EVPとは?EVPの意味とメリット・従業員価値提案のポイント

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

多くの従業員にとって終身雇用の前提は薄れており、働きがいを求めて転職する選択肢を選ぶビジネスマンは珍しくなくなりました。

企業は従業員に対して「成果」を求めますが、従業員も企業に対して処遇などの待遇面、キャリア構築など、「EVP」を期待することがあります。

「EVP」を設定し定期的に見直すことで、既存の従業員とのエンゲージメントを高め、限られた募集人数の中においても、求める人材を確保しやすくなる効果があります。

そこで今回、EVPとは何か、EVPの意味とメリット・従業員価値提案のポイントについて解説します。

■EVPとは?
EVPとは、英語の「Employee Value Proposition」の頭文字をとった略語で、「エンプロイヤー・バリュープロポジション」を指します。日本語では、「従業員価値提案」を意味します。

つまり、EVPは、企業が従業員へ提供できる「価値」を指します。

エンプロイヤー・バリュープロポジションを策定することとは、企業が従業員に対して提供できる価値を言語化、視覚化し発信することによって帰属意識を高めることを実現します。

会社組織の中で、自らがその一部としての自覚を持つことが帰属意識であり、「組織や集団の一員」という意識から生み出される感覚を指します。

社員が会社に対して帰属意識を持つことには、エンゲージメントを高めるという大きなメリットがあります。

現在、企業で働く従業員、今後入社して欲しい人材に対して他の会社へ移るのを防ぎ、「ずっと同じ会社で働こう」「この会社に入社して働こう」と思って貰うことが「EVP」(エンプロイヤー・バリュープロポジション)になります。

マーケティング用語であるバリュープロポジションが顧客をターゲットとしているのに対し、EVPの対象となるのは、既存の従業員に加えて、新たに入社を考えている求職者となります。

■EVPとバリュープロポジションとの違い
バリュープロポジションとは、顧客にとってのその商品やサービス「価値」(Value)のことを意味するものになります。

バリュープロポジションは、「顧客のニーズが高く、かつ競合他社が提供できていない独自の価値を言語化したもの」です。

そもそも顧客がいなければ商品が売れません。顧客を集める段階において「バリュープロポジション」がなければ、顧客は集まらず商品の売上の向上も期待することができません。

そのため、一歩踏み込んで考えると、その商品が顧客にとって独特の価値を持つことが大事になってきます。

競合他社の商品では得ることができない、「唯一の価値」を持っていることが「バリュープロポジション」であると考えられます。

文字を通して顧客に価値を認識してもらうものなので、「キャッチコピー」や「セールスコピー」と混同されがちですが、バリュープロポジションは必ずしもお客様に向けられたものとは限りません。

バリュープロポジションは、顧客に商品やサービスの価値をアピールするだけでなく、社内で共有して新商品の開発やマーケティングに活かすという目的でも活用されます。

組織で統一感を持って商品開発やマーケティングをすれば、より顧客のニーズに沿ったアプローチがしやすくなり、集客数や売上アップにつながるでしょう。

「バリュープロポジション」の考え方と同様に、EVPには、自己成長や仕事のやりがい、魅力的なビジョンがあるなど、従業員や求職者にとっての仕事に関する無形の付加価値も含まれます。

EVPでは、従業員や求職者の求めるものにフォーカスし、メッセージを設定していくことが必要となるでしょう。

■EVPがなぜ必要になった背景
EVPが必要になった背景には、終身雇用の崩壊や転職があたり前になったなどの理由があります。

1、終身雇用が崩壊し転職が当たり前の時代になった。
転職が以前よりも一般的になり、1つの会社にずっと留まることが当たり前でなくなってきています。

現在、日本でも年代を重ねるほど必然的に転職経験者も増えていきます。実際に転職しなかった人を含めると、転職へアクションを起こした人は50代が50%なのに比べ、40代では80%を超えています。

したがって、40代から世の中で転職が「当たり前」になってきたと思われます。

終身雇用制度で定年まで同じ会社に努めるという形式が崩れ、優秀な人材ほど転職してしまう状況になっています。

福利厚生や待遇、キャリア形成に役立つ事をEVPとして可視化する事で、従業員への帰属意識が強まり、離職率の低減にも繋がると考えられていることも背景として挙げられます。

2、少子高齢化で人手不足になった。
経済産業省の調査(2019年3月)によると、2030年にはIT人材が不足します。

なぜなら、DX推進はあらゆる企業にとって、変化の激しい時代のなかで市場における競争優位性を維持し続けるための重要なテーマとなっているからです。

主に情報サービス業、ITサービス・ソフトウェアなどを提供する企業、ITを活用する一般企業の情報システム部門などに所属する人材)の不足数が最大で約79万人になるという試算が出ています。

売り手市場の中でいかにして優秀な人材を競合に取られず、自社で採用できるのかが課題となり、従業員への「価値提案」が必要とされています。

そこで、「EVP」「Employee Value Proposition」という言葉が生まれ、企業が従業員やステークホルダーに対してどのような価値を提供できるかを考え、打ち出すことが必要になりました。

3、働き方改革を推進する企業が増えた。
働き方改革とは、「働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会」を実現するための改革のことになります。

政府が掲げている「一億総活躍社会」に向けた取り組みでもあります。厚生労働省が公表している「働き方改革:一億総活躍社会の実現に向けて」では、以下のように記載されています。

「働き方改革」は、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。

働き方改革が推進される今、会社として効果的な「EVP」を作り上げ、「どのような価値を社員に提供しているか?」を分かりやすく言語化することで、従業員のモチベーション管理、離職防止だけでなく、求職者に対してのアピールにもつながります。

ただし、福利厚生など一般的なものは、他の企業も既に取り組んでいるため、例えば、「副業解禁」や「ITの資格補助制度」など企業独自のユニークなEVPを考える必要があると言えます。

■EVPを設定するメリット
EVPを設定するメリットには具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

1、従業員満足度やワークエンゲージメントの向上
EVPを設定することで、従業員満足度やワークエンゲージメントの向上につなげられます。

ワークエンゲージメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられるます。

エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知になります。

キャリアアップに繋がる施策は従業員のモチベーションの維持だけでなく、生産性の向上やマネジメント力の育成など企業側にも大きなメリットとなります。

EVPを設定する際には、自社における従業員満足度などを調査し分析するのが一般的です。その過程で得られた結果や意見を人事制度や施策に生かしましょう。

2、人材のリテンション
リテンションとは本来「維持・保持」という意味の単語です。そこから派生して人事領域では「必要な人材を維持・確保すること」といった意味合いで使用されています。

従業員に対して提供できる価値を見直し発信することで、離職率を下げる効果が期待できます。従業員満足度が高まれば企業への帰属意識が増し、より高いパフォーマンスをあげようと考える社員が増えていくでしょう。

モチベーションの向上や働きがいにつながり、「この会社で長く働いていきたい」と考える人が増えますので、定着率が向上し、離職を防ぐことができます。

現場へのヒアリングやアンケートによって、離職率を押し上げている環境要因について分析してみましょう。

例えば、キャリア形成に不満がある場合は相談窓口を設けることで、評価制度への不満が高い場合には制度の見直しにより、離職率が抑制できると考えられます。

3、採用ブランディングに繋がる
採用ブランディングとは、採用活動において自社を「ブランド化」する採用戦略を意味します。

「この会社で働くことは魅力的だ」と考える自社の「ファン」を増やすために、求職者向けに企業理念やビジョン、理想の社員像、実際に働く社員の人柄、職場の雰囲気などを、戦略的に情報発信していくのが採用ブランディングです。

転職が一般的で人員の流動性が高い欧米においては、採用ブランドの一つとしてEVPの構築に力を入れている企業も多いです。

なぜなら、企業としての魅力を感じてもらえるように資料などで可視化し、採用ブランドを上げることも有用だからです。

EVPを設定し、企業の採用サイトやSNSなどで発信することで、求職者に自社の魅力をアピールできます。入社することで求職者にどのようなベネフィットがあるのかを明確にするのがEVPの目的のひとつになります。

ベネフィットを明確にすることは、採用ブランディングのための施策にもつなげられます。

積極的に企業メッセージを発信していることで、求職者の目にも留まりやすくなり、エントリーの数や質の向上にも貢献できるでしょう。

4、経営理念の浸透やカルチャーの醸成
従業員にミッションやバリューなどの「企業文化」を再確認してもらうことで、働きがいの向上にもつなげられます。

企業文化とは、企業で培われた価値観や行動規範を意味します。英語では「corporate culture」や「company culture」と表現されます。

企業文化は、企業経営や事業活動に大きな影響を与えるとされています。なぜなら、その内容は企業によって異なり、企業の歴史や伝統、経営者の考えが違うからです。

EVPを設定することで、企業理念の浸透やカルチャーの醸成が可能となります。会社として何を大切にしているか、どういった行動をする従業員が評価されるのかは、ただ掲げるだけでは伝わりません。

従業員へ提供する“価値”は、従業員からも行動や成果として返ってくること、つまり、双方が価値提供を行い続けることが重要です。

組織の共通言語として、ミッションやバリューを定義すると同時に、関連する諸制度をEVPに沿う形で整備しましょう。

EVPと制度が矛盾してしまうと従業員の納得感が得られないためです。共通言語と諸制度などの仕組みがしっかりと連動することで、組織内に理念が根付きやすくなります。

5、企業のブランディング
EVPを設定し発信することで、取引先や株主などステークホルダーに対するブランディングにもなります。会社として大事にしていること、このような会社にして行きたいということは、常に経営理念や行動指針とリンクしているものです。

改めてEVPを明確に設定することで、会社の理念や企業文化の浸透を促進することも可能になります。

企業文化は、企業と従業員との間で意識的、あるいは無意識的に共有されている独自の価値観や行動規範を言います。そのベースとなっているのは、創業時からの歴史や伝統、実績、経営者の思考になります。

当然ながら、企業のブランド価値は、経営者が何に重きを置くかで内容は企業によって大きく変わって来ます。

EVPは従業員向けですが、その課程で整備した諸制度や取り組みはPRの材料にもできます。先進的な取り組みをする企業、従業員満足度の高い企業といったブランディングに活用できるでしょう。評判が広まれば、新聞・TV・Web媒体などのメディアに取り上げられることもあります。

近年、企業の口コミ評価は以前にも増してその重要性を高めており、企業への入社を検討する過程で一度は目にする人が多くなってきている印象をうけます。

このように従業員満足度が向上することは、ひいては企業の発展や採用活動の成功につながると言えるでしょう。

■EVPの具体的な設定項目の6つの例
EVPではどのような項目を設定するべきなのでしょうか? EVPの設定項目は、理念から具体的な制度まで多岐に渡ります。

1、ミッションを定める
EVPにおいてミッションとバリューを設定することは重要なステップです。

ミッションとは、企業が社会において果たすべき使命や任務のことです。企業の根幹となる考えを言語化したもので、組織が掲げる目標や使命、社会に果たす責任のことを指します。

ビジネスシーンで用いられる場合には、「なぜそのビジネスを行っているのか」という、企業の存在意義を示します。

ミッションには「どういった目的で誰に価値を提供するのか」といった企業本位の目線だけではなく、「自分たちは社会でどのような存在なのか」「社会は自分たちに何を求めているのか」など、自社と社会との関係を俯瞰することが求められます。

2、コーポレート・バリューを高める
バリューはミッションを達成するための組織共通の価値観、考え方や共通言語となります。

コーポレート・バリューとは、企業の経済的な価値のことであり、株価の算定やM&A、リストラなどを評価する際の基準となっており、また子会社や関連会社への出資など連結経営を考える場合にも不可欠な概念となっています。

また、経済産業省の企業価値研究会では、コーポレート・バリューを会社の財産、収益力、安定性、効率性、成長力等、株主の利益に資する会社の属性又はその程度と定義しています。

3、組織文化を作り上げる
組織文化は、主に組織風土やカルチャーのことを指し、「フラットでオープンな風土」や「裁量権がある」など特徴は企業によってさまざまです。

採用ページなどでカルチャーや雰囲気を明確にすることで、求職者が働くイメージを想起しやすくなり「カルチャーフィット」する人材が採用できる効果もあります。

また、カルチャーを明文化しておけば、それを体現・醸成するための人事制度や施策も検討しやすくなるでしょう。採用サイトや募集要項などに反映することで、求人におけるミスマッチを防ぐ効果もあります。

何のために働いているのか、自分の仕事が社会にどのような恩恵をもたらすのかを企業文化として明確にすることで、従業員は自分の仕事や組織に対し、やりがいや誇りを持てるようになります。

4、表彰や評価
企業を成長させるためには、社員のやる気やモチベーションの向上による生産性アップが必要不可欠です。しかし、日本の企業には熱意あふれる社員は、わずか、6%しかいないと言われており、社員のモチベーション向上が大きな課題となっています。

ビジネスシーンでよく聞かれる「インセンティブ」という単語は、「成果や業績に対して支払われる報奨金」という意味合いで使われることが多いです。ただ、必ずしも金銭であるとは限りません。

従業員への公平で納得感のある評価や、成果をあげた従業員の表彰はチームの士気やモチベーションを高めます。

評価される人材とは、言い換えると求める人材像でもあります。公平な評価制度は採用時のPR材料にもなるでしょう。

営業部門などの直接売り上げに貢献する部門はもちろん、バックオフィスをはじめとした、社内業務改革なども積極的に評価する姿勢は、在籍している従業員にも魅力的に映ります。

5、キャリア形成支援
従業員が組織のなかでどのように成長できるのか、キャリアパスを明確にすることも求職者や従業員が評価する大きなポイントです。

ある調査では、新卒3年以内に退職した理由として約3割が「キャリア形成が望めないため」と回答しました。求職者に対しても、入社後どのように成長できるかを具体的に発信し、マインドセットを変革することで、帰属意識を高めるアピール材料となります。

マインドセットの変革のためには、本人の努力だけでなく、周囲の人の協力が必要不可欠です。社員のマインドセットは、職場や組織の価値観、上司や同僚との関係性によって大きく変化します。

6、給与や福利厚生などの諸制度
経済産業省が2020年に発表した「日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査」によると、調査対象企業の約4割が、役員に対して業績連動型の株式報酬(ストックオプション)を導入していることが分かりました。

役員に対するインセンティブとして、ストックオプションを含む業績連動型の株式報酬を導入する企業は少なくないと分かります。

給与や福利厚生も当然、従業員や求職者の判断に大きな影響を及ぼします。「待遇や福利厚生に対する不満」は、「キャリア形成の不満」を上回っているレポートもあります。

最近では大企業や銀行でもフレックスタイム制や副業の解禁といった、柔軟な働き方を採り入れる企業も増えつつあります。

競合(採用の競合や人材の流出先)となる企業を入念に分析し、ミッションやビジョンと照らし合わせつつ社内制度を設計する必要があります。

■EVPを作成しEVPを高める方法
EVPの作成時においては、従業員と企業側の双方にとってメリットとなるような施策を検討すると相乗効果が期待でき、雇用関係も良好となります。

1、自分の会社の価値を分析
EVPを作成するにあたっては、現在提供できていることとこれから向かいたい方向性の示唆、それをベースに市場調査とディスカッションなどでブラッシュアップをして、制度化していきます。

自社のEVPを作成する際にまずは自分自身で今の会社を分析してみましょう。

自分が今の企業で働く理由は何なのか、ワークライフバランスがとれている、フラットな社風である、若手でも管理職につける等々思いつくものを挙げて行くと良いでしょう。

また、自分の友人やチームのメンバーに対して自分の会社で働く理由や自分の会社に対してどういったイメージを持っているのかについてヒアリングすることも価値創出に繋がります。

2、競合との差別化、自社のセールスポイントの洗い出し
競合企業にはなく自社にしかない強みというのは何があるでしょうか。従業員にヒアリングをかけ、探してみましょう。

また、競合のHPや採用ページにEVPがあるはずです。EVPを作成する前にどのようなEVPを掲げているのかは確認しておきましょう。

もし似てしまう場合は異なる観点から自社のセールスポイントを再度洗い出し、差別化要因を抽出、自分たち独自のEVPを作成するようにしましょう。

3、会社を巻き込みEVPを作成
現状の把握から不足している項目や、他社事例の中から自社でも採用していきたい項目をピックアップし、様々な部署のメンバーや年齢、職位、性別、子供の有無などのメンバーを選定してディスカッションします。

分析が終わったら自分のチームでEVPとなる要点をまとめていきましょう。実際に自分たちが伝えたい要素が第三者、実際に入社された方に伝わっているのかアンケートを取りながら進めていきましょう。

これからの時代に合わせて、よりフレキシブルで従業員にとって有益になるような制度を構築するためには本音で話せるような雰囲気作りも重要です。

4、採用したい人材とEVPが乖離しないようにする
仮にエンジニアを採用したい場合にEVPが営業活動に力を入れているというものであれば、エンジニアはその会社に入社しようとは考えないでしょう。

また、世界展開を視野にいれた企業で、グローバル人材を採用したくてもグローバル展開について書かれていないEVPであればグローバル人材はそのEVPを魅力的だとは感じないでしょう。

もちろん、グローバル人材やスキルの高い人材を採用したいがためにEVPを誇張して作成しても、実際の現場との違いを感じ、短期間で退職されてしまってはお互いにとってよくありません。

5、EVPを制度化する
EVP作りが一度、完了したら、制度化し可視化できるようにまとめます。作成された資料は全社会などで伝えたり、社員がいつでも閲覧できるようにイントラネットへの掲載しておくと良いでしょう。

また社員以外にも伝わる表現でコーポレートサイトなどにもしておくと求職者にとっても有益な情報となり、入社動機の一つにもなります。

EVPはずっと同じものを使い続けるのではなく、従業員へEVPへの意見を年に1度取得するようにし、従業員との認識齟齬がないようにし、EVPを高めていきましょう。

スキルの高い人材を確保するために自分の会社を魅力的にする努力を怠らないようにしましょう。

■まとめ
EVPとは「Employee Value Proposition」の略で、日本語で「従業員価値提供」と訳されます。

つまり、企業が従業員に提供できる価値のことを指します。EVPを高めることで、従業員エンゲージメントの向上や採用競争力の強化を行うことが可能です。

EVPが注目されている背景には、ビジネスマンが相対的に会社への帰属意識が低くなり、終身雇用制度にメリットを感じなくなったことが挙げられます。

帰属意識が薄れた結果、従業員が転職活動をし、転職市場が活性化していることが大きな要因となっています。

組織への愛着心が育まれることで、企業の目標のために貢献すべく奮起したり、業務への責任感が強くなったりするなど、言動の質の向上が期待できるでしょう。

社員の帰属意識の高い会社では、社員が会社の業績やあり方について興味を持ち、会社全体の状況を自分ごととして捉えるようになります。

優秀な人材に選ばれる企業になるためには、CHOを登用することで従業員に対してどのような価値を提供できるかを明確にし、発信することが重要になっています。

人材の流出を避けるためにも、企業側ができる対策として多くの企業が働きがいや福利厚生を充実させ、帰属意識を高めるなど、EVPの向上に創意工夫をしています。

終身雇用制度で定年まで同じ会社に努めるという形式が崩れ、優秀な人材ほど転職してしまう状況にもなっています。

福利厚生や待遇、キャリア形成に役立つ事をEVPとして可視化する事で、従業員への帰属意識が強まり、離職率の低減にも繋がることがメリットとして挙げられます。

「愛社精神は、『正しい行い』で醸成するものだ。」

<マーク・ベニオフ>(salesforce.com創業者)

■最後に
ベイン・アンド・カンパニーとプレジデント社の共同調査によると「やる気に溢れる」社員の生産性は、単に「満足している」社員と比べて約2.3倍高いという結果が出ています。

EVPを推進することで成功体験を共有する社員と経営者の間には、良好なコミュニケーションが育まれ、さらに個々の帰属意識が高まるという好ましいサイクルが生まれることも期待されています。

このように、会社への帰属意識は、必要不可欠なものです。

従業員に対して、「帰属意識をいかに向上させられるか」が、経営上の重要なテーマとなります。

中小企業やスタートアップの場合、事業の成長フェイズや経営状況に応じて要所要所で、豊富な「人的資産」を持つ外部のフリーランス人材を登用し、積極的に活用することがEVPを含めた経営課題の解決に繋がます。

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その中で経営の経験を豊富に持ち、EVPを最大化するための戦略的人事を推進することが可能なCHOやCHROが揃っています。

従業員価値提案を行う際には、EVPを外部の視点から作り上げるCHOのポジションを設置することや、経営戦略と人材マネジメントが融合した戦略人事を行うCHROをCXOとして任命すると非常に効果的です。

CHOやCHROのアサインは、もちろん戦略的人事の立案・実行、人材の要件定義、ビジネスをスケールさせる戦略的な組織作り、人材採用のアウトソーシングなどでお困りの企業様は、是非、KENJINSにお気軽にご相談ください。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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