日本では、終身雇用が当たり前であったため、仕事は人生の大きな部分を占めているにも関わらず、1つの会社で長く勤務している人の多くは、安定した会社で仕事に就いていると職業の選択や理想の働き方について真剣に考える機会は意外と少ないものです。
ですが、人生100年時代が到来した今、定年や年齢を問わず、「第二の人生」として自分の夢を叶えられる新たな機会を模索し、本当にやりがいのある仕事を追い求める必要性が増しています。
「第二の人生」では、これまでに培った知見を活かし、フリーランスの顧問やプロ人材として仕事に従事することで、複数の企業に貢献することで、感謝される喜びを見出す人が多くいます。
そこで今回は、第二の人生とは、知見を活かし第二の人生で価値ある仕事のコツについて解説します。
■第二の人生とは?
第ニの人生とは、これまで歩んできた半生の営みに区切りをつけ、新たな環境あるいは新たな心持ちで人生を歩み始める、という意味合いがあります。
第二の人生は、英語で「second life」セカンドライフを意味します。
セカンドライフでは、会社員を辞めて心機一転、起業家として会社を起こしたり、これまでの未経験の分野でゼロから「キャリアチェンジ」すること等を指します。
以下のように第二の人生は、様々な取り組みが可能です。
・サラリーマンを辞めて会社を起こす。
・今までのキャリアとは異なる他業界に転職する。
・プロスポーツ選手から経営者に転身する。
・定年退職後に顧問やコンサルタントになる。
・副業をスタートしパラレルワーカーになる。
第二の人生で、どんな仕事を選べばいいか迷った際には、ビジネス人生で培った知識・経験・スキル・ノウハウ・人脈をどのように生かせば、人に感謝されるを考えてみるといいでしょう。
■人生100年時代では定年後に働くことも必要
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書によれば、「老後30年間で約2,000万円のお金が不足する」と受け取れる試算が示されています。
この「老後2,000万円問題」に対応するためには、若いうちから「第二の人生」を真剣に考え、老後にどのように資産を取り崩すかシミュレーションすることが欠かせません。
また、年齢を問わず知見やスキルを活かし、副業をしたりパラレルワーカーとして複業での仕事をすることで収入を増やすなど、早期に収入を上げる対策を始めることが重要だと言えます。
生命保険文化センターが2019年におこなった「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人暮らしの場合に必要と考えられている老後の最低日常生活費は、平均で月額22.1万円です。
生活費以外に、医療費や介護費などがかかる可能性も考慮し、定年前からお金の準備をしておく必要があるでしょう。
■定年後に仕事を続ける方法
定年後も仕事を続ける場合、起業する方法や、定年まで働いていた企業で再雇用されて働く方法、新しい仕事をする方法の3つがあります。
1、起業して会社を興す。
近年、転職回数が増加傾向にあることや、働き方の多様化により副業に従事する人やフリーランスになるビジネスマンが増えています。
プロ人材として起業する方法には、現役時代の経験やスキルを生かして個人事業や会社を興して事業を行い、事業内容も現役時代と同じような業種で仕事をしたり、経験のない新しい分野に挑戦するな様々です。
ただし、定年後の起業の場合には、設備投資の資金や運転資金などの初期投資や、何かと費用が掛かるため、虎の子の退職金を全て使ってしまわないように注意が必要です。
小規模に事業を始めて軌道に乗ったら徐々に拡大するなど工夫も必要となるでしょう。
2、同じ会社に再雇用される。
高年齢者雇用安定法が改正されたことで、60歳の定年後、従業員の希望によって65歳までの再雇用が企業に義務付けられているため、働き続けることが可能です。
再雇用されて働く方法は、嘱託社員になるケースが多いです。この場合、慣れ親しんだ職場で働けるため、安心感があります。
ただし、嘱託社員になると定年前よりも給与が半分以下に下がります。嘱託社員は、何の肩書も付かないケースが多く、役員クラスだった人にとっては、肩身の狭い思いをすることもあります。
事前に担当者と再雇用の条件について確認しておくと良いでしょう。
3、新たな会社に再就職する。
新しい仕事をする「再就職」は、今までやってみたいと思っていた仕事を、中高年対象の求人サイトなどで見つけて働くことです。
しかし、60歳前後の年齢になると「正社員として好待遇で迎い入れをしてくれる再就職先がなかなか決まらない」と悩んでいる中高年の方も多いのではないでしょうか?
事実、年齢が上がるにつれて求人数は少なくなる傾向にあり、再就職の難易度は増していきます。
ですが、中高年の人材が企業から選ばれる「理由」や「ニーズのある仕事は何か」を理解すれば、再就職の成功率をより高めることも可能です。
また、フリーランスのエージェントに顧問の仕事を紹介して貰う方法もあるでしょう。会社の状況や報酬面など、条件によっては長く勤務できる可能性もあります。
■第二の人生で未経験の仕事に転身する際のポイント
第二の人生で未経験の仕事にチャレンジする際のポイントと、特に注意して考えて置きたいことについて解説します。
1、未経験職種でも生かせるスキルは何かを考える。
第二の人生で活躍するためには、これまでの経験をもとに、自分のスキルを分析し、キャリアの棚卸しを行うことが必要です。
キャリアの棚卸しとは、これまでの仕事人生のなかで、実務を通じてなにを学んできたか、どんなことを身につけてきたか、何を大事にして何にこだわり、どんなことにやりがいを感じたかということの積み重ねを振り返ることを指します。
キャリアチェンジしたい仕事において、これまでに得た経験やスキルがどのように役に立つのかについて考えてみます。
希望する職種で働く人のインタビューを読んでみたり、自分の希望条件に近い求人情報を調べたりすると、どんなスキルが生かせるのかがわかります。
2、キャリアプランをイメージする。
プロ人材としてスキルを活かした仕事をする際には、まず企業側が「こうした仕事内容とミッションで働いて欲しい」という条件を求人票「ジョブディスクリプション」として記載します。
案件情報にエントリーを行う際には、同様に求職者側も「自分はこんなスキルや能力、人脈などを用いて業績に貢献できる」ということを示さなければなりません。
フリーランスの採用では、即戦力であることが求められるため、自分にできることを網羅してプロフィールに書くと顧問活動を成功に導ける可能性が高まります。
これからやりたいことやキャリアプランを書き出して自己分析することで、どんな職種へのキャリアチェンジ良いのかが見えてくるはずです。
また、自己分析は客観的な視点も大切です。その際、自分をよく知る人に、適した職種を聞いてみるのも新しい発見があるかもしれません。
3、未経験の分野への転身する理由を明確にする。
第二の人生を謳歌させるためには、未経験職種へキャリアチェンジする理由を明確にしておく必要があります。職種を変えることは、給与面でのリスクも高く、そう簡単なことではありません。
キャリアチェンジ後に後悔することのないように、どうして第二の人生でその仕事をしなければいけないのか、最適な時期は今なのかを、しっかりと考えておきましょう。
職種や企業のリサーチを深めることで、自分がその職種のどこに魅力を感じているのか、これからどのように未経験職種でキャリアアップしていくのかも、より明確にすることができるはずです。
第二の人生を成功に導くためには、仕事の目的を明確にしておくことが必要です。
キャリアの棚卸しは、これまでの仕事人生を振り返ってみて、仕事によって自分は何を実現したいのかを明確にする作業でもあります。
■第二の人生で豊かに生きる方法
第二の人生で必要なお金を確保するためにはどうしたら良いでしょうか。「支出を減らす」「収入を増やす」「資産を増やす」の三つのポイントから考えてみましょう。
1、支出を減らす
アメリカの富裕層研究の第一人者であるスタンリー博士と、タンゴ博士が1万人以上の億万長者や富裕層に行ったアンケートによれば、億万長者の多くは、収入よりはるかに低い支出で生活している結果が出ています。
第二の人生にチャレンジする際には、支出を減らす方法も効果的です。
その理由としては、これまで収入が多かった人でも新たな分野にキャリアチェンジをすると、収入が減るケースがあるからです。
ですが、一般的な人は、沢山のモノを多く持っていることが金持ちだという思い込み、無駄な買い物にお金を消費してしまうために、お金を生む出す資産を築くこと出来ないと言えます。
本物の億万長者は、レバレッジが効くビジネスへの投資を行い、派手な生活はしない人達が多いです。
2、金融商品に投資する
金融商品や不動産に投資することで資産を増やす方法もあります。資産を多く持っているお金持ちの人たちは資産が少ない人たちの2倍の時間を資産運用のために掛けています。
資産を多く持っている人たちは資産運用計画に月に8.4時間使い、資産が少ない人たちは月に4.6時間使うというデータがあります。
例えば、株式中心の積み立て投資で一定の成果を出すには、15~20年程度の運用期間が必要とされることが多いです。最近の傾向として、上場する可能性のあるベンチャー企業への投資を行い5年~10年で莫大なキャピタルゲインを得る個人投資家も沢山います。
ただし、スタートアップへの投資や金融商品の中には、リスクを伴う投資や元本割れに可能性の高い金融商品もあります。基礎知識を自分で勉強したり、専門家に相談してからチャレンジすることをお勧めします。
3、顧問やフリーランスとして働く
60代前後で金融投資が苦手な人の中には、定年再雇用やフリーランスの顧問として働くことで収入を得る人は年々増えています。
日本では昨今、終身雇用への期待感が薄れ、働く個人が自分のキャリア形成に責任感と主体性を持ち取り組む姿勢、つまり「キャリア自律」の重要性が叫ばれるようになりました。
近年、海外と同様にプロ人材としてスキルを活かせる仕事に関与するが増えています。デザインやコンサルタントの仕事であれば、会社を興し初期の設備投資をする必要がありませので、副業でも可能です。
リスクの無い形でノウハウやスキルを活かし、地方でフルリモートで働くこと可能な仕事も増えています。
中小企業診断士など、保有していた資格を活かしたり、知識、経験、スキル、人脈を生かして顧問やコンサルタントの仕事を探すこともお勧めです。
■まとめ
「人生100年時代」と言われるようになった現代社会において、個人の働く期間が長くなりました。
健康寿命が延び、80代になっても働く人が増えていく中で、50~60代はまだ「若手」と言える時代が来ています。
例えば、大手メーカーや銀行などで働いていたビジネスマンが、定年退職後にフリーランスの顧問になる際には、キャリアチェンジになるかと思います。
収入を増やすという目的以外にも、仕事をすることで生活にメリハリが出たり、日本の未来を担うベンチャー企業の支援には、大きなやりがいを感じることができます。
第二の人生で未経験業界や職種に挑戦するキャリアチェンジは、大変な勇気と根気がいることですが新しい発見が期待できます。
「今の仕事を本当に続けていきたいのか」「自分の理想のキャリアプランに合った職種はどんなものか」など悩んだときは、思い切って、キャリアチェンジについて考えてみてはいかがでしょうか。
40代、50代、60代はそれぞれにアピールポイントがありますので、何かを始めるのに遅すぎることはありません。第二の人生で自分がより高いモチベーションを持って成長することができる仕事に挑戦してみることが大切です。
「私たちの最も大きな幸福は、どんな機会を与えられたかではなく、正しい良心と健康な体と、成すべき仕事に取り組んだ先にあるものである。」
<トーマス・ジェファーソン>
■最後に
第二の人生で自分の望むキャリアを考え、意志を表明することは、社会とつながる手段の一つにもなり得ると思います。
まずは個人のウェルビーイングを高めることで、自身の競争力も生まれてくるし、いきいきと働ける仕事が見つかり、新たな可能性が増えてくるのではないでしょうか。
現在、中小企業の多くは、少子高齢化により人手不足になっています。
一方で大手企業のOBや上場会社の出身者の多くは、価値ある人的資産となる知識、経験、スキル、ノウハウ、人脈を保有しています。
中小企業の経営者やベンチャー企業の起業家にとっては、顧問の持つ知見や人脈、プロ人材の持つスキルやノウハウは、経営資源の限られた会社で果たせる役割は、非常に大きいと言えます。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、5000人を超える顧問やプロ人材を集結させており、ベンチャー企業の課題解決の実行支援を推進しています。
年齢を問わず、熱意と貢献意欲の高いビジネスマンであれば、複数のスタートアップの顧問や社外取締役のオファ―が掛かるなど様々な可能性があります。
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