CFOとは?CFOとCEOの違い・最高財務責任者の仕事内容と役割

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

企業の財務基盤の整備、資金使途の健全性やコンプライアンスなど、アカウンタビリティが叫ばれている昨今、CFOに求められる能力は多岐にわたっています。

株式公開を短期間で目指すスタートアップのCFOは、CEOのパートナーとして、会社の経営を支える右腕として、大きな責任の伴う大事なポジションになります。

そこで今回、CFOとCEOの違い・最高財務責任者の仕事内容と役割について解説します。

■CFOとは?
CFOとは、英語の「Chief Financial Officer」の略称になります。日本語では「最高財務責任者」を意味しています。

CFOは会社の財務に関する業務執行を統括する役員や執行役員、執行役というポジションになります。

従来の日本企業では、代表取締役である社長が、最高経営責任者「CEO」、最高執行責任者「COO」、最高財務責任者「CFO」に当たる職務をすべて担ってきました。

しかし、米国型の企業では、企業の資金調達や運用といった財務面、経理面を統括するCFOを設置しています。

アメリカの企業では、財務戦略を経営戦略の1つとして見なすことから、CEOをファイナンスの側面からサポートするCFOは、経営陣の一員として捉えています。

日本では財務の責任者は財務部長であることが多いですが、スタートアップでは、CFOは経営陣の一員として非常に期待されています。

■CFOが日本の企業でも増えている背景
ビジネスのグローバル化が進む昨今、財務や経理の専門知識を基に、海外の企業と対等に資金調達やM&Aを行うことができるCFOは、少しずつ重要な存在となってきています。

日本では2003年に改正会社法が施行され、日本国内の大会社で米国型ガバナンス制度の導入が可能になりました。

その結果、CFOが設置される企業が増え始めたのです。

CFOが増え始めた当初は、残念ながら新しくCFOを設置しても今までの財務部長、経理部長の名前を変えただけのケースも珍しくありませんでした。

しかし、企業全体の運営に経理、財務が欠かせないこと、専門性が高い財務戦略が求められるようになってきたことで、外部からCFOを招いたり、内部でCFO候補を育成したりする動きが高まっています。

■CEOの右腕としてCFOの必要性
財務戦略の重要性が言われるようになり、欧米ではCFOは財務を戦略的に活用できる経営者として、CEO(最高経営責任者)と並んで地位が確立しています。

1991年~1993年に起きたバブル経済の崩壊までは、企業の資金調達の方法と言えば、金融機関からの融資でした。

そのため、企業の財務責任者には金融機関との信頼関係を大切にし、自社の財務状況や財務計画についてきちんと説明できるというスキルが主に求められていたのです。

バブル経済の崩壊後は、金融機関からの融資を受けることは難しくなり、企業は投資家からの資金調達を行わなければならなくなりました。

投資家から資金調達を行うには、自社の成長戦略を数字に落とし込み、競合他社と比較した場合の優位性、市場全体が成長するかどうかなども含めて経営陣としての観点から説明をする必要があります。

企業は、企業価値の向上と世界基準の透明性の確保のために、より高い財務管理力が求められるようになりました。

CEOが高い財務パフォーマンスを生み出すためには財務戦略を立案、遂行するプロフェッショナルとしてCFOが必要とされています。そのため、財務における専門知識と、経営陣としてのスキルを持ち合わせたCFOへのニーズが高まって来ていると言えます。

■CFOの仕事内容とCFOが果たす役割
CFOはその重要性が認知されるようになりました。CFOはどのような仕事に携わるのか、代表的な仕事を説明します。

1、資金調達
企業の創業時から拡大期まで、資金調達はCFOの重要な仕事です。日本ではバブル崩壊をきっかけに資金調達の難易度が上がりました。

金融機関との連携が取れるだけでなく、投資家からの資金調達やM&Aのように多様な経営戦略を取れる人材が求められています。

資金調達は主に融資と出資に分けられ、融資を受ける場合は金融機関との交渉や編成計画の立案が必要です。

株式出資の場合は、誰から出資を受けるか、候補の選定から発行する株式数や種類、条件を決めなければいけません。投資家との交渉や法務面にも携わります。

融資を受ける場合CFOが財務諸表を整理したり、返済計画を策定したりして金融機関との交渉役となり、効率良く融資審査へとつなげることができるでしょう。

また、出資を受ける場合投資家やVCの候補リスト作成や、発行する株式の数や種類の打ち合わせ、投資契約書の確認などをCFOが行うので、企業にとって効果的な出資を受けることができるでしょう。

会社の創業期であれば、CEOが投資家や市場関係者に企業のビジョンや期待できるリターンを説明する役割を担うことが多いかもしれません。

しかし、事業拡大するにつれ、資金調達の専門性や負担は高まります。そこでCFOに資金調達を任せて、CEOが企業経営に集中する体制が取られるのです。

資金調達は資金を調達するだけでなく、正しく、説明できる形で使うこともCFOの大切な仕事と言えるでしょう。

経営陣の一角として、資金調達から実際に活用するまで管理するのがCFOの役割です。

2、財務戦略
企業の拡大期においては従業員の増員や広告宣伝費、商品やサービスの開発費などのコストが増加するため、CFOによる企業会計の仕事もそれに伴って増えるでしょう。

事業が拡大すれば、より成長を加速するためのコスト管理も必要です。

従業員を新しく雇った場合の人件費、新オフィスの賃料、新商品開発費や、広告宣伝費が大きくなるかもしれません。

お金の規模が変わるため、資金の予実管理の重要性は増し、部署ごとに適切な予算配分も求められます。

具体的には事業を拡大するために適切な予算配分とはどのようなものかを考えたり、コストカットが可能な部分がないかを洗い出したりしていくといった内容となります。

企業の目的は利益を生み出すこと。そのためには健全な経営や収益性分析も求められます。

売上に対する利益や資本に対する利益を比較して必要な分析、コストカットを実施することもCFOの仕事です。

大きな流れで見ると経営戦略に基づいた財務戦略の実行が求められるので、CFOが最も実力を発揮する段階だと言えるでしょう。

3、上場に関する実務
企業が成長し上場するための準備段階になると、CFOは内部統制の構築や監査法人や証券会社の選定、渉外といったことにも目を向ける必要が出てくるため、複雑化した業務を分業してそのチームをマネジメントする必要が出てきます。

企業が成長すれば、上場すべきなのか、上場するのであればいつ上場するかも問題になるかもしれません。

今までは創業者と限られた関係者にだけ公開していた株式発行や資金調達を、広く一般に公開して実施することには大きな違いがあります。

上場に当たっては、市場関係者や機関投資家との対話、既存株主への説明は上場後の株価にも大きく関わります。

利害関係者が増えることになるので、内部統制構築のために専属担当チームの結成も検討しなければいけません。

新規公開株(IPO)には、監査法人や証券会社の選定、申請書類の作成、社内規制のタイセクの整備といった数年単位での膨大な準備作業が必要です。

外部環境の変化に対応しつつ、多くの関係者と調整する仕事は多忙で繊細でしょう。チームでの分業になるため、CFOはチームマネジメントの能力も求められます。

また、上場後を見据えた市場関係者や機関投資家とのコミュニケーションは、上場後の株価に影響を及ぼすので、CFOの重要な役割だと言えるでしょう。

■CFOになるための3つの資質
CFOは企業の財務戦略の立案、実行を担う役割です。CFOになるためには特別な資格は必要ありません。CFOとなる人に求められる条件がどのようなものか紹介します。

1、会計や財務管理の知識
創業したばかりの企業は運転資金に余裕があるとは言えないため、ビジネスモデルにもよりますが、事業を成長させるために資金調達を行う場合が多いでしょう。

資金調達の方法には金融機関からの融資を受ける方法と、投資家やVC(ベンチャーキャピタル)などから出資を受ける方法の2通りがあります。

CFOは管理や経理、財務の知識は当然求められます。

しかし、数字を集計して財務諸表を作成するだけが仕事ではありません。CFOには単純に計算してまとめる能力だけなく、財務を分析して経営戦略に活かす知識や経験が必須です。

また、グローバル化に伴って英語力や海外で仕事をした経験が評価される場合もあります。海外での決算業務や財務担当経験を持つ人材は重宝されるかもしれません。外資系投資銀行やコンサル出身者がCFOに選ばれるケースもあります。

2、財務に関わる経験
CFOになるには、財務の経験が必要です。そのため、金融機関や投資銀行の出身者が選ばれやすい傾向にあります。

また、企業での経理や財務で経験を積みながら会計、ファイナンス全般の知識、経験を身につけた人材もCFOとして必要な経験を持つと考えられます。

また、大企業で財務の経験を積んだ人だけでなく、ベンチャー企業で上場を目指して監査や税務をおこなってきた人材も、CFOとして有望な存在でしょう。

大企業では、年功序列や経験重視の部分も大きく、大きな仕事を経験するまで長い時間が必要なケースもあります。

ベンチャー企業は、一人の業務の責任範囲が広いため、数年でも経理や財務で重要な業務を身に付けられるかもしれません。

3、経営者としての視点
CFOは財務の責任者であると同時に、企業の意思決定をおこなうための経営者です。そのため、経理や財務の経験だけでなく、経営や規格の経験も重視されます。

CFOはお金の面から企業活動や経営戦略を支えるのが役割です。

会社の資金は株主や投資家から預かったものであり、それらをどのように運用しているのか、納得してもらえるようにエビデンスの伴った説明を行うことはとても大切です。

企業を取り巻く市場の大きな流れの中で、自社の企業価値を高めていくためには、他社とどのように協業するか、不採算事業を売却するかなど、経営陣としての視線を持って考えていく必要があります。

例えば、コンサルティング会社や投資銀行でのM&Aの経験が役に立つでしょう。

企業がお金の面で健全な経営を続けていくために、CFOにはコスト意識やコンプライアンス意識を高く持ち適切な経営判断をするためのスキルが求められます。

■まとめ
CFOには、CEOと共に経営企画の立案に携わるという役割があります。

CFOは、単純に経理・財務の最高管理者という立場であるだけでなく、CEO(最高経営責任者)同様に経営判断を行うポジションであり、企業成長のカギを握っている存在です。

事業の将来的な予測を立てつつ財務戦略を経営戦略へと反映させていくのがCFOの仕事です。

企業活動に欠かすことのできない資金をどうやって調達するのか、調達した資金をどのように配分し、その後の管理を行っていくのか、CEOへ財務的な観点より提言するなど、業務内容は多岐にわたります。

CFOは、今後の流れを見据えながら中長期計画や経営計画を立て、それらをまとめてマネジメントレポートにする必要があるのです。

CFOはもともと欧米型企業の中で重視されてきた役職ですが、日本でも必要性が叫ばれています。CFOには、経営の片腕としてのスキルと高いファイナンス能力が必要と言えるでしょう。

社内からCFOの候補者を選定するのであれば、早い段階での人材育成が必要です。

しかし、スタートアップの場合、正社員で優秀なCFOの採用することは、簡単ではありません。

今後、第三者割当増資による資金遅達や自社の経営、財務戦略を見直すときには、外部からのCFO人材の登用も考えてみると良いでしょう。

「経営にも、万一の場合に備えて、設備や資金などのダムを作り、ゆとりをもった経営をすすめていくことが肝要である。そうすれば、いかなる経営環境のもとでも安定的な経営を進めて行くことができるだろう。」

<松下幸之助>

■最後に
CFOの役割は単なるお金の戦略にとどまりません。情報の共有化を図って、全社横断的に戦略を立て、企業価値や理念を守る役割として、今後も必要性が高まると予想されています。

ベンチャーキャピタルからの資金調達には、資本政策の策定が肝になり、如何にして株価のバリューを高めるのかも手腕が問われます。

株式公開の準備からIPOするまでは、多大な労力と負担が掛かりますが、非常に大きなやりがいを得られます。

日本でも上場を見据えてCFOを置く経営体制の企業が増えてきていますが、中小企業が優秀なCFOを正社員で採用するのが、そう簡単ではありません。

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また、スタートアップのCFOや役員経験が外部CFOの役割を担うことで、事業計画書の作成、資本政策、株価算定などの知⾒を提供し実行をサポートします。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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