多くの経営者がミッションとして抱えているのは、既存事業と新規事業の両輪で売上を最大化させることです。
経営資源を無駄にしないためには、確度の高い戦略を選定し、確実に成果に繋がる施策を講じる必要があります。
そのために活躍するのが「市場分析」であり、「顧客のニーズを解消するためにはこれが有効だ」という分析ができれば、精度の高いマーケティングを実現できます。
そこで今回、市場分析とは、新規事業やリブランディング時の市場分析のコツについて、解説します。
■市場分析とは?
市場分析とは、市場をさまざまな客観データにより理解し、業界全体の売上規模が現在、どの程度あり、将来に渡ってどのように成長するかを分析することです。
新規事業を立ち上げたり、リブランディングを行う際には、市場を知ることと、自社商品と市場の関係性を理解することが重要になります。
市場分析の目的は、商品開発や事業戦略、マーケティング活動に合理的根拠を得ることだと言えます。
市場規模の捉え方が世間と乖離していると、正しい需要と供給予測を立てることができなくなったり、競合とすべき会社を捉えることが難しくなったりします。
こういった事態を回避するためにも、市場分析を通じて正しい市場規模を把握する必要があるでしょう。
■市場分析を投資家に共有する大切さ
スタートアップの場合、経営陣が市場分析を行い、マーケットの動向を感覚的に理解していることが多いです。
ですが、個人投資家やベンチャーキャピタルの担当者には、スタートアップの起業家から事業計画のプレゼンを聞いただけでは、投資判断が直ぐに出来ない可能性があります。
そのような際に市場分析によって、投資家はさまざまな情報を得ることができます。
・顧客のニーズがわかる
・自社の参入すべき分野がわかる
・市場の将来性を分析できる
市場分析を実施することは、顧客を知ることでもあります。
つまり、「実は商品のこんなことに困っている」といった課題を見つけることが、市場分析において大事なのです。
銀行のからの融資や投資家からのエクイティ投資を行う際にも、市場分析の経緯や結果をステークホルダーに共有し、理解を深めることも必要になります。
■市場分析を行う3つのシーン
1、新商品や新規事業を立ち上げる時
市場分析を行うのは、商品開発の方針や事業戦略を決定する時になります。
市場分析を行うことで、競合とは違う価値を自社が提供したり、ターゲットをずらして特定の市場を独占したり、様々な戦略を考えられるようになります。
その際、市場分析と同時並行で顧客の課題を知ることで、新しいプロダクト開発や既存プロダクト改善のためのヒントが得られます。
リーンスタートアップでもローンチ後に、顧客から直接話を聞きイノベーションに繋げることが大切になります。
2、ポジショニングの再検討が必要な時
成長を続けて一定の実績を残してきた企業であってもライバルとなる企業が現れることは良くある話です。
そのようなタイミングにおいては、「ポジショニング」を構築するために、競合調査を行うことも必要になります。
「なぜその価値を提供しているのか」「どうして競合は顧客から選ばれているのか」このように突き詰めて考えることで、本質的な理解が得られ自社が取るべき戦略に結び付きます。
3、ブランディングを強化する時
ビジネスが停滞している際には、これまで蓄積してきた付加価値を棚卸し、「ブランド価値」を再定義する作業が必要になります。
現在の市場はどんな状況か。そのなかで自社あるいは自社の商品・サービスの価値はどこあるのか。
それらを正確に分析することで、リブランディングの方向が決まります。
■市場分析で把握する必要がある内容
を行うにあたり、まず知るべきデータは「市場規模」、「市場動向」、「顧客の動向」の3点になります。
1、市場規模の把握
市場規模とは、ある事業分野における市場の大きさ(取引額や販売数量)を指します。一般的には、業界全体の年間売上高がその業界の市場規模と定義されています。
この市場規模を分析しておくことで、売上予測や市場の動向を把握することが可能になります。
既存商品の場合は、官公庁や業界団体が発行する資料でデータが得られます。新しい商品で市場規模がわからない場合は、自社と競合他社の売上など、入手できるデータから推計します。
市場規模やその背景要因となる、市場環境や競合他社の参入などを知ることは、今後の見込み売上や見込み需要の判断材料となります。
そのため、新規事業を始める際や新商品を開発する際などは、適切な市場規模の把握が特に重要です。
2、市場動向の把握
市場でいま何が起きているのか、何が売れていて何が売れていないのか、どのようなトレンドが汲み取れるのか、市場動向を調べることによって得られる情報は、どれも経営戦略の立案やマーケティング計画を構築する上で欠かせないものです。
市場動向とは、時系列で市場を観察したときにみられる傾向のことで、市場が拡大しているか、縮小しているかが重要です。
ほかに競争が激化しているのか寡占化が進んでいるのかといった動向も知ることができます。
優れた施策を講じるためには、以下を把握し、明確化する必要があります。
・何が課題なのか?
・なぜこの課題が存在するのか?
・本当に解決すべき課題なのか?
・解決したときにどんな効果があるのか?
市場動向から顧客の本当のニーズやウォンツを探り出し、競争力の高い商品開発へと繋げることで、売上アップのための切り口を見つけることができます。
3、顧客の課題やニーズの把握
業界を問わず、最小の努力で最大の成果を生み出す営業の方程式は、「顧客の課題に対し、自社商材の強みを訴求する」のが鉄則となっています。
なぜなら、いくら商材に強みがあっても、顧客が課題を感じていたり、解決したいと思っている問題に結びつかなかったりすると案件化すらしないからです。
営業における顧客課題の5つのポイントは以下になります。
・問題とは、解決する必要のある顧客ニーズや期待するウォンツである。
・課題には、課題が生まれる原因や現状、そして解決する必要性が存在する。
・どの企業も、様々な課題を抱えており、課題がないということはあり得ない。
・企業企業には、業界を問わず、顧客が解決したい課題には優先順位がある。
・ビジネス課題は、人や役割、立場により知識・認識・意識が異なる。
■市場分析のフレームワーク
市場分析は、事業の成功に貢献するだけでなく、失敗した際の被害を最小限に抑える上でも有効です。
市場分析が必要な理由としては、主に次の3点が挙げられます。
・マーケティングには正確な市場情報が必要であるため
・効率良くマーケティングを実践するため
・正確な経営判断を促すため
PEST分析をしておくと、国の動向や世の中のトレンドに合わせて事業を展開することができます。
PEST分析とは、以下4つの観点からマクロ環境を分析するマーケティングフレームワークのことです。
・Politics:政治的要因
・Economy:経済的要因
・Society:社会的要因
・Technology:技術的要因
自社ではコントロールできない外部的要因を分析することがPEST分析の役割です。
最近であればテレワークの推進に伴い、オンライン会議が爆発的に普及しましたが、まさにそれもマクロ環境のトレンドによるものです。
マーケティングはこのような外部環境の変化による影響を受けやすいため、市場で勝ち抜いていくためには、市場分析によりいち早くマクロ環境を分析し、それに合わせて戦略を見直していくことが重要です。
■まとめ
市場規模の捉え方が世間と乖離していると、正しい需要と供給予測を立てることができなくなったり、競合とすべき会社を捉え、自社の強みを活かした差別化戦略を推進することが難しくなります。
自社の強みを活かすためには、競合が実現できていないことを他社に先駆けてやる必要があります。
ライバルが得意とする分野で勝負を仕掛けてしまうと、すでにブランドを構築し、マーケットシェアを有している競合の方が有利であることは自明です。
こういった事態を回避するためにも、市場分析を通じて正しい市場規模を把握したり、実際に営業活動を行いながら、顧客からのフィードバックを受ける体制を構築する必要があるでしょう。
自社の強みを活かせる市場を選択した上で、得意領域を最大化できる相性の良い顧客層を探し出し、ポジショニングの構築とシェア獲得に向けて、効果的なマーケティング戦略を立てましょう。
「ベンチャーのマネジメントは、外へ出て行かなければならない。市場に出かけ、顧客やセールスマンと時間を過ごし、見たり、聞いたりしなければならない。」
「ベンチャーが成功するのは、多くの場合、思いもしなかった市場において、思いもしなかった顧客が、思いもしなかった目的のために買ってくれることによる。」
<ピーター・ドラッカー>
■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、これまで様々な企業や業界で、数々なプロダクトの開発や、新規事業を立ち上げ、グロースした経験を有するフリーランスの顧問や副業のプロ人材が5000人以上集結しています。
業界トップクラスの知識・経験・人脈・スキル・ノウハウを持つフリーランスの人的資産を武器に、顧問契約をベースにクライアント企業の新規事業をマーケティングとセールスの両輪で実行支援することで、スケールアウトさせます。
KENJINSは、「顧客の創造」を実行支援することを最大の強みとし、アナログとデジタルを活用してどのように事業を成長させるのかを共に考え、ともに歩む帆走型のパートナーとしての立ち位置になります。
マーケティング戦略の立案・実行、新商品開発、新規事業の立ち上げなどでお困りの企業様がいましたら、CINOやCBO、CSOなどハイクラスなCXO人材が豊富に在籍しているKENJINSにお気軽にご相談ください。
マーケテイング戦略を推進する顧問やプロ人材のアサインなら、KENJINS
https://kenjins.jp/lp/subscription/