ビジネスの様々な課題を解決し会社を成長させるために、欧米企業のCEOの中には積極的にコーチングを生かしている経営者が多くいます。
エグゼクティブ・コーチングは、コーチとの対話によって、社長が持つ可能性をひらき、潜在能力を引き出すことに役立ちます。
エグゼクティブ・コーチは、孤独な社長のよき理解者です。
そこで今回は、エグゼクティブ・コーチングとは何か、孤独な社長にコーチ必要な訳を解説します。
■社長が孤独と言われる理由
「決断の場面においては、トップは常に孤独である」これは、「マネジメントの父」と称されるピーター・F・ドラッカー氏の言葉です。
社長の立場は理屈上は組織のトップ、さらに社長の肩書は周囲に威圧的な感情を与えるので、社内において双方向性の関係性を築くのが難しいくなります。
社員が社長に遠慮するのは当たり前のことであり、指示待ち社員や保身に走る上司が多いほど、社長は組織内で孤立します。多くの中小企業はトップダウンのワンマン構造にあるので、そうした事情も経営者の孤独を助長しているのです。
経営感覚のズレや視点の違いなども、社長が孤独に陥る原因・理由として挙げらます。
右腕となる有能な部下を抱えている社長であっても、孤独に陥ってしまうのはなぜなのか。そして、孤独から脱するために何をすべきなのか。
経営者である社長は常に決断を迫られています。
その決断の重要度が高くなればなるほど、誰かに相談するいうことが難しくなっていきます。どのようなことを決断でも、それは会社経営に確実に影響を及ぼしていくのですから、その重圧は想像以上に大きなものです。
金銭的なことや事業の今後についての不安、仕事での対人関係の悩みなど、すべての問題に自分一人で向き合っていかなくてはなりません。
成功する社長には、責任をすべて分け合える人間がいないのです。
ワンマン社長でなくても、最終決断は自分一人に委ねられることが、経営者は孤独である言われる最大の所以になります。経営感覚のズレや視点の違いなども、社長が孤独に陥る原因・理由として挙げらます。
■社長になると今までと同じようには友達付き合いができない
社長となった人が、経営者となる前からの友人と久々に会ってみると、これまで同じような価値観を持っていたはずなのにその違いや考え方のズレを感じてしまうことがあります。
社長になると昔の友人と楽しい時間を過ごすことができなくなったという話はよく耳にすることです。
これは起業した人とそうでない人の間では、ビジネスや物事の考え方に大きなギャップが生まれるため、仕方がないことと言えるでしょう。
社長とサラリーマンだと両者の間には責任の重みという大きな溝ができてしまっているのです。
中には起業して事業がうまく軌道に乗り始めると打算的に近づいてきて、少しうまくいかない時期があるとあっという間に離れていってしまうような人もいます。
ある程度信用していた大学時代の友人でさえ、ドリームキラーになり、悪意を持った言動や足を引っ張るような行動を取られてしまうと、人間不信に陥ってしまい友達としての付き合いも遠のいてしまいます。
ですが、付き合う人のステージが上がったと考え、そこは社長の経験の一つとして割り切るしかありません。
■社長の孤独を払拭するうえでコーチングは有効か?
具体的に、多くの社長はどうやって孤独から逃れているのでしょうか?
その方策の一つとして考えられるのが「エグゼクティブ・コーチング」を受けることです。
エグゼクティブ・コーチングのプロフェッショナルと対話を重ねるころで、社長自身が目指しているビジョンや目標、あるいはビジネスで改善したい事柄やそのための課題の整理やアクションプランを立てることが可能になります。
■エグゼクティブ・コーチングとは?
エグゼクティブ・コーチングとは、社長や経営幹部などエグゼクティブ層を対象にコーチングすることをいいます。
エグゼクティブを主な対象として社長向けに、コーチングしているコーチのことを「エグゼクティブコーチ」と呼んでいます。本来は選ばれたコーチという意味があります。
そして、課題を果たすための手順を明確にして、着実に実行してことが実現します。コーチングはスポーツ界に限ったものではなく、相手の成長を促し、潜在能力を開花させるように導くことを意味しています。
また、社長向けのコーチは相談者と対面でコミュニケーションを交わすカウンセラーではなく、同じ方向を向いて寄り添うポジションに位置しています。
つまり、社長に寄り添ってあなたを支えながら目標の達成や課題の解決へと導いてくれる存在となりますので、社長が抱える孤独感の解消に結びつくことが大いに期待されます。
具体的に用いている手法は会社の状況により個々に大なり小なり異なってくるかと思いますが、コーチの役割の一つは相談者の脳内を整理してあげることになります。
優秀なコーチは、社長との対話を重ねながら、相談者がどのようなことを求めているのか、その障害となっているのはどういったことなのかについてヒアリングし、それらを紙の上に書き出して行きます。
そうやって可視化するだけでも、相談者となる社長の脳内はずいぶんと整理されてくるものです。
そして、目標の達成や課題の解決のために目の前でやるべきことをコーチとともに考えていくことで、着実に前進を図っていくことが出来るようになるのです。
■社長の悩み解決にエグゼクティブ・コーチングが役立つ5つの理由
社長の悩み解決にコーチングが役立つ理由には、つぎの5つがあります。
1、社長の孤独感が和らぎストレスが軽減できる
コーチングでは、コーチとじっくりと対話をします。コーチは社長のより理解者です。
「本音を言える人」「分かってくれる人」がいることで、孤独感が和らぎ、肩の荷が下せるのでストレスが軽減できます。
社長のストレスが軽減できれば、無理にやる気を「出そう」としなくても、自然とやる気が出てきて、意識も課題解決に向けることができます。
2、社長の頭の中が整理できる
エグゼクティブ・コーチングでは、コーチと対話することで、自分の考えがはっきりと分かり、頭の中が整理できる効果があります。
社長としてやりたいことが明確になったり、ビジョンがはっきりしたりもします。
3、社長の発想が広がり新しいアイデアが生まれる
コーチングでは、よく「問い」や「質問」を使います。
「もしも、何の制限もないとしたら、本当にやりたいことは何だろう?」のように、「問い」を有効に使うことによって、今まで考えることがなかった視点を考えることにつながり、アイデアや発想が広がる効果があるからです。
4、社長がビジョンを描ける
エグゼクティブ・コーチングでは、「何が問題なのか」よりも、「本当はどうしたいのか」「そのためには何が必要なのか」のように、過去の問題解決よりも、未来を描き、そのために今できることは何かを考えることを大切にしています。
将来をイメージしながら、「達成した姿」をありありと思い浮かべることができると、社長としてのモチベーションが自然と湧いてきて、行動的にもなれます。
5、社長が人材育成の方法が分かる
社長がコーチングを受けることで、モチベーションの維持や頭の整理、目標の達成に必要なことを体験します。
また、「気づき」や「発想の転換」を体験するので、「どのようなコミュニケーションを測れば、人は育つのか」が自身の体験として分かります。
■社長向けエグゼクティブ・コーチングのコーチの選び方
一般的なコーチの選び方は、こちらにも記載していますが、社長向けのコーチングのコーチ選びには、特に次のようなポイントを重視されるとよいでしょう。
1、コーチが社長の経験者であること
社長のエグゼクティブ・コーチングでは、コーチ自身も社長として経験がある方が望ましいです。
なぜなら、社長の心情は、経営者でないと分からないからです。
2、ビジネスシーンで成果を出している
スポーツで成果を出していない人がコーチをしないように、社長のコーチングも、ビジネスシーンで何かしらの成果を出している人が望ましいでしょう。
社長として成果を出しているか否かは、プロフィールや実績を見れば分かります。
3、きちんとしたスキルを持っている
コーチングの資格はあってもなくても構いませんが、きちんとしたコーチングのスキルを持っているかは確認したいところです。
「心地よく話せるか」「ゆっくりと考えることができるか」「なるほど、その視点は考えたことがなかったな」「気づきを与えることができるか」などがチェックするポイントです。
4、信頼できる人を選ぶ
エグゼクティブ・コーチングでは、特に信頼関係も大切です。
「信頼」の基準は人それぞれですが、人柄や世界観など、「感覚的に合う」ことが大切です。コーチが書いたブログや、メディアに寄稿した記事、書籍などを読めば、大切にしていることは分かります。
■社長の孤独感の解消に繋がる顧問や経営コンサルタント
経営全般を相談できる顧問やコンサルタントを活用する方法も、社長の孤独感を解消する有効な手段と言えます。
その理由としては、経営で困ったことや、悩んだとがあれば直ぐに相談できる相手がいれば、不安が解消されるし、常に経営のプロに相談できるという安心感から経営者の孤独感が、大きく和らぐからです。
社長の孤独を解消するために経営のプロである経営コンサルタントと顧問契約する方法は、費用対効果と精神衛生上からみて、エグゼクティブ・コーチングの役割も果たして貰えるため、最も効果的な方法になります。
ただし、業績(利益)に貢献する経営コンサルであれば問題ありませんが、業績(利益)に貢献しない顧問や経営コンサルは、ただの話し相手に過ぎません。
逆に、会社を食い物にされて、会社経営の弊害になることもあり得るので、社長の孤独感を解消するための経営コンサル選びは慎重に進める必要があります。
■まとめ
社長である以上、さまざまな場面で孤独と向き合う必要があります。しかし、社長の中には、孤独に関して深刻な悩みを抱える人も少なくありません。
社長は常に孤独と向き合い、全責任を一身に背負って会社を経営し、経営の結果責任を全て負わなければならないので、甘い考えでは社長は務まりません。
しかし、社長の中には孤独に関して深刻な悩みを抱える人も少なくないため、ときには誰かに相談することも大切です。
社長はさまざまな課題を抱えているために、社員の中に相談相手を求める人もいます。
その一方で社長は、社内など身近に相談相手を作りにくい立場にあるのです。
社長の悩みは、同じ経営者でないと伝わらないケースが多いです。社長仲間がいないことで、良き相談相手を見つけられずに孤独を感じる経営者は少なくありません。
社長の孤独を改善・解決するには、同じ孤独や悩みを抱えている他の社長と交流するのも効果的です。
経営者同士であるからこそ、打ち明けられる悩みはあります。何気ない会話であっても、経営に役立つヒントが得られる可能性も高いです。
社長は、暗い夜道に灯りをともして、先頭に立って歩く人です。
さまざまな課題を解決し、ビジネスを成長させるためには、社長自身が気持ち的にもいい状態を維持し、前向きに仕事をしていく必要があります。
■最後に
社長の孤独を理解できる存在としては、経営者と関係を持つ顧問や経営コンサルタントなど外部の専門家も該当します。
こうした専門家は豊富な経験を持っているうえに、客観的立場から経営状況を見るため、有効的なアドバイスを受けられる可能性が高いです。
社長が孤独に陥りやすいことも理解しているため、精神的なサポートも期待できます。
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