差異とは?差異分析の重要性、定期的に差異を確認するポイント

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

現在、企業の経営環境は、変化が激しくスピードも速く多くのことが不確実・不透明な状況になっています、

インターネット領域の新規事業の立ち上げのシーンでは、差異を分析することが鍵となります。差異の重要性を認識した上で、サービスのローンチ後に定期的に差異分析を行うことで、PDCAサイクルを動かし必要な対策を早期に行うことが必要不可欠になります。

ですが、多くの企業で差異分析は効果的に行われておらず、常に予算と実績に乖離が生じて、効果的な対策が実施されていません。

特にマーケティングや営業では、当初の計画との差異を短いサイクルで分析し、結果をすぐ事業活動に反映させ、予算と実績の乖離を最小限にし、予算の達成を可能にするための効果的な差異の分析が必要だと言えます。

そこで今回、差異とは何か、差異分析の重要性、定期的に差異を確認するポイントについて解説します。

■差異とは?
差異とは、ある観点からは同一である事物の間にある、互いに他から自己を区別する関係、およびある事物がそれを持つことによって持たないものから区別されるところの徴表そのものを指します。

「相違」は、一つのものを見比べて昨日とは、「明らかに一致しない場合」や1ヵ月的と比べると「確実に違いがある」場合に使用する言葉になります。

経営における差異としては、当初の計画と実績値を単純に比較し、その差異を計算して分析する方法が使われています。

しかし、市場や競合関係などに大きな変化が発生すると大きな差異が生じるため、ライバルの動向がビジネスの方向性にも大きく影響し、数値だけからは差異が発生した理由の正確な分析が困難なケースもあります。

■ビジネスおける差異を分析する必要性
ビジネスおける差異を分析の目的は、分析結果を得るだけではなく、そこから経営活動の改善に繋げることです。

例えば、コンサルタントとしてクライアント企業の社長や取締役から「自社の状況を分析した上で、5年後に自社がとっているべき戦略案を今週中に示してくれ」と言われたらどうしますか?

アウトプット(成果物)次第でこの先のキャリアに大きく影響を与える分岐点と言えるので、的確な準備をしたいものです。

ビジネスで差異分析をする際には、「フレームワーク」という分析手法を使い、このような難易度の高い経営分析する場面で活用されています。

フレームワークにより、ライバルとの差異を分析した上で自社の課題や問題を解決するための答えを導きやすくなると言われています。

ビジネスでは、銀行から借り入れを行う際に作成する事業計画だけでなく、定期的に様々な差異の分析を行い、その結果を次の経営に活用することが重要になります。

・定期的に差異分析する。
・正しい数値であることを確認する。
・表面的な数値だけでなくその前段階の数値も把握する。
・プラスマイナスゼロでも何がプラスで何がマイナスかを明確にする。

■差異分析とは?
差異分析とは、経営活動による結果と当初の計画値とを比較してその差異を算出し、差異の原因について分析して経営上の課題を見つけることです。

差異分析では、当初の計画値と実績に乖離がなくても、市場全体が拡大、または縮小するなどの大きな変化があった場合、数値だけでは差異が発生した理由の客観的な分析ができず、将来の経営活動に生かせません。

単に差異の大きさを見るだけではなく、

・経営や予算に与えるインパクトの程度
・差異に拡大の傾向があるのか、あるいは一時的か?
・数値間の差異のバラツキ(エリア、製品、担当者別はどうか?
・差異が起きている原因に規則性はあるのか?

など、多角的に見る必要があります。

■差異を見極める3つの方法
近年、市場や顧客のニーズが日々目まぐるしく変わっています。その様々な変化を差異としていかにキャッチアップし、企業が臨機応変に対応できるかが業績に大きく影響するようになりました。

1、PDCAサイクルで差異を分析する方法
様々なビジネスシーンで活用されるPDCAサイクルは、実は経営戦略の策定にも役立ちます。

PDCAサイクルとは、ビジネスの施策に関して「計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・行動(Action)」を繰り返しながら、その施策をブラッシュアップしていく手法になります。

この一連の循環を「PDCAサイクル」といいます。計画、実行、評価、改善の4つのプロセスを、螺旋階段を上るように循環させて、継続的に業務効率化を進め、生産性を上げていくフレームワークです。

経営におけるPDCAを継続して実践するためには、様々な作業と検証を実践する必要があり、このスキルを実際のビジネスで実践できている方はひと握りだと言われています。

なぜなら、PDCAを実際に遂行するにはかなりの労力と意志の強さが求められるからです。

PDCAスキルはすべての課題解決のための必須プロセスであり、身に着けている方はビジネスリーダーとして組織を牽引すると言われています。

経営戦略は中長期的な計画になりやすいので、実行をしている最中に状況が変化することもあり得ます。そのため、策定した戦略を実行した後には評価を行い、改善する機会を設けることが重要になります。

2、予算管理における差異を分析する方法
予算差異分析とは、予算段階で計画していた各種数値と実際の数値を比較し、その差額を分析することで経営上の課題や改善策を見つける分析手法のことです。

差異分析を行う目的は「計画と比較してどれくらい差が生じたか」「その原因はなにか」を把握することにあり、今後の経営展開に活かせます。

差異分析は全体において行うほか、販売・製造・財務など各部門で行うのも効果的です。分析する箇所をより細分化することで、差異が生じた際の原因を掴みやすくなり、詳細なデータを得られます。

3、差異を分解して分析する方法
利益差異を「収益差異」「原価差異」に分解して分析する方法もあります。収益は「商品価格✕数量」で求められるため、販売価格差異と数量差異に分割して検証するのが一般的です。

予算と実績の利益差異を分析する場合、収益差異(販売価格差異、販売数量差異)と原価差異(価格差異、数量差異、操業度差異など)にまず分解して比較します。

さらに、それぞれの差異を必要に応じて、地域や顧客別などセグメント別の売上数量差異、市場占有率によって生じる数量差異、販売費の増減を確認する必要があります。

それぞれの差異をさらに「市場数量差異」「市場占有率差異」「製品配合差異」「販売費差異」「製造原価差異」「固定費差異」などに分解して分析することもできます。また、データを細分化すればするほど差異の原因を特定しやすくなり、経営課題や改善点が明確になります。

■差異分析をする際の3つの注意点
差異分析を行う際の注意点をいくつかご紹介します。差異分析は予算管理に不可欠な手法ですが、正しく行わなければその効果が発揮されません。

1、定期的に差異分析する。
差異分析は、なるべく定期的に行うように心がけましょう。頻度は自社の都合で決めてもよいのですが、毎月行うのが一般的とされています。

毎月月次試算表を作成して差異分析を行えば、予算と実績の差異を早めに発見でき、然るべき対策を施せます。問題が生じた場合、対処が迅速であればあるほど解決が容易になるたでしょう。

月ベースでの差異分析はもちろん、当月までの累積値による差異分析を行うのもおすすめです。月々の差異はあまりなかったとしても、累積した場合に無視できない数値になっているケースもあります。

2、数値が正確か確認する
差異分析は、正しいデータに基づいて行うのが鉄則です。当たり前の話になりますが、誤ったデータを基に差異分析を行っても誤った結論しか導かれないため、そこから得た課題や改善点に意味はありません。

差異分析をする際は、用意するデータの正確性に注意しましょう。当事者意識をもってしっかりとデータ管理を行うのはもちろん、各所からの報告を鵜呑みにしないことも大切です。

営業部から「プラスマイナスゼロです」という報告を受けた場合、「なら問題ない」と即断するのではなく、「どこがプラスでどこがマイナスか」という部分まで掘り下げましょう。その結果、即座に解消すべき問題が発見されるかもしれません。

3、分析結果を次に活かす
差異分析を行う目的は、「予算と実績の差異から原因を特定し、事業改善に繋げること」です。単に分析して終わりというものではなく、そこから問題点や改善点を発見し、実際にその解決にあたるところまでが差異分析の範疇といえるのではないでしょうか。

そのためには、定期的な差異分析を行い、自社の状態をチェックすることが重要です。分析データが細分化されていればいるほど原因を特定しやすくなるのは前述の通りですが、詳細に分析しすぎて報告や対処が遅れないように気をつける必要もあるでしょう。

■まとめ
経済や市場環境の変化に素早く対応できなければ競争に勝ち残れない厳しい時代です。

経営活動の結果と計画した予算に差異が出れば、その分析から課題と原因を見つけて効果的な対策を立案する必要があります。

そのためには、データの定期的な可視化による差異分析が必要です。

差異分析を行う目的は「予算と実績の差を明確にし、原因を突き止め今後に活かす」ことになるため、それを達成するより良い方法を構築するのも重要です。

一例として、売上高を「新規顧客売上高」「既存顧客売上高」に細分化し、さらに「営業工数」や「受注率」などに分解することが挙げられます。

予算管理は事業を行う上で避けては通れないものであり、適切な予算管理は自社のビジネスを正しい方向に導いてくれます。

しかし、当初策定した予算通りに事業が進行することは稀であり、実際の数字とは少なからず差異が生じるでしょう。

その差異を定期的にしっかりと分析し、策定した予算から大きく離れないようにするのが「差異分析」の目的の1つです。予め立てておいた予算と実績数値の差異を分析・検証しその原因を突き止め、経営課題や改善点を明確にすることが必要だと言えます。

「現在と過去との二元論を採用したいのです。現在と過去との決定的差異を見据えることが時間論のすべてだと言いたい。では、未来とは何か。それは、私の考えでは「未だない」のではなく、じつはありとあらゆる意味で「ない」、つまり完全な無なのです。」

<中島義道>

■最後に
複雑な課題を解決できるような優秀な正社員は、既存業務でエースとして活躍しており、そこから新たなプロジェクトに移動させるのが難しいというパターンが多いです。

例えば、新規事業の立ち上げで社内で引き抜きに合うと既存業務が回らなくなるリスクもあるでしょうし、あるいは優秀な部下を他部署に持って行かれることに上司が抵抗するというパターンもあるでしょう。

代替策として、中途採用で解決できる人材を採用しようと考えることもあるかもしれません。しかし、それでは時間が掛かり過ぎること、新たな人材を採用するためには、それなりのコストが掛かる割に対応が難しいというリスクもあります。

外部のフリーランスである顧問やコンサルタントに依頼するメリットは、「知識・ノウハウの習得」「検討のスピードアップ」「客観的な分析・評価」の3つに集約されます。

企業が顧問やコンサルティング会社に相談する時というのは、何か解決しないといけない課題がある場合です。コンサルの費用が高い理由の一つは、生産性の高さに起因します。

調査、分析、施策検討などの仕事に特化して日々スキルを鍛え続けているため、社内で検討するよりも2~3倍の速さで検討を進めることができます。

この時、課題としては大きく2つに分けることができます。

1.高度で専門的な知識に基づくアドバイスが欲しい場合
2.自分たち固有の状況や課題に合わせてカスタムメイドの解決策を提示して欲しい場合

前者の場合、差異に基づき、営業、マーケティングや経営の知識が必要な課題やトヨタ式で工場の「カイゼン」を指導して欲しいような場合になります。

課題に精通した、それぞれの分野毎のエキスパートが呼ばれますので、こういったプロジェクトで戦略コンサル会社に声が掛かることはあまりありません。顧問やプロ人材など、特定の分野のエキスパートに教えて貰ったり、実行支援して貰うイメージになります。

一方、後者は、課題の整理から始まって、解決に向けて知恵を絞るイメージの仕事になります、こういった相談が戦略コンサルタントに持ち込まれます。

自社内のリソース不足を補う意味や、時間を買う意味で、外部のコンサルタントに依頼しようかということになります。

コンサルタントの場合は、問題解決に慣れているため、自社の社員で解決するよりも短期間で対応してくれるというメリットもあるでしょう。

大手企業の場合、社内の人間だけだと新しいプロジェクトの提案を通しにくいことがあると思いますが、客観的で説得力のあるコンサルの提案を活用することで社内を動かして行くことも可能になります。

顧問やコンサルタントの知見、権威、ブランドを利用することも可能です。こうした社内変革の武器として、コンサルを活用していくこともメリットとなります。

経営課題を解決しビジネスで成功を掴み取るためには、正社員採用にこだわらず一人ひとりの差異を認め合い、個々の能力を100%活かし切るために、外部の顧問やコンサルタントを登用することが必要とされています。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、5000人を超えるプロ人材が集結しています。顧問報酬のピンハネが横行している顧問紹介の業界において、事業コンセプトとして「顧問報酬100%」を両者にコミットしています。

「中間マージン無し」で、即戦力となる顧問やプロ人材としての魅力的なプロジェクトをアサインし、顧問契約に基づく、実行支援を推進しています。

この機会に「コンサルティング」と「帆走型支援」の両輪から、関与前と関与後とでは、明らかに異なる「差異」をもたらすことが基本になります。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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