ホーソーン効果とは?ピグマリオン効果との違いと活用のコツ

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: プロ活用方法   パーマリンク

薬効がない薬を与えても、思いこみによってポジティブな効果が現れることを「プラセボ効果」と言います。

主観的認識によって労働生産性の向上という実効性が現れるという点では、学生やビジネスマン、様々な分野のプロ人材のモチベーションを高める上で、非常に大きな効果がある「ホーソン効果」や「ピグマリオン効果」も似たところがあります。

他人からのポジティブな注目があることが、自分の中に眠っていた意識に変革をもたらし、「モチベーションアップ」に大きく影響したことで、自身の行動や結果が大きく変わってくる「ホーソン効果」が自然に起きることは、往々にしてあります。

そこで今回、ホーソーン効果とは何か、ピグマリオン効果との違いと活用のコツについて解説します。

「何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれない中で、同じ情熱、気力、モチベーションを持って継続しているのは、非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。」

<羽生善治>

■ホーソーン効果とは?
ホーソン効果とは、ビジネスや勉強、スポーツを問わず、何かにチャレンジする人が、特手の人物や周囲から「注目される」ことによって、成果を上げようと普段以上に頑張り、潜在的なパワーを発揮する現象のことです。

周囲からの注目を浴びることで、何とか「相手の期待に応えたい」という気持ちが心理に影響を与え、パフォーマンスが大きく向上する現象のことになります。

誰しも他人からのポジティブな注目があることで、自分の意識決定に大きく影響し、それによって自分の行動や結果が変わってくることは往々にしてあります。

このように、相手の期待に応えたいという気持ちが好結果を生みだす、好循環サイクルのことを「ホーソーン効果」と言います。

仕事においては、「周囲の関心を集めていると知ることで、自己実現的に成果が上がる」、というプラスの効果が起きます。

ビジネスシーンにおいてホーソン効果が発生すると、社員のモチベーションアップや集中力の継続が期待できます。

■ホーソン効果の起源
ホーソン効果が発見された経緯は、100年ほど前に、米国のウェスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われた実験です。

この時の実験によって労働時間や環境などの物理的労働条件よりも「注目されているという意識によって生産性が向上する」ということが判明しました。

このことから、周囲の注目を浴びることで「よく見られたい」「ヒトの期待に応えたい」という気持ちが生まれ、それによって行動が変わり良い結果を生み出す現象が「ホーソン効果」と呼ばれるようになりました。

ホーソン実験によって人は経済的動機付けだけで動くわけではないことがわかり、その後の「マズローの欲求階層説」(人間心理学)に繋がっています。

■ホーソン効果とピグマリオン効果の違い
「ホーソン効果」の類義語として、「ピグマリオン効果」があります。

ピグマリオン効果とは、「教育心理学」の分野における学説で、生徒は教師の期待に応えて学習効果を上げる傾向があるというものです。

その効果が転じて、他者からの期待を受けることで学習だけでなく、ビジネスの作業や難しいチャレンジでも大きな成果を出すことができるという効果のことを指します

ピグマリオン効果は、アメリカの心理学者ローゼンタールが発見した心理現象で、「教師期待効果」や「ローゼンタール効果」と呼ばれることもあります。

「人に期待しているからついつい頑張っていしまう」という「ピグマリオン効果」は、「ホーソン効果」ととても良く似た「心理現象」だと言えます。

これらの二つの違いは、以下の点になります

・ホーソン効果:人の「注目」「関心」によって生産性が上がる。
・ピグマリオン効果:人の「期待」によって成績が上がる。

このように、両者は「頑張ろう」と思う原因が異なるのです。

ホーソン効果もピグマリオン効果も、「自分は期待されている」という認識が結果に良い影響を及ぼすという点では、共通しています。

いずれも、人を動かすパワフルな「原動力」になる「青い炎」の一つになるものだと言えるでしょう。

■プラセボ効果との違い
プラセボ効果(プラシーボ効果/偽薬効果)とは、思い込みが身体や実力に影響を及ぼし、何らかの改善がみられる現象になります。

プラセボとは、本物の薬と見分けがつかないが有効成分が入っておらず、臨床試験に使用するためのものです。

日本語で「偽薬(ぎやく)」と訳されることもあります。薬としての効き目のない乳糖やデンプンなどを錠剤やカプセル剤などにし、薬のように偽装してみせたニセモノです。

本来は薬としての効果がない偽薬を服用し、病気の症状が改善する状態を目指すモノになりますが、ビジネスシーンや恋愛などにも活用されています。

ホーソン効果とプラセボ効果の共通点は、何かしらの要因によって本当に状況が改善されることです。

ただし、ホーソン効果は他者からの期待によって引き起こされますが、プラセボ効果は本人の思い込みが影響をもたらすため、根本的な要因は大きく異なると言えます。

■ホーソン効果をビジネスに活かすポイント
ホーソン効果は従業員のモチベーションを高め、労働生産性を上げる効果があります。

それでは職場においてホーソン効果を活かすためにはどのような施策を行えばいいのでしょうか。

1、優秀な社員とともに働かせる。
ホーソン効果は、上司と部下間の関係に限らず発揮されるため、同じ立場の同僚の視線を活用することもできます。

周囲のレベルが高ければ、自分も同じレベルが期待されていると自然と思うものなので、周りに引っ張られて成長が促進されることが期待できます。

2、定期的にプレゼンの場を設ける。
日常業務とは別に、定期的にプレゼンの機会を設けるなどして、従業員が自分の仕事を経営層にアピールする場を用意するのも効果的です。

タイミングとしては、昇給審査や昇進審査などを利用するといいでしょう。

このようなプレゼンの機会を作ることによって従業員は、「この会社や上司は自分の話を聞いてくれる」「尊重してくれている」と実感を得ることができ、モチベーションを高めやすくなります。

3、今後の目標を人前でコミットさせる。
既存の実績だけではなく、今後の目標などについても話して貰うのがおすすめです。

そうすることによって従業員は自分の目標を明確にできる上、上司はその部下に対してどのようなことをどれくらい期待しているか伝えることも大切です。

部下が自分で設定した目標を達成できているか、はっきりした評価軸を持って注目したりすることができます。

4、コミュニケーションを活発にする。
ホーソン効果においては、人間関係も生産性にポジティブな影響をもたらすと言われています。

それゆえ、上司はチームメンバーの人間関係に対しても配慮し、チーム内でのコミュニケーションを活発にするようにマネジメントすることが重要です。

メンバーがお互いに励まし合うことで仕事に対する意欲を高めることが期待できるとともに、他人に見られている、他人から褒められたいという「他者肯定感」をアップさせることができます。

5、仕事を見える化する。
個々の従業員が自分の仕事だけではなく、周囲の仕事状況にも関心を持って注目することによっても、ホーソン効果は発揮されます。

こうした仕事状況を「見える化」することによって、仕事が停滞したりトラブルが起きたりしたときには素早いフォローも可能になるでしょう。

■ホーソーン効果の活用方法
ホーソーン効果は、主に多数の人間を指導する場合において、メンバーのモチベーション向上に役立てることができます。

人の行動を適切に監督するマネジメントは、物事の結果を変化させます。

人はもし自分の行動が見られていると知った時、アクションを完了することにより積極的になるでしょう。

例えば、ユーザービリティテストのリサーチを行う時にも、ユーザビリティの問題を調べている際、解析するリサーチャーはその問題が重要かどうかに関係なく、問題を発見しようとより積極的になります。

ビジネスで成果を上げる際には、一人で淡々と作業することももちろん大切ですが、誰かと協力したり競い合うということでも、やはり集中力を継続させることができ、やる気も出るようになります。

「他人から見られている」ということを「システム」として組み込むことが効果的です。

リモートワークでも「物理的な距離が離れていても同僚や上司に見られていると意識づける」ことで労働意欲を維持し、向上することが可能になります。

現在ではホーソン効果はビジネスの領域でも実際に活用されており、経済的なリターンではなく従業員同士の関係性を向上させる仕掛けが多く見られます。

例えば、ディズニーでは各スタッフにカードを配り、自分が高評価した他のキャストにコメントを書いて送るという取り組みを実施しています。

更にスタッフ同士で交換された結果をもとに、優秀者は「スピリット・アワード」を受賞し、表彰されてその栄誉を讃えられるのです。

このように他者からの高評価が目に見える仕方で示される機会を作ることは、従業員のモチベーションを高めます。

「また受賞できるように頑張ろう」「自分も受賞できるように頑張ろう」という気を起こさせます。

■まとめ
ホーソン効果とは、「自分が周囲の人に評価されている」「注目されている」と認識することによって従業員はモチベーションを上げ、労働生産性を向上させるという心理学的効果です。

人は誰しも特別に優遇されたと感じた時、自分に周りの関心が集まっていると感じる時、その特別扱いや関心に応えようとより一層頑張るようになる心理効果がホーソン効果です。

ホーソン効果は表彰などの特別なことだけでなく、たとえば部署の中で自分だけが部長からよく声をかけられると感じるだけでも本人の中に特別な気持ちが生まれます。

ホーソン効果は「上司と部下」のような上下関係だけではなく、同僚同士など、同じ立場であっても適用されます。

この点、ピグマリオン効果は「教える側」と「教えられる側」という限定的な関係を前提に想定された理論であるという点に違いがあります。

少子高齢化による労働人口の減少により、現在、若手社員の確保は企業にとって大きな課題となっています。そんな中、企業の人材育成において「メンター制度」が大きな注目を集めています。

メンター制度とは、経験の浅い新入社員や若手社員に対して、豊富な知識と実務経験のある「他部署」や「年齢の近い」先輩社員がサポートを行う制度のことを指します。

仕事にまつわる悩みの解消やキャリア開発など、幅広いサポートに取り組むことで「ホーソン効果」にも繋がり、個人の成長を支援に結び付きます。

■最後に
コーチングは、1対1の対話を通じて新人の目標達成を支援するという点で、メンター制度と似た人材育成方法です。対話により相手の内面にある考えや視点を引き出し、成長や目標達成をサポートする手法のことです。

ただし、コーチングは業務達成やプロジェクトの実現など仕事に関わる限定的な領域をテーマとします。

ビジネスでもコーチングを定期的に行うことで、能動的な行動を促しし、高いパフォーマンスを発揮できる人材を育てることができます。

エグゼクテイブコーチングは、経営者に対して適切な質問や問いかけをすることで、自分の問題点や潜在能力、新たな可能性や視点に気づくことができる手法になります。

経営者自らが考えることで自発的な行動に繋がるため、目標達成が通常より早くなり、自己変革を促進する効果が期待できます。

ただし、エグゼクティブコーチングで新たな能力を引き出すためには、お互いの信頼関係と築くことと、長期的視野で根気強く継続する必要があります。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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