本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「規模の大小にかかわらず、何か新たな事業を興す場合には、予想した以上に時間と金がかかることを絶対に頭に叩き込んで置かなければならない。
事業計画が大掛かりなものであれば、たとえ売り上げが急増していても、一時的に利益以上の額を投資に回さざるを得ないことを覚悟しておくべきである。」
<ハワード・シュルツ>スターバックス創業者
起業家として独立性を保ちながら、会社経営をしたいと望むならば、安易に「他人資本」に頼らない、独自のビジネスモデルを構築し、「キャッシュフロー経営」を目指すことです。
なぜなら、キャッシュの残高を重視したキャッシュフロー経営を展開するにおいては、「第三者割当増資」を行い大規模な事業に挑むベンチャー企業よりも倒産可能性を低く抑え、健全で安全性の高い企業経営を行うことができると言えるからです。
もちろん、スタートアップの起業家の中には、手持ちの自己資金が少ないが、世の中を変える革新的なビジネスに挑戦したい際には、「第三者割当増資」を行うことで、潤沢な資金力を元に短期間で大きな成長を遂げるユニコーン企業が存在しているのは事実です。
通常、ベンチャーキャピタルやCVC、個人投資家に新株式を発行し、第三者からの資金調達を受けることができる成長企業の持つ共通点としては、以下の3つが挙げられます。
1、将来株式上場=IPOを短期間で見据えることができる。
2、M&Aにより高い評価で株式を売却することができる。
3、事業上の提携などにより出資した会社の株式を保有した状態で間接的に大きな利益を生み出すことができる。
基本的に自己資金で事業を始め、自己資金のみで事業を継続するのであれば、起業家の自己判断で自由にビジネスを一歩づつ、展開しても特に何の問題もありません。
ですが、ベンチャーキャピタルから出資による資金調達であれば、「3年程度」で株式公開というゴールを設定し「リターン=出口」を明確に決めて、投資家に報いる大きな責任が生じます。
資金調達額が大きくなるにつれ、より最速で成長を目指すことが起業家に課せられた必須要件になるため、若手の起業家が考える想像以上のプレッシャーと多大なリスクが伴います。
何億という資金があれば、優秀な人材を採用する費用も捻出でき、高額な人件費を支払い、立派なオフィスを借り、システム開発を強化し、莫大な広告費を惜しまず投下することも可能になります。
しかしながら、事業で収益を生み出す「キャッシュフロー経営」の考え方が欠落していると、人件費など固定費と販管費が急激に高騰し、設備投資を維持するための「バーンレート」を毎月乗り超えるべく、更なるファイナンスに迫られ「自転車操業」に陥るベンチャーも非常に多いのが現状です。
「バーンレート」とは、会社を経営するにあたって1ヶ月あたりに消費するコストのことです。「資金燃焼率」や「現金燃焼率」、「キャッシュバーンレート」とも呼ばれています。
シリコンバレーの有名起業家ですら、この「バーンレート」が一旦レットゾーンに陥ると、経営者が日々の仕事として資金調達に奔走しなげれば、生き残れない最悪の事態になるケースもあります。
こうなると社長が本来やるべき、戦略的な仕事に殆ど取り組めなくなるという危機的な状況になってしまう可能性も否めないので、本業で安定した収益を生み出す、「キャッシュフロー経営」を心掛ける必要があるのです。
バーンレートの高騰を抑え、キャッシュフロー経営をしてますか?
<本田季伸>