本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』
It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
<チャールズ・ダーウィン>
スタートアップを創業した起業家にとって、最初に立ち上げた事業がうまく行かない際は、ビジネスモデルのピポットが必須になることがあります。しかしながら、一発屋で終わらず100年続く「永続企業」を目指すならば、簡単には「事業目的」を変えないことです。
その理由としては、私の周囲の起業家を見ても株式公開を果たすまで事業を大きくさせた社長に共通していることは、多角化したいという「トレードオフ」の誘惑を抑えて、1つのことを飽きることなく、やり続けた社長ばかりだからです。
「トレードオフ」とは、「両立できない関係性」を示す言葉として使われています。「一つを尊重すればもう一方が成り立たないこと」、つまり2つ以上の欲求を同時に満たせない状況のことを指します。
また、「トレードオフ」の考え方に近しい経済用語として、「機会費用」というものがあります。機会費用とは、「あるものを得ることを引き換えに失った利益」という意味合いになります。
例えば、スタートアップが限られた経営資源の中で新規事業に取り組む際には、特定分野に「フォーカス」することが大事になります。一つの領域に集中するという選択することは、「専門企業」という新たなポジショ二ングを獲得することが可能になります。
ですが、反対に他の分野も手掛ける方向性では無くなったため、少なからず取り組めば得られたはずの損失も同時に発生します。
ですので、このような際には、創業者が当初に描いた「事業目的」が何であったのか?とマーケットの動向を鑑み、事業領域の「取捨選択」という大きな決断が必要になります。
有事に備えたリスクヘッジや長期的な事業の成長を考える時、「経営を多角化する」という選択肢があります。莫大な軍資金を持つ大手企業であれば、新たな分野にチャレンジすることは否定しません。
しかしながら、中小企業やベンチャー企業の勝ちパターンとしては、既存の事業で培った顧客基盤を活かし、競争優位性のある独自技術やこれまに培ったノウハウを活用して、新しい領域のプロダクトやサービスを生み出す形が理想的です。
「永続企業」大事にしてきたものを紐解いて見ると、創業者が会社設立時に描いた経営理念、ミッション、社訓や社是など変えることなく、「守り抜いている製品」や「業界No.1のサービスがある」というところに行き着きます。
市場環境の変化や時代の変容は必ず起きるものなので、自社が最も大事にしている「核=コア」が何なのかを見極め、進化が必要になるタイミングでは変えるべきところは変え、変えないべきところは変えないという姿勢が卓越のマスターキーなるのです。
100年続く永続企業を目指し、一つの事業を大事に育ててますか?
<本田季伸>