新しい新規事業にチャレンジをするときは、莫大な資金を保有する大手企業であっても、100%上手く行く保障などありません。
前人未到のビジネスに挑戦するスタートアップの起業家にとって、「根拠のない自信」を持つことは、絶対条件になります。
なぜなら、起業家やフリーランスを目指す人は、「自分ならきっとできる」という「根拠のない自信」を強く持ち、思いきって行動を起こせる自信が無いと、そもそも困難にチャレンジする意欲も沸かず、何も成し遂げることが出来ないからです。
新規事業の立ち上げで必要なのは、マネジメント能力ではなく「リーダーシップ」です。
マネジメントは誰でも訓練すれば、後天的に身に付けることが可能ですが、リーダーシップは、現状がどのような状況であれ、「根拠のない自信」を持ち、前向きに挑戦した経験に基づくアウトプットの機会からしか生まれません。
そこで今回は、根拠のない自信とは何か、新規事業では根拠のない自信が必要な訳について解説します。
「最初にあったのは、夢とそして根拠のない自信だけ。そこからすべてが始まった。」
<孫正義>ソフトバンクグループ創業者
■根拠のない自信とは?
自信には「根拠のある自信」と「根拠のない自信」の二つがあります。
「根拠のない自信」とは、成功体験や実績に基づかない自信のことを指します。
根拠のない自信は、成功や実績に基づいたものではなく、「理由はないけれど、挑戦の先には何か良いことがあるような気がする」という楽観的部分が強いです。
これまで一度も成功したことがないのに「次はきっと大丈夫だ」と確信したり、未経験の仕事なのに「自分ならきっとできる」と信じたりするのが、「根拠のない自信」です。
「根拠のない自信」に対して “ハッタリ” に近い印象を受ける方も多いでしょう。
ハッタリとは、威圧のために、大げさな言動や強気な態度をとること。語源は諸説ありますが、「賭場」で胴元が、勝負を促すために「賭け金をかけろ」という意味で「張ったり」と声を掛けていたことが元となったとも言われています。
新しいチャレンジをする際には、上手く行くまではハッタリでも、上手く行っている振りをすることも必要です。
なぜなら、何かができないと思っても、ギブアップしないで、それが可能になるまで出来ている態度を取り続け、惜しまない努力を何年も継続していれば、大抵の事柄はプロと言われるレべルまで上達するからです。
要するに、自信がなくても自信がある振りをすることが欠かせないということです。
そうすることによって、最初はハッタリでも成功に必要とされる経験とスキルが身に付き、時間が経つにつれ、自然と「根拠のある自信」が持てるようになるのです。
■リーダーには根拠のない自信を持つ人が多い理由
あなたの周りにも「なぜかいつも自信満々の人」「逆境で苦しいはずなのになぜか堂々としている人」といったタイプの人がいませんか?
そんな理由のわからない自信を持っている人を、一般的に「根拠のない自信」を持つ人と言います。
スタートアップの起業家としてリーダーシップに必要なものは何か?
それは、経験不足の中でも「根拠のない自信」を持つことです。
「実績もないのに自信に満ち溢れている」という状態だと、「自信過剰な人」と思われてしまうかもしれません。
しかし、起業家と言われる人、世界で活躍するような人、有名ビジネス書の著者、世界的なトップスピーカーなどの場合、「根拠のない自信」を持つ人がほとんどになります。
なぜなら、新たな物事に挑戦するにあたり、自信を持つことは何かを成し遂げる「最大の鍵」となるからです。
そういった意味では、たとえ根拠がないとしても自信を持つことは、成功を勝ち取るために最も重要な要素になると言えます。
■根拠のある自信とは?
「根拠のある自信」とは、成功体験や実績から得た自信のこと。成功体験とは、自分がこれまで経験したきたことのなかで成功してきたことを意味しています。
部活動の大会で優勝したり、仕事ぶりが評価されたりしたことで得た自信です。
多くの人は、成功体験を積むことで自信が持てるようになり、一度、大きな成功体験を得ると、さらに成功体験を得ようと努力する傾向が高くなります。
自信の根拠となる成功体験を持っていると、「あの時は成功できたんだから、きっと今度も大丈夫だ」と確信でき、多少の困難にも挫け難くなります。
しかしながら、「根拠のある自信」には難点もあります。
それは、成功体験を得ない限りは、自信を持てない、という点です。
また、これまで大きな成功を経験しておらず、これから頑張っていこうとしている人にとって、「根拠のある自信」はなかなか持ち難いでしょう。
■根拠のない自信を持つ重要性
自信とは、成功に至るために欠かせない要素になります。
なぜなら、仕事で結果を出したり何かを成し遂げたりするには、「きっと成功できるはず」と自信をもって取り組む必要があるからです。
たとえ最初は「ハッタリ」だとしても、まったく自信を持てずにいるよりは、「根拠のない自信」があった方が、いい結果に繋がりやすことは間違いありません。
「根拠のない自信」の最大のメリットは、経験や実績の有無に関わらず、自分を信じられることです。
新しい仕事を任されたときや、新規プロジェクトを始めるときなど、未知のチャレンジには誰もが不安を抱きます。
未経験のことに手を出す以上、自信の根拠をどこにも求められません。
ですが、そんな時こそ、「根拠のない自信」が重要です。
「未だやったことはないけれど、きっと自分ならできるはずだ」という自信を持つことが出来れば、初めての物事にも臆さずに、望めるからです。
■「根拠のない自信」を持つことができる人の3つの特徴
「根拠のない自信」は、「根拠がない」が無いからこそ強いのです。そもそも根拠がないモノなのだから、他人や起きた出来事よって崩される心配もありません。
1、自己肯定感が高い
根拠のない自信を持っている人は、基本的に自己肯定感が高い傾向にあります。
自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味します。
根拠のない自信を持つ人は、何より自分の可能性を信じています。自分を信じるためには、自分自身には価値があるとブレない強い気持ちが必要になります。
根拠のない自信を持つ人は、強いメンタルを持っているため、どんな状況でも自分を一番に信じてあげることができます。
自分で自分を否定することはなく、「よく頑張っている」「自分の良いところは〇〇だ」と自分で自分を認めてあげられる心理を持っているのです。
2、何事にもポジティブ
根拠のない自信を持つ人は、考え方がとてもポジティブです。
ポジティブに考えるためには、達成できない理由だけを考えるのではなく、どうすれば成績を伸ばせるのか、売上を達成できるのか、を考えることが重要です。
どんなことも明るい方向へ考えることを大事にしているため、そんなポジティブ思考が「根拠のない自信」に繋がります。
自己肯定感が高いと、前向きで立ち直りが早く、主体的に行動でき、他者ともよい関係を築くことができます
そのため、根拠のない自信を持つ人との会話や意見を交わす場では、共感や褒め言葉、将来やりたいことなど、ポジティブな言葉や情報で溢れています。
3、努力を惜しまない
根拠のない自信を持つ人は、実は厳密にいうと、本当の意味では何の根拠もなく自信を持っているわ訳ではないのです。
というのも根拠のない自信を持つ人は、自分で物事を解決しようとする努力、自分で自分の道を切り開こうとする努力を普段から惜しみません。
「あれだけ勉強したんだから資格試験に絶対合格する!」「死ぬほど練習したから今日の試合は勝てる!」
そんな努力で乗り越えてきた経験や毎日の中の成功体験があるからこそ、「私ならやれるはず」といった強気の姿勢を持てるのです。
努力を惜しまない人には、エネルギーが高く、強い信念があるので、自然と周りに良い人が集まり、人に助けられる機会も増えます。
■新規事業立上げに根拠のない自信が必要な理由
新規事業を立ち上げ、イノベーションを成功させるまでの道のりは、途方も無く長く、非常に険しく、時に失敗も伴うものです。
必ず成功するという保証もなく、事業化に成功したからといっても、市場での大きな売上にはならず、結果的に評価につながらない場合もあります。
そのため、余程の「根拠のない自信を持つ人」でない限り、ビジネスが革新的であればある程、投資するコストも増え、「事業開発」に失敗するリスクが高くなるため、何なる思い付きだけでチャレンジすることは、困難だと言えます。
「事業開発」とは、新しい事業を生み出すことを意味します。
少なくても以下のような幅広いアクションが必要となります。
・新たな収益を生むアイデアを見つける。
・ビジネスモデルと事業計画書を練り上げる。
・事業開発に必要な資金調達を行う。
・人材を採用し、ビジネスを創る体制を整える。
・商品やサービスの提供方法を考える。
・事業開発のそ進捗をマネジメントする
・インターネット上のマーケティングを行う。
・新たな顧客を創造するための営業活動を行う。
事業開発では、新しいことへの取り組みが日々行われ、小さな変化が生み出され、総合すると膨大な変化となります。
一つひとつの変化は小さいものであるため、多くの場合、誰にも注目されません。
ですが、小さな変化が積もりに積もって行くことで、知らぬ間に大きく世の中を良いものに変えているのです。
新規事業やイノベーションへの取り組みは、「根拠のない自信」を持つことが全てのスタートになると言えるのです。
■まとめ
ビジネスはよく短距離走ではなく長距離走(マラソン)に似ていると言われますが、長期に渡り様々な困難を越えて、大きな成果を出すためには、この「根拠のない自信」に裏付けられていることが必要になります。
「根拠のない自信」を持つ上では、高い自己肯定感を抱くことは、必須のものです。
新規事業立上げには、イノベーションが伴なうため、顧客の悩みや課題を解決に導く取り組みになります。そのため、仮に成果がでなかったとしても、そのプロセスで得られた気づきを、ピポッドに繋げたり、次の新規事業立上げに活かすことができます。
また、新規事業やイノベーションに取り組んだの過程は、記録に残ります。
後の世代が、事業開発の失敗を糧に、打開策を考え成果に昇華させる可能性もあります。その成功、失敗を問わず、直接的にも間接的にも世の中を良くする「自己効力感」に繋がって行きます。
自己効力感を高めるうえで最も大切なのが、小さな成功体験を積み重ねることです。
ほぼ確実に達成できる目標を設定してクリアすることを続ければ、自己効力感を鍛えらます。大きい実績を得るには時間がかかりますが、自分で定めた小さな目標なら、少し頑張れば誰にでも達成できるはずです。
自分を否定するばかりではなく、「これも自分だから、もっと自分を好きでいよう」と肯定することを大事にしましょう。
成功体験を積むだけでなく、ほかの人が成功した姿を見ること(代理的経験)でも、自己効力感を高められます。
同僚などが評価されるのを見ると、つい嫉妬してしまうかもしれません。
しかし、見方を変えて「あの人ができたんだから、自分にもできるはず」と考えるようにすれば、他者の成功を自分のパワーに変換できるのです。
これらを意識し習慣化していけば、自己肯定力は自然と上がっていき、「根拠のない自信」を持つことも可能になるでしょう。
■最後に
自信を持って日々を過ごすためには、「環境」も重要になります。どれだけ自分を持とうとしても、自分をいつも否定してくる人が周りにいれば、自己肯定感を高く保つことは難しくなります。
それどころか自分をいつでも否定してしまうことになるでしょう。だからこそ、「根拠のない自信」を持つためには、自分を認めてくれる環境に身を置くことが大切です。
環境的に自分を認めてくれない人が周りに多いときは、人間関係や職場などを見直すと、気持ちがとても楽になります。
他にも起業家が沢山集まる経営者コミュニティに参加して見ることもお勧めです。
その理由としては、同じような起業家が多くいることからポジティブ心理学が働き、自己効力感も向上するからです。
新規事業や新たなプロダクトの事業開発に取り組む方法は、業種や会社のステージによって異なります。
ただし、以下のいずれかの方法、もしくはその組み合わせで行われることが多くなります。
・技術革新や自社固有の技術などハード面の強みを生かす。
・マーケティングやビジネスシステムなどソフト面で工夫をする。
・他社が見逃している新しい市場やニッチ市場を開拓する。
しかし、新規事業立上げでは、多様な選択肢があるため、時間をかけてビジネスプランを練り上げても机上の空論になりがちです。
事業化を推進し、初期プロダクトを開発した上で、営業活動を行いアーリーアダプターを開拓するステップを踏まない限り、本当の正しい答えが出る訳ではありません。
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