本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「エベレストよ、今回は私たちの負けだ。だが、必ず舞い戻って登頂してみせる。
なぜなら、山はこれ以上大きくならないが、私はもっと成長できるからだ。」
ニュージーランドの登山家<エドモンド・ヒラリー>
超専門特化が進むスタートアップ界隈においては、特定の知識や経験の深さだけでなく、様々なビジネスに携わった幅の広さ「レンジ」を持つ「T型の人間」が創造的破壊を生み出す人材になると評価されています。
その理由は明確な業界のルールが無く、戦国時代さながらに群雄割拠で覇権を争うベンチャーの世界では、事業課題解決やアイデア発想時に、「幅広さ」が専門特化の知識からは得られない洞察を生み出すからです。
専門領域に特化することは大事ですが、不確実性の高い起業家とっては、あちこち寄り道をしながら経験を積む方が成長の原動力になるものです。
会社経営は全てが実験であり、経営者は仮説と検証を経て改善を図り、ビジネスモデルを最適化し、自らの物語を変化させて行くのです。
ゴールに繋がる点と線を結び付ける幅広い経験を積んでますか?
<本田季伸>
■T型人材とは
T型人材とは、2つの側面を持つマルチタレント人材です。
1つは、T文字の縦の線のように自分の核となる深い専門知識でクリエイティブプロセスに貢献する側面を持っています。
工業デザイナーや建築家、社会学者、ビジネススペシャリスト、機械技師など、様々な業界のあらゆる人々に当てはまります。
2つ目の側面は、T文字の横線のようにコラボレーションによって自らの専門外の知識や技能を広げることができる人になります。
これには、他人の視点に立って物事を考える共感力を発揮し、周囲の人の専門性にも強く興味を持つことが重要になります。
つまり、T型人材とは奥深さと、広さを併せ持つ人を指しており、幅広い知識や経験を持つTの横棒の部分のゼネラリストであると同時に、何か1つ専門分野を持っている起業家人材だと言えます。
「T型人材」は、Tの縦棒の部分の人間のことを指す造語です。
語源としては、アルファベットのTの文字のタテ棒を専門性、ヨコの棒を視野の広さに見立てて、このように呼ばれています。
実はグーグルなど海外ユニコーン企業の多くが、この「T型人間」を採用基準の一つにしていることも公表されています。
革新性のあるスタートアップの起業家としてイノベーションを起こすためには、T型人間の要素を持っている人が適していると言えます。
幅広い知識から自分の専門分野で活かすためのアイデアを得て、新しい概念を創造する人のことだからです。