パラレルキャリアとは?副業や兼業の働き方に注目が集まる理由

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 働き方改革   パーマリンク

現在、サラリーマンの間で特定の会社に正社員として所属しながら、知見やスキルを武器に空いている時間にプロ人材として「副業」をするビジネスマンが増えています。

同時にフリーランスとして同時に複数の会社の仕事を引き受ける「兼業」のプロ人材として仕事をする、「パラレルキャリア」という新たなワークスタイルが、日本でも爆発的に増え始めています。

ただし、複数のプロジェクトに同時に参画する働き方に不安を感じる人が多いです。

そこで今回は、パラレルキャリアとは何か、副業や兼業の働き方に注目が集まる理由ついて解説します。

■パラレルキャリアとは?
パラレルキャリアとは、P・Fドラッカーが『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)で紹介した考えで、これからの社会における生き方の1つであり、働くということに対する考え方です。

パラレルキャリアは、英語で「parallel career」と表記されます。日本語で、パラレルキャリアは「複数の経歴を平行して磨く」という意味があります。

パラレルは、「平行」や「並列」という意味があり、キャリアは、過去の職務経験やビジネスを通じて計画的な能力開発を行うことを指すため、「本業を持ちながら、第二のキャリアを築く」というニュアンスがあります。

パラレルキャリアの目的としては、本業を持ちながらもホワイトカラーとして、自分が得意とする分野で、知識・経験・スキル・人脈・ノウハウを活かし、社外活動を通して第2、第3のキャリアを築くことです。

副業と似ていますが、副業とパラレルキャリアが根本的に違うのは必ずしも「報酬を得ることを目的にしていない」ことが挙げられます。

ですので、自分のスキルアップや夢の実現、社会貢献活動などがパラレルキャリアに含まれます。

ドラッカーは、パラレルキャリアを提唱した 1999 年当時既に、「 知識労働者は何歳になっても終わることがない」として、人間の方が組織よりも長命になっていく際に、第二の人生を始める必要性を説いていました。

P.F.ドラッカーは、著書の中で次のように述べています。

「歴史上初めて、組織より人間の寿命が長命になったため、第二の人生をどうするか考える必要が出てきた。」

一昔前まで50年といわれていた企業寿命は時代の変化の中で激減し、今や25年以下になってしまいました。

その結果、定年まで同じ職場で働きたいと願っても、定年前に企業寿命が訪れてしまう可能性が高く、その時に路頭に迷うことのないように第二、第三の活動を始めておくべきだとP.F.ドラッカーは訴えているのです。

また、2016 年に国内で発刊されベストセラーとなった『LIFE SHIFT 100 年時代の人生戦略』7の中でグラットンが「ポートフォリオワーカー」の概念を紹介したことで、再びパラレルキャリアへの関心が高まっています。

■パラレルキャリアになぜ今、注目が集まっているのか?
近年パラレルキャリアの考え方が注目を集めていますが、そこには様々な社会環境の変化が背景にあります。いったいどのような環境の変化なのでしょうか?

3つの側面からパラレルキャリアの可能性を紐解きます。

1、働き方・雇用形態の多様化
社会環境の変化の1つ目として「働き方・雇用形態の多様化」が挙げられます。

被雇用者の大半が正社員かつ終身雇用の形態であった数十年前とは異なり、今や1つの企業内で正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど様々な雇用形態が存在する時代になりました。

また、自分に合った働き方を求めて転職をする人も増えています。2~3年間は新卒で入社した会社で働くものの、「自分にこの仕事は合わない」「もっとマッチした会社があるはず」などといった理由で転職する若者は珍しくなくなりました。

さらに、企業に雇用されずに個人で契約を結ぶ「フリーランス」という働き方が注目されてきたことも、働き方が多様化している1つの例と言えるでしょう。

アメリカの調査では、2027年にはフリーランスの人口がノンフリーランスの人口を超えるともいわれています。

スキルアップやプライベートの楽しみとしてパラレルキャリアに取り組む人も多くいますが、雇用が不安定な現代においては、リスク分散の手段としてパラレルキャリアを検討する人もいます。

このように働き方・雇用形態の多様化に伴って、1つのキャリアにこだわり過ぎず複数のキャリアを形成するという考え方、すなわち「パラレルキャリア」に注目が集まるようになったのです。

2、人材獲得を目的とした「成果主義」の台頭
現在、少子高齢化の影響により、地方の製造メーカーを中心に深刻な人手不足にある会社が増えています。

また、インターネットが急速に普及したことでこれまでアナログであった会社でもインターネットやITを駆使しないと仕事を獲得することが難しくなっています。

そのため、特にインタネット領域の仕事を担う若年層の人材が非常に不足しています。

その中で、優秀なエンジニア人材や若手人材の確保のために若くても高額な報酬を支払ったり、「成果主義」を導入する企業も増えているようです。

その理由としては、年功序列を前提にした終身雇用の場合には年齢に応じて賃金が上がるシステムになっているため、仕事の成果で評価されたいと考えている若い世代の価値観に合わないからです。

また、企業側も、経営状況の変化に臨機応変に対応するため、年功ではなくスキルを持った人材を評価していきたいと考えるケースが増えています。成果主義の台頭は「終身雇用の崩壊」に大きく影響していると言えるでしょう。

3、大企業の経営危機・破綻
2つ目の背景としては、「大企業の経営危機・破綻」が挙げられます。

10年近く前の話ではありますが「リーマン・ショック」は大企業の経営危機・破綻として有名なニュースです。世界的な大企業でも経営危機に陥ったり、破綻してしまったりすることは十分にあり得るのです。

これまでのような「長く働くことで評価される」という考えではなく、「時間当たりの労働生産性」が重視されるようになり、働き方に対する価値観が変化してきていると言えるでしょう。

今や大企業に就職したからといって安泰だといった考え方は過去のものとなり、これからは個人の将来について考え続けていく必要があります。

また、これまで人間が担ってきた事務職や生産職の一部は、この先AIやロボティクスに置き換わるとも言われており、働き手に求められるスキルは大きく変化すると考えられています。

このことからも、長く働くことでスキルを蓄積させる人材育成を行っていた終身雇用の企業が、今後高い成果を出せるとは言い切れなくなっているのです。

■パラレルキャリアの3つのメリット

1、柔軟な思考力が身につく
日々の業務がルーチン化し、心理学で言う「馴化」が起きることで感性が鈍化してしまうと、業務上の問題に気付くことができなくなったり、物事の考え方や捉え方に多少の偏りが出てしまう可能性があります。

偏った考え方が必ずしも悪いわけではありませんが、あらゆる角度から物事を考え、捉えられる柔軟な思考力が育てば、本業においても良い影響が生まれると考えられています。

パラレルキャリアを行うと本業とは異なる活動を行うわけですから新たな考え方を身に付けることができると考えられます。

2、マネジメント力が向上する
普段とは異なる新たな環境でパラレルキャリアを行うことは、想像以上に時間と労力を消費します。

なので、パラレルキャリアと本業を両立するためには、時間管理や自己管理に努め、効率よく活動を進める必要があります。

大変ではありますが、両立できるように努めていけばマネジメント力の向上が期待できるでしょう。

3、コストをかけずに人材育成を行える
企業の人事担当者や経営者側の立場においては「コストをかけずに人材育成を行える」というメリットもあると言われています。

パラレルキャリアを通して、社員は様々な経験やスキルを身につけることができます。

企業側としては社員のスキルアップにコストがかからないため、場合によってはパラレルキャリアが1つの有用な人材育成の選択肢になるとも言われています。

■パラレルキャリアを選択する人の動機
パラレルキャリアを選択する人々の動機は様々です。一昔前は、副業というと収入の補填やお小遣い稼ぎというイメージがありました。

しかしながら、現在では、報酬よりむしろ、スキルアップや自己発見、人脈づくり、自己実現などの理由でキャリアを複線化することを望む人が増えています。

『LIFE SHIFT』の影響もあり、急速にリカレント教育の必要性が叫ばれるようになっていますがが、これはパラレルキャリアにチャレンジすることで、学び直しにも効果的だと考えられているからです。

また、パラレルキャリアに従事することで、一社では獲得しきれないスキルや経験、人脈などの無形資産を手に入れながら、主体的にキャリアを選ぶことを目指すことが実現できるためだと考えられています。

特に2020年からコロナウイルスが蔓延したことによる影響により、日本のみならず世界的な経済の混乱で「1つの会社に依存したキャリアだけでは怖い」「自分の好きな仕事を選びたい」「将来に繋がるキャリアを主体的に形成したい」と考える個人が増えました。

コロナ渦いより多くの大手企業や中小企業で急速にテレワークが普及しました。

営業活動でもオンライン会議は当たり前になったこともあり、東京への一極集中のビジネス環境が地方にも拡大し、オンラインで仕事をするハードルが下がったと感じるプロ人材が増加しているのです。

■パラレルキャリアの成功に重要なもの
これまでは、雇用の安定を保証するものでしたが、何が起こるか分からないVUCAの時代では、キャリアや市場価値を高めていくことが自分の将来を安心させるための重要な要素になってきます。

そこで、中長期的なスキルアップを実現できるようなキャリア開発に取り組むのも1つの方法です。

パラレルキャリアと現在の働き方の2つを両立させ、成功させる上で重要な能力や資質として、「自分を売る力(セルフブランディング)」を挙げられます。

その次に「成果に結びつく専門性・能力・経験」と「やり遂げる力」が続きます。

フリーランスは仕事の成果やパフォーマンスに対して報酬を得るため、自己の強みや専門性を明確化して仕事を獲得し、再現性を持って確実に成果を出すことが求められています。

■仕事の獲得経路を考える必要性
1つの会社だけで働き続けるのではなく複数の企業で並行して勤め、自らの知識・スキルを幅広く磨いていくパラレルキャリアという働き方は、社会の価値観が多様化するなかで徐々に広まりつつあります。

ですが、パラレルキャリアに取り組んでいる人が、継続する上で必要な要素として、「人脈」や「過去・現在の取引先」などを挙げています。

その理由としては、これまでの仕事関係や取引先などからいわゆる縁故により仕事を獲得している人が大半を占めるからです。

そのため、パラレルキャリアを志すために必要なことは、日頃から社外の人的なネットワークを築き、人や会社に貢献できるスキルを磨き上げながら、人脈形成に繋がるコミュニティに参加していることがポイントになります。

■まとめ
労働市場の変化に伴い、一つの会社に一生を捧げるような働き方は困難になりました。その上、「人生100年時代」と言われる現代では、会社を定年してからの「第二の人生」も格段に長くなっています。

その結果、「人生をどう生きていくのか」を考え、会社以外で人生を豊かにする生き方を重視する人が増えています。その選択肢のひとつとして、パラレルキャリアも注目されるようになりました。

本業で安定した収入を得ながら、起業として独立したり、まずは副業で仕事にチャレンジすることで、少しずつ試行錯誤できることがパラレルキャリアの強みです。

本業に支障をきたすことなくパラレルキャリアを実現するためにも、計画的にキャリアプランを練りましょう。

メリットのみならずデメリットについても良く考えることも必要ですが、副業であるか独立するかを問わず、スキルを向上させたり、何らかのビジネスを成功させるには、起業家精神を持ちPDCAサイクルを回転させる意識が大事になります。

■最後に
フリーランスを目指す人は、基本的に複数のクライアント企業の仕事をこなす「パラレルワーカー」として活動することになるため、まずは副業で仕事に携わりワークスタイルに慣れることをオススメします。

パラレルキャリアの考え方を理解しながら副業を行えば、失敗することなくスムーズにキャリア形成ができるでしょう。

しかしながら、仕事を依頼してくれるようなクライアント企業を獲得できるような営業力が弱い人や人的なネットワークを拡げられないフリーランスは仕事が広がりにくいとも言えます。

ですが、そのような場合には、日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を活用することで、顧問やプロ人材として、顧問契約をベースに、複数のプロジェクトに関与することも可能です。

KENJINSを筆頭に新たなプラットフォームサービスの登場により、パラレルキャリアを推進し、自分一人でも仕事が得やすくなった環境へ急速に時代が変化して来ています。

専門的な知識やスキルが必要な場合は、まずフリーランスとして試しに登録してみることも1つの方法です。

案件情報を見たり、エージェントに案件ごとに必要となるジョブ・ディスクリプションを把握したり、極秘プロジェクト参加のオファーまで様々な情報を得ることもできます。

パラレルキャリアへ取り組むことの不安や疑問点をなくすことができ、顧問やプロ人材の案件獲得サポートを利用することで効率よくパラレルで仕事を始めることができるはずです。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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