ジョイント・ベンチャーの目的とは?M&Aやアライアンスの違い

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

現在、ビジネスを加速させる取り組みとして複数の企業同士が提携し、相互の利益を生み出すためにジョイント・ベンチャーにより会社を立ち上げ、戦略的なパートナーとして協力し合う体制を構築する動きが流行しています。

異なる立場の企業と提携しビジネスを推進するにあたっては、成功に導くために欠かせないポイントが幾つかあります。そこで今回は、ジョイント・ベンチャーの目的とM&Aやアライアンスとの違いについて解説します。

■ジョイント・ベンチャーとは?
複数の企業が互いに出資し、新しい会社を立ち上げて事業を行う合弁会社を指します。事業を異にする企業もしくは共同でビジネスを推進する企業や個人が集まり、一つの新しい事業を展開するスキームになります。

ジョイント・ベンチャーによりパートナーとして共同で一つの会社の経営を行い、資金をはじめ、人材、ノウハウ、技術、ブランド力、企業信頼度など、資源の形状の有無は問わず、企業にプラスの力を与えるモノを共有していくことを目的にしています。

一般的には、新たなに会社を設立する場合が多いですが、既存の会社に新たな株主として資本参加するケースもあります。 ジョイント・ベンチャーでは、主に以下のスキームになります。

1、複数の企業が出資しあって新たに会社を設立する。
2、既存企業の株式の一部を買収し、その企業を既存の株主や経営陣と共同経営する。

■ジョイント・ベンチャーの3つのメリット
ジョイント・ベンチャーで事業運営を行う最大のメリットは、各企業が持つリソースやノウハウなどを共有・活用できるため、シナジー効果を発揮できる可能性が高まります。資金をはじめとする参入コストが抑え、成功確率を高められる点にあります。

1、新規事業立上げが加速する
新規事業の立ち上げの際に自社で十分な経営資源やノウハウを持っていなかったとしても、既に必要なリソースを持っている企業と手を組めば、リソース調達の手間も省けショートカットすることが実現します。

ジョイント・ベンチャーを組むことでビジネス経験がない新たな領域の新規事業であっても比較的低いリスクで、相互が保有するスキル、技術、ノウハウ、ブランド力などのシナジーを発揮して運営していくことが可能になります。

2、バリューチェンの早期実現が可能
例えば、3社でジョイント・ベンチャーを立ち上げる場合、「商品開発・市場リサーチ」、「調達・生産・物流」、「販売・マーケティング」のプロセスが必要になります。

3社がそれぞれの得意分野を担えば、1つの会社、1つのバリュー・チェーンとして相乗効果を産み出すことができるでしょう。

提携による一連の事業活動を、個々の工程の集合体ではなく、価値(Value)の連鎖(Chain)として捉えるスキームです。貴重な経営資源を最大限に活用するためにも、組み合わせることによって新たな顧客を創造し、ユーザーの満足度や商品やサービスの実用性を一気に高めることも可能になります。

3、海外進出では絶大な効果を発揮
グローバル展開では、日本とはビジネスの商慣習が異なり、様々なリスクも潜んでいるため参入国のパートナーがいることで障害を避け、コストを削減と時間を節約できるというメリットもあります。

海外販路の拡大にあたり、早期のシェア獲得を目指す上では非常に有効な取り組みになります。

特に中国への進出などの際は、自社単独での参入にはハードルが高く、成功確率が極端に低くなります。そのような際に中国で力を持つ企業とのジョイント・ベンチャーを設立し合弁経営を行うことで、現地からの圧力や反発を抑えられます。

■ジョイント・ベンチャーとM&Aとの違い
ジョイント・ベンチャーを設立する形態は、買収・合併による「M&A」と提携「アライアンス」の中間に位置します。

買収や合併は資本の力で強力に推進することができますが、組織文化の摩擦や解消が困難といったリスクも存在します。また、アライアンスは資本を伴わないためスムーズに展開できる一方で、予想外の調整コストが掛かります。

また、緩やかな提携関係の場合、強制力が弱いため呉越同舟となり、想定以下の成果しか出ないこともあります。

これらの中間に位置するジョイント・ベンチャーは、買収や合併ほど企業に影響を及ぼすものではありませんが、資本の支出を伴うため解消はアライアンスほど容易ではなく、ある程度の強制力が働きます。

■アライアンスとは?
アライアンスとは、複数の企業が互いに経済的なメリットを享受するために、業務提携を推進することで緩やかな協力体制を構築することになります。

企業にとって、ヒト・モノ・カネの資源は有限であり、限られた経営資源を有効に使って企業価値を最大化する必要があります。そのような際に、異なった競争優位性を持った強者同士が組み、お互いが持つヒト・モノ・カネを戦略的に使える形を実現するのが提携を意味するアライアンスです。

アライアンスによる利益は、製品やサービスの売上から主活動やビジネス活動にかかった両者のコストを差し引いたものです。そのため、利益の最大化には【コスト削減】と【付加価値拡大】という2種類のアプローチを行う必要があります。

■アライアンスを組むメリット
アライアンスにより、お互いの独自性を維持しながら技術面、生産面、販売面などで補完することができるため、ビジネスが成功する確率が高くなるメリットがあります。

また、1つの企業に統合する必要があるM&Aに比べて、時間・資金をそれほど要することなく進めることができます。また、資本関係に拘束されないため、両社の思惑が外れた場合には、提携の解消も容易にできるという点でジョイント・ベンチャーとは責任の重さが異なります。

ただし、緩やかな結びつきであるために、アライアンスを組むことになった後は、自社のみで意識決定し全てをコントロールすることは難しくなります。

どれだけ資源を投下するかはパートナー企業に委ねられ、提携による「シナジー=相乗効果」が当初想定したほど発揮されない場合もあります。

現在、IT・電機・通信・金融などライバルとの競争が激しい業界を中心に企業同士がアライアンスが盛んに行われています。最近では、第三者割当増資や株式交換などが活発になるにつれて、多くの業界においてアライアンスが展開されています。

■ジョイント・ベンチャーを成功させる3つのポイント
業務提携とは、複数の独立した企業が経営資源を出しあって協力体制を築き、一社単独では達成が難しい課題を解決して競争力向上や事業成長を図る施策になります。戦略上の選択肢として相互に抑えていくべきポイントがあります。

1、提携先企業を見極める
重要なのが提携先企業の見極めです。ジョイント・ベンチャーは、自社の強みと、共同出資を行うパートナー企業の強みで、互いの弱点を補い合うことによって大きな利益を出していく企業形態です。

互いを事業成長に必要な相手と見なして密な関係を構築・維持するのが業務提携だと言えます。提携する分野や目的、企業間の関係などにより多種多様な業務提携の形態が生じ、それぞれの形態に応じた契約が取り結ばれます。

従って提携先企業が自社にない強みを持っているということを、しっかりと確認しておく必要があります。また、それだけでなく、提携先企業の業界におけるポジショニングなども、しっかりと把握しておく必要があります。

2、提携条件を明確化する
提携相手を探しているのは自社だけではなく、相手方の企業も同様です。そのため、明確化された提携条件を提示することによって、相手にとって選択されやすいパートナー企業となります。

ジョイント・ベンチャーを組むにあたっては、組織形態、意思決定の方法、解消の方法などについてお互いに納得いく内容の合意をするべきです。

また、そうした配慮は相手方の負担を減らしていくことにも繋がるため、ジョイント・ベンチャーのパートナーとして選んで貰えるような競争優位性あり、組むメリットがある企業であると相手方に判断されると可能性が高まるでしょう。

3、提携先企業の利益にも配慮する
提携先の企業は、慈善事業でジョイント・ベンチャーを行うわけではありません。双方の利益の最大化を目標にして、ジョイントベンチャーを選択するわけです。ですので、相手方の利益に配慮した提携を行うことも非常に重要です。

例えば、M&Aによる買収を検討していた企業が、費用対効果や実行可能性を精査した結果、業務提携でも十分に目的が果たせるという結論に達することもあり得ます。

提携を行うことによって顧客が流れてしまうのではないか、技術が流出してしまうのではないか、といったリスクを必要以上に相手方に想起させてしまえば、ジョイント・ベンチャーは上手くいきません。両社の良好な関係性を築いていくための配慮が、お互いに必要になるのです。

■ジョイント・ベンチャーの注意点
ジョイント・ベンチャーを設立していく上で、パートナーは大変重要な存在です。出資可能な資産や技術などについて整理した上で、ビジョンについても整理および共有を行い、これをもとにパートナーとの擦り合わせを行っていきます。

自社の状況だけでなく、パートナーとなる企業の業界や法制度などさまざまな情報を収集し、ビジョンを明確化する上で必要となる情報を分析していきます。また、パートナーが自社の風土や業界についての理解があるかどうかを把握しておくことも重要です。

企業の共同出資がジョイント・ベンチャーの肝であるため、何をどの程度出資するかといった事項が、主要な条件となってきます。このような条件の確認を行い、ビジネスプランを作成するうえでの材料を揃えていきます。

ただし、提携相手に頼りきりになってしまっていないか、自社にとって不利になり過ぎるような条件がないかどうかなど、多くの視点での検討が必要になります。

また、ジョイント・ベンチャーの前段階で資本提携を担当するキーパーソンの異動をきっかけにして提携関係が希薄化し自然消滅に向かってしまうケースも稀ではないため、相互に補完関係のあるチーム作りを目指しましょう。

■まとめ
ジョイント・ベンチャー(合弁企業または合弁会社)とは、2社以上の企業が共同で出資して会社を設立し、新たな事業を始めること。また、既存企業の株式の一部を買収し、その企業の株主や経営者と共に会社経営することを意味します。

ジョイント・ベンチャーは、企業の成長を目指す上でとても魅力的な選択肢です。その理由は、M&Aよりも小さなリスクで、自社の弱みを補いながら、事業を大きく展開していくことができるからです。

ジョイント・ベンチャー(合弁企業)の経営では、一般的に出資の比率に応じて意思決定の権利を付与する仕組みが採られているため、出資の割合が特に重要です。

ビジネスプランを策定する上で重要な過程となるので、何を重視するか、両社の間に入り交渉したり、業務提携契約書に漏れがないかどうか確認ができる顧問やプロ人材などがいると安心です。

■最後に
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、様々な産業分野における国内外のジョイント・ベンチャーの設立やアライアンスに関して、アドバイスや実行サポートを提供しています。

「KENJINS」には、様々な業界の知見を持つ5000人を超える大手企業の元経営幹部やCXO人材が集結しています。そのため、ジョイント・ベンチャーなどに関するビジネス課題について、経営のスペシャリスト集団がきめ細かに支援することが可能です。

ジョイント・ベンチャーには、両社のビジネスに関する十分な理解もふまえた上で、最適な取引ストラクチャーを検討しし、ビジネスモデルの構築を含めたジョイント・ベンチャーの運営に関する多岐にわたる事項の調整も必要になります。

豊富な経験を通じて蓄積されたノウハウをいかし、合弁契約・株主間契約を含む、ジョイント・ベンチャーに関する様々な契約の立案・交渉など、ジョイント・ベンチャーの組成・設立、運営、解消に至るまでのあらゆる段階において、実務的かつ包括的なアドバイスと実行支援を可能にします。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 ★連続起業家★著者★人脈コネクター★KENJINSプロデューサー★「顧問のチカラ」伝道者★プライドワークス株式会社 代表取締役。 大学卒業後、日本食研株式会社を経て25歳で起業。複数のITベンチャーを創業する。業界初のサービスであることにこだわり、地域密着型コミットサイト、有店舗連動型ブランド品オークションサイト、日本初の出前サイト、セミナーチケット共同購入サイトなどを立ち上げる。クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、チケットや会員証として携帯電話の画面上に表示するアイデアを世界で初めて考案し、発明者として20件以上の特許を申請し権利を取得。2002年にKDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートで電子チケット入場を実用化させ、モバイルチケットのパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2012年に「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を出版。後に3部作となり累計販売部数は、75,000部を超える。2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設する。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、これまでの顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「サブスクリプション型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供している。特に複数の「営業顧問」の人脈ネットワークを活用した大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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