ピポットとは?プロダクトの仮説を検証した後のピポットのコツ

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

新しいプロダクトの開発に挑むベンチャー企業や革新的なサービスを創造を目指すスタートアップ企業であれば、ビジネスモデルや商品を「ピボット」する必要性は、大なり小なり必ず訪れます。

リーンスタートアップの観点で仮説・検証を小さく繰り返せば、繰り返すほど、その頻度も高くなります。しかしながら、どのような方向性で商品やサービスのピポットを行えば、良いのか分からなくなることもあります。

そこで今回は、ピポットとは何か?プロダクトの仮説を検証した後のピポットのコツついて解説します。

■ピポットがビジネスモデルの昇華に繋がる理由
起業家として新規事業の立ち上げを真剣に考えているならば、そのアイデアの検証のために「実用最小限の製品」をできるだけコストを掛けずにスピーディに作り上げることです。

なぜなら、仮説が正しいと実証されれば誰も文句を言わないし、もし仮説が否定されれば、テストの結果として得られた貴重な実体験を活かし、自社の商品や市場を見直すために軌道修正を行い前向きなピポットすることが可能だからです。

ユーザーからの反応が良くない場合は、価値を再定義したり、何度もこのサイクルを高速で回転させて行くことで、新規事業の成功確率を高めていくことができるのです。

■ベンチャー企業のピボット戦略とは?
ピボットは、検証学習に基づき、スタートアップの焦点の一つの領域における変更することを指します。ピボットとは軸足を定めた上で、方向転換をすることです。

スタートアップにおいてはアイデアの特定の部分を軸足に、それ以外の部分を変更することを指します。

ピボット戦略の目的とは、企業の経営状況を客観的に分析し、提供しているサービスやプロダクトの方向転換を図ることになります。

本来、ピボットは、やり直しよりも遥かに定義の範囲が狭く、仮説に基づきマーケットへのプロダクトへの投入後に、ユーザーによる検証を行った結果、学んだことを基に始める行為を指します。

恐らく半数以上のスタートアップは、何かしらのピボットを経験しているはずです。

シリコンバレーでは、大規模な資金調達を何度も行っている話題のスタートアップでさえも、その多くがピボットを経験して今のアイデアに辿り着いています。

■ピポットと行う際のポイント
ピボットを行う際は、それを有意義なものにしなければなりません。

ピボットの必要性が生じるタイミングとしては、事業戦略における「仮説を立てる」「実行する」「仮説と実行の結果を検証する」という3つのプロセスを追求できた時期が1つの目安です。

効果的なピポットを推進するためには、

・なぜ、ビジネスモデルの構築に失敗したのか?
・他に講じることのできる施策はないのか?
・どのように事業を展開していれば良かったのか?
・仮説に無理な点はなかったのか?

などの観点から徹底的な検証を行うことが望ましいです。その上でピボットするかどうか判断しましょう。

ベンチャー企業にとって、競争相手の少ないニッチな市場を見つけることは生き残りの鍵となります。

■どこまでのピポットなら許容範囲なのか?
特定の事業領域で製品を売り出し、顧客へのヒアリングを行ったり、利用動向を探っていたりしたときに、実は当初課題だと思っていたことが、それほど大きな課題ではなく、むしろ課題は別のところにあったことに気が付く場合があります。

しかし、日本のスタートアップでは、「軸足となるビジョンを変えない」というピボット本来の制約から離れ、顧客の変更を含めて現在とは大きく異なる事業に取り組むピボットも少なくありません。

上手にピボットを活用すれば、同一プロダクトでもターゲットや対象市場を変更することで、自社の存在意義を見つけることもできます。

■ピポットの10つの種類
主要なピポット10種類を理解すれば、思い通りにプロダクトが市場に浸透しない時でも焦ることなく、臨機応変に対応することが可能です。

1、Zoom-in pivot / ズームイン・ピボット
ズームイン・ピボットは、これまでプロダクトの一部の機能であったものを、プロダクトそのものに変える手法です。

リーンスタートアップでいうMVPの概念に近く、迅速かつ効率的に提供できるプロダクトに「フォーカス」することです。

2、Zoom-out pivot / ズームアウト・ピボット
ズームアウト・ピボットは、今のプロダクトの機能では、顧客のニーズや課題をカヴァーしきれない場合に、それをより大きなプロダクト全体の一部の機能に変える手法です。

3、Customer segment pivot / 顧客セグメント・ピボット
顧客セグメント・ピボットは、ターゲットユーザを最適化するために、ペルソナを変更する手法です。

課題とソリューションに対する仮説が当初想定とは異なるペルソナで検証できた場合や、よりサービスをグロースさせるためにペルソナ像を拡大・追加したりする場合に行います。

4、Customer need pivot / 顧客ニーズ・ピボット
顧客ニーズ・ピボットは、プロダクトによって解決する課題が顧客にとってさほど重要でなかったり、ソリューションに対してお金を払う意思が確認できなかった場合に、顧客そのものの見直しや課題・ペイン・ニーズの再検証を行う手法です。

5、Platform pivot / プラットフォーム・ピボット
プラットフォーム・ピボットは、アプリケーションをプラットフォーム化するか、もしくはその逆を行う手法です。

多くの場合、プラットフォームそのものはソリューションにはならず、単一のアプリケーションのみがソリューションになりえます。そのため、まずキラーアプリケーションを生み出し、その周辺のビジネスをプラットフォーム化します。

6、Business architecture pivot / ビジネスモデル・ピボット
ビジネスモデル・ピボットは、ビジネスモデルを「高利益・低ボリューム」から「低利益・高ボリューム」に変更するか、もしくはその逆を行う手法です。

多くの場合、利益とボリュームを同時に追求することはできません。

7、Value capture pivot / 収益モデル・ピボット
収益モデル・ピボットは、広告収益、フリーミアム、手数料など、レベニューの発生方法を変更する手法です。

8、Engine of growth pivot / 成長エンジン・ピボット
成長エンジン・ピボットは、その名の通り成長エンジン(スティッキー・エンジン;粘着型、バイラル・エンジン;ウイルス型、ペイド・エンジン;支出型)を変える手法です。

9、Channel pivot / チャネル・ピボット
チャネル・ピボットは、販売チャネルまたは流通チャネルを変更する手法です。

10、Technology pivot / テクノロジー・ピボット
テクノロジー・ピボットは、その名の通り、全く新しい技術を使用して同じソリューションを実現する手法です。

■まとめ
ピポットとは、新たな仮説を検証するために、プロダクト、ビジネスモデル、マーケティング・チャネルなどの方向転換を行うことを指します。

最近は、このピボットをどれだけ素早く、数多く行えるかが、スタートアップ成功の秘訣の1つとまで言われるようになっています。

スタートアップの活動は、以下の3つから構成されます。

1.アイデアを顧客に届けられる製品にすること=構築
2.製品を使った顧客からの反応を計測すること=計測
3.計測したデータから方向転換するかどうかを学ぶこと=学習

この3つの活動を繰り返し繰り返し行うことで、正解に近づけていくのがリーン・スタートアップです。フィードバック・ループの繰り返しを、素早く、無駄なく、回転させることこそが、リーンスタートアップの肝になります。

「誰かから『いいね』と認めて貰う前に、アイデアは実行に移さなければいけない。試されないグッドアイデアよりも、試したみたバッドアイデアの方がよっぽどましである。アイデアは使えば使うほど人から認められるものだ。」

<ポール・アーデン>クリエイター

■最後に
「価値仮説」と「成長仮説」を検証していく中で、学びの中から間違いに気付くことがあります。その時に行うのが「ピボット」になります。

ピボットとは、経営ビジョンを変えず、製品のチューニングだけでは改善しない場合に行う戦略の方向転換を行うことを意味します。

「自社の商品やサービスに自信を持って営業(経営者の場合には経営)をしていますか?」このような設問に対して、経営者の回答は「はい」が76.2%、「いいえ」が11.3%、「どちらともいえない」が12.5%となったアンケート結果があります。

つまり、8割近くの経営者が、「自分たちはいいものを売っている」という自信を持っていると言えます。

スタートアップの新規事業の立ち上げや新たなビジネスの成功には、仮説を検証するための「テストマーケティング」を兼ねた、アーリーアダプターを新規開拓する営業活動も大事になると言うことです。

マーケテティングや営業活動後に、競争優位性が低すぎることが判明した場合やニーズが全く無いという場合に、ターゲットとなる「顧客の声」を踏まえたピボットも可能になります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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