スタートアップが人の記憶と心に自社ブランドの声を届け、刻み込むための大事な施策として、「タグライン」を創り、最大限に活用することです。
なぜなら、的確で魅力的な「タグライン」を設定することは、企業とブランドの市場における認知度アップと競争優位性の構築に繋がるからです。ですが、中小企業の場合には、タグラインを作成してない会社が殆どです。
そこで今回は、タグラインとは、ブランド価値と競争優位性の訴求が大事な訳について解説します。
「今日でも私は『何によって人に憶えられたいか?』を自らに問い続ける。これは自らの成長を促す問いである。なぜならば、自らを異なる人物、そうなりうる人物として見るよう仕向けてくれからである。」
<ピーター・ドラッカー>現代経営学の父
■タグラインとは?
タグラインとは、強く、短く、劇的な「スローガン」として記憶に刻まれる「ブランドメッセージ」です。タグラインは、「その企業のコンセプトや理念を表したり、その企業や製品、サービスがどんな価値を提供しているか」を端的にあらわす言葉です。
タグラインは、コーポレートアイデンティティの「本質」を端的に表現したフレーズで、コーポレートロゴと組み合わされたブランドを効果的に訴求する目的に、統一性のある「シグネチュア」として使わています。
事業内容を一言で表すだけでなく、従業員のモチベーションアップ、さらには学生に「この会社で働きたい」と思わせる魅力がある、リクルート戦略にも非常に効果的な企業ブランディングになります。
常に「ブランド」のロゴとセットにして用いられるものであり、短く、覚えやすく、その直後にそのブランド名を必ず想起させるという効果を伴ったものであると理解されています。
企業はどんな想いをもっているのか?価値を提供することでユーザーからどんな共感を得られるか?ということや、コーポレート・アイデンティティ(CI)を表すものとされています。そのためか、通常、タグラインは企業や製品のロゴマークに隣接しています。
タグラインとロゴの位置関係を見てみると、ロゴは視覚に訴えかける役割を持ち、タグラインは言語に訴えかける役割を持っています。
■タグラインの使い方
有名な例のひとつとして、コスモ石油の「ココロも満タンに」が挙げられます。Webサイトではロゴのすぐ下や横などに記されていることが多く、誰にでも分かりやすい平易な言葉で15字前後のものが理想的だとされています。
タグラインは、企業の持つ理念を打ち出したものであるため、顧客が得られるものを想起させる言葉を選び、不変かつ核心的なオリジナリティあふれるメッセージを練り上げ、心に響く言葉=「マントラ」として真剣にこれを作り上げる必要があります。
【タグラインの例】
・うまいすしを、 腹一杯。(スシロー)
・Connect with Innovation(住友電工グループ)
・カガクでネガイをカナエル会社(カネカ)
・NO MUSIC, NO LIFE.(タワーレコード)
・あしたのもと AJINOMOTO(味の素)
・ideas for life(Panasonic)
・すべてはお客さまの「うまい!」のために。(アサヒビール)
・自然と健康を科学する(ツムラ)
・The Power of Dreams(ホンダ)
最近はコロナ禍の影響からか、ポジティブで「SDGs」に繋がる内容を入れたタグラインを打ち出す会社が増えていますが、メッセージを工夫することで顧客の好感度を上げマーケットでの認知度を高める効果が期待できます。
■タグラインの効果とは?
タグラインには、端的で分かりやすく表現することで消費者の印象に残りやすいというメリットがあります。消費者の印象に残ると、そこから興味や関心を持ってもらい、商品やサービスの購入につながる可能性が高まります。また、遠回しな説明は必要なく、端的に表現することで、一目で企業の価値が分かるというメリットもあります。
魅力的なタグラインは、単なる宣伝文句ではなく、企業や、サービス、商品の普遍的な価値を想起させるものであるため、ブランドアイデンティティーや、市場におけるポジションをわかりやすくする効果があります。
例えば、「強さ引き出す乳酸菌」(R-1のタグライン)と「カラダにピース。」(カルピスのタグライン)では、同じ乳酸菌飲料でも、想起される商品の価値は変わってくると思います。
このように、タグラインを用いて価値が明確化されれば、コンセプトのブレないブランディングに繋がるだけでなく、顧客に競合他社との違いを示すことに効果的です。
■タグラインを作るときのポイント
タグラインを作るときは、誰にでも分かりやすく簡潔に書くことが重要です。目安としては、10文字~15文字程度で表現すると良いでしょう。株式会社日経BPコンサルティングが2015年に行った「企業メッセージ調査 2015」を見ても、この程度の文字数が適切であると言えます。
消費者の関心を引きたいからといって、奇をてらいすぎると単なる言葉遊びになり、消費者に価値を伝えられないため注意しましょう。ベンチャーや中小企業こそ、必要で、かつ、大企業のようなイメージ的なタグラインではなく、『わかりやすすぎるくらいの価値を明示する』くらいのタグラインが必要だと思います。
また、タグラインは、企業ロゴに添えるのか、商品ロゴに添えるのかによっても表現方法は異なります。企業ロゴの場合は企業の理念が伝わるような表現を、商品ロゴの場合は使用するメリットが一目で分かるような表現を意識するといいでしょう。
時期やキャンペーンによって、変化するキャッチコピーと違って、普遍的に変わらないコピーとも言えるのが、タグラインです。
タグラインが明確だと、遠回しな説明も必要ないですし、長々とその商品の良さを語り続ける必要もなくなります。
■まとめ
タグラインは、企業がどんな価値を提供できるのかを表したもの。ブランディングには欠かせない存在であるといわれています。タグラインが明確だと、企業の商品やサービスの価値を分かりやすく消費者に伝えられます。
企業や、サービス、商品、の普遍的な価値を表すフレーズであるタグラインは、ブランドイメージをわかりやすく反映でき、浸透させやすいため、ブランディングにとって重要なものであると言えます。
企業が届けたいブランド価値を、言葉のリズム感や、使っている言葉で表現できれば、顧客に、そのブランドのベネフィットを強くアピールできるのではないでしょうか。
スタートアップや中小企業では、まだタグラインを設定している企業が少ないため、自社の「価値」を具体的に明記することで、市場における競争優位性を獲得しやすくなると言えるのです。
これから、サービスや商品はさらに増えていくと思います。そのような競争社会で独自の価値を表現できるタグラインを使用してみてはいかがでしょうか。タグラインを創り、ブランド価値と競争優位性を訴求してますか?
■最後に
タグライン(tag line)とは顧客と潜在顧客、つまり世の中に対して、その企業やブランドが持つ感情面と機能面のベネフィット(優れた点)をわかりやすく伝えるための表現です。
また、タグラインは具体的で、誰にでもわかる言葉で簡潔に書かれている必要があります。「お客様への提供価値」であり、カテゴライズし競争優位性を明確に伝えることになります。自社のキャッチコピーやタグラインをみた時に、
1、他社にはない自社ならではの、顧客への価値
2、Missionとして市場に提供するカテゴライズ提起
3、お客様から見た時のわかりやすさ
の3点を備えているかどうか?これが企業成長においてとても大切なことであると思います。曖昧なコピーではポジションは取れません。結果、存在意義を輝かせる可能性は低くなります。
ダイソンは掃除機市場で、「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」というタグラインで新市場を開拓していきました。
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