女性活躍推進法とは?企業に女性管理職や女性リーダーが必要な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 働き方改革   パーマリンク

女性活躍推進法が制定されてから各企業が積極的に女性管理職を増やしたことにより、その割合は少しずつですが増加していっています。

しかし、まだ日本では、他の先進国とは比べものにならないレベルであることは、現在でもあまり変わりありません。

そこで今回、女性活躍推進法とは?企業に女性管理職や女性リーダーが必要な訳について解説します。

■女性活躍推進法とは?
女性活躍推進法とは、企業に対して女性が働きやすい環境づくりを求める法律です。

この法律では「女性労働者の採用や昇進などの機会を促進すること」が基本原則です。これは、301人以上の企業に対しては実施義務、301人以下の企業には努力義務が課せられています。

つまり企業の規模に関わらず、意識的に「女性に昇進の機会を与える」ことを行わなければならないのです。

女性活躍推進法では女性管理職比率を30%に増やすという目標が定められており、企業には指導的立場の女性を増加させることが求められています。

女性管理職比率とは何かご存知でしょうか。海外では日本よりも早くから女性管理職登用に力を入れ、明確な数値目標に取り組んでいます。

また、性別ではなく、能力評価、成果主義に重きを置いてきたことも要因の一つだと考えられます。

女性リーダーは企業にも好影響を与えます。フィナンシャル・タイムズ紙によると、組織内に女性リーダーが30%以上いる企業は、そうでない企業と比べて、純利益率が最大6%ポイント高い傾向があります。

その理由としてはチームに多様性を持たせることで、ビジネスの成果が向上したと見られています。女性リーダーは、世界のさまざまな組織でポジティブな効果を生んでいるのです。

■女性管理職が思うように増えない理由
40代の転職マーケットが本格化し、日系企業も外部からの管理職採用をスタートしたのはここ数年です。

一方、外資系企業には終身雇用制度という概念が低く、経験者採用がスタンダードであることから、女性管理職の登用方法のみが異なるのではなく、そもそもの文化的背景が起因していると考えられます。

企業は、男女関係なく仕事や成果で評価することに加えて、管理職に起用した際の理由を社員に明確に伝えることが必要です。目指す姿、管理職のあるべき姿の共通認識をもつことも大事な要素になります。

CSRの一環や表層的な数字目標ではなく、女性管理職やダイバーシティ採用の必要性を、経営層が本当に理解して登用すべき時代が到来しています。

女性の幅広い登用について、古くは女性個人の権利のためという意識が支配的でした。しかし近年では、組織や社会全体に対してメリットが大きいことが分かって来ています。ポジティブ・ロール・モデルと多様性がキーワードになります。

■企業にとっての女性管理職を登用する6つのメリット
厳しい現状や会社環境に対する女性の思いが見えましたが、ここからは企業にとって女性を管理職に登用することのメリットにはどんなものがあるのか、考えてみましょう。

1、観察眼を活かしたコミュニケーション能力
まずは対外的な交渉や社内の対応でも必要となるコミュニケーション能力は、女性の得意とするところ。部下の現状把握やメンタル面のケアができるなど、観察眼を活かした仕事ぶりがメリットとなるでしょう。

2、適度な強度のチームワーク
男性的な引っ張っていくリーダーシップマネジメントとは違い、人間関係をベースとした結束力のあるチームワークを形成する傾向のある女性管理職なら、程よい強度を持った調整型のマネジメントが可能になるのもメリットといえます。

3、社内でのロールモデル化
女性管理職が少ない一因としても挙がっていた、ロールモデルの少なさ。これを解消することもできます。

たくさんの女性が管理職として活躍していれば、「あの先輩のようになりたい」と管理職をキャリアパスに加えてもらえる可能性も上がるでしょう。

4、部下が相談しやすく、状況が把握できる
特に女性社員の場合は、男性の上司に人間関係やプライベートなどの悩みを相談しにくいと感じることもあるでしょう。しかし女性管理職であれば同性という話しやすさもあって、部下の状況を把握しやすくなる点もメリットです。

5、多様性を持った組織の構築
管理職が全員男性という均質性の高い組織であった場合、グループシンクに陥る可能性があります。

グループシンクというのは集団浅慮とも約される言葉で、集団で合議を行う際に皆が同じ意見であることから不合理な決定であっても容認されてしまう状態のことを指します。女性管理職を登用し、多様性のある組織を構築すればグループシンクを防ぐというメリットも感じられることでしょう。

6、人材の獲得と流出防止
男女共同参画局が発行しているデータによるとミレニアル世代(1980年~19995年生まれ)の就職先選定には、「企業の多様性・平等性・受容性についての組織方針」を重視していることが明らかになっています。

また、多様な組織で働いていると感じられている従業員は、そうでない従業員に比べて5年以上長期で勤続する予定であると回答しています。この結果を見るだけでも、優秀な人材を獲得し、流出を防止するには多様性を持った組織であることが重要だとわかるでしょう。

■女性リーダーに対する間違った見方
女性リーダーが徐々に増加しているとはいえ、いまだに女性リーダーに対する間違った見方を持っている方はいます。

しかし、企業全体としてそうした誤解を持ち続けていると、いつまでたっても女性リーダーを育成する空気は醸成されません。企業は、蔓延する女性リーダーに対する間違った見方を根本から変えていく必要があります。

たとえば「女性はリーダーに向いていない」という誤解があります。確かに女性は人に強く指示を与えたり叱責したりするのが得意ではない場合があります。しかしだからといって女性がリーダーに向いていないわけではありません。

現在では、部下にテキパキと指示を与える支配型リーダーシップではなく、部下の能力を最大限伸ばしてあげる支援型リーダーシップが注目されています。

支援型リーダーシップでは、他者の話を聞き、共感し、癒し、他者に奉仕することが求められます。これによりリーダー自身のみならず、部下やほかのメンバーの能力を引き出し、より主体的に業務を行えるようになるのです。

支配的リーダーシップが自分の成果を第1にしているのに対し、支援型リーダーシップではチームとしての成果を重視します。女性リーダーは支援型リーダーシップを発揮する点で優れており、現在注目を集めています。女性リーダーの約9割が支援型リーダータイプであるともいわれており、新たなリーダー像として企業が追求すべきものなっています。

■女性リーダーを育成する3つのポイント
企業が女性リーダーを育成する際には、いくつかのポイントがあります。まずは女性リーダーの育成には時間がかかることを覚悟するという点です。

現在の多くの企業には女性リーダーを育成するカリキュラムがありません。

リーダーになる経験や知識がまだ足りなかったり、偏っていたりする社員もいます。ですから、結果が出るまでに時間がかかるのは仕方ないことです。

女性リーダーを育成するのであれば、長期的なプロジェクトになると考えて始めるようにしましょう。

1、女性のキャリアに対する不安を取り除く
これまでにもお伝えしてきたように、女性社員は管理職になりたくないのではなく、管理職になることによってこれまで以上に責任を持たなければならないことによって自身の子育てやライフとの両立が難しくなってしまうのではないかという不安を抱えています。

出産や子育てなどのライフイベントによって、キャリアが左右されやすい女性にとっては、長期的なキャリアを描くことが難しいことも、管理職を敬遠してしまう理由になると考えられます。

女性社員のキャリアプランの形成を企業が支援することによって、不安を取り除き、ライフイベントも踏まえたキャリアアップに前向きになれることが必要と言えます。

2、女性リーダーや女性社員同士のネットワークを確立する
女性リーダーはまだまだ少数なので、社内外で孤立することがないようネットワークを構築する手助けをすることで相談しやすい環境作りをしなければなりません。

さらに女性リーダーを育成する際には、自分でリーダーシップを発揮するタイプなのか、縁の下の力持ちとして働くリーダーなのかをしっかり見極める必要があります。

女性の多くは支援型リーダータイプですが、すべてがそうではありません。リーダーになるという期待や課題が過度になりすぎないように注意しましょう。

3、管理職になることに対してポジティブなイメージを持てる環境づくり
先輩社員で女性管理職を勤めている社員の姿を見る、あるいはその社員と実際に話すことができる関係づくりを行うことで、ロールモデルを見つける支援が必要であると考えます。

そうすることで、自分にもできるかもしれない、と管理職に対してポジティブなイメージを持つ女性社員を増えることが期待できます。

女性社員は長期的なキャリアプランを描くことに不安を抱えています。女性管理職が増えることによって、お手本となるロールモデルになる社員が増え、女性一般社員がキャリアアップを目指しやすい文化や環境を作ることに寄与できることでしょう。

■女性リーダーの育成で評価される企業へ
残念ながら、まだ女性リーダーは企業の中で少数派です。しかし今後女性リーダーを育成するという意識が企業の中で育って行けば、女性リーダーの数は増加していくでしょう。

女性がより働きやすく、より活躍できる企業となれば、おのずと外部からの評価も上がっていくはずです。男性管理職だけでなく、女性社員の視点が入った意思決定を行えることによって、意思決定に多様性が生まれることが見込まれます。

フィナンシャル・タイムズ紙は、女性リーダーが多い企業は業績が良いという先述のデータに基づき、女性を軽視している企業は結果的に損失を生んでいると指摘しています。

女性の登用はもはや社会的責任を示すパフォーマンス行為ではありません。成功している多国籍企業においては、重要な企業戦略の一環となっているようです。

女性社員は、管理職になりたくないのではなく、管理職になることで生じる責任と、自身のライフプランとの両立に不安を抱えているケースが多くあります。キャリアプランを描くことを支援し、キャリアアップに少しでも前向きになれる施策や仕組みづくりが重要であると言えるでしょう。

■最後に
女性を起用するメリットは「新規、あるいは今後注力するべきプロジェクトにおいてリーダーシップを発揮することができる可能性がある」ことが挙げられ、組織の生産性や成果の向上を見込むことができます。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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