スタートアップ企業の多くは、ビジネスにおける何かしらの課題を抱えています。そうした経営課題や特定の事業課題に対して、正社員の若手人材では、問題を解決することが困難がケースがあります。
そのような際に、専門的な知識や経験、スキル、人脈に基づきアドバイスや実行支援を行うのが「外部顧問」という存在になります。
顧問には、内部顧問と外部顧問の二つがあり、両者は立ち位置が大きく異なります。
現在、中小企業の経営者やベンチャー企業の起業家の間で、顧問契約を行う会社が増えているのが「外部顧問」になります。
そこで、今回は、外部顧問と何か、外部顧問を活用するスタートアップが増えた理由について解説します。
「なんとなく良さそうなことを眺めている暇はない。考えるべきは、どうすれば最高の成果が出せるかということだ。」
<グレッグ・マキューン>
■外部顧問とは?
外部顧問とは、正社員の採用という雇用契約ではなく、業務委託契約に基づき社外から顧問やプロ人材など、特定の知識や経験を持つ専門家を外部から迎え、経営のアドバイスやサポートを担う、フリーランスの顧問を指します。
外部顧問の特徴としては、大手企業の元役員や部長、有名ベンチャー企業のマネジメント経験者が多く、課題解決に向けたアドバイスだけでなく、実行支援をバックアップして貰えるという点になります。
社内で採用した正社員や内部顧問では無いため、客観的にビジネスの課題や状況を分析しアドバイスをして貰えます。
若手のプロ人材の場合には、アドバイスだけではなく、実行支援の実務を担って貰うことが可能です。
また、必要なときだけ顧問料の相場でアドバイスや実行支援を受けることができるため、コンサルタント会社に高額な報酬を支払うよりも、遥かに費用を安く抑えられるというメリットもあります。
こうしたことから、外部のプロ人材や専門家に「外部顧問」を依頼する企業が増えているのです。
一般的に外部顧問と言うと、特定の専門分野の領域で、これまで培ってきた実務経験や実績を活かし、様々な会社のために発揮しようとする高い志と卓越したスキルや人脈を持ったプロ人材を指します。
■外部顧問の担う3つの役割
1、外部顧問ならオープンイノベーションが課題
外部顧問はもともと社内の人間であった内部顧問に比べると、中立的な立場で物事を判断することができるため、第三者として中立的な立場で助言を行う役割があります。
例えば、社内で何か問題が発生した際、内部顧問に相談をすると、どうしても役員が有利になるような形で対応や対処が決定してしまうこともあります。
ですが、外部顧問であればこういった可能性が低くなるため、会社内で弱い立場にあるといえる従業員の不満を抑えることにもなるはずです。
2、経営者の壁打ち相手になる外部顧問
外部顧問は、経営者に対してビジネスのコンサルティングを行うプロ人材を指します。
外部顧問の仕事内容は、形式的には社長の「相談にのること」ですが、企業を取り巻く様々な事象を整理し、そこから企業活動における経営上・業務上の課題を発見する役割があります。
そして、その課題に対して解決策を提示し、必要時にはその解決策を推進することを支援します。
3、経営上の課題解決のための戦略策定やアドバイス
外部顧問が手掛けるアドバイスやサポートの分野は、様々な内容があります。
具体的には中長期経営計画から、事業ごとの戦略立案などをテーマとします。企業経営に関連する幅広い知識・知見が求められることに加え、顧客企業の業界や社会的なトレンド等の知識も必要です。
また、最近では顧問先により人事、会計、法務、IT技術などの細分化された領域を担当することもあります。
経営者からの相談内容として多いのが、企業の中長期の成長戦略など、会社全体の課題解決に向けた戦略策定支援になります。
その他、新市場参入戦略、新規事業戦略、新製品開発戦略、人事戦略、マーケティング戦略、営業戦略など一部の事業や機能別の課題を扱うプロジェクトまで様々です。
■外部顧問としての働き方
外部顧問と正社員や派遣との大きな違いとしては、外部顧問はあくまでフリーランスの個人事業主という立ち位置になります。
例えば、週1日から週3日の朝10時から夕方5時までなど、働く曜日を限定してかつ時短勤務で、複数の会社に関与するワークスタイルになります。
外部顧問は、正社員や派遣社員の様に、特定の会社1社に専属で所属したり毎日常駐したりするワークスタイルではありません。
ですので、1つの会社で専属で働くのはなく、複数の会社に対してその能力を発揮し課題解決や実行業務に携わります。
例えば、毎週月曜日と木曜日はA社に出社。火曜、金曜はB社、不定期でC社というような関わり方です。
外部顧問は、基本的に依頼主であるクライアント企業のために、その会社の社員の方々と一緒に汗をかき、事業目標の達成や経営課題の解決に一定の責任を持って取り組むプロフェッショナル人材になります。
基本なワークスタイル的には、1社と雇用契約を契約する訳ではありませんので、パラレルワーカーとして複数の会社のプロジェクトに関わるという新しい働き方になります。
■フリーランスの外部顧問へのニーズが高い理由
現在、プロ人材の活用ニーズが最も多いのはビジネスが急拡大したり、外部から資金調達をした成長期のスタートアップや新たに創業したベンチャー企業です。
特に創業間もないアーリーステージでは経営者自らが、人事、総務、経理、マーケティングなど様々な役割を兼務しています。事業が拡大してある規模を超えた時には、これらの分野に精通した人事部長や総務部長といった立場の人材が必要になります。
しかし、社内にはそのような専門性をもった優秀な人材がいない場合がほとんどです。
また、このようなハイスキルで実績豊富な即戦力人材を正社員として採用するためには、1,000万円~1,500万円の年収が掛かり、人材紹介会社を利用する際には、年収の30%~35%の紹介手数料支払う必要など、莫大な人材採用コストがかかります。
このような時、課題解決に必要な期間限定で外部顧問やプロフェッショナル人材を活用すると効果的です。
なぜなら、外部顧問の多くは、大手上場会社の役員クラス、部長クラスの人材になりますので知見が豊富で即戦力人材だからです。
■外部顧問のニーズと可能性
外部顧問としてオンライン会議による定期的なアドバイスや週に何回かの頻度で会社で打ち合わせをしたり、実務経験が豊富で専門性の高い能力を発揮して貰い実行支援を担って貰うことができます。
しかも、コンサルタント会社や正社員の採用よりも安いコストで活用することが可能です。
例えば、こんな外部顧問の活用方法があります。
大企業の人事部門で20年以上の実務経験のあるプロ人材を活用。週に1日~2日程度出社してもらい社内の人事マネジメントを担当してもらう。
正社員であれば年収1,200万円クラスの人材を、プロ人材であれば年間500万円の費用で迎え入れることができます。
そしてそのプロのもつノウハウを社員に伝承していき、社内で人事の責任者を育てあげる事も可能です。
■外部顧問の顧問料の相場
外部顧問といっても様々な業種の方がいるため、それぞれ顧問料の目安となる報酬の相場が変わります。
報酬は、顧問料として月額で支払いを行うことが多くなります。
例えば、以下のように3つの会社と顧問契約を締結するケースもあります。
・A社に毎週月曜と金曜に出社して月額顧問料:30万円
・B社に火曜、木曜に出社して月額顧問料:20万円
・C社に水曜出社で月額顧問料:20万円
という形で、各社の課題解決に貢献できる働き方が実現します。
顧問料は、誰にどの程度の稼働頻度で顧問を依頼するのかによって報酬は大きく異なります。
依頼する内容は、仕事内容や予算によって、調整することによって費用を抑えて依頼することも可能です。
一般的にはスキルが優れていて経験が豊富な顧問は設定されている報酬が高額です。
■外部顧問の仕事のやりがい
外部顧問は、企業の経営層がクライアントであり、経営視点に立って業務を進めます。
・経営課題を解決する達成感を得られる
・多様な業種、規模の企業に関わる
・企業の経営層や優秀な人材と仕事ができる
企業を左右する課題解決に取り組め、論理的思考力や発想力を駆使して、一つの案件で高度な経験を積むことができる魅力的な仕事です。
また、クライアントと一丸となって経営課題を解決できた際には、大きな達成感を得られます。
経営コンサルタントはさまざまな業種・規模の企業を担当することで、広い知識やスキルを身に付けて成長していけるというやりがいもあります。
また、クライアントの経営陣や仲間のコンサルタントといった、ハイレベルな人材や各分野のスペシャリストと仕事をともにできるチャンスもあるでしょう。そうした刺激を受けられる環境であることも、やりがいの一つです。
■年齢に関係なく能力ある個人が活躍できる
外部顧問は、顧客企業の経営層が直接のクライアントになります。
人によってはそれに伴う緊張感が負担になる可能性があります。さらに自身の提案がクライアントの経営を左右するため、大きな責任を担います。
年功序列や終身雇用などが過去のものになった今日、会社が個人をずっと守ってくれることはありません。これからは会社に依存するのではなく自立した生き方をする必要があります。
一方で、現在の労働市場では50歳~60歳など、一定の年齢を過ぎると同じ待遇で転職することは困難な状況があります。
また、起業して新規事業を立ち上げるのは、自己投資や銀行借り入れなども必要になリスクもあるため、そう簡単にはできません。
外部顧問には、情報収集能力やコミュニケーション能力などの高度なスキルと専門知識が必要とされます。
実務などを通して専門性の高いスキルを身に付けクライアントの要求に柔軟に対応できるようになれば、希望する分野の外部顧問として活躍できるでしょう。
外部顧問は、企業のさまざまな課題に対して問題点を洗い出し、分析や検証して解決策を考えます。
そして課題解決のためのプロジェクトを計画し、実行や成功させるまでの一連の流れを業務範囲としています。
■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」は、日々刻々と変わっていく中小企業経営者の皆様の悩みに対して、外部顧問がアドバイザーとして、社長のブレインになり、戦略的な経営パートナーになって、継続的にビジネスを支援しています。
外部顧問に仕事を依頼する場合には、顧問契約することで経営幹部を1人雇用するよりも、安価に課題解決を実現できます。
中小企業においては、今日は人事、明日は販促、明後日は資金調達、というように、解決すべきテーマが変わります。
そんな中小企業が迅速に意思決定して行きながら、会社経営をしていくには、経営者の他にも、全て問題を総合的に考える存在が必要です。
KENJINSは、業界トップクラスのフリーランスの顧問や副業のプロ人材をネットワークしており、長年携わってきた人材ビジネスでの強みを生かし、企業側が業務で求める具体的なニーズとプロ人材として登録頂いた方のスキル・能力および経験・実績などとをマッチングしています。
これにより、顧問やプロ人材の方がその能力やスキルを、複数の会社で同時に発揮して頂くことができます。
働き方が多様化する現在、会社に所属するだけでなく、外部顧問として企業と顧問契約を結んで働くことも新たな選択肢の一つになりました。
年齢を問わず機会がありますので、業務委託と会社員として働く場合との違いを見比べた上で、自分に合った外部顧問のワークスタイルを選ぶようにしましょう。
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