重要業績評価指標とは?KPI設定が戦略目標の達成に効果的な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

多くの企業は「業績の向上」を目的として何かしらの指標を設定し、行動結果を検証するために数値管理をしているかと思います。

最近では重要なビジネス目標に向けたチームや組織の進捗を示す定量的な指標として、「重要業績評価指標」という言葉が「KPI」に置き換わり、様々な企業の間で広く一般的に使われるようになりました。

重要業績評価指標は、追跡したい指標により、組織全体の KPI やチーム別のKPI、そして個人用のKPIさえも設定されるケースが増えており、その意味合いや目的が分かり難いケースもあります。

そこで、今回、単純に目標を掲げるだけでなく「重要業績評価指標」を設定する目的と、KPIの効果的な活用について解説します。

「最も効率的かつ最も利益が上がる最高の経営手法とは、全社員に会社経営について発言権を与え、また業績の良し悪しにかかわらず常に財務状況を公開することである。」

<ジャック・スタック>

■重要業績評価指標が重要視されている理由
「重要業績評価指標」は英語では、『Key Performance Indicator』と訳されます。効果的な「重要業績評価指標」= 『KPI』を使用すれば、戦略目標の達成に向けた進捗状況を把握することができます。

【効果的な重要業績評価指標】

・戦略目標の達成を促進する。
・リソース管理の意思決定材料となる。
・測定可能である。
・管理可能で影響を及ぼし得る対象を追跡する。
・指標を戦略目標と結びつける。
・プロジェクトが会社目標にどのように寄与するのか、チーム全員の明確な認識を可能にする。

「重要業績評価指標」=「KPI」は、長期にわたり業績を測定するために役立つ手法です。効果的な「KPI」の要件は、チームが一定期間内に影響を及ぼし得る、単一の測定可能な値を追跡することです。

これは、その数値に至ったバックグラウンドやプロセスではなく、数値という絶対値が判断基準になることを前提としています。

例えば、特定製品(またはサービス)の月の売上金額をKPIで設定します。その数値を1000万円とした場合の判断は以下の通りです。

・月の売上が1000万円を上回った場合=達成
・月の売上が1000万円を下回った場合=未達として取組みの改善を行う

このようにプロジェクトや組織の評価において、誰にでも分かりやすい定量的な数値を設定することから、客観的な指標としてKPIは重要な役割を持ちます。

■重要業績評価指標「KPI」を設定する目的
結果を出す目標がほとんどそうであるのと同様に、効果的な重要業績評価指標「KPI」の要件も、具体的かつ測定可能であることです。

「KPI」を設ける目的は、チームの達成目標とその期限に加え、その成果を測定する方法を明確に描き出すことです。重要業績評価指標を設定する真の目的は、目標を分かりやすく可視化し、共有させ浸透を促すことです。

KPIは、ビジネスの目標を数値化した指標、とも置き換えられます。ビジネス評価指標とは、具体的なビジネス目標に向けた進捗を定性的に測定するための手法です。

KPIを設定することは、社内の目標を分かりやすい形で可視化し、共通の目標の共有と浸透を容易にします。KPIの設定により、プロジェクト内のメンバーがひとつになり、共通の目標に向かって各人が迷うことなくタスクを進められ、生産性も高まるのです。

「全社の英知を集めて売上を上げよう」という曖昧な目標を立てるのではなく、「売上を月500万円アップしよう!そのための改善策を、課題とともに具体的に検証してシミュレーションをしよう」とKPIを設定するべきです。

■重要業績評価指標を掲げ共有するメリット
重要業績評価指標「KPI」を設定することで、改善策を立てやすくなり、成果が出た後の振り返りも容易になります。結果を客観的に評価し、次に活かすことができるようになると言えます。

KPI を使用すると、実現可能な数値目標を設定しやすく、達成しやすくなります。KPI を1つ設定する場合でも、一連の重要業績評価指標をKPIとして作成する場合でも、始める前に、必ずそのKPIの使用により達成したい明確な目標や戦略計画を準備することが必要になります。

「売上500万円アップ」というKPIに対して、実際には300万円しかアップしなかった場合「200万円足りなかった」という結果が誰の目にも見える形で示されます。

その後の分析や検討もスムーズになり、取り組みに不備があったのか、それともKPI自体が無謀だったのかなど、原因と対策について生産的な議論ができます。

逆に目標を上回る数値を達成できた場合にも、その要因は何であったのか、といったナレッジの蓄積と社内への情報共有をすれば、成功例として活用でき、他プロジェクトへの横展開も可能になります。

■KPI設定の効果を高める5つのポイント

1、KGIと連動させながら、現実的な水準でKPIを設定する
重要業績評価指標「KPI」を作成する前に、目指す目標を定義する必要があります。効果的な目標設定は、戦略計画を達成する上での主要な成功要因です。

ビジネス目標を設定するポイントとしては、KPIの水準を高すぎず低すぎない、適正と感じられる水準に設定することです。なぜなら、KPIが現実的でないほど高すぎると、メンバーのモチベーションを下げてしまう可能性があります。

場合によっては、表面的にKPIを達成するために不正な数字操作に走ってしまうメンバーが出てくる恐れもあるでしょう。

逆にKPIが低すぎると、特に努力せずとも達成できてしまうため、緩みの原因となります。自社の現状を把握して、メンバーが受け入れられる範囲のKPI設定を心がけましょう。

また、KPIは、経営上の最終的な目標達成指標である「KGI(Key Goal Indicator)」と連動したものでなければ意味がありません。KGIが企業にとって最も重要な目標を指標化・数値化したものであるならば、KPIはKGIを達成するためのプロセスの良し悪しを判断するための指標になります。

通常KGIは、可能な限り経営に関わる最上流の課題を指標として、当該のセクションや組織で担当する業務を加味して設定します。そのうえで、因果関係を持ち、数値的に予測可能な中間指標としてKPIを割り出し、設定します。

2、解釈の余地がないよう明確に設定する
戦略計画をまだ立てていない場合には策定し、組織の3年目標、5年目標を定義しましょう。

その上で、その計画を年間目標に小分けしましょう。チームのペースがどれだけ速いかによっては、続いて 1 年ごとの KPI を設定するか、さらに半年ごとまたは四半期ごとの重要業績評価指標「KPI」に細分化できます。

ポイントとしては、誰にでも明らかで、違った解釈が生じる余地のない指標にすることです。

例えば、「顧客訪問数30%アップ」だと、新規顧客なのか既存顧客なのか、二つを合わせたものなのか、いつの時点と比較して30%アップしていればよいのか、とチームによって解釈が変わる可能性があります。

明確なKPIでないと、対策も明確にはなりません。昨年4月と比較して新規顧客開拓数30%アップのように、異なる解釈が発生しないKPIを設定しましょう。

3、具体的なKPIを作成する意味
目指す目標とそれに至るための測定指標の決定が済んだら、ようやく重要業績評価指標「KPI」を作成できます。

数値化でき、具体的で、実行可能な KPI を設定するためには、「SMART (スマート)」の 5 つの要件と照らし合わせることを推奨します。

SMART は、以下の5つを表す略語です。

1、具体的である。
2、測定可能である。
3、Achievable (達成可能)である。
4、Realistic (現実的)である。
5、期限がある。

大胆な目標を達成することとは、ただ空の星を目指すことではありません。達成のための道筋が必要です。

そのため、SMARTな目標設定が必要になります。SMARTは、大きな目標を立てる際に役立つ項目の頭字語です。SMART を使うことで、プロジェクトの目標からより大きな企業目標まで、すべての目標達成に必要なすべての項目を確認できます。

4、KPIをタスクレベルまでブレイクダウンする
ビジネス目標を定義したら、その目標との関連性が高いビジネス評価指標はどれかを判断する必要があります。

なぜなら、ビジネス評価指標は、目標を達成できるか否かに直接影響する指標になるからです。

その際のポイントとしては、重要業績評価指標となるKPIを達成するためのステップを小分けにすることです。提示されるKPIは、得てして数字だけのことが多いものですが、メンバー1人ひとりがKPIにコミットできるように、達成に向けて誰が何をすればよいのか、具体化することが重要です。

数字だけ示して「後は自分たちで考えるように」という設定の仕方もありますが、この方法はKPI達成よりも、メンバーの教育(自分の頭で考えられるようにすること)が目的の場合に適しています。

KPIの確実な達成を目標とするのなら、KPIをさらにブレイクダウンして、タスクレベルに落とし込む作業が不可欠です。つまり、最終目標に影響する測定手法や指標として、さまざまな選択肢があるかもしれません。

最適な KPI を作成する秘訣は、最も重要な詳細データを記録し、その指標を必ず追跡することです。ただし、全てののタスクやプロジェクトをKPIの対象に含む必要はありません。

5、視覚的にいつでもKPIに触れられるようにする
重要業績評価指標「KPI」は、あらゆる目標と同様に、設定するだけで後は忘れてよいものではありません。進捗状況を追跡し、重要なプロジェクト関係者とタイムリーに共有する方法を必ず定めましょう。

進捗が速いプロジェクトなら、全員が常に変化を続ける最新状況を把握できるよう、アップデートを毎週共有することを検討しましょう。その際のポイントは、KPIがいつでも誰でも参照できるように配慮することです。

なぜなら、提示された当初は意識できていても、しばらく経てばKPIに対する意識は薄れてしまうからです。KPIを作成後、重要なプロジェクト関係者とKPIを共有し、全員が進捗状況を追跡できるよう、リアルタイムのアップデートも共有することが大切になります。

どのメンバーからも見える位置にKPIが掲示されていると、当事者意識を忘れずに業務に取り組めるものです。例えばSFAツールにKPIを入力するなどして、定期的に進捗を確認できるようにして置くことも欠かせません。

長期の緩やかなペースのプロジェクトであれば、十分な情報量を共有できるようになるまで待てるよう、隔週または月次の報告を検討しましょう。

■まとめ
戦略目標と直結し、数値化できるゴールを設定するために、重要業績評価指標としてKPI は効果的な手段です。しかし、KPI がニーズに合わない場合には、その他にもさまざまな目標設定の手法を試せます。

重要業績評価指標であるKPIを設定することで目標達成意欲が高まり、組織運営がスムーズになります。KPIを設定するメリットは、社内のリソースを特定の目標達成に向けて集中を促せることです。

組織が大きくなると、会社全体の業績を向上させることよりも、チームの成績や円滑な業務遂行自体が目的となってしまう場合があります。その場合、KPIの達成はおろか、他チームと反目し合ったり、会社の不安要素へと発展したり、よくない結果を招くこともあります。

明確で現実的なKPIを設定すれば、非効率な企業体質の代名詞でもある大企業病の予防にもなります。

現状がKPIとどの程度乖離していて、その差を埋めるために何をするべきかが全社に共有できていれば、各チームの内部事情が前面に出てくるリスクを減らせます。チーム同士のコミュニケーションもスムーズにとれるはずです。

管理者としては、KPIを設定することで、チームや個人に対する評価を透明化できます。明確に数値化されたKPIが評価基準になるので、評価に頭を悩ませる時間も削減できるでしょう。KPIは、業務遂行だけではなく評価をも明確にする効果を持っているわけです。

重要業績評価指標「KPI」は、目的を数値化した評価指標です。主観が混じる余地もなく、メンバーに受け入れられる現実的な水準であり、さらに行動レベルまでブレイクダウンされていれば、言うことありません。皆さんの会社でもあらためて『指標』について再考してみてはいかがでしょうか。

■最後に
会社経営者が知るべきことは、「ビジネスを決定づける要素はたった二つ」しかないということです。一つは利益を上げること、もう一つは資金を作り出すことです

業績が良い会社では、各部署の責任者であるマネージャーが週に一度、ミーティングを設けて最新の財務諸表を把握して、上層部だけでなくメンバーに共有することを徹底しています。

そのミーティングを通して、社員それぞれが全社的な数値を含めてプロジェクト単位の新しい数字データを的確に確認することで、意識付けを行い定点チェックに取り組んでいます。

具体的には、今年度の目標と照らして自身が携わった部署の仕事がうまく進んでいるか、自分の四半期のボーナスが出る可能性があるかどうかを確認するわけです。

ですが、経営者自身には、毎週や毎月など決められたスパンで定期的に会社の数値データを報告したり、次のアクションに対してモチベーションアップに繋がるような効果的な質問をしてくれるような存在は、社内には誰もいません。

経営者に数値を意識させ、パフォーマンスを高める役割を担うキーパーソンとしては、外部の「エグゼクティブ・コーチング」や顧問など外部のプロフェッショナル人材が該当するかと思います。

こうした専門家は豊富なビジネスの実務経験を持ってだけでなく、数値データを確認しながら客観的立場から経営状況を見て状況判断が可能なため、有効的な質問やアドバイスを受けられる可能性が高いです。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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