経営戦略とは?競争環境が激化の中で勝てる経営戦略の立案のコツ

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

市場の変化の波が加速した現在、業界や企業規模を問わず企業にとって将来への生き残りをかけて、持続的成長に向けて、自社の強みに合った「勝利の方程式」となるシナリオを練り上げ「経営戦略」を策定することが重要になっています。

近年、ITやAIの普及、顧客のニーズの多様化、業界の枠を超えた競争環境の激化など、ビジネスの不確実性が一段と増したことで、経営戦略の必要性が高まっています。

そこで今回、経営戦略とは、競争環境が激化の中で勝てる経営戦略の立案のコツについて解説します。

■経営戦略とは?
経営戦略とは、企業が競争環境の中で事業体が経営目的を達成するために、ビジネスの目標達成に向けた経営方針や事業の方向性を定めることを意味します。

経営戦略は、英語で「management strategy」と表記されます。戦略は元々、競争相手となるライバルとの戦いに勝つための軍隊用語として誕生し、経営史家のA.D.チャンドラーらが経営の分野に導入しました。

企業が掲げる目標を実現するためには、事業を行う目的を明確にし経営資源となるヒト、モノ、カネを効果的に分配していく必要があります。

その際、企業の持続的成長を目指した考え方を「ビジョン」として定義した上で、競争優位性の高い独自の「ビジネスモデル」を策定する必要があります。

経営戦略には、企業活動の基軸となる経営指針や目標とするゴール、何を持って一番を目指すのか、プロセスを実現するまでの指標、ビジネスの方策を実現するための体制作りなども「経営戦略」には含まれます。

■経営戦略の目的
変化の激しいVUCA時代において、企業は10年、20年先の生き残りに向けてどのような成長シナリオを描いていくかが、一段と問われるようになって来ています。

VUCAとは、「Volatility」「Uncertainty」「Complexity」「Ambiguity」という単語の頭文字を取った単語で、不安定で不確実で複雑で曖昧な状況を示します。

VUCAの時代はあらゆる要素が不確定な要素で構成され、これらが複雑化し予測不可能な時代です。これまではある程度、過去の経験から推測できていたことでも、技術革新や人々の価値観の多様化により、考えもつかない事態に進んでいくことが考えられます。

そのような中で、経営者は自社の強みや特性を把握・理解し、組織改革や事業の方向性をスピーディ、かつダイナミックに決定して行くために、「経営戦略」の必要性が高まっています。

企業には、当然ながら、強みや弱み、特性があります。経営者は、理解・把握した上で、組織改革や事業の方向性を経営戦略として決定していかなければなりません。

経営戦略を策定する目的は、経営者が企業としてやるべきこと、やらなければいけないことを意思決定し、どの分野で一番を目指すのかの経営判断を決めることです。

それらにどのような優先順位を付けて実行していくかを明確に打ち出していくためにも、戦い方の根幹がどうしても必要になってきます。

■経営戦略と経営戦術の違い
経営戦略の定義を理解するには、「戦略」と「戦術」の違いを理解するのが重要です。

1、経営戦略とは?
経営戦略は戦術の上位概念であるため、策定の際には「戦略→戦術」の順で計画を立てる必要があります。

この順序を間違えると、全体として一貫性や整合性のない計画が出来上がってしまうので、戦術を実行しても効果的な戦略の実現には繋がりません。

ビジネスにおける戦略とは、企業が持続的な成長を目指すための方向性や考え方のことを指します。理想の企業像を目指すためのシナリオであり、中長期的な計画として策定されることが多いです。

経営戦略の策定では、最終的な企業目標を達成するための大まかなプロセスを決めて行きます。経営戦略は会社が進むべき道筋を決定づけるものなので、総合的な視点をもちながら組み立てることが重要になります。

2、経営戦術とは?
経営戦術は、戦略を実現させる手段であり、「アクションプラン」や「タスク」とも言い換えられます。

企業経営の場合、経営戦略を実現するためのプロジェクトが作戦、各プロジェクトを成功させるための具体的な手段が戦術にあたります。

戦術はあくまで目的ではなく手段なので、策定の際には戦略をしっかりと意識し、一貫性のある計画を立て際には、売上向上のために日々取り組む施策や、顧客を増やすためのマーケティングなどを策定する必要があります。

その際、誰がリーダーとなるのか、どんなメンバー構成で挑むのか、何をもってプロジェクトの成功とするのかなどを作戦を明確にすることで、より具体的な戦術を立てることが可能になります。

■経営戦略の段階や分類について
経営戦略は、その対象・範囲の違いから、企業戦略・事業戦略・機能別戦略の3つの段階に分類できます。

1、企業戦略
企業の方針や計画を示すものが経営戦略です。経営戦略とは企業戦略や組織戦略とも呼ばれ、会社組織の基本方針と言えます。

企業戦略とは、「どの事業に注力するか」や「どういった成長を目指すか」など、会社全体の方向性を定める中長期的な戦略を指します。

代表的な施策としては、企業経営の基本的な考え方や哲学を示した経営理念の策定・浸透を行います。企業の長期的なドメインの定義、事業の基本構成としての戦略的事業単位の設定、経営資源配分方針の決定などが挙げられます。

企業の数だけ経営戦略は存在し、自社を取り巻く経営環境を敏感に察知しながら、最適な経営戦略を打ち出さなければいけません。

2、事業戦略
事業戦略とは、全社的な企業戦略を各事業レベルで実現するために落とし込まれた戦略を意味します。

事業戦略は競争戦略とも呼ばれ、事業部ごとに顧客の獲得や競合他社との差別化、事業組織のマネジメントを考えることを指します。

代表的な施策としては、どのようなターゲットにどんな商品・サービスを提供するかといった事業領域の設定と資源配分を行うことが必要になります。

事業戦略は、全社的な経営戦略を事業部レベルで実現するために落とし込んだ具体的な方針になります。そのため、ビジネスユニットごとの市場・顧客戦略と商品・サービス戦略の策定、収益が還元される仕組みであるビジネスモデルの構築を行う必要があります。

3、機能別戦略
機能別戦略とは、事業戦略を実現するために社内の機能組織を最適化させるために策定する戦略を指します。

人的リソースのマネジメントや能力を発揮しやすい組織作りや環境整備など、事業戦略を実行するための現場レベルの具体的な施策を策定します。

機能別戦略では、マーケティング戦略や営業戦略、財務戦略、人事戦略、研究開発戦略、購買戦略、生産戦略、物流戦略などが挙げられます。

機能別戦略は、生産、購買、流通、営業など機能組織ごとの最適化戦略が必要になります。

■経営戦略の作成のステップ

1、経営理念・ビジョン
経営者は「会社や組織は何のために存在し、どういう目的で、どのような仕組みで経営を行うのか」についてステークホルダーに示し、従業員に対して行動や判断の指針を与える必要があります。

一般的に経営理念は、経営者の意志や社員の夢など、時代の流れを超えた長期的な視点で考えます。経営理念は、企業の存在意義や使命を普遍的な形で表したものです。

ビジョンは、経営理念で規定された企業の存在意義や使命に基づき、ある時点までに「こうなっていたい」という到達点です。

つまり、自社が目指す中期的なゴールイメージを、投資家や従業員や社会全体に向けて示したものになります。経営理念・ビジョンを具体化することで、戦略目標を設定するための思想的な土台ができます。

2、外部分析
次に、現実を正確に把握するために環境分析を行います。環境分析では自社を大きく取り巻く「外部環境」を分析します。

外部環境分析は、自社が直接コントロールできない外部環境の大きなトレンドや変化の兆しを明らかにします。市場のニーズや競争環境を把握することは、市場における機会と脅威の発見につながります。

外部の環境分析が完了したら、市場や競争環境における事業を成功させるための「KSF」成功要因「Key Success Factor」を抽出します。この際、何が事業のKSFなのか十分に検討しておくことがポイントです。

3、内部環境分析
KSFが導きだせたら、内部環境分析を行うことで自社の強みや弱みを整理し、KSFに対する自社の機会を見つけだします。

内部環境分析は、自社でコントロール可能な経営資源が分析の対象です。経営資源や自社の構造上の強みや弱みを冷静に把握することにより、自社にとってのビジネスチャンスを見つけられます。

KSFと強み、弱みが適合していない場合には、KSFそのものを変えるため外部環境に働きかけて業界のルールを変えるか、自社の構造を変革しKSFとのフィットを高める必要があります。

環境分析の漏れや重複を防ぎつつ、必要な要素を押さえるフレームワークに「SWOT分析」があります。SWOT分析を行うことにより、当該事業を成功させるためのKSFや自社にとっての事業機会を導きだしやすくなります。

4、経営戦略オプションの立案
KSFを導きだし、KSFに対する自社の機会が見つけ出せたら、事業目標に到達するための戦略オプションを複数考えます。

例えば、業界内でトップシェアを目指している場合は、以下のようにさまざまな角度から達成手段を考えて行きます。

・営業活動に力を入れて顧客を増やす
・他社には真似できない技術を確立する
・競争が激しくない業界へと移る
・商品の価格を一時的に下げて販売数を伸ばす
・他社と業務提携を結ぶ

5、経営戦略の選択
経営戦略オプションごとに予想される結果や必要となる資源、実行の難易度などを検討し、実行すべき戦略を絞り込みフォーカスます。

フォーカスとは、市場を細分化し、自分の能力に適合する一部セグメントのみに焦点を合わせて、そこでコスト面、もしくは差別化面で優位に立とうとする戦略です。

経営資源が相対的に乏しいとされる中小企業において、特定の分野に経営資源を集中させるフォーカス戦略は一つの定石となります。

経営戦略も全てそうですが全ては競争相手あってのこととなります。競争相手がよりニッチな部分にフォーカスを当ててきた時には、自社の戦略は安泰ではありませんので、再度考え直す必要が出てきます。

6、経営戦略の実行
経営戦略は、経営理念が掲げる目標を達成するために設定される計画でもあります。

経営理念とは企業の存在価値であり、経営者を含む企業に所属する従業員全員が共有する考え方や価値観を指します。

戦略が絞り込めたら、それぞれの遂行度合いを示す指標を設定し、どの程度実行されているかを把握できるようにします。

また、戦略と戦術の整合性をとるために、評価・報酬制度、コミュニケーション・意思決定のルールなども整理します。

7、経営戦略のレビュー
経営戦略のレビューとは、一度決められた物事を、改めて調査したり検討したりすることを意味します。

現在は、第三者からの批評や評論という意味合いで使用されることが多いです。また、商品やサービスなどについて、顧客から評価を付けたり感想を述べたりすることを「レビューする」と表現します。

経営戦略を設定した期間終了後に、期待した効果が上がったか確認します。上手く行かなかった場合は、その原因を究明し、必要に応じて修正案を考えます。

場合によっては、経営理念・ビジョンに立ち戻り、環境分析から再スタートすることも必要です。

■まとめ
経営戦略とは、組織としてどんな考え方を持ち、目標に向けた方向性を示すも羅針盤になります。経営戦略は、会社全体の戦略を担うため、最上位の概念となります。

その中でも重要な項目の1つが、主力事業の取捨選択です。

選択しだいでは会社が大きく傾きかねませんので、顧客や競合の動向を探りつつ、慎重に決定する必要があります。

経営戦略を立てると、長期目標とそれを達成する方法を決めることができます。

つまり、成功のための方向性や考え方を指し、全体像を見据えながら練るのが、経営戦略です。

経営戦略を立てる時には、まず、現状を調査・分析して、課題や問題点を洗い出し、課題や問題点を解決するためにはどのようなことをすればようかという基本方針を決めていきます。

重要な点は、基本方針となる経営戦略をさらにどうやって実現するかといった行動にまで落とし込むことです。「目指すところへ到達するためのビジネスプラン」である経営戦略に対し、経営戦術は「そこに至るまでの個々のステップやアクション」を指します。

経営戦略を基本方針まででとどめてしまうと、経営戦略が実行の伴わない机上の空論になる可能性が高まります。経営戦略の策定においては、経営理念の実現や目標への道筋となるシナリオを意識することが大切です。

経営戦略は目標達成までの期間に関わらず、経営者を含む従業員の努力が成果に結び付くものでなければいけません。

「偉大な戦略というものは、容易に真似のできない多くの強力な活動をもとにした独自の組み合わせから構成されている。」

<フィリップ・コトラー>

■最後に
経営戦略とは、最終的な目標を達成するためのビジネスプランです。経営戦略を立てるとは、組織にとって良いこと、好ましいことをどうやって実現するか経営戦術に繋がるアクションプランまでをセットで考えることが必須要件になります。

特定の事業で世界一を目指すのと、地域No.1を目指すのでは、ビジネスにおける経営戦略と経営戦術は異なります。

なぜなら、最終的なゴールとなる目指す到達点が異なれば、取るべき経営戦略や経営戦術も変わってくるからです。

そのため、経営戦略を考える以前に、そもそもどんな目的のために事業を行い、何を実現するために経営戦略が必要なのかを明確にすると良いでしょう。

経営戦略を成功させるためには、目標を成功に導く、優れたビジネスモデルが不可欠です。ビジネスモデルには、十分な利益確保が狙えるコストダウンや、高いリピート性などの要因が含まれています。

他社と競争する中で利益を生み出し続ける仕組みは、企業の持続的成長に直結します。

経営戦略を成功させるためには、 従業員の努力が成果に結びつくような明確なビジネスモデルを構築することが大切です。特に近年では、業界や規模を問わずインターネット、DX、AI、IOTを考えること無しに、ビジネスの飛躍はあり得ないと言えます。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営会社社長 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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