本日の「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を贈ります。
「衰退期の製品を持ち続けると、代替製品の考案が遅れ、アンバランスな製品ミックスを生み出し、経常利益に損失を与え、将来の企業の基盤を弱めることになる。」
<フィリップ・コトラー>
既に誰もが分かっている顕在的な需要に対して単なる猿真似で、価格を下げて値引きして提供するだけでは、スタートアップとして、課題を解決し顧客の要望に応えているということにはなりません。
なぜなら、新規事業を立ち上げ付加価値を生むという真の意味合いは、独自のブランドを築き上げ、顧客が潜在的需要として持っているが、未だ世の中に存在していないニーズを形にし、新規ソリューションとして提示して上げることだからです。
現在、著名な大手コンサルティング会社や一般的な人材紹介ビジネスの領域でもコモディティ化が起こり、価格競争の波が押し寄せて来ています。
経営コンサルタントと言うと、報酬のレンジが非常に高い割に助言のみという形態が多かったため、その牙城が崩れつつあります。
差別化優位性が無いホワイトカラーや他社とは異なる付加価値を創出できない会社は、競合他社との価格比較という渦に巻き込まれ、コアとなる誰にも負けない武器を持たないと、コンサルティング会社ですら安く買い叩かれてしまうという構図が発生しているのです。
価格競争の渦に対抗できる、付加価値を創出できてますか?
<本田季伸>
■コモディティ化とは?
コモディティ化とは、多数の類似商品・サービスが同時に販売されることで商品間の差異がなくなり、市場価値が低下することを指します。
マイケル・ポーターが競争戦略の中で、差別化戦略としてコストリーダーシップを提唱していましたが、新規事業の立ち上げやイノベーションの創出には、何よりも独自性がカギとなります。
多くの製造メーカーは常に新しい商品を市場に導入しますが、画期的で売れる商品であってもライバルメーカーはその商品を研究し、似た機能を持った商品を御社の値段より少し安く設定して販売します。
画期的な商品を生み出してもすぐに真似されてしまうため、競合各社が扱っている、ある商品の機能や性質に差別化要因が無くなると、価格または量が購買の判断基準になることを「コモディティ化する」と言います。
要するに、どれを買っても同じ結果が得られるのであれば、少しでも安いもの、多いものが買われる、という事になってしまいます。先行きが見えない時代だからこそ、揺るぎないブランドを育成し、「未来視点」で新規事業に取り組むことを考える必要があるのです。