ワークシェアリングとは?仕事の共有がコロナ失業に効果的な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

現在、人材不足という厳しい雇用情勢を改善するため、大きな関心と期待を集めてきた施策の一つが、「ワークシェアリング」です。

「ワークシェアリング」とは、雇用の維持・創出を図るために正社員として勤務している特定の会社での労働時間の短縮の対策を講じるために実施するものであり、雇用、賃金、労働時間の適切な配分を目指すことを目的にしています。

このワークシェアリングをテーマに、「正社員として仕事をシェアする取り組み」と新たに「自身のスキルを複数の会社にシェアする」最先端の働き方の二つのワークスタイルについて説明します。

また、「外部人材シェアリング」という新たな発想も交え、日本における最新の働き方改革にフォーカスし、ワークシェアリングとは?仕事の共有がコロナ失業に効果的な理由について解説します。

■ワークシェアリングとは?
ワークシェリングとは、今まで育て上げた正社員やスタッフを手放したくないという企業、人員削減によって雇用を打ち切られてしまいたくないと考える社員や従業員に対して、仕事を共有する仕組みになります。

お互いに仕事を維持できるようにするのが、この「ワークシェアリング」という制度になります。

「日本で深刻化している少子化によって顧客が減るとともに売り上げも減って、人件費の削減を考えている企業」
「IT化などによる仕事の簡素化により、人手が足りてしまって人員を削減しようとしていたりする企業」

などがありますが、このような企業が導入している制度が「ワークシェアリング」です。

■ワークシェアリング制度
現在、コロナ渦の営業で飲食業界や観光業界でこの「ワークシェアリング」に取り組む会社が増えています。では、「ワークシェアリング」とは一体どんな制度なのでしょうか。一言で説明すると「一つの仕事を労働者同士で分かち合うこと」です。

そのため、ワーキングシェアとも呼ばれています。全体の雇用者数を増やし、一人当たりの仕事量を減らす政策です。

近年大変な問題となっているコロナ渦による緊急事態宣言よる休業要請や長時間労働を解消するとともに、女性、高齢者、失業者などの雇用の機会を増やすことができ、働き手不足の解消や解雇問題の取り組みが期待されています。

■ワークシェアリングの背景にあるもの
このような内容が取り沙汰された背景にあるのは、長時間労働による失業や過労の問題を解消するためや、女性や高齢者の社会再進出を促して日本全体の労働者を増やしていこうとする考え方によるものです。これは、働き方改革の実施において、すでに問題提起されていました。

厚生労働省によると、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化などの状況に直面しており、こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっている。」と、しっかり明記されています。

これらの課題を解消するために始められた働き方改革のあおりを受け、企業では「ワークシェアリング」の導入が検討されるようになりました。

日本では1999年半ば頃から、急激に生産量が減少したことによる雇用確保や、多様な働き方を確保することによる雇用機会拡大などの課題を解決するために、政労使による検討会議が開催され、2002年3月末に「ワークシェアリングに関する政労使合意書」という形でまとめられました。

そのなかで、「ワークシェアリング」の基本的な考え方として、企業がワークシェアリングの取り組みに関する5原則が定められています。

1、労働時間の短縮の解決
ワークシェアリングとは、雇用の維持・創出を目的として労働時間の短縮を行うものである。日本の現状においては、多様就業型ワークシェアリングの環境整備に早期に取り組むことが適当です。

また、現下の厳しい雇用情勢に対応した当面の措置として緊急対応型ワークシェアリングに緊急に取り組むことが選択肢の一つである。

2、雇用の維持と生産性の向上
ワークシェアリングについては、個々の企業において実施する場合は、労使の自主的な判断と合意により行われるべきものであり、労使は、生産性の維持・向上に努めつつ、具体的な実施方法等について十分協議を尽くすことが必要である。

3、新たなワークスタイルとしての取り組み
政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、多様就業型ワークシェアリングの推進が働き方やライフスタイルの見直しにつながる重要な契機となるとの認識の下、そのための環境づくりに積極的に取り組んでいくものとする。

4、働き方改革と新たな報酬制度の確立
多様就業型ワークシェアリングの推進に際しては、労使は、働き方に見合った公正な処遇、賃金・人事制度の検討・見直し等多様な働き方の環境整備に努める。

5、コロナ渦による政府による休業要請対策
緊急対応型ワークシェアリングの実施に際しては、経営者は、雇用の維持に努め、労働者は、所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の取り扱いについて柔軟に対応するよう努める。

■海外では数十年前からワークシェアリングを実施していた
実は、海外ではワークシェアリングをすでに実施している国々があります。有名な国でいうと、オランダ、ドイツ、フランス、イギリスなどが挙げられます。

ワークシェアリング自体は、近年になって考えられた方法ではありません。1980年代にオランダでワークシェアリングが実施されたときは、14%もあった失業率が、約20年弱で2.4%にまで回復するという成功例があります。次項目以降では、より具体的な内容の解説をしていきます。

1、オランダ
オランダでは、1980年前半にオランダ病と言われるほどの大不況に見舞われ、これを機会にワークシェアリングが一気に広まりました。

のちの1996年には、フルタイムの労働者とパートタイムの労働者の時給や福利厚生などの条件に格差をつけることを禁止する、同一労働条件を取り決めました。これによって、労働者自身が自発的にフルタイムかパートタイムを選べるようになり、自分で労働時間を決められるようになりました。

2、イギリス
イギリスでは、1977年からワークシェアリングの概念が導入されていました。これは、失業者の雇用機会を創出するために、早期退職制度を導入する雇用創出型のワークシェアリングです。

そして、その後の1987年にはフルタイム労働自体を分割することによって、パートタイムでの働き方を増やす雇用創出型を実現しました。

3、フランス
フランスでは、1982年に労働改正法によって、法定労働時間の1時間短縮を行いましたが、実際にはあまり効果がありませんでした。

ここから、雇用状態の不況は続いたため、2000年にオブリ法・第二次法の成立によって、法定労働時間を35時間/週と定めることで対処を行いました。政府主導の施策であったこともあり、早期導入企業には社会保障の負担への優遇をするなどを行い、導入を促進させました。

4、ドイツ
ドイツでは労使協約によって、不況で失業者を出さないために、労働時間の短縮によるワークシェアリングが行われました。

これは自動車メーカーなどを中心に行われたこともあり、一時的な業績悪化による緊急対応型として導入されました。また、政策として2001年には、同一労働同一賃金やパートへの差別の禁止を定めました。

■ワークシェアリングの分類

1、雇用維持型(緊急避難型)
コロナ渦など何らかの理由によって一時的に景況が悪化してしまったり、一時的に会社内の仕事量が減ってしまい、過剰人員が発生してしまったりして、人員削減をせざるを得ない局面になった場合、緊急避難的な措置として社員や従業員など1人あたりの労働時間を短縮するという方法です。

これにより、業務に必要な従業員の数を減らしてしまうことが避けられ、社内でより多くの雇用を維持することが可能となります。その反面、収入が減ってしまう恐れはあります。

しかし、例え収入が減ってしまったとしても、社員や従業員などのリストラをせず、雇用を維持することが可能となることで得られる安心感は非常に大きなものがあります。

リストラをして人を減らさないということは、仕事が急に増えた際にもすぐに対応することができるということにも繋がります。

また、どんな状況になったとしても、リストラなどをせずに雇い続けるという関係性は、信頼関係を強めることにも繋がります。このように、状勢に応じて緊急的にとられる仕組みのため、緊急避難型と呼ばれています。

2、雇用維持型(中高年対応型)
現在の日本では、定年の延長や、定年後の再雇用などによる60歳や65歳以上の社員や従業員などの確保に取り組まれている企業が多くあります。それがこの雇用維持型(中高年対応型)です。

例えば、定年退職時に一度退職金を精算し、そのまますぐに再雇用をするという形式を取ります。その際、緊急避難型の雇用維持型のように、1人あたりの労働時間を短縮します。そうすることで、一時的に景気が悪化してしまったり、一時的に会社内の仕事量が減ってしまったりしても、雇用を維持し続けることが可能となります。

以前までは60歳でもらえていた国民年金が、65歳へと引き上げられました。将来、70歳にまで引き上げられるかもしれないとさえ言われています。

中高年の方々が社会人として仕事をしていた頃は、「国民年金は60歳になったらもらえる」と思って税金を納め、働いていた人が少なくありません。そのため、年金の受給開始年齢の引き上げにより、老後の資金計画が狂ってしまうような人もいるはずです。

しかし、この雇用維持型(中高年対応型)は、特に将来の資金計画が不安だった人にとって、雇用の確保がされるため、非常に良い制度といえます。企業側としても、新入社員を確保することが厳しい時代に、業務をすでに知っていて、人柄も把握できている人に仕事を任せることができるため、仕事の効率がいいのです。

現在の日本は、深刻な少子高齢化を迎えています。働き手の確保が以前よりも厳しい分、このような制度を企業で導入し、中高年齢の雇用維持を図ることが求められています。

3、雇用創出型
失業者に、雇用の機会を提供する目的として、労働時間の短縮を行うことでより多くの雇用機会を創出しようとする制度です。
雇用創出型の一例で、「ジョブシェアリング」というものがあります。

これは、本来フルタイムの正社員が1人で担うべきだった仕事を、2人以上でシェアして行います。この2人以上は、いわばチームのようなもので、評価などもこのチーム単位で行われます。

4、多様就業対応型
正社員に対して短時間勤務を導入するなどし、多様な勤務形態をとることをいいます。わかりやすく例えると、パートタイムの導入です。このことにより、妊娠・出産、子育てや介護などの理由により、働きたい気持ちがあっても、フルタイムでは働くことのできない層の雇用を維持することができます。

女性が多く、全員が正社員という形式を取っている部署では、人の入れ替わりが激しくなってしまいがちです。保育園の充実などにより、女性の社会進出のための仕組みができつつあるとはいえ、子供を長時間預けておくことに抵抗を感じている人もいます。

例えば、通勤時間が片道30分で、正社員として8時間勤務をする場合、子供を少なくとも9時間は保育園に預けなければならないということになります。そのため、正社員が定着したところであればあるほど、長時間預けたくないと考える女性が辞めていきます。

同じ事が介護をしている層の人にもいえます。長時間、家から離れることが厳しい場合、正社員を諦めざるを得ない状況が多くあります。しかし、介護には費用がかかるため、介護のための費用を工面しなければなりません。多くは、要介護者を施設にお願いし、介護者は正社員などで働きます。

多様就業対応型が取られた場合、企業側は雇用の確保ができ、優秀な人材を逃さずに済みます。労働者側としては、個人に合わせた雇用の維持がなされることにより、収入面などの安心感を得られることができます。パートタイム以外には、フレックスタイム、副業や在宅ワークなどの方法があります。

■ワークシェアリングの4つメリット

1、雇用が生まれる
ワークシェアリングの目的の項でもすでに触れましたが、社会全体で見たときのワークシェアリング導入の1番の効果は、それにより雇用が生まれることです。1人当たりの仕事量を減らすことで追加的な雇用が生まれるため、失業率を改善することにつながります。

労働者にとっては、労働時間が短くなることで、自分の時間を持つことができ、プライベートを確保することができます。そのため、今までよりストレスを抱えなくて済みます。長時間労働の問題や、働くことができずに収入面で悩んでいた人の問題を解消することができます。

また、経済全体を考えたときに、プライベートな時間が確保されて個人の時間が増えると、モノの購入、外食、アフターファイブでの習い事などでお金を使う人が増えていきます。これは、長時間労働者が多いと実現しません。お金を使う人が増えてくると、経済が活性化していきます。

2、多様な就業形態が実現できる
日本ではよく、正社員で雇用されたら副業を禁止されてしまうという企業が多くあります。しかし、パートタイムなどの導入による自由な働き方により、正社員やフルタイムという枠組みを超えることができ、多様な就業をすることが可能となります。

個人の生活スタイルに合わせた多様性のある働き方の容認により、今まで積極的に仕事をすることができなかった層も活躍することができるのです。

3、労働状況が改善される
2019年4月から順次実施されている働き方改革の内容に、「長時間労働の問題解消」が掲げられています。この長時間労働の問題を解消するためには、職場の労働環境を見直さなければなりません。職場の労働環境を見直すと、多くの場合人手不足が発生します。

この人手不足に対応するために、ワークシェアリングのような柔軟な雇用形態を構築すると人が集まりやすくなります。そのため、場合によっては優秀な人材の確保が可能となります。

ワークシェアリングのようなやり方で人材の確保をすることにより、人手が豊富となり、業務の閑散期や繁忙期の対応にも柔軟に対処することができるようになります。

4、生産性が向上することに繋がり、経済効果が生まれる
ワークシェアリングのようなやり方で人材の確保をすることにより、人手が豊富となり、業務の閑散期や繁忙期の対応にも柔軟に対処することができるようにます。

離職率が高い場合、新人の社員や従業員を入れるたびに教育しなければなりません。そうすると、仕事の生産性が一時的に下がってしまいます。

また、長時間に渡ってずっと仕事をしていると、集中力が低下してしまったり、疲労により作業が遅くなってしまったりすることがあります。このような状況が改善され、ワークシェアリングのようなやり方で人材の確保をすることにより、人手が豊富となり、業務の閑散期や繁忙期の対応にも柔軟に対処することができるように。

前項でも解説させていただいた通り、プライベートの時間の確保が可能となります。余暇が増えると、人と人との繋がりを持てるようになるため、少子化対策にもなります。

■ワークシェアリングのデメリット
メリットも多いワークシェアリング。しかしメリットもあれば、デメリットもあります。ワークシェアリングを導入する場合は、これらの問題点を解決していく必要があるでしょう。

1、給料額の減少
ワークシェアリングでは従業員1人あたりの勤務時間・勤務量が減るため、給料額が減少する可能性が高いです。たとえば「フルタイム社員の勤務時間が1時間減って月給が3万円下がった」「いままでは時給1,200円だったのに、作業量が減って時給1,100円になった」という形です。

現場では、正社員とパートタイマーの賃金格差の問題が是正されていません。ワークシェアリングを導入することで、低賃金労働者の増加という問題点もでてきます。

また、従業員のなかには、給料が下がって住宅ローンの支払いが苦しくなったり、子供への教育費用をかけられなくなったりしたケースもあるようです。

1人あたりの仕事の負担が減るというメリットもあるため、従業員自身、どのような働き方を求めるのかを中長期的に考えること。そして、働き方を選択していく考え方を醸成していくことも必要なのではないでしょうか。

2、経験できる仕事量が減る
ワークシェアリングが進むことで、「仕事量が減る=仕事での経験値が減る」ということも問題点の1つにあげられます。経理職の場合であれば「仕訳・決算処理に携わっていたのに仕訳業務のみ」になった。

エンジニア職であれば「顧客への営業とコンピュータシステムの修理を行っていたのに営業業務のみ」になったというイメージです。

社内での分業制が進むと経験できる仕事量が減ります。イコール社内で身につけられるスキルも減るということです。社内での経験業務が減ると、身に着けられる仕事スキルの幅が減るだけではなく転職活動時に不利になる恐れもあります。

最近は副業を解禁する企業も増えてきました。「副業で得た経験を本業に生かしてほしい」という意図をもって導入している企業もあるようです。「本業以外に職をもつ」ということは、「必要なスキル、経験を自分の意思で選ぶことができる」ということにもつながります。より主体性をもってスキルアップするチャンスにもなるのではないでしょうか。

3、責任の所在があいまいになる
1つの業務を複数の人が担当することで、「責任の所在があいまいになる」という問題点もでてきます。「最終責任者が明確でない」「問題の顕在化が遅れる」等でミスが深刻化しやすくなるかもしれません。

そのため、業務を依頼する際に「業務内容」「期限」「業務遂行者」「最終責任者」を明確にしておきましょう。そして、全体を統括する人が、それぞれの業務を把握できる仕組みを作っていきましょう。

「業務のワークシェアリング適性を見極める」「報告・連絡・相談フローを見直す」等作業も増えるかもしれません。しかし、このような業務を見直すことは、ワークシェアリング以外の通常業務にも効率化をもたらすこともあります。ワークシェアリング制度導入に伴う仕事量増加にフォーカスするのではなく、社内全体の業務効率化の一環として取り組むこともポイントになります。

4、生産性の低下
ワークシェアリングを行うと従業員数が増えるため、従業員の異動や退職によって発生する業務の引継ぎ時間も増えます。よって、引継ぎに多く時間をとられてしまい、業務に支障をきたす恐れがあるといえるでしょう。

さらに従業員への業務指導時間が増えて、管理職や教育担当者の社員が本来の業務に取り組めなくなる恐れもあります。業務指導時間が著しく増えてしまう業務内容はワークシェアリングに向かないかもしれません。

業務指導時間とその後の生産性向上を比較検討してみることも大切です。しかしながら、従業員の異動や退職は、ワークシェアリングを導入するしないに関わらず起こりうることです。企業の生産性向上と維持を考えていくうえで、業務の指導法、引継ぎ方法を再考することは必要かもしれません。

■ワークシェアリングの導入手順
次にワークシェアリングを導入する場合の手順について見ていきましょう。

1、現在の業務内容と必要な人材の把握
どんな業務があるのか、どんなスキルが必要なのか、適正人数は何人か、どのくらいのコストが掛かっているのかを把握しましょう。

2、不要な業務の見直し
1の作業ののち、不要な業務やフロー改善の必要のある業務をあげます。

3、ワークシェアリング可能な業務のリスト化
ワークシェアリングにも向き不向きがあります。ワークシェアリングが可能かどうかを確認していきましょう。

4、ワークシェアリングに向けてのマニュアル作成
ワークシェアリング導入の課題として、「報告・連絡・相談フローの見直し」が必要になるかもしれません。結果として、「個人の業務の見える化」にもつながり、マネジメントもしやすくなります。

5、業務の評価と見直し
ワークシェアリングの導入とともに評価方法も変わるかもしれません。業務の目標達成度を把握し、業務方法も適宜改善していきましょう。

■コロナ失業を減らすために出来ること
現在、アメリカでは3月中旬からの6週間の失業保険の新規申請件数が3000万件を超えるなど、新型コロナの影響で日本を含めて世界的な雇用危機が顕在化していますが、業種によって明暗が出ています。

政府の失業対策に限界もあるなか、民間が業種をまたいだ異例の連携で雇用を下支えするのが、まさに「ワークシェアリング」の取り組みになります。

コロナ危機は各国で失業者増を招いていますが、このような新たな仕組みによる雇用の流動化が進めば、経済が受ける影響を最小限に抑えられる可能性があります。

このような新型コロナウイルスの感染拡大に伴う雇用不安を受け、ネット小売りなど人手不足に悩む企業が休業を強いられる他業種から期間限定で人を受け入れる「従業員シェア」が世界で広がりを見せています。

ワークシェアリングの先駆けとして中国ネット通販大手、アリババ集団傘下の生鮮スーパー「盒馬(フーマー)鮮生」は2月、外食やタクシーなど40社以上から自宅待機などの従業員の受け入れを始め、5千人以上がフーマーで宅配スタッフなどとして働いていたそうです。

今回、中国政府がこの取り組みを推奨したため、他社にも広がり、3月末時点で外食産業では「約400万人の待機問題を解消した」とのことです。

観光や飲食などサービス業が軒並み余剰人員を抱える一方で、外出制限で需要が拡大するネット通販や宅配、食品の小売店は人手が足りない状況になっています。「アマゾン」は3月中旬以降、物流施設の従業員などとして約17万5千人を採用する方針を打ち出しています。

日本でもイオン系食品スーパーの「まいばすけっと」(横浜市)が外食産業の人材を受け入れ始めたています。また、食品デリバリーの「出前館」なども、外食産業から宅配スタッフとしてアルバイトを受け入れています。

平時は解雇で雇用を流動化し、産業の新陳代謝を進めるのが米国流ですが、コロナのような経済危機時の失業増は景気収縮の度合いを強めてしまいます。従業員を解雇することなく、ワークシェアリングに取り組むことで企業が人を融通しあって嵐をやり過ごすという、有事の協調戦略の意味合いもあります。

■まとめ
ワークシェアリングとは、労働者1人あたりの労働時間を削減し、会社もしくは社会全体の雇用数を維持、増加させるという考え方のことを指します。欧米諸国では以前より広く普及しており、近年は日本においても働き方改革に伴って導入が進みつつあります。

ワークシェアリングを取り入れることによって、雇用が生まれるだけでなく、労働状況の改善、多様な就業形態の創出、優秀な人材の流出防止など様々なメリットがあり、経済効果も期待されます。

日本ではまだあまり浸透していませんが、近年導入する企業も出てきているこのワークシェアリングの取り組み、ぜひ1度導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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■コロナ渦の中でKENJINSができること
現在、日本ではコロナによる経済不況と更なる少子高齢化が進むこと確実に予想されているため、業界によっては今以上に業績が悪化してしまう可能性が高い状況になっています。

また、急速にリモートワーカーが増えたこともあり、今後は正社員だけに頼る形だけでなく、フリーランスのプロ人材によるワークシェアリングが必要になるシーンが増えると思われます。

ハイスキルなプロの協力を仰ぐことで会社を危機的な状況から守り抜き、これからもビジネスの更なる発展を効果的に促進するためにも、外部人材による「ワークシェアリング」を活用して頂ければと思います。

世界的にコロナウィルスが世界的に蔓延した影響で、様々な会社が苦境に立たされており、コロナ不況による業績悪化を受け、労働時間の短縮による給料の大幅カットや解雇などに踏み切る企業も増えています。

そのため、そのような企業で働く人材もコロナ不況に関係ない業界や会社に転職を考える人も増えています。

そのような企業側の施策としては、一人当たりの労働時間を1割ずつ減らすことによって給料も1割ずつ削減し、人件費の固定費を圧縮することも可能です。

しかし、このような状況の中で反対に人手不足になっている会社も存在しているため、一時的なレンタル移籍を行うことで、これまでの給料報酬を下げることなく雇用を守ることもできるのではないかと考えています。

コロナ自粛の波が当面の間続くマーケット環境においては、一気に副業を解禁する会社も増えてくると予測されます。

今だからこそ正社員として働く時間と給料が減ってしまったことに甘んじることなく、自身の経験やスキルを活かしパラレルワーカーとして複数の会社の仕事に携わることで、報酬を増やすことも可能になっています。

特に在宅勤務を導入する企業が増え、リモートワークが当たり前になった今では、土日や平日の空いている時間に、魅力的なプロジェクトに副業として週1日で参画するという選択肢もあります。

これまでは不況=人員削減という考え方が主流だった日本ですが、これからは企業側が雇用を守るという考えだけでなく、働く人本人が自分自身の収入を維持し更に増やすことができる仕組みが必要だと言えます。

新型コロナという急速な環境の変化に対応し、ワークシェアリングという考え方を取り入れ、自らの意志と行動により「コロナ失業」や「収入減少」を少なくして行けるのではないでしょうか?

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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