自分が働きたい企業や仕事を見つけるためには、まず、どのような業界で働きたいのかという方向性を導き出すために、業界研究を行い業界を絞って行く必要があります。
業界研究は、就職活動において、業界特有のビジネスモデルや独自の商慣習を知る上でも、自己分析や企業研究と並んで仕事選びに役立つ重要なプロセスだと言えます。
なぜなら、特に大学生の場合には、就職活動を開始するまでは、世の中にどんな業界があって、何を行っているのか、漠然としたイメージしか持っていない人が多いからです。
そこで今回、業界研究とは、大学生の就職活動や転職活動に業界研究が大事な訳について解説します。
■業界研究とは?
業界研究とは、世の中にある業界の種類や特徴を知り、興味を感じ、自分が行きたいと思う業界を見つけるために行います。
新卒や中途を問わず就職活動をする上では、未経験の業界で働く際には、最初のステップとして自身が興味のある業界に関する情報を集め、その業界に備わっている特徴や仕事内容を理解し自己PRに繋げるが業界研究になります。
業界研究は、英語で「industry research」と表記されます、日本語では、業界について知識を深めることで、最終的に企業を絞り込む意味があります。
業界研究においては、「世の中にはどのような業界が存在するのか」ということを知るところから始めていきます。そして、調べた中でも特に興味を感じた業界について、さらに深く掘り下げて調査して行くことになります。
業界研究を通じて、その業界に抱いていたイメージを再確認したり、イメージとは違う点について認識を改めたりすることができます。
志望企業が具体的に決まっている場合は、業界内での位置づけやどのような企業と関係を持っているかを確認します。関係性を見ていく中で、今まで知らなかった有望企業が見つかることもあるかもしれません。
特に「メーカー」「証券」「銀行」「商社」「広告」「インフラ」業界以外の全業界で、大手企業以外のスタートアップで働くことを希望したり、業界3位以下でも今後の成長が見込まれる企業を対象に就職活動を行う学生にとっては、業界研究は必ず必要だと言われています。
■業界研究の目的
就職活動を行う際にはまず、業界研究で世の中にはどんな業界があるのかを知ることから始め、興味のある業界については、さらに詳しく掘り下げることが必要になります。
1、業界研究を行い業界知識を得る
ある業界を知っているつもりでも資料請求を行ったり、複数の会社の面接を受けてみたら想像とまったく違っていたことは良く起こります。
そのような際に業界研究を行うことで、その業界を正しく認識し、具体的なイメージが湧いてきます。
その業界で実現できることと、自分が社会に出てから成し遂げたいことが一致すれば、論理的で説得力のある志望動機を用意できます。
2、志望する領域を業界研究で絞る
業界・企業についての理解を深め、どの環境が自分に最も適しているかを見極めるために業界研究が必要になります。
業界研究を行った後に、会社研究を行った上で、正しい認識のもとで企業選びを進めていけば、想像と現実の乖離も起こりにくくなるでしょう。
「働きたい」と思える業界を見つけるには、その業界で自分が働いているイメージを思い描きながら業界研究を行うのがお勧めです。
3、自己PRや志望動機に繋がる。
業界研究は企業研究のベースにもなります。業界の全体像を理解していることで、各社の立ち位置や強みが理解しやすくなるためです。
説得力のある自己PRや志望動機を作るためには、業界研究をが欠かせません。
業界研究では、各業界のビジネスモデルや仕事内容について調べることになります。仕事内容がわかれば、その業界で求められている素養なども予想することができるでしょう。
自分にはその素養が備わっていると論理的にアピールする自己PRを考えられるようになります。
■業界研究をするときのポイント
ここからは、業界研究をするときに押さえておきたいポイントをおさらいしていきましょう。
1、業界全体像を知る
世の中には自分が想像している以上に数多くの業界が存在しています。
業界研究を怠ると、自らのキャリアの可能性を狭めてしまう場合もあります。世の中にある企業はさまざまなビジネスモデルから成り立っているため、社会の全体像は簡単に把握できるものではありません。
例えば、メーカーを始めとしたモノを扱う企業の場合、自社の製品に対する愛着が強い人が多い傾向があります。「モノ」が競争力の源泉となり、モノ作りの根幹となるマーケティングや研究開発といった部署が花形になりやすいことになります。
「業界」という分類に分けることで社会を構成している要素の関係性が掴みやすくなります。そして、業界から企業へと研究の対象を移していくことができるのです。
2、業界の深掘り
業界研究の目的は「企業や業界の情報を得て、自分の企業選びの軸と合致しているか」を知ることになります。
志望動機の重要な要素の一つとして、「なぜ他の業界ではなくてこの業界なのか」という項目が挙げられます。
業界研究は、その業界の特徴を深掘りするため、各業界のビジネスモデルを理解し、仕事内容をイメージすることに繋がります。顧客の形態はBtoBなのか、それともBtoCなのかといったように、その業界を特徴づけるポイントを探していきましょう。
例えば、銀行・コンサル・商社を始めとしたサービスを扱う企業の場合、商品を見せて売り込むのは困難になります。「ヒト」が競争力の源泉となり、商材を売り込むうえでは営業の力量に左右される面が多くなります。
業界ごとの繋がりを考慮しながら業界比較をしていくことは、志望動機の精度を高めるうえでは極めて重要になります。
3、業界の動向把握
多くの業界・企業では、営業が商材を提供する役割を果たしています。そのため、営業としての働き方について理解を深めることが業界研究の基本となることが多くなります。
業界研究をする上で、業界全体の動向の分析を行うことは、業界の安定性や成長性を把握し、将来のキャリア形成について考えるためにも重要な作業です。
業界の市場規模や成長率に関するデータを参照しながら動向をPEST分析を行うと効果的です。
PEST分析とは、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)という4つの面から業界を分析するフレームワークになります。
業界の動向を多角的に捉え、情報を整理して成長性を図ることが大切になります。
成長が見込まれている業界に就職することで、「年収アップ」や「仕事の獲得しやすさ」「入社後のキャリアアップの機会の豊富さ」といったメリットが期待できます。
■今後の成長が見込める分野の業界研究の大切さ
業界研究を行う上では、これから伸びる業界を知り、そこで働くことを目指すことも今後のキャリアプランを描く際に重要な要素になります。
今後、成長が見見込まれる業界は、IT業界、電子部品業界、半導体業界、エンタメ業界、EC業界、倉庫業界、物流業界、医療業界、フードデリバリーサービス業界、農業業界、宇宙開発業界などになります。
1、IT業界
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2020年の情報サービス業の売上高は前年比7.0%増の12兆9,102億円で、この上昇トレンドは今後十年後も続くことが予想されています。
2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大により、IT業界を取り巻く環境は大きく変化しました。自宅で過ごす人が増えた恩恵を受けたのが、EC業界や動画配信サービスなど、コロナ禍における巣ごもり需要を支えるゲーム業界になります。
newzooによると、2020年の世界のゲーム市場収益規模は1,749億ドルに達し、前年比で19.6%プラスで成長したとあります。
スマホ・PC・5G・リモート・自動車関連、テレビ・冷蔵庫・スマートフォンなどのIOT製品の電気・電子回路を設計・開発する電気・電子・機械エンジニアや、半導体の需要も拡大することが見込まれています。
アフターコロナ以降は、既存のビジネス環境が大きく変化し、様々な会社がIT化を加速する大きな要因となり、今まではアナログが主要であった業界でもDXが推進されています。
DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略で、企業がAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出だけでなく、レガシーシステムからの脱却や企業風土の変革を実現させることを意味します。
2、高齢者向けの業界
みずほ銀行産業調査部によると、65歳以上の高齢者向け市場の規模は101兆3000億円にまで増加すると予測されています。ここ数年、シニア市場に対する注目度が高まる中で、「エイジテック」領域への注目度も高まっています。
エイジテックとは、高齢者が生活の中で直面する課題を解決するテクノロジーを指す言葉になります。
高齢者向けの業界は医療・介護だけでなく生活産業の交通・通信・食料・家具・被服・教育・娯楽なども含まれます。
2015年時点で世界の総人口は73億8301万人・高齢化率は8.3%でした。これが60年には、総人口102億2260万人・高齢化率17.8%にも達するとされています。
今後、少子高齢化が進む日本ならではのトレンドとして、今後はシニア世代をターゲットとした商品やサービスを提供する業界が拡大していくことが期待できます。
3、新型コロナで成長した業界
新型コロナウイルス感染症の影響により、外出を控えて自宅で過ごす人向けの「巣ごもり消費」に関連した商品やサービスのニーズ・認知度が拡大しています。
特に物流、EC、メディア、フードデリバリーサービスなどがこの巣ごもり消化の恩恵を強く受けていると業界と言えるでしょう。新型コロナウイルス対策に関連した業界は、2023年以降も伸びる可能性が高いです。
実際、変異株の感染も全世界で拡大しており、マスクや消毒液といった医薬品、ワクチン容器、医療機器を製造するメーカーは、今後も好調な業績が見込めるでしょう。
また、リモートワークやオンライン授業に関連した商品やサービスの需要も、今後より一層増加していくことが予想されます。インターネットに接続する時間が増えたことで、サイバーセキュリティに関連したサービスにも関心が高まっています。
デジタルマーケティングは、IT業界の中でも成長が著しい分野であり、Web広告の成長は2022年以降も継続するでしょう。
■まとめ
就職活動で業界研究を使う際は、全体像把握→業界の図解イメージ→企業選びという手順で進めていくのが効率的です。
その理由としては、いきなり企業を探し始めては、自分の特徴に合う企業を見つけづらいため、まずは社会に存在する業界とその仕組みについての理解を深めることが必要だからでです。
業界の特徴や仕事内容が、自己分析を通じて見つけた自分の企業選びの軸や素養と合致しているかを調べるということが重要です。
就職活動における業界研究は、「自己PR」「志望動機」をESや面接で語れるようになることがゴールとなります。
業界研究を行うことで企業が求めている「ジョブディスクりプション」を知ることができるため、しっかりと業界研究を行って志望企業に評価される自己PRや志望動機を考えることが可能になります。
業界研究で得た知識を元に就職活動を進めていけば、企業選びはもちろん、選考対策も進めやすくなるはずです。
業界研究を行うプロセスでは、今後の成長が見込まれる業界や不況に強い業界を見極め、自己分析の結果と照らし合わせながら、最終的に志望する企業を絞り込んで行くことが重要になると言えます。
「自信は成事の秘訣であるが、空想は敗事の源泉である。ゆえに事業は必成を期し得るものを選び、いったん始めたならば百難にたわまず勇往邁進して、必ずこれを大成しなければならぬ。」
<岩崎弥太郎>
■最後に
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