人材の流動化が進む中で、授業員の早期退職を防ぐためには、従業員の「キャリアパス」を見直すことから始める必要があります。
そのため、近年では、従業員の成長を後押し、より強固な組織体制を築くために「キャリアパス制度」を取り入れる企業が増えています。
ですが、目標とするキャリアに到達するためには、会社から与えられたキャリアパスを期待するだけなく、ビジネスマン1人1人が自身の適性を把握し、自身が将来にどんな仕事をしたいか計画し「キャリアプラン」を描くことが重要になっています。
そこで、今回は、キャリアパスとは、目標に辿り着くためのキャリアパス作りのコツについて解説します。
「僕は毎日同じ質問を自分に投げかける。僕がするべき一番重要なことは何だ?」
<マーク・ザッカーバーグ>
■キャリアパスとは?
キャリアパスとは、目標とするキャリアに辿り着くために必要なスキルや経験、ステップを踏む順序などを示す「道筋」を指します。
英語でキャリアパスは、「Career Path」と表記されます。日本語で「キャリア」は「職歴」を意味し、「パス」は「道」を意味しています。
つまり、キャリアパスは仕事における最終的な目標を定め、そこに向かって進んでいくためのプロセスを表しています。
キャリアパスについて語る際のキャリアは、単なる仕事の経歴ではありません。
人材として高い価値をもつと判断されるような職歴を意味することが多くあります。
現代は変化が激しい時代であり、外的要因でキャリアを変更しなければならない場合もあります。
■キャリアパス制度とは?
企業によってはキャリアパスの指標を明確に定め、社員に提示している場合もあります。
「◎◎のスキルや実績があれば、△△ポジションに昇進できる」というように、昇進・昇給のための明確な基準を設けた人事制度を「キャリアパス制度」といいます。
キャリアパスについて考えるためには「企業内でどういった業務経験を積むのか」「どれほどの能力を身につければ、目標とするキャリアに到達できるのか」という指標が重要です。
企業によってはキャリアパスの指標を明確に定め、社員に提示している場合もあります。
ただし、キャリアパス制度を取り入れるうえで注意すべきなのは、企業が一方的にキャリアパスを押しつけてはならないということ。企業と従業員がお互いの考えを理解したうえで、道筋を示すことが重要です。
更にひとつのキャリアパスに絞るのではなく、複数の選択肢を用意しておけば、従業員はより自身のキャリアプランを描きやすくなります。
多様な働き方が存在する現在、キャリアパス制度を上手く活用すれば、従業員をスムーズに成長させることができるでしょう。新入社員が将来的に、企業の経営を支える重要なポジションへと成長する可能性もあります。
■キャリアパスとキャリアプランの違い
キャリアパスとは、企業が従業員の目指すべき目標を定めた上で、そのゴールに到達するための道筋を考えるものです。
一方でキャリアプランは従業員自身が将来にどんな仕事をしたいかを計画したものになります。
両者の共通点としては、目指す道が明確になることで、日々の業務もその目標に近づくための工程だと捉えることができるようになります。
また、その目標に到達するために、自分に不足していることを具体化することができ、目標達成のために何を学び、経験しなければならないのか把握できるので、個々が前向きなモチベーションを保ったまま働くことができる様になります。
■キャリアパスが注目される背景
これまでの日本では終身雇用制度や年功序列制度が一般的でした。年齢によってポジションや給与が決められるこれらの制度が適用されている時代では、従業員はキャリアを自身自身で設計する必要がありませでした。
終身雇用を期待するのが難しくなっている現代だからこそ、キャリアパスは特にしっかりと考える必要があります。日本人の働き方に大きな変化が訪れているため、個人と企業の両方が意識を変えていかなければなりません。
なぜなら、現在は働き方が多様化しているからです。転職が当たり前となり、”ひとつの企業に定年まで留まりキャリアを積む”というケースが減少しました。
個々人が自分のキャリアを選び、経験を積んでいく時代になったのです。
こういった背景から、従業員一人ひとりがキャリア目標を定め、目指すべき道筋を明らかにする「キャリアパス」が重要視されるようになったのです。
自分自身が望む働き方を実現するには、一つの会社で定年まで働くことの意味合いが薄れており、サバイバル時代を生き抜くためには、転職やフリーランスという選択肢も視野に入れておいた方がよいでしょう。
特に外資系企業は実力主義である場合が多いです。外資系企業での活躍を目指すなら、常にキャリアパスを意識して豊かな経験や高いスキルを積む必要があります。
■キャリアプランとは?
キャリアプランとは、自分が今後どのような経歴を積み上げていくかを考える中長期の行動計画のことです。キャリアプランは、転職や独立などを含めたキャリア全体の指針にもなります。
これまでの日本型社会では、終身雇用制度が一般的でした。
しかし「終身雇用制度の崩壊」「人材の流動化が促進」など社会に大きな変化が生じています。
その結果、労働者はキャリアについて自ら「目標を持つ」「計画を立てる」など、キャリアプランを自分自身で考える必要性が高まったのです。キャリアプランがあれば、自身の将来像の実現を最終目標に設定しながら目的意識を持って仕事に臨むことができます。
「何のため」「誰のため」に仕事をするのかが自分の中で見えていれば、仕事に対するモチベーションも高まるでしょう。キャリアプランによって中長期的な目標が設定できれば、実現のために必要な中間目標や短期的課題が明確になるのです。
キャリアプランを描くには、仕事や働き方など自分の将来の理想像をはっきりさせておく必要があります。
そこから逆算して、必要な経験・知識やスキルを把握し、具体的な行動にまで落とし込んでいくステップが必要になります。
キャリアプランを描き、経験やスキルをしっかりと身につけておけば、今後の予期せぬ変化にも対応しやすくなります。キャリアプランに沿って計画的・主体的に行動していくことは、不安定な時代を生き抜く、重要な軸となるのです。
■キャリアデザインとは?
キャリアデザインとは、将来なりたい姿を実現するために、職業人生を設計することです。
具体的には、「何年目までにどんな役職に就いておきたいのか」「何歳までにどんなスキルを身につけるべきなのか」といった細かい将来設計を立てていきます。
キャリアデザインとは、仕事を通じて将来自分がなりたい姿、実現したい目標を定め、プライベートを含めて行動指針を設計することです。キャリアデザインは、自分らしい働き方を考えるきっかけになります。
プライベートや価値観なども含めて主体的に仕事を捉え直すことで、仕事に対する取り組み方を変えられます。
単に職業、目標とする給料・役職などではなく、価値観やライフスタイルまで含めて設計することが特徴です。
キャリアプランと意味は似ていますが、もともとは定職に就いていない人の支援のために使われていた言葉であり、仕事を通して、人生をどんな道筋で歩んでいくか考える際に使用される言葉です。
理想像の実現だけでなく、人生全体の理想実現に向けて自らが主体的に関わっていくための行動計画を指します。
キャリアデザインは職業人生の節目に行われることが多く、「5年ごと」「昇格後」「定年前」など企業によってタイミングはさまざまです。
キャリアデザインは、仕事に就いていない人に対しても用いられます。大学生など将来のキャリアプランが思い付かなくても、焦る必要はありません。
その際は、「wil」「can」「must」といった3つのフレームワークを使ってキャリアプランを考えていきます。
・仕事で何を実現したいか、という「will」
・実現のために何ができるか、という「can」
・実現に向けやるべきことは何か、という「must」
それぞれのフレームワークを極められれば、それが自身の理想像になるでしょう。
■キャリアパスの3つの策定方法
キャリアパスは具体的のどのように策定したらいいのでしょうか。具体的なキャリアパスを立てれば、目標に到達するための道標とすることができます。
そのため、仕事における自己実現に大きく近づくことができるでしょう。もちろん、そのためには現状に甘んじず常に努力する姿勢が必要です。
キャリアパスは、将来の目標を設定するとともに、自分の現状を明らかにしながら策定していきます。キャリアパスの策定は、仕事に取り組むうえで重要なものです。
特にこれまで明確なキャリアパスを意識してこなかった場合は、一度しっかりとキャリアパスについて考えてみるとよいでしょう。ここでは、具体的なキャリアパスの策定方法について紹介します。
1、具体的なゴールを設定する
キャリアパスを策定するときは、最初に具体的なゴールを設定しましょう。キャリアパスは目標に向かうための道筋なので、まずは目標をはっきりさせることが重要です。
ゴールは他人から「すごい」と言われるようなものでなくても構いません。
たとえば、将来的に仕事よりも家族を優先して生活したいのであれば、高い役職に就くことよりも長く一定の仕事を続けることを目指してもよいでしょう。
キャリアパスのゴールは、自分の価値観や考えを大切にして決める必要があります。
2、自分の適正を把握する
キャリアパスについて考える際に、自分自身の適性を理解することも大切です。例えば、人の上に立って指示を出すマネジメントが得意な人もいれば、ひとりで地道に作業に取り組むのが向いている人もいます。
一般的に理想とされる目標を目指すこと自体は問題ないのですが、それが自分に合っていなければゴールを目指すのは難しいでしょう。
自分の適性に合わせることにより、実現の可能性が高いキャリアパスを描きやすくなります。
3、自分の市場価値を把握する
キャリアパスの策定においては、市場価値も意識する必要があります。希望に合った転職をするためには、自分自身の市場価値をできるだけ高めておきたいところです。
転職では即戦力が求められるため、単に熱意があるだけでは採用されるのは難しいでしょう。現状での自分の市場価値を把握しつつ、将来的なゴールに向かうためにはどのような経験やスキルが必要か把握するようにしましょう。
転職を検討する際にも、応募先の企業がどのようなキャリアパス制度を導入しているのか確認してみることも大切です。
■企業側から見たキャリアパス
キャリアパスは個人にとってだけでなく、企業にとっても大きな意味をもっています。従業員がキャリアパスを意識して仕事に取り組めば、企業にもさまざまなメリットがあるからです。
キャリアパス制度をうまく利用するには、企業側から見たキャリアパスとはどういうものなのかも理解する必要があります。企業側から見たキャリアパスのメリットについて説明します。
1、従業員の能力アップに役立つ
キャリアパス制度によって昇進の要件を明確にすれば、従業員はそれに向かって日々の業務に取り組むことができます。具体的な目標をもてるので、スキルの向上にも意欲的になるでしょう。
キャリアパス制度は従業員のモチベーションのアップも期待できます。これにより、高い目標意識を持った従業員を育成することが可能です。
その結果、優秀な人材が増えて、企業の業績にも貢献できるようになります。
2、入社後のミスマッチ防止/優秀な人材の確保
あらかじめキャリアパスを提示することで、従業員は入社前から自身のキャリア目標を描きやすくなります。
その結果、入社後のミスマッチの防止や、キャリアに適した優秀な人材を確保することができるでしょう。
キャリアパス制度を導入している企業は、より計画的な採用ができます。
採用の時点でキャリアパスの要件を示せば、候補者とのミスマッチを防ぐこともできるでしょう。
3、従業員の定着率アップ
従業員本人が活躍できる場所に人員配置できることから、ワークライフバランスが整うようになり、結果的にプライベートが充実。それが定着率アップにも繋がります。
キャリアパス制度を導入していること自体に、よい印象を抱く人も多いです。これは、人材の定着のためにも重要なことだといえます。人材が定着すればチームとしてのまとまりも維持しやすいので、より高い成果が期待できるからです。
従業員のモチベーションアップや、適切な人員配置により、生産性が向上。会社全体の業務レベルがアップし、最終的に業績アップへと繋がるでしょう。
■スキルを獲得するための勤勉をする
キャリアパスは、1年や2年程度の短期的な目標や5年や10年といった長期的な目標によって構成されています。
また、長期的な目標でも細かく定期的な目標を設けており、1つの目標を達成したとしても成功ととらえるのではなく、振り返りを実施して反省点を見つけ、また新しい計画を立てるようにしましょう。
キャリアパスの実現に向けて、社員自身が自ら新しいスキルや知識を獲得するための努力は必要不可欠です。
キャリアパスの目標は、より高いスキルや役職を設定するものなので現在よりも能力を磨く必要は当然のことです。
また、目標とするゴールによって蓄積しておくべきスキルや知識、必要とする経験は異なります。そのため、キャリアパスを達成する際は、どのような知識やスキル、経験が必要なのかを整理したうえで、計画的に成長していくことが大切になってきます。
■まとめ
企業がキャリアパスを設定することで従業員自身のキャリアアップを望むことができますが、それはきっかけにすぎません。働き方が変化している現代においては、キャリアパスを意識して計画的にキャリアを積み上げる必要があります。
転職も当たり前になっている昨今では、転職に成功するために市場価値のある人材を目指すことも重要です。
キャリアパスは、主に企業側が従業員に提示するものです。ある職位・職務に到達するまでの道筋を示したものであり、基本的には一企業のなかで働き、成長することを前提としています。
これに対し「キャリアプラン」や「キャリアデザイン」は、働く一人一人が自分自身で考えるものであり、一つの企業のなかだけにとどまるものではありません。
若い世代のための自己啓発のように考える人もいますが、キャリアデザインは全世代で適応可能です。実際、高齢期のキャリアシフトを検討する際にもキャリアデザインは使われます。
キャリアデザインが注目されるようになった背景には、終身雇用を前提とした年功序列制度が当たり前ではなくなってきたこと、成果型の評価制度にシフトしてきたことが大きく影響しています。
現在、日本でもジョブ型の雇用システムを採用する企業も増え、勤続年数よりもその人が持っているスキルや仕事の成果がより重視される仕組みに移行したことで、キャリアデザインが注目されるようになりました。
キャリアプランは「人生において職歴を形成していく計画」を意味し、転職や独立するという選択肢に含まれます。またキャリアデザインは、仕事のみならず「プライベートも含めた生き方を設計すること」を意味します。
「今の会社で実務的なスキルや知識を身につけ、将来はさらに大きな仕事にチャレンジできるフリーランスに転身する」といったことも、キャリアデザインのひとつの考え方と言えるでしょう。
■最後に
終身雇用、年功序列の廃止により人材流動が激しくなり、企業は即戦力としての人材を常に求めています。
一方でワーク・ライフ・バランスを重視する人や仕事よりプライベートを優先する人など、働き方に対する考え方が多様化しました。
人生100年時代と呼ばれる現在、フリーランスとして定年とは無縁の世界で働くことを希望するビジネスマンが増えています。
自己実現のひとつとして働くためにも、キャリアデザインによって仕事の意味を問い直すことが大切になっています。
現役世代の時期から「キャリアデザイン」を意識し実行していくことで、自分に合った働き方を見つけることが可能になります。
政府による高齢者の職業マッチング事業も広まっていますが、知識・経験・スキルや人脈が無い場合、ブルーカラーとして体を動かす仕事が多く高齢になるほど条件の良い職場は限られてくるのが現状です。
ですが、自分自身のこれまでの経験を振り返り、「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」の3つの輪で整理し、その重なりを大きくしようとすることで、自主・自立的にビジョンを描き、フリーランスの仕事をしながら成長していこうという姿勢を身に付けることができます。
「キャリアデザイン」の形成は、一時的な仕事を獲得するためでなく長期的な視点で自身のスキルを武器に、どのように働いていきたいか、どう生きていきたいかというように人生全般に通じるものとなります。
そのため、長期的なビジョンを持ってキャリアデザインを考える重要性が増しているのです。
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