PMFとは?プロダクトマーケットフィットが成功の鍵となる訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

企業間の競争が激しくなり、広告費をかけて売上の拡大を狙うことはますます難しくなっています。

しかし、顧客の課題を解決する本当に良いプロダクトであれば、マーケティングと営業を工夫すれば、購入に結び付く可能性が高いと断言できます。

スタートアップ業界では、PMFなしでは、どんなに優秀な創業者であっても事業は失敗してしまうと言われています。

そこで今回、PMFとは何か、プロダクトマーケットフィットが成功の鍵となる訳について解説します。

「起業する時は、山ほどの失敗、試行錯誤をする覚悟と、その中から本当に通用する独自のやり方を見つけ、それをとことん磨き上げる気概が大事だ。」

<マイケル・デル>デル創業者

■PMFとは?
「PMF」とは、英語で「Product Market Fit」の略語になります。「プロダクトマーケットフィット」は、新たに開発したプロダクトやサービスが特定の顧客に認められ、市場において適合している状態のことを意味します。

PMFの考え方は、マーク・アンドリーセン氏によって広められ、現在ではスタートアップのビジネスの成否を左右する要素として多くの起業家に広く認知されています。

CB Insights社が行った2019年の調査では、「市場のニーズがない」ことが原因で、ほとんどのスタートアップが失敗しているという結果が出ています。

ビジネスモデルとして成功するかどうかは、「PMF」が顧客となるカスタマー対して確立しているかどうかで、概ね判断することができます。

プロダクトにより顧客の課題を解決し、満足させている状態にあるかが事業成功の鍵となる要素になります。

ただし、現時点では未だ適切な市場に受け入れられている状態になっていない場合には、顧客の声をフィードバックさせながら、事業を最適化し、ブラッシュアップすることも可能だと言えます。

■PMFがあることがファイナンスに直結する訳
投資家がスタートアップの初期段階で投資するかどうか判断する場合もこの「PMFを達成しているか」を基準にし、顧客からの「トラクション」を獲得できているか否かで判断するケースが多くなります。

スタートアップの起業家が、革新的な新規事業を立ち上げるために必要なことは、多大な投資を行う前に市場でローンチすることでテストを徹底し「プロダクトマーケットフィット」=「PMF」を早いタイミングで達成を目指すことです。

なぜなら、スタートアップが失敗しまう要因として最も多いのが、顧客が抱えている本当の課題が何であるかを特定できておらず、ソリューション開発に大金を投資したが完成後に営業してみたら思ったよりも売れないケースがほとんどだからです。

PMFの考え方によると、スタートアップを成功させるう上では、下記の二つの要素が揃っていることが重要です。

1.カスタマーの課題を満足させるプロダクトであること。
2.適切な市場の選択および受け入れられていること。

どからか一つの要素が欠けていると、スタートアップは成功しにくいと考えれられています。

その理由としては、いずれかの要素が欠けた状態のままで製品の販売規模を拡大すると、その製品を受け入れてくれる顧客を獲得できずに、やがて人材や資金が尽きてしまい事業の失敗につながる可能性が高いからです。

■PMFの良し悪しの判断が難しい理由
スタートアップが「トラクション」を獲得しているどうかを判断する際には、必ずしも現時点で儲かっているかどうかだけで判断を下すのは間違いです。

その理由としては、事業の儲けの種類には複数の定義があり、業種や業態、プロダクトの種類によって大きく異なり、市場性が高く魅力的な事業でもそもそも資金不足によりスケールすることが出来ない場合もあるからです。

「PMF」の状態をどのように位置づけるかは非常に難しいと言えます。「PMF」も同様に創業当初の段階で、目標が達成か未達かを数値で線引きし、白黒をハッキリ付けることは困難です。

しかし、以下の条件を満たすデータがあれば、PMFはある程度の計測ができます。

1、サービス価値を表すアクションは何か?
2、どのくらいの頻度でそれを行っているか?
3、どのくらい継続しているか?

売上を伸ばしながら、事業をブラッシュアップすることが望ましいですが、このサイクルを上手に回しながら継続的に進化発展するためには、事業が仕組み化され、再現性のある「型」が必要です。

この「型」のことを「ビジネスモデル」と呼びます。

■PMFを測定する重要性
PMFを測定するためのフレームワークは、プロダクトのカテゴリーや業界によって異なります。 PMFを測定するためには、「共通のテーマ」、「要点」、「ベストプラクティス」があります。

ベストプラクティスとは、ある特定の工程や実践または実例にて、「最も優れている」と評価される手法に使われる言葉のこと。

リテンション「継続率」は、サービスの価値を示す重要な指標になります。

スタートアップの場合、プロダクトライフサイクルが他のどの指標よりも分かりやすく、かつ決定的な指標だと専門家たちは口をそろえて言います。

PMFを検証するには、ユーザーが実際にプロダクトを試し、その価値を体験することが必要です。PMFの最良の指標は、プロダクトを利用したユーザーのリテンションになります。

・ユーザーがプロダクトを利用し、その価値を体験したことを示す指標を特定する。
・その指標のリピート回数を測定する。
・どのくらいの頻度でユーザーは価値を体験しているのかを測定する。
・リテンションを測定し、フラットなリテンションカーブを目指す。

改善のための基準を確立したら、リテンション指標を動かすために様々なテストを行うことができます。

例えば、アクティベーションの改善や、よりターゲットを絞った獲得戦略を実行する、離脱したユーザーが戻ってくるようにする、などが挙げられます。

プロダクトを最適化するためには、「ノーススターメトリック」を通じて、顧客中心に「グロースハッキング」に集中できる土台を作り上げることも可能です。

■ノーススターメトリック「North Star Metric」とは?
ノーススターメトリックとは、「企業がビジネスグロースを目指すために設定をする重要指標のことです。

ノーススターメトリックは、企業がビジネスグロースを目指すために設定をする重要指標のことです。

ビジネス上の達成目標に対する現在位置を計測するための指標には、「KGI」「Key Goal Indicator」(重要目標達成指標)や「KPI」「Key Performance Indicator」(重要業績評価指標)といったものあります。

ノーススターメトリックはそれらの指標とは役割が異なり、「プロジェクトに関係するすべてのメンバーが常に見定めておくべきもの」とされます。

NETFLIX、Facebook、Amazonなどの世界を代表する大手企業ではこの「ノーススターメトリック」を設定することで、企業、製品を大きく成長させることに成功しました。

成功するビジネスには多くの共通点があり、ビジネスで最も重要なことは何よりも「顧客満足」です。

プロダクトの本質的な価値に気づいた顧客は、そのプロダクトを何度も使用するだけでなく、周囲の人にすすめ、それにより多くの新規顧客がプロダクトを使うという好循環が生まれます。

ノーススターメトリックは、顧客がプロダクトを使って得られる本質的な価値を正確に測定する指標で、スタートアップのビジネスが成長しているかを追跡できるようにします。

■PMFで測定できる3つの指標
ベストプラクティスはあくまでも「現時点におけるベストな方法」です。PMFで測定した後に新たな手法がベストプラクティスとなるケースも少なくありません。

1、注目すべき指標を見落とさない
リテンションは重要ですが、スタートアップのライフサイクルの中では、わかりやすさに違いがありつつも、他にも気にすべき指標があります。

「いい感じになってきた」という感覚的なものから、数字で定量化できる、わかりやすい指標まであります。

たとえば、プロダクト開発前や、プロダクトの初期段階では、多くのスタートアップ企業において、定性データが貴重な先行指標となると言われています。

ユーザーのインサイトを集め、プロダクトを愛用してくれるユーザーたちがいることを確認したこと自体が、PMFの正しい方向に向かっていることを示す指標となるのです。

2、PMFは度合いであって、白黒はっきりしたものではない
リテンション率の高さなどは、PMFを示す非常に重要なシグナルですが、ある閾値に達したからといって花火が上がったりするわけではありません。

自分の指標があるべきところに達していなくても、落胆する必要はありません。

むしろ、データに含まれる様々なPMFの指標を理解し、それらを積極的に改善する方法を探し、実行することに集中しましょう。

専門家が口を揃えていっていたことの一つに、「競合他社との比較に執着しないこと」というものがありました。

競合他社との比較をせず、自社のプロダクトの「ノーススターメトリクス(重要となるただ一つの指標)」ともいうべき重点指標(多くの場合、リテンション関連)を見つけ出し、それをどのように改善するかにエネルギーを費やすと良いでしょう。

3、PMFを達成しても改善に終わりではない。
PMFを維持するには、継続的な改善が必要です。マーケットは(かつてないほどの速さで)変化しており、企業が100人のユーザーから1000人のユーザーに成長するにつれ、PMFの指標も変化していきます。

企業が成長すると、ユーザーベースがアーリーアダプターから、レイトアダプター(より保守的な層)、ラガード(保守層)へと拡大するため、PMFは一般的に悪化します。

獲得コストは増加し、収益の伸びは鈍化し、ユーザーグループのリテンション率は低下します。

マーケットに合わせて最適化しなければならないという緊迫感がないと、最も差し迫ったユーザーの抱えている問題やそのソリューションを何が何でも優先することを忘れ、集中力を失って新しい分野に手を出してしまいがちです。

最終的には、PMFは常に注視する必要があり、事実に基づいたデータとインサイトを確認し、フィードバックを得て改善するというループを確立しなければなりません。

PMFが明確になったら、ユーザーのセグメンテーションに注力し、常に次のリリースをどうするのか、意識する必要があります。

■まとめ
PMF「プロダクトマーケットフィット」とは、提供しているサービスや商品が、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態のことを指します。

ソフトウェア開発者のマーク・アンドリーセンが広めた概念と言われ、ベンチャー企業や新規事業を始める際によく聞く言葉です。

顧客の課題を特定し、問題解決を図る「PMF」を早期に達成することがビジネスの成功の秘訣になります。

多くのスタートアップ企業がひしめく中で、際立つためには、何か一つのことで際立って優れている必要があります。

そして、競合他社を調査する際には、どのような活動が自社の「ノーススターメトリクス」を向上させるか、念頭において調査しプロダクトを改善する姿勢が大切です。

多くの起業家が、ビジネスの成長に集中するタイミングが早すぎたために、会社を停滞させてしまっています。

例え、サービスを市場にリリースしたばかりの初期段階であっても、ユーザーが使いたいと思うようなプロダクトに改善していくことで、ユーザーが何を求めているのか、より深く理解することができます。

人々に愛されるプロダクトを作る前に成長を重視しすぎると、穴の開いたバケツから水が漏れ続けるような問題が発生します。

最終的にこの「PMF」と「ビジネスモデル」の良し悪しで会社の行く末が決まるのです。

■最後に
プロダクトのリリースには、顧客に使って貰いフィードバックを受けるための営業活動が必要になります。

BtoBの場合、市場にローンチした後の最初のプロセスは、見込客を探してファーストコンタクトを取る「アプローチ」をどのように推進するかが一番難しく、このプロセスを最適化することが、「PMF」を最適化し売上を上げる最大の鍵になると言えます。

新規での営業活動では、検討確度の高い顧客先にアプローチすることが売上を上げるセンターピンになります

ですが、スタートアップの場合、キーマンとの商談が有効だと頭では分かっていても、大手企業の最終決裁者に若手の営業マンが代表電話からアプローチしを行い役員クラスとアポイントを取得し、有効商談を行うのはなかなか難しい場合も多いでしょう。

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本田季伸のプロフィール

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