アジャイルとは?DX領域の事業開発にアジャイルが有効な理由

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 企業インタビュー   パーマリンク

リーンスターアップによる新規事業の開発では、プロダクトやサービスのリリース後にブラッシュアップしていくことを前提としています。

これにより、優先度の高い重要な機能から着手することができるため、過剰な機能の搭載にによる当たり外れを少なくし、PDCAにより最適なサービスを立ち上げ、「ローンチ」までの期間を短縮することができるのが特徴になります。

アジャイルによる事業開発やプロジェクトの推進は、急な要件変更に対応でき、スピーディな開発を実現するため常に変化しつづける業界やサービスで重宝される開発手法です。

ただし、万能というわけではなく、メリット・デメリットは存在します。

そこで今回、アジャイルとは何か、DX領域の事業開発にアジャイルが有効な理由について開発します。

「起業する時は、山ほどの失敗、試行錯誤をする覚悟と、その中から本当に通用する独自のやり方を見つけ、それをとことん磨き上げる気概が大事だ。」

<マイケル・デル>

■アジャイルとは?
アジャイル「Agile」とは、日本語に直訳すると「素早い」「機敏な」「頭の回転が速い」という意味です。

アジャイルは、ソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法のひとつで、大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていきます。

従来の開発手法に比べて開発期間が短縮されるため、「アジャイル」と呼ばれています。

アジャイルによる新規事業開発のプロジェクトは、反復 「イテレーション」と呼ばれる短い開発の期間と単位を採用することで、リスクを最小化しようとする事業開発やシステム開発手法になります。

イテレーションとは、一連の工程を短期間で繰り返す、開発サイクルのことです。短いスパンで開発手法を見直す「アジャイル開発」の一概念として知られています。

■アジャイルの起源
2001年に、当時軽量のソフトウェア開発を提唱していた著名なソフトウエア開発手法の提唱者17名がユタ州の山小屋に集まり、技術者やプログラマーが、開発手法の重要な部分について統合することを議論しました。

それが以下の「アジャイルソフトウェア開発宣言」です。

「私たちは、ソフトウェア開発の実践あるいは実践を手助けをする活動を通じて、よりよい開発方法を見つけだそうとしている。この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。

プロセスやツールよりも個人と対話を、包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、契約交渉よりも顧客との協調を、計画に従うことよりも変化への対応を価値とする。」

アジャイルソフトウェア開発宣言は、ソフトウェア開発とそれに基づく12の原則を定義しており、現在もアジャイル開発の公式文書として広く知られています。

■アジャイル宣言の背後にある原則
顧客の要件をすばやく反映しながらプロダクトを開発することを『アジャイル型開発技法』と呼びます。

沢山の詳細な仕様書を作るよりも実際に動く、顧客が実際に使えるプロダクトを作ることを重視し、変化にできるだけ柔軟に対応し、チームの協調と個人の活躍を動機付け、プロダクト価値の最大化を目指すことに特徴があります。

アジャイル宣言の背後にある原則の詳細は、以下になります。

「顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。

変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。動くソフトウェアを、2~3週間から2~3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします。」

最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。

チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します。

■アジャイルは信頼関係が重要な3つの理由
ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません。意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。

1、環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼すること。
情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。

動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。

2、アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進すること。
一定のペースを継続的に維持できるようにしなければなりません。

開発の設計、実施、評価、改善というサイクルをスプリントと呼び、これを繰り返して開発を進めます。スプリントごとに機能が開発され、顧客の要望を段階的に反映させます。

ただし、スプリント期間中は顧客や外部からの干渉を受けないことが特徴です。

3、技術的卓越性と優れた設計に対する不断の注意が機敏さを高めること。
シンプルさムダなく作れる量を最大限にすることが本質です。

イテレーションごとに要件と仕様の大枠を決め、リリース計画を作成します。開発途中で改善や変更ができるように、必要最小限の要件と仕様だけを決めておくのがポイントです。

「このイテレーションでは〇〇がしたい」など、ざっくりとした目的でも問題ありません。

■アジャイルのプロジェクトのバリエーション
アジャイルには様々なバリエーションがあります。要望を出す「顧客」と、その声をもとに作業を進める「開発チーム」のコミュニケーションが大切です。

密なコミュニケーションを取ることで、技術やビジネスの観点から顧客の要望に応えられるのか、すり合わせがしやすくなるでしょう。

アジャイルでは、計画が決まったら、実際に顧客チームと開発チームが協働して開発を進めます。開発の具体的な流れは、以下のとおりです。

1、顧客は、最初に各イテレーションごとで達成すべき目標を提示する。
顧客とエンジニアが少数精鋭の共同開発チームを作ります。開発するプロダクトの規模によっては同時に複数のチームを立ち上げることもあります。

2、開発チームは、目標を元に作業見積書を提出する。
共同開発チームは開発範囲全体をいくつもの短い範囲、おおむね2週間程度でできると思われる範囲、に区分します。

3、顧客は、作業見積書を元にイテレーション期間内に達成できるよう目標を絞りこむ。
業務プロセスの優先度を考慮し、どの範囲から着手するかを決定します。

4、開発チームは、顧客のニーズにあわせて、品質を維持しつつ開発する。
共同開発チームは2週間という期間内に、その範囲の要求の決定、実装、テスト、修正、リリースを行います。

5、顧客は、開発チームと共同でテストデータを作成しテストする。
リリースできた機能や残っている業務プロセスの範囲を検討し、次に着手する優先すべき区分を決めます。

6、イテレーション終了後、目標が達成されているか確認する。
上記のサイクルを繰り返して開発を進め、全体の完成度を高めて行きます。

■アジャイルの5つのメリット
アジャイルのメリットは、不具合が発覚した際に戻る工数が少ないことです。アジャイル手法では次のようなメリットが得られます。

1、優先度の高い重要な機能から着手できる。
アジャイル開発では、業務プロセスが確定された、優先度の高い重要な機能から着手することができます。

各イテレーションごとに、顧客の要望と成果物の差異を確認することが可能です。足りないところは改善点としてまとめ、次回のイテレーションに活かしましょう。

2、顧客が実際に動く画面、機能を試すことができる。
仕様の間違いや要求漏れに早い段階で気づくことができる。イテレーションとは、一連の工程を短期間で繰り返すサイクルのことです。以下のプロセスで開発を進めます。

1.リリース計画の作成
2.顧客・開発チーム双方の協働作業
3.成果物のリリース

この工程を繰り返すことで、ユーザーの要望を反映したサービスを作っていきます。

3、仕様の伝え方と確認方法のレベルが上がる。
要求と実際のプロダクトの間に誤りが発生した場合でも、なぜ発生したかを分析することで顧客とエンジニアの情報の伝え方、確認の方法が向上していく。

顧客と開発チームのコミュニケーションが重要になります。

また、アジャイル開発に特化した開発ツールを利用すると効率的です。イテレーションをうまく回して、開発効率を向上させましょう。

4、業務プロセスの変更に対応できる。
開発の途中で業務プロセスが変更になった場合、未着手の部分は変更された内容で実装できる。すでに実装済みの場合でも修正の影響範囲は限定される。

従来の事業開発の場合には、最初に決定した設計・計画を重視するため、トラブルの発生箇所によっては戻る工数が大きく、時間やコストが膨大に膨らむ可能性がありました。

しかし、アジャイルの場合は、小さな単位で計画から設計、実装、テストを繰り返しているため、テストで問題が発生してもひとつイテレーション内を戻る分の工数で済みます。

5、仕様変更や追加に対応可能
システムの計画段階で綿密な仕様を決めないため、開発途中でユーザーとコミュニケーションを取りながらフィードバックを行い、確認をしながら進められます。

仕様変更や追加に対応可能なので、ユーザーのニーズに最大限応えることができ、高い満足度が得られる点もメリットでしょう。

■アジャイルのデメリット
システムの受託開発やOEMビジネスでは、要求した本来の仕様とは異なる製品が委託から依頼主へと納品されるケースは日常茶飯時です。

計画段階で厳密な仕様を決めていないため、開発の方向性がブレやすいというデメリットがあります。

実際のところ、システム開発にあたって依頼元がスケジュールや価格などの面で外注先に無理な要求をしている場合には、この種の問題が発生したとしても、依頼元はなかなか強気に出にくいです。

仕様書の解釈違いのように、依頼主にも少なからず責任の一端がある場合もあります。

依頼主とエンジニア側の双方が更に良くしようとシステムの改善を繰り返し、テストやフィードバックで変更・追加を加えていくことで、当初の計画からズレてしまうことが理由です。

通常、ウォーターフォール開発の場合は、最初に指標となる機能設計と併せて、開発スケジュールを決めます。予めスケジュールを設定しておくことで現状の進捗度を把握することが可能になります。

しかし、アジャイル開発では計画を詳細に立案しないため、スケジュールや進捗具合が把握しにくくコントロールが難しくなります。チームごとに小単位で開発を繰り返すため、全体を把握しきれずに、気付いたら納期に間に合わないということも起こりえます。

最終的にどのような手段を取るかは、まさに依頼主の考え方が如実に現れる部分であり、会社の体質そのものだと言えます。

成果物に対する法的な対応を取るケースでも一般的に、ビジネスで何らかのトラブルが発生した際は、過去に起こった同種のトラブルでの対応をベースに解決が図られることが多くなります。

■まとめ
アジャイルは、事業開発やソフトウェア開発の開発手法の一つです。

アジャイル開発では、一般的に1週間から4週間の反復期間を設定し、「計画」→「設計」→「実装」→「テスト」という開発工程を小さな機能開発毎に行っていきます。

このサイクルを「イテレーション」とよび、機能毎に「イテレーション」を繰り返していきます。アジャイル開発(アジャイル)は機能毎に開発が独立して完結するので、開発途中の仕様変更などの対応が柔軟に行うことが可能です。

アジャイルによる事業開発の場合には、このように工程分けされて進むのではなく、プロジェクトは変化するものと決め、イテレートと呼ばれる小さなサイクルを何度も回し、プロジェクトが生み出すプロダクトを最大化することを重要と考えます。

そのため、当初計画された機能が100%完成することは困難です。

しかし、アジャイルにより機能毎に開発することで、相手の要望の誤解や、技術的に実現できるかなどの検証がサイクル毎に行え、顧客満足度の高いソフトウェアを提供できます。

それにより、プロダクトがリリースされる時点で、顧客を含む全てのステークホルダーが『最大の価値がある』と思えるようなプロダクトが完成するのです。

■最後に
新規事業やビジネスモデル変革など新しい価値の提供にむけたストーリー作りが必要になります。

その上でその実践に必要となる既存業務プロセスの効率化や生産性向上、さらには意思決定の迅速化・精緻化・高度化への取り組みが必要になります。

アジャイル型での事業開発に取り組むことで、より着実に変革の実現をサポートします。

アジャイル開発はユーザーを起点とした要望をかなえ、かつスピーディに開発を進められる開発手法ではありますが、プロジェクトによって向き不向きがあり、やみくもに取り入れればいいというものではありません。

また、チームがアジャイル開発の進め方を理解していないと、アジャイル開発の利点を活かすのは難しいでしょう。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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