VUCAの時代に必要な考え方やスキル、取るべき行動とは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

VUCA(ブーカ)というビジネスキーワードをご存知でしょうか?
今回は、VUCAという予測不可能な時代にどのようなスキルや組織作りが求められているのかを分析し、VUCA時代を生き残るためのポイントを解説します。

■VUCAとは?
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字をとった造語で、ブーカと発音します。取り巻く社会環境の複雑性が増し、次々と想定外の出来事が起こり、将来予測が困難な状況を意味する言葉です。

もともとは1991年にアメリカ陸軍戦略大学校「US Army War College」で提唱された軍事用語で、ロシアとアメリカが対立していた冷戦が集結し、二分構造からより複雑で混沌とした時代を迎えることを予想した言葉でした。VUCAはそもそも1990年代後半にアメリカで使われるようになった軍事用語です。戦争の形が「国と国との戦争」から、テロ組織のような幹部も指示系統も正確に把握できない相手との同時多発的な戦闘に変わり、それに応じた戦い方が必要となって生み出されました。

2010年代に、ダボス会議やASTD (米国人材開発機構)などで頻用されるようになり、その後徐々にビジネスシーンでも用いられるようになりました。

ビジネスの場面でこの言葉が使われるようになったのも、今のビジネス環境が同じように、

・短期間で市場の状況が急速に変わることがある(変動性)
・1つのビジネスが上手くいっても1年後も安泰とは限らない(不確実性)
・問題に対応しようとしても内容が複雑で解決困難(複雑性)
・問題解決の方法に明確な正解がない(曖昧性)

という時代であり、予定を立ててもその通りには行かず、想定を超える自体が発生する時代だということです。現代ビジネスシーンは、すぐに変動し、継続的な成功を収められるかは不確実であり、成功への道筋は複雑であり曖昧なのです。

1、 Volatility(変動性)
変化の量・質が予測不可能な状態を指しています。例えば、IT技術の進展によりコモディティ化してしまう例や、環境問題によって業界規模が急激にシュリンクするなど、これまでとは違う視点や行動が求められます。T技術が進歩している現代では、IoTの発展や5Gの開始などによりビジネスの現場だけでなく社会の仕組み自体が変動しています。

更に、スマートフォンの普及によってSNSや動画サービス、サブスクリプションビジネスが広がり、消費者のニーズや購買行動は細分化。市場が急速に変動している中で、企業も新しい価値観やマーケティング手法が求められているのです。

2、Uncertainty(不確実性)
地球温暖化に伴う気候変動、また新型インフルエンザやコロナウィルスなどの未知の疫病など、突如的に現れた事象は全く予測できません。また、終身雇用制度の終焉、複業解禁など、個人レベルでも不確実性の高い事象が増えてきています。政治や経済のグローバル化し自由貿易が実現している一方で、国家同士の争いによって制裁や保護が進んでいることも事実です。

また、世界規模での自然災害や感染症拡大など、予測不可能な事態によって株価や為替にも影響を及ぼします。
個人レベルでは、年功序列や終身雇用などの雇用制度に代わって成果主義での評価が当たり前になってきており、「確実に、この会社で定年まで働ける」という確約がなくなっています。
これらの不確実性な事実により、企業単位でも個人単位でも未来を予測することが難しい時代になっているのです。

3、Complexity(複雑性)
IT技術の発展によって、SNSやインターネットにおける個人の発信力が高まりました。個人がさまざまなコミュニティや組織と接点を持ち、ビジネスはより複雑性を持ち始めています。GAFAのように、業界を越境するIT企業も増加し、業界同士の壁は徐々に薄れつつあります。

ビジネスが多様化している現代では、企業の課題や業務はより複雑化しています。
多数のヒト・モノ・カネが関わるビジネスは特に複雑性を増し、画期的で便利である反面、大きなリスクをはらむことも指摘されています。多くのデータや事柄が複雑に絡み合う現代社会では、課題解決のためにより高度な分析力や解決力が求められています。

4、Ambiguity(曖昧性)
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)が組み合わさることによって、因果関係が不明、かつ前例のない出来事が増え、過去の実績や成功例に基づいた方法が通用しない曖昧性の高い世界へ突入します。

変動性・不確実性・複雑性を増している現代社会では、過去の統計や今までの経験が通用しないことも多く、正解を導くプロセスも正解自体も予測できずに曖昧になってしまっています。しかしながら、ビジネスの世界は急速に変化を遂げているため、成功するか失敗するか100%予測できない状態でも意思決定することが求められます。曖昧なままで決断していかなければいけないということも、現代の不安定要素となっているのです。

■VUCAが必要になった背景
複合的な要因が重なり、今世界規模で類を見ない大きな変革が起こっています。

1、グローバリゼーション
今の経済の流れに大きな影響を与えているのがグローバリゼーションです。国内にとどまらず、インターネットを通して世界中の企業が競合となり、ビジネスシーンの競争はより激化しています。覇権国家であるアメリカの弱体化と、中国の「一帯一路構想」による世界進出により、世界のパワーバランスは不均衡になっています。また、アメリカを筆頭とする自国ファースト主義は、世界各地に飛び火し、各国で極右派が台頭し、世界経済に影響を与えています。 また、地球温暖化による、かんばつ、サイクロン、大規模な山火事といった気候変動や、昨今、騒がせているコロナウィルスなどの正体不明の疫病などが多発。今まで以上に予測不能なリスクに見舞われる可能性があります。

2、AI・IoTの技術発展
完全自動運転、IoT、5Gなど、新しい技術が次々と登場し、その技術に関連するビジネスが誕生しています。また、GAFAなどの外資系企業が次々と資本を投下、自動運転車の「Google Car」音楽ストリーミングサービスの「AmazonMusic」など異業種に参入。IT技術を駆使し、業界構造を革新しています。それに伴い、資本力の少ない個人商店や中小企業などが次々閉店している現状があります。

3、いまだかつてない超高齢化社会、100年時代
先進国、特に日本においては、超高齢化社会が喫緊の課題です。死なないリスクではなく、生きてしまうリスク、いわゆる「人生100年時代」を見越した人材マネジメント、経営戦略、プロダクト開発が必要になるでしょう。 高齢化社会では労働力不足が生じます。外国人労働者に頼るのか、それともシニア世代や現役ママ、非正規雇用者など、人的リソースを最大限に活用するのか、今日本がまさに直面している問題の一つです。

■VUCAで変わる組織・人事のあり方・働き方
VUCAの時代では、具体的に、組織、従業員、人事はどのように変化し、またどのような変化を求められるのでしょうか?

■経営者の変化
1、ビジネスモデルに依存しない
画期的なビジネスモデルに頼ることは、短期的には市場においてオンリーワンの地位を築けるかもしれませんが、ITやAIなどによってコモディティ化されてしまいます。ビジネスモデルに安易に依存するのは危険です。先の読めない中では、企業の進むべきビジョンを明確にすることが大切です。今何が求められているかではなく、「どんな世界を作りたいか」を追求することが重要です。

2、トライアンドエラーを重視する
VUCAの時代では、計画にかけている時間はありません。せっかく良い事業計画ができても、気がついたら競合が先に開発を済ませていた、市場ニーズがなくなっていたということにもなりかねません、シナリオや計画を必要以上に策定せず、プロトタイプを作り市場に出すことで、市場環境を読みながら、正しく軌道修正ができます。

3、アジャイル型組織へ
組織の意思決定を遅くしてしまう原因の一つが、ウォーターフォール型の組織体制です。上司の判断待ちにならないよう、従業員の意思決定を尊重するアジャイル型組織を形成しましょう。

アジャイルは、英語で「俊敏」「機動性のある」という意味を持ち、つまりアジャイル型組織とは、迅速な意識決定、そして素早い改善サイクルを回せるフラットな組織ということになります。アジャイル型組織では、現場に権限を与えることが重要で、そもそもの失敗や軌道修正を容認します。失敗を否定し責めることなく、カルチャーとして育てていくことができるか、これが定着のカギになります。

■人事の変化
1、経営と現場の橋渡しに
経営者と現場の間に立って、人事業務を執り行うCHO/CHROという役割が、ベンチャー企業を筆頭に増えているように、VUCAの時代では、フレキシブルに動ける”緩衝材”のような人事が求められます。人事業務はもちろん、経営の基礎知識、人事分野から経営課題を発見し、プロフェッショナルな提案が期待されます。

2、強いリーダーシップ
従来の人事業務は、バックオフィス的な人材マネジメントが主でしたが、変化の激しい環境下では、企業のビジョンを達成するために、現場を変革する強さが求められます。経営のビジョンをブレイクダウンし、それを明確な方向性でもって遂行するグリット力も必要になります。

■リーダーシップの新潮流
変化が激しいVUCA時代に社会課題解決と事業性の両輪で成功していくためには、これまでのように経営トップ個人によるカリスマ型の強力なリーダーシップだけでは太刀打ちできなくなっています。イノベーションを継続して生み出している多くの企業では、経営層や管理者だけではなく、全員がリーダーシップを発揮できる環境が整えられつつあります。

経営者や管理者は、かつてのように自らが前面に出るリーダーシップではなく、メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮できる環境をつくるという側面でのリーダーシップ発揮が求められるようになっています。またメンバー一人ひとりは、フォロアーシップの発揮だけではなく、自らが権限によらないリーダーシップを発揮することが求められています。

そして、変化が激しいVUCA時代においては、どちらのリーダーシップのあり方も、あるべき像を一度学べばよいというものではなく、経験・体験を通じて学び続けていくことが重要となっています。

■VUCA時代に打ち勝つ方法
変化の大きなVUCA時代においても活躍できる方法の一つとして、次の考え方を紹介します。

1、古い考え方に固執せず、予測できない事態を受け入れる
VUCA時代では、ビジネスの変動が大きく、予測できない不確実な事態が次々と起こります。消費者の価値観も変化しているため、過去の成功方法をそのまま踏襲できません。そのため、古い考え方や成功事例に固執せず、予測できない事態が起きても柔軟に受け入れる姿勢が大切です。

VUCAの時代には状況が目まぐるしく変わります。アイデアがあっても行動に移すまでに時間がかかっていては、チャンスは消えてしまいます。VUCAの時代にはチャンスを逃すことなく実行に移せるスピードと、短時間で成果が出せるように効率的な働き方が必要となります。

2、決断を早くし臨機応変に行動する
上記のような状況では、決断を迷っているうちに情勢が刻一刻と変化していくため、できるだけ早い決断と臨機応変な行動が求められます。従来の会議のあり方や決裁ルートなどでは決断を早くできないようであれば、仕組みそのものを見直すことも必要です。

VUCAの時代には、問題に対して明確な答えが得られることはほぼありません。しかし、さまざまな要素が関係する中でその問題の本質を突き止めて、その解決に向けてとにかく少しでも前進するための施策を打てる問題解決能力が重要です。

3、変化をプロセスとして受けとめて、学び続ける
2018年に経済産業省と中小企業庁が合同で発表した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」報告書を紹介します。報告書では、個々人が問題意識をもち、仕事や学習を通して自発的にキャリアを構築する姿勢が、VUCA時代においては重要としています。「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「どのように活躍するか」といった三つの視点から、VUCA時代における自らの立ち位置を客観視し、自らのキャリアに対してオーナーシップを持つことが必要と述べています。

■明確なビジョンを持つ
変化が多いのに「ビジョンを明確に描く」とはどういうこと?と思われるかもしれません。しかし、いざ重要な判断が必要になった時に、「自分自身の確固たる判断軸」を持っている方が正しく速い判断ができます。将来的にやりたいと思っていること、ビジネスを通じて社会に提供したいもの、ビジネスの使命、絶対に譲れないことなどが明確であれば、どんな時もその原則にしたがって判断が下せるようになります。

■まとめ
すでにVUCAの時代は訪れており、企業も個人もこれまでと違う考え方や働き方が必要になっています。従来のように1つのアイデアを実現するために、何人もの人が何か月もかけて話合い、会社の裁可を得てから実行…というスピード感では遅いでしょう。

想定外の事態が次々と起こり、未来の予測が難しくなっている状況がVUCAです。ビジネスモデルの陳腐化が早く、過去の成功事例が通用しないVUCA時代では、柔軟な考え方や臨機応変な行動、学習の継続が必要です。大変な時代ですが、変化を目的のためのプロセスとして、自らの成長を楽しむのがポイントです。

日本企業はスピード感に欠けると言われますが、世界はそのように動いていきますので、競争に参加したいのであれば追従せざるをえません。当然、従業員にもよりスピード感が要求されるようになります。

VUCAの時代で、全く先が予測できないのは、どの企業も同じです。予測できないからと、ビジョンやシナリオを放棄するのではなく、明確なビジョンを掲げ、それを実現する強さを持つことがこれからは重要なのではないでしょうか?

本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 連続起業家・著者・エンジェル投資家 新卒で日本食研株式会社を経て、25歳で起業。これまでに自身で複数のITベンチャーを創業する。 1997年の起業時は、新宿の高田馬場でWEB制作事業からスタート。その後、インターネット事業プロデュース会社として、日本初の事業であることにこだわり、クーポン専門サイト、地域コミュニティサイト、出前専門サイト、チケット共同購入サイトなど、数々の専門・特化型ポータルサイトを立ち上げる。 クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、クーポンやチケットとして携帯電話の画面上に表示するアイデアを考案し、20件以上の特許を申請し事業化を推進。2002年に業界で初めて、「携帯チケット」のソリューションを開発。KDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートでモバイルチケット入場を実用化させ、電子チケット事業のパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2014年プライドワークス株式会社を設立。日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」のプラットフォームを武器に、顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネを撲滅を推進し、「顧問料の中間マージンをゼロ」をコンセプトに業界で唯一、適正価格で顧問紹介サービスを提供している。

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