雇用契約とは?雇用契約書を作成するメリットと業務委託との違い

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 働き方改革   パーマリンク

雇用契約は、企業と労働者がお互い「約束」をすれば成立するため、必ずしも書面で契約する必要はなく、口頭のみでも契約は成立します。

ですが、雇用契約書を作成することは、労働者が自分の労働条件を確認できるだけでなく、企業経営者にとってはトラブルを未然に防ぐ手段でもあるため、多くの企業では雇用契約を書面で締結しています。

そこで今回は、雇用契約とは、雇用契約書を作成するメリットと業務委託との違いについて解説します。

■雇用契約とは?
雇用契約とは、労働者が使用者(雇用主)のもとで労働に従事し、使用者はそれに対する賃金を労働者に支払う約束をする契約のことを指します。

具体的には、当事者である労働者が相手方に使用されて労働に従事し、使用者である相手方は、その労働に対して賃金を与える約束をする契約のことです。

雇用契約には、賃金や業務内容、就業時間といった条件が記載されており、雇用者および労働者の両者が署名などをすることによって、雇用条件について合意が得られたことを証明します。

■雇用契約を結ぶメリット
雇用契約書を結ぶことで労働者は民法第623条により、労働基準法や労働契約法に守られる形になります。民法第623条では下記のように、どうすれば「雇用」の効力が発生するかが定められています。

「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。」

労働者は働くことを、雇用者は給料などの報酬の支払いを約束することによって、雇用が成り立ちます。この「約束」を書面にしたものが、雇用契約書です。

雇用契約では、契約する両者の間に主従関係とも言える「使用従属性」が存在します。

「使用従属性」とは、具体的に以下のようなものです。

1.仕事の依頼に対し、諾否の自由がない
2.業務の内容や遂行方法について指揮命令がある
3.勤務時間や勤務場所が拘束されている
4.一般的に、仕事の結果ではなく勤務時間を基準に賃金が決定される
5.一般的の従業員と同じ報酬である
6.業務上必要な用具などは使用者側が準備する
7.専属性(他の会社で働かない)がある
8.就業規則や服務規程が適用される
9.給与所得として源泉徴収されている
10.退職金制度や福利厚生制度を利用できる

万が一トラブルなどが発生した場合に「双方が内容を確認し同意した」という証明にはなりません。雇用契約書は双方の同意を証明するものとして、作成したほうが良いでしょう。

■雇用契約を結ぶ際の必要書類
労働基準法では、使用者が労働者を雇用する際には、その労働者に労働条件などを明示することを義務付けています(第15条)。

基本的に雇用主は、「雇用契約書」や「労働件通知書」を作成しなければなりません。

1、雇用契約書
雇用契約書は、使用者と労働者双方が雇用契約の内容に同意したことを示す書類です。

就業場所や就業時間、休日休暇、業務内容などの労働条件が記載されており、通常の契約書同様、双方が内容を確認し署名捺印を行います。

実は、法的には雇用契約書の作成義務はありません。労働基準法で定められているのは、使用者が労働者に対して労働条件を明示することです。

しかし、労働条件通知書は使用者側から一方的に労働条件を通知するものです。労働条件通知書で労働者に通知すれば法律には違反しないのです。

2、労働条件通知書
労働条件通知書は、労働基準法第15条に定められた「労働契約締結時における労働条件の明示義務」に基づいて作成される書類です。

明示する義務のある項目は、以下のとおりです。

・労働契約の期間
・有期労働契約の更新の基準
・就業場所・従事すべき業務
・始業・終業時刻、所定労働時間超えの労働の有無、休憩時間、休日、休暇、2交代制等に関する事項
・賃⾦の決定・計算・⽀払⽅法、賃⾦の締切・⽀払時期、昇給に関する事項
・退職(解雇を含む)に関する事項
・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払方法、退職手当の支払時期
・臨時に支払われる賃⾦(退職手当除く)、賞与、精勤手当、勤続手当、奨励加給、能率手当、最低賃⾦額
・労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
・安全衛⽣、職業訓練、災害補償・業務外の疾病扶助、表彰・制裁、休職に関する事項

このうち、1~6の項目は「絶対的明示記載事項」と呼ばれ、他の項目は「相対的明示記載事項」と呼ばれています。

相対的明示記載事項にも明示義務はありますが、就業規則などを添付してそこに明記し、いつでも参照できるようであれば省略可能です。

■業務委託契約とは?
業務委託契約とは、企業がフリーランスのプロ人材に業務の委託や請負を依頼する際に結ばれる契約です。

業務委託契約の法的性質としては、委任契約または準委任契約を結び、ある一定の業務を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約です。(民法643条、656条)

業務委託契約は口頭でも成立しますが、トラブル防止のため、業務委託契約書を作成しましょう。

特に契約の根幹である以下の業務委託契約書に明記する方が望ましいです。

1.業務の内容
2.報酬に関する事項(額や支払時期等)
3.契約期間については、少なくとも業務委託契約書に明記しましょう。

ただし、業務委託契約は、勤務場所や勤務時間を基本的に拘束できません。

勤務場所や勤務時間を拘束した場合、その他の事情によっては、実質的には雇用契約と判断されて、企業にとっては多額の残業代を支払うリスクなどがあります。

■まとめ
雇用契約書は、雇用者と労働者が、それぞれ雇用条件について了承しあったことを示すものです。

雇用契約書は法律上、作成が義務付けられているものではありません。一方で、労働条件通知書は労働基準法により、労働者に対する書面交付等が義務付けられています。

ビジネスオーナーにとって交付は義務ではありませんが、雇用後のトラブルを避ける効果が期待できます。

雇用契約書を作成していない場合・合意した労働条件が漏れなく記載されていない場合には、雇用契約の内容について、労使間で意見の相違が発生してしまうおそれがあります。

作成しないと労働者と企業側とのルールが明示されないので、後々にトラブルにつながるリスクが高まります。

例えば業務内容や人事異動、昇給などについて、労働者が「採用時の説明と違う」といい出したとき、雇用契約書を作成していなかったためにトラブルが拡大するケースも考えられます。

雇用契約書が作成されていれば、雇用契約書に基づいて解決ができるようになります。

■最後に
フリーランスの顧問やプロ人材は、雇用契約ではなく「業務委託契約」で働いています。

基本的に業務を外注する側(委託者:クライアント)が相手(受託者:フリーランス)に一定の業務を外注し、委託者が受託者に対して、業務の対価の報酬を支払う、という契約です。

法律の建前上は、委託者と受託者は対等の関係にあり、契約自由の原則に従って自由に契約内容を定められることになっています。

フリーランスは会社員とは違い個人で事業をしているいわば個人事業主です。業務委託契約は直接企業と1つの案件に対して契約をする方法で内容が異なってきます。

業務委託契約書は、フリーランスとクライアントのお互いの意思の合致を明確にするために作成するものです。

必要な内容をお互いが理解できるように作りこむことで、「ジョブディスクリプション」と同じ効果が期待できます。

「ジョブディスクリプション」(job description)とは、職務の内容を詳しく記述した文書のこと。日本語では職務記述書と訳されています。

日本の企業にはこれに相当するものがない場合がほとんどですが、欧米の企業では、日々のフリーランスへの業務委託はもちろん、正社員を採用をするにも仕事の評価をする場合にもなくてはならない、極めて重要なものです。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営会社社長 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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