営業戦略とは?営業戦略の基本的な考え方と法人営業の戦略のコツ

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

営業戦略は、具体的な施策を立案するための拠り所となるものです。

営業戦略は、企業にとって最重要なテーマとなる売上アップの拡大に課題や問題点に対して立てられるもので、日常業務で立てられる単なる目標とは異なるものです。

従って最重要な課題となるセールスの方向性や販路開拓や顧客獲得の問題点に対して立てられる営業戦略を練り上げるためには、経営者のビジョンや市場調査、ターゲットの選定やライバルの分析が必要です。

営業戦略がしっかり立っていると、そのために何をすべきかも明確に見えてきます。

そこで今回、営業戦略とは何か、営業戦略の基本的な考え方と、法人営業の戦略のコツについて解説します。

■営業戦略とは?
営業戦略とは、売上や顧客数の増加といった会社の売上や利益目標業績を向上させるための短期的、中期的、長期的な側面から、営業活動全体の計画を指します。

営業戦略は、英語でセールスストラテジー「Sales Strategy」と表現されます。日本語で営業戦略は、会社全体の目標達成のための基礎となる方針を意味します。

効果的な営業戦略を作り上げ圧倒的な成果を上げるためには、企業が持続的に成長するために取るべき経営戦略やビジョンとなる営業方針を指し示し、営業活動のブループリントとなるシナリオを立案することが欠かせません。

なぜなら、営業の最終的な目標は売上アップになりますが、達成する手段や最適な方法は、会社の成長ステージや業界、プロダクトの競争優位性、ターゲットする企業規模、競合他社との関係、など、企業が置かれている環境や状況によっても大きく異なるからです。

ですので、効率的に成果を上げるためには、会社の経営戦略をベースとしての営業戦略を練り上げ、ライバルに打ち勝つ「必勝パターン」を作り上げる必要があります。

また、営業マンに会社から戦略の共有や何の武器も与えず、個々の営業マン任せにするのではなく、成果を上げるためのビジネスプランと組織的なバックアップを行うことが成果を上げる鍵になります。

企業である以上、売り上げ確保やシェア拡大など、常にクライアント数の増加や売上目標を求めていく必要があります。

この目標を達成するために、主に営業活動に焦点を当てて中長期的な視点から戦略を計画することが、営業戦略だと言えます。

■営業戦略と営業戦術との違い
営業戦術とは、営業戦略を達成するための具体的な手法のことを指します。

戦術とは、英語で「Tactics」といい、「作戦や戦闘における任務達成のために部隊や物資を効果的に配置して戦闘力を運用する」といった意味を持ちます。

営業戦略と営業戦術の違いは、作戦と戦法を加えてピラミッドを書いてみると分かり易く説明することができます。営業戦略を頂点に、作戦、戦術、戦法の順に4段の階層でセールスのプロセスを分解して書きます。

1、営業戦略:企業が「進むべき方向」「進んでいくための方法」
2、営業作戦:戦略を実現するためのプロジェクト
3、営業戦術:戦略を実現するためのプロジェクトを達成するための具体的な手段
4、営業戦法:現場での実務の方法、戦い方

大きな目標とそれを達成するための基礎計画が「戦略」であり、戦略で立てた計画をそのとおりに遂行するための手段が「戦術」になります。

基礎計画(戦略)がないまま戦術を振り回しても、その成果は場当たり的なものに過ぎず、本来の目標に近づくことができません。それほど、戦略というのは重要なものなのです。

営業戦略は、目標を達成するためのものですから、目標が定まらないのでは、戦略の立てようがありません。

これは、目的地がどこなのかも決めないまま船出するようなもので、それでは風任せの航海が続くばかりです。まず中長期的な目標を、数値とともに設定しておく必要があります。

目標が設定できたら、どのようにそこへ向かうのか、方向性を策定します。

これは、目的地までの道筋を描く作業で、戦略立案の核となる部分です。方向性を策定するにあたって、自社の現状を認識した上で、目標を達成するにはどうすればいいかを考えることになります。

■営業戦略を立案する9ステップ
営業戦略を立案する一般的な手順を9つのステップに分けて解説します。立案の手順は、企業の成長段階や業種などの条件によっても変わってきます。

1、現状分析
現状分析では、外部環境分析、顧客分析、競合分析、自社分析を進めます。外部環境分析では、市場の動向や国の方針、金融情勢、国際情勢など、ビジネスを取り巻く外部要因について洗い出します。

「市場」「顧客」「競合」3者の分析結果をもとに自社を分析する方法もあります。市場の変化は、顧客や競合他社にも大きな影響を及ぼすものになります。

それらの変化や影響と自社の変化や影響とを比較検討して、分析を進めるのです。

自社分析では自社が保有する経営資源の洗い出しや強み・弱みの見極めが重要です。顧客分析や競合企業の動向分析も欠かせません。顧客ニーズの変化が速くなっている影響で、タイムリーに方針を打ち出せなければビジネスチャンスを逃しかねないためです。

今回のコロナ禍では外部環境が一気に変わり、方針転換を迫られる企業が続出しました。外部環境の分析をせずに中長期的な営業戦略は立てられません。

2、ターゲットの明確化
営業活動において最も重要なのは、自社商品・サービスのターゲット層となる「セグメント」を特定することです。

セグメンテーションとは、日本語で「区分」を意味し、特にマーケティング分野では「市場にいる不特定多数の顧客を様々な切り口で分類し、特定の属性ごとにセグメントを作ること」です。

市場が成熟した現在では顧客の行動や価値観は多様化しています。それに伴い、不特定多数へのアプローチによって顧客の興味を引くことが難しくなりました。

より細分化された顧客ニーズに対応できるよう自社に適したセグメントを見つけて戦略策定することが重要なのです。

3、営業戦略の立案
ビジネスの現状が把握できれば、対応すべき課題や進むべき方向性が見えてきます。どんなターゲットにどの商品をどのような方法で売るべきなのかを考慮して、営業戦略を立てましょう。

営業戦略立案時と比較してマーケット状況が変化した場合、新たなマーケット状況に応じて営業戦略を軌道修正します。一度決めた戦略を頑なに守るのではなく、臨機応変に戦略を再構築することが、営業戦略達成の近道になるからです。

営業戦略は関係者全体で共有する必要があるため、シンプルでわかりやすいものにします。人によって受け取り方が違うと、ちぐはぐな対応になりかねません。

4、営業戦術の策定
営業の戦略目標を達成するためには、具体的な営業の戦術を策定することが欠かせません。

効果的な営業戦術の立案には、まず見込み客の獲得や育成についての検討が必要となります。そのためには、自社及び自社製品やサービスに対して、下記のような作戦を設定する必要があります・

・見込顧客への認知
・興味付け
・信頼性の構築
・見込み客の課題のリサーチ
・契約に結び付けるための動機付け

これまで営業戦術といえば、飛び込み営業やテレアポ、チラシ配布、展示会などが主流でした。コロナ禍で対面式の交渉が難しくなったことで、ICT技術を活用した営業戦術の必要性が高まっています。

オンライン商談やインサイドセールス(内勤型営業)、インバウンドマーケティングといった戦術にシフトする企業も増えています。インサイドセールスとは、成約の見込みが低いターゲットにメールや電話などでアプローチを続け、見込みが高いリードのみを営業部隊につなげる方式です。

一方、インバウンドマーケティングとは、SNSや動画、ホワイトペーパーなどのコンテンツを利用して顧客を獲得し、時間をかけてファン化する手法です。

5、営業のPDCAに取り組む
営業戦略や営業戦術は1度で作戦が成功するとは限らないため、PDCAを回転させることが大事になります。

なぜなら、上手く顧客を獲得することが出来ず、売上が上がらない時は、改善点を次のプランに反映する取り組みが非常に重要になるからです。

営業のPDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、営業活動をマネジメントの品質を高めようという概念になります。

短いサイクルでスピーディーにPDCAサイクルを回して営業戦術をブラッシュアップしましょう。

見込み客を顧客に昇格させるためには、見込み客のニーズに合った提案を行います。探った見込み客のニーズに合致した自社商品やサービスを提案するには、刻々と変化する時代や顧客ニーズに敏感でなくてはなりません。

6、営業現状の数値化
営業現状の数値化とは、自社の営業が抱えている問題や課題を含め、製品やチャネル、価格などについて、さまざまなフレームワークを生かし、販売量や売上金額などを数値化することです。

KPIを使って営業戦術の成果を可視化し、分析・評価を実施して新たな課題を洗い出します。KPIとは、最終的な目標に対して、どの程度達成できているかを示す指標のこと。

英語の「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったもので、重要業績評価指標と訳されます。KPIを設定すると、自ずと営業戦略の達成に繋がるのです。

目標の達成度を表す指標を、KPI「重要業績評価指標」と呼びます。「3カ月以内に売上を10%アップする」など、具体的な数値を使って目標を設定しましょう。営業では、市場占有率や訪問件数、成約数といった項目が指標として使われるケースが一般的です。

7、営業ツールの導入も考える
業績アップや生産性向上、働き方改革に対応するためには、営業活動そのものの効率化も必要です。営業の属人化を解消するためにも、営業プロセスの可視化や情報共有を進めましょう。

営業支援ツールを導入して外出先から業務報告ができる環境を整える方法も有効です。獲得した顧客をつなぎ留め、ファン化するための継続的なカスターマーサクセスも欠かせません。

8、カスターマーサクセスを構築する
ライバル他社との競争をくぐり抜け、顧客のロイヤルティを高めるには、獲得した顧客をファン化するための継続的なフォローも欠かせません。企業側から顧客に対して自発的に働きかける「カスターマーサクセス」が安定収益に繋がる基盤になっています。

法人営業でもカスターマーサクセスが重要になった背景にあるのは、売って終わりの従来型のサービスからの変容です。

昨今、主流となりつつあるサブスクリプション型のサービスでは、契約期間が利益に大きく影響します。そのため、これまでとは違うアプローチによって顧客と長期的な関係を維持することが重要になっているのです。

9、コアコンピタンスの把握
コアコンピタンスとは、「自社にしかなく他社が真似できない」能力のことで、SWOT分析などによって、他社との差別化を実現します。SWOT分析とは、下記を用いた分析方法です。

・企業目標の実現を促進させる内部的な特徴であるStrength(強み)
・企業目標の実現を抑制する内部的な特徴であるWeakness(弱み)
・競合他社による脅威としてのOpportunity(機会)
・企業目標の実現に対して障壁となる外部の特徴であるThreat(脅威)

それぞれを「コントロールできない外部要因」と「コントロール可能な内的要因」に分けて企業活動を分析します。

例えば、SWOT分析で自社のプロダクトを分析した結果、弱みが見つかった場合には「弱みを強みに変える」「脅威を退け、機会を最大限生かす」などを主眼とし、課題を明確化し強みを強化する必要があります。

自社ならではの価値となるコアコンピタンスを営業マン全員が正確に把握し、強みを生かす戦略を立案できることが営業戦略の鍵になるのです。

■まとめ
営業戦略とは、組織が前にすすむにはどうしたらよいかを示す旗印になる経営のビジョンに近いものとなります。営業戦略を立てるとは、セールス活動を行う上で組織にとって良いこと、好ましいことをどうやって実現するかを考えることになります。

優れた営業戦略は、営業部隊が業績や利益を上げるのにはどうしたら良いかの方向性を示すもので、組織にとって良いことにフォーカスし、営業活動で無駄な時間や不要な部分への労力を減らし、売上アップに必要で好ましいことをどうやって実現するかを考えることになります。

営業戦略は、特定の営業目標を達成するための中長期的な基礎計画を指します。

「特定の営業目標」とは、企業の置かれている状況よって様々なです。営業戦略の具体例は「見込客を増やす」「見込み客を獲得する」「販売実績に繋げる」の3点があります。

企業によって売上の増大であったり、シェアの拡大であったりするでしょう。そうした目標を達成するための基本方針となるのが営業戦略です。 企業方針やマーティング戦略とも密接に関わるものです。

営業戦略の企画立案の良し悪しが、会社の成長の明暗を分ける大きな分岐点になるため、経営者や営業マネージャーにとって最重要事項となるのです。

「戦略とは、組織が前に進むにはどうしたら良いかを示すものである。戦略を立てるとは、組織にとって良いこと、好ましいことをどうやって実現するかを考えることである。」

<リチャード・P・ルメルト>

■最後に
創業時にフォーカスするべき仕事としては、まず競争優位性の高いプロダクトを作り上げることです。

その上で社長の人脈で最初の顧客を獲得することです。ですが、経営者1人や数人の営業マンでは、有力な大手企業を新規開拓したり、自社のみでアプローチ先を沢山増やすことに限界があります。

中小企業の経営者やベンチャー企業の起業家は、アーリーステージの段階では、正社員の営業マンを沢山採用して雇用すことは、採用コストや人件費が膨れ上がるため経営資源的に難しいです。

そのような時こそ、人脈を豊富に持つ外部の協力者から「リファラル営業」による紹介で仕事を貰い、トラクションを獲得する必要があります。

特に創業当初は、導入実績も少なく社長の人脈だけでは、どうしても仕事を貰えるルートも限られているため、必然的に知っている人からの仕事依頼や紹介がメインとなるでしょう。

営業戦略の立案には、特定の会社で大きな成果を上げた実務経験が必要になるため、フリーランスの顧問や特定の会社の営業マンとしてトップセールスの経験を持つ営業のプロ人材に任せるのが効果的です。

ただし、トップセールになる人材を求人サイトで採用したり、大手企業の役員クラスとの人脈や決裁者とのコネクションを持つ、営業顧問やフリーランス営業を複数名採用することは、非常にハードルが高く、求人広告費を投下してもそう簡単には集まりません。

また、複数の営業顧問と契約する場合、顧問料の調整、営業のマネジメントや顧問契約の締結、顧問報酬の支払いの業務も必要になるため、予想以上の手間と労力、そして大きなコストが掛かります。

そのため、多くの会社が顧問紹介会社のエージェントを活用しています。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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