるプロフェッショナル人材であると定義することもできます。
このように、自らが率先して業務の改善や提案を進めることができる自律型人材が増えることは、業務の効率化やプロダクトの改善、新たなサービスの創出などに変革をもたらすことが可能になります。
与えられた仕事の範囲を超えて、
・企業理念の実現に向け、様々なアイデアを生み出す。
・スピード感を持って結果を意識しながら業務を遂行する。
・責任を持ってやり遂げる。
といった人材を、自律型人材と呼びます。
自律が促進されることで設定した目標に対して自分自身が責任を持ち、粘り強く取り組みむなどの特徴があります。たとえミスがあってもその結果を受け止め、何をすべきなのか、どうすれば改善できるかなどを考えることができます。
■自律型人材を育成するメリット
自律型人材とは、指示を待つのではなく、自らの意思で考え能動的に業務を遂行できる人材を指します。ただし、具体的に何を求めるのかは企業によって異なり、企業ごとに具体的な定義が必要になります。
1、管理職の負担が軽減する
「お客様を喜ばせる顧客応対」や「価値の高いサービスの提供」のためには、社員がマニュアル通りに業務を行うだけでは、不十分です。
自律型人材は、指示を得なくても自らの仕事を試行錯誤しながら取り組みます。
「自ら考え行動する」ことで、より良いお客様対応や価値の高いサービスの提供ができるようになり、その結果として事業成長という高い目標達成を可能にします。
自律したビジネスマンは、「上司に指示されたことしか取り組まない」「指示待ち人間」「マニュアル人間」とは異なります。従って、上司は指示を出す代わりに、部下の成長のサポートに注力できます。
2、業務が効率化する
長期的に成長している企業は、社員が「自ら考え行動する」ために自律することを推奨しています。そのような企業の社員は、状況に応じた適切な判断ができ、時にはチームとなって組織問題の解決に挑戦しています。
自律型人材は、「環境の変化に柔軟に対応できる」「目標から逆算し、今、自分が何をすべきか考える」「考えたプランを効率的に推進する」などが可能です。
事業として高い目標を達成していくためには、社員が「自ら考え行動する」ことが必要不可欠です。そうしなければ、一人あたりの生産性は高まりません。
自律を促すことによって業務にスピード感が出たり業務効率が向上したりといった効果が期待できます。
3、テレワークに向いている
新型コロナウイルス感染症の広まりで、より一層テレワークの推進が叫ばれるようになりました。
テレワークの環境では、社員が自ら考え行動し、状況に応じた適切な対応ができることが必須になります。
今の時代、自ら考え行動できる自律した人しかビジネスの世界では生き残れなくなりました。起業家やフリーランス大国のアメリカでは、経営者も会社員もすべてのビジネスパーソンの共通する考え方となっています。
自律型人材は、管理職の目が行き届きにくいテレワーク下でも、自らを律しながら課題を淡々と進め、状況に応じた適切な対処を考えられるのです。
■キャリア自律とは?
キャリア自律とは、個人が自身のキャリアに興味を持ち、自律的にキャリア開発を行うこと。
キャリア自律の重要性が高まった理由として挙げられるのは、少子高齢化による労働力不足の社会問題化・終身雇用や年功序列が終わり、急務となった個々の主体的なキャリア形成・副業や兼業といったさまざまな働き方の広まりです。
普段の業務で自ら考えて行動できる人材であれば、結果的に自分の強みやキャリアについても深く考えている傾向が高いといえます。
精神的自律を達成するためには、どのような意識改革が必要になるのでしょうか。
下記は、精神的に自立するために必要な7つの条件になります。
・自分の意見をしっかり持っている。
・自分自身の言動に責任を持っている。
・自分の強みなどを把握している。
・感情をコントロールできる。
・周りの人を気にしすぎていない。
・自分1人の時間を大事にできる。
・主体的に行動できる。
自分の強みやキャリアを考える上で、自己成長に必要なこととは何か、そして、どうすればキャリアアップできるかを具体的にイメージしています。
このような自律型の人材は成長スピードが早いだけでなく、自らチャレンジしたり、スキルアップを図ったりします。明確な目標があることで、逆算して今必要なことを考え抜くことができる人材であるともいえるでしょう。
■企業が自律した人材を育成するために
「VUCAの時代」では、環境の変化に素早く柔軟に対応できる組織づくりのために、自分の意志で行動できる自律型人材の必要性が高まっています。
組織が存続していくためには、環境変化に臨機応変に対応しながら、企業の目標達成に向けて仕事を進めることが重要です。
自律型人材を増やすためには、「自ら考え行動する社員が育てられる経営者やマネージャー」へと自分自身が変化しなければなりません。
まずは、マネージャーが「聞く」「見る」「待つ」行動ができるようになるべきです。
なぜなら、自律型人材は、指示を待って行動するのではなく、自分から行動できるという特徴があり、企業活動に貢献するために何をすべきなのかを自分で考えて行動することができるからです。
自律を促すためには、部下に以下のような機会を与える行動が必要になります。
・考えるきっかけを与える。
・考える時間を与える。
・考えた意見を言う機会を与える。
例えば、MBO(目標管理)の達成度を話し合う個別ミーティングやチーム全体の進捗会議などにおいて、マネージャーには、コーチングの姿勢が求められます。
自分の意志で考え行動ができる自律型人材を育成することで、上司からの指示を待たず迅速に行動できる人材が増え、企業活動のスピード感は増して行きます。
■まとめ
自律とは、みずからの律を持ち、それによって判断・行動をする状態を指します。律とは、規範やルール、さらにはその基底にある理念や信条、価値観といったものです。
自律的と他律的という際の「律」とは、以下の状態を指します。
「自律的」:自分の内にそうした律を設け、それに従って判断・行動する状態
「他律的」:自分の律というものがなく、他者が設けた律に依って行動する状態
自律型人材を育成するには、「規律」が必要です。組織がどこを目指し行動しているのか、行動の源は何かというを定義しなければいけません。
自己の判断力を強化するためには、責任のある仕事を任せ自分から考え行動できる人物を育成していくことが大切です。自己判断、自ら行動することを積み重ねていくことで、経験値を高め、より高度なスキルを保有する人材を育成します。
こうした経験を積ませるためには、ある程度の権限を与え、エンパワーメントを図りながら業務を推進するなどの環境整備も必要になります。
エンパワーメントとは、組織を構成する一人ひとりが本来持っている力を発揮し、自らの意思決定により自発的に行動できるようにすることを意味します。
「力(権限)を与える」という意味の empower(エンパワー)から派生した言葉になります。
こうしたエンパワーメント環境、そして、ビジネスの課題解決に向けて率先した行動を促すことで対象者の自身や実績を積んでいくことで自律型人材を育成することが可能になるのです。
■最後に
今、社会で働くビジネスマンの間では二極化が進んでいます。
1、自律型のマインドを持ち市場や企業から求められている人
この人たちは様々な機会を得ることができ、高い報酬を手にしています。
2、マニュアル人間で自ら考え行動を起こすことが出来ない人
希望する仕事の機会が得られず、低い報酬しかを手にすることができません。
その差はどうして生まれてしまうのでしょうか?
その違いを生み出している要因の一つは「自ら考え行動する働き方ができているかどうか?」です。今の時代は『自ら考え行動できる自律した人』が必要とされる時代です。
自律した人材になるための一番早い近道は、副業することです。
なぜなら、副業は単に収入を増やす手段としてだけではなく、自己実現や新たなスキルの取得、一つの企業に依存するリスクの回避にも繋がると言えるからです。
ビジネスマンにとって副業するメリットが大きく、その目的は今後も多様化しています。
厚生労働省の調査によると、副業の目的は、
・「収入を増やしたいから」
・「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」
・「自分が活躍できる場を広げたいから」
という回答が多く寄せられています。
■副業することが当たり前になった「副業時代の到来」
副業する際の仕事については、リモートワークで自分のスキルを活かせる専門的、技術的職業の割合が高い傾向が見受けられます。
副業による労働者のメリットには、以下のようなものが考えられます。
・副業で仕事を増やすことにより、本業の給料取得以外の収入を増やすことができる。
・本業では得られない知識や経験を得ることができ、スキルアップ・キャリアアップに繋がる。
・収入額を気にせず「やりたいこと」に挑戦できるため、自己実現の追求や幸福感が向上する。
本業での収入を得ながら、転職や起業などの準備を、余裕をもって進めることができる
「副業の目的」として多くの人が挙げているように、仕事を増やすことで収入の増加が見込めます。また、本業だけでは得られないスキルや経験を習得することで、キャリアアップに繋がることが期待されます。
本業での収入があることで、リスクを抑えながら将来の起業やフリーランスになることを視野に入れたチャレンジができます。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」は、フリーランスの顧問や複数の本業を持つパラレルワーカーだけでなく、副業のプロ人材と企業とを結ぶプロ人材のエージェント会社になります。
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