本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「品質が価値だという。だが、この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買っているのではない。買っているのは、欲求の充足である。彼らにとっての価値である。
何を価値とするかは、顧客だけが答えられる複雑な問題である。推察してはならない。顧客のところへ出かけて行き、聞かなければならない。」
<ピーター・ドラッカー>
商品やサービスを新しく開発したり、既存の製品を改善する際は、まず1社を振り向かせ、顧客満足を高める価値を提供しながら、市場の中で共通のニーズを持つ顧客を「セグメント」することです。
なぜなら、中小企業においては商品を市場に対して投入する前段階で、自社に経営資源に見合った標的市場を選定することは、売上アップに欠かせない取り組みになりますが、完璧に市場を細分化することは、専門のリサーチ会社があるくらい難易度が高いからです。
ですので、新規事業の立ち上げでも最初は1つの会社に販売して、喜んで貰うことに成功したら、その結果に至った「売れた要因」を深く分析して行けば、同じような属性の企業群に対して横展開ができる可能があると考えられます。
セグメントの条件として、「市場細分化」が有効であるためには、
1、市場が定量的に把握できること(測定可能性)
2、それを構成する人に実際に接触できること(到達可能性)
3、商品・サービス戦略を行うに値する規模があること(維持可能性)
4、社内資源がセグメント化に呼応して足りていること(提供可能性)
が必要となります。
自身でも苦い経験がありますが、新規事業の立ち上げや新商品開発では、顧客のニーズを調査しないと、そもそもニーズがあまりなく多額の資金を投資してプロダクトを開発しても、当初の想定よりも全く売れないということも起こり得てしまうのです。
大手企業でも顧客ニーズを把握するのは、簡単なことではありません。
ヒアリングや市場調査を行うことが重要なのは間違いないですが、延々と事前調査ばかりをしていても、お金と時間を使う一方になり、そもそも長期間調査をしている間に市場は刻々と変化してしまいます。
タイムリーに顧客ニーズに応え、最適なプロダクトを開発するためには、プロジェクトリーダーや組織なりの仮説を持って行動し、優良顧客からのヒアリングを通じて検証しながら、最適化を図ることが一番の近道となるのです。
仮説検証を繰り返し、改善しながらセグメントを策定してますか?
<本田季伸>