スタートアップの社外取締役とは?株式公開を支援する社外取締役

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

社外取締役というと、従来は上場企業がコーポレートガバナンスによる企業統治を強化することを目的に採用するものだとが考えられてきました。ですが現在は、スタートアップが企業価値向上を目的に社外取締役を迎い入れるケースが増えています。

そこで今回は、スタートアップの社外取締役に求められる新たなミッションについて解説します。

■社外取締役とは?
社外取締役は、通常の取締役とは立場と期待される役割が大きく異なり、あくまで外部の立場から経営状況のチェックや監督の機能を期待されることになります。そのため、社員が昇格し選任される形式にはならず、社外取締役が社内に部下や管掌部門を持つことはありません。

社外取締役の中でも、経営者や利害関係者から完全に独立して、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役を、独立社外取締役といいます。

また、社外取締役の仕事になるコーポレートガバナンスが、経営者の独走を抑止して株主やステークホルダーの利益を守る仕組みを指しているのに対し、内部統制は、経営陣を含む全ての従業員が公正な企業活動を行うために必要な仕組みやプロセスを指しています。

■スタートアップに社外取締役が求められる背景
ベンチャーエンタープライズセンターによれば、国内のスタートアップへの投資件数は19年度に1490件と、4年前から5割も増えています。

スタートアップに社外取締役が必要とされている理由としては、ベンチャーキャピタルが増え、積極的な投資を行ったことにより、急速に上場予備軍が増加したことが背景にあります。

その結果、スタートアップ企業に大きな資金を投資する側の立場として、数千万から数億の資金を投資する以上、数年での上場での回収を目指し、キャピタルゲインを得ることを目的に投資先に対して、社外取締役を参画して貰うことで企業統治をして欲しいと考えているからです。

このようなことから、株式公開を目指すスタートアップの間では、社外取締役の需要は高まっておりますが、優秀な社外取締役をスタートアップの創業者や経営陣の繋がりの中から選定し揃えることは難しいため、ベンチャーキャピタルの投資担当者が第三者割当増資を引き受ける際に、社外取締役を送り込むケースが多いです。

現在、社外取締役が不足している大きな理由としては、スタートアップの経営幹部として実際に株式公開の実務を経験したプロ人は限られるため、上場のサポートが可能な特定のプロフェッショナル人材に人気が集中し、1人が兼任できる社数が限られるからになります。

■スタートアップの社外取締役が担う役割
スタートアップの社外取締役の主な業務としては、第三者の立場から経営状況のチェックに留まらず、企業価値を向上させ、事業や株価のバリューアップを支援する役割を担います。基本的に、常駐はせず外部の立ち位置で、主に取締役会や経営者会議の際に定期的に出席し経営陣のサポートを行う形になります。

経済産業省の社外取締役ガイドラインによると、スタートアツプが社外取締役に求める役割は、以下となっています。

1、経営戦略・計画の策定への関与:54%
2、コンプライアンス・不祥事対応への関与:34%
3、利益相反管理への関与:14%
4、経営陣の指名・報酬プロセスへの関与:7%
5、個別の業務執行への関与:5%

つまり、スタートアップの場合、株式公開の経験や上場に必要な経営スキルを持つプロ人材を外部から招聘することで、企業価値向上を向上させ、アドバイスを超えた実行支援をハンズオンで行う役割を担うことが期待されているのです。

■ハンズオンを支援できる社外取締役は人気が高い
スタートアップの社外取締役に就任するプロ人材が負う最大の責務は、「スタートアップの成長に対して責任を持ち、会社をハンズオンすること」になります。

そのため、既に株式公開をしている上場会社の社外取締役に求められるコーポレートガバナンスの要件とは違い、起業家や経営者から期待される役割が大きく異なる形になります。

ハンズオンとは、「手を触れる」という意味から、投資ファンドからの要望でコンサルティングファームから派遣されたコンサルタントが、投資先を行う企業の経営に直接参画し、深く関与することを表す言葉です。「ハンズオン」は、体験学習を意味する教育用語としても普及しているため、投資手法としてのハンズオンは「ハンズオン投資」と呼び分けられることもあります。

スタートアップの起業家の思惑としては、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル、CVCからの第三者割当増資による資金調達時に、社外取締役として設置していることで、成長するベンチャー企業だと評価されることを期待しています。

また、資金調達後も社外取締役という立場ではあるが、身内のような立ち位置で、直接的な経営アドバイスや実行支援を受けられることを望んでいます。

つまり、株式上場を目指す会社は、公認会計士のようにCFOのサポート役としての財務会計の支援ニーズというよりも、株式公開に向けて必要なプロジェクトへの参画やビジネスを取り巻く経営判断のアドバイス、実行支援をして貰えるようなプロ経営者に近い役割が求められているのです。

■スタートアップの社外取締役の仕事内容
スタートアップの社外取締役にとしては、ハンズオン支援及び株式公開やM&Aなどによるエグジットまでの一連の業務をサポートする形になります。

具体的には、ベンチャーキャピタル等から投資を受ける前後から関与し、バリューアップ、育成支援、エグジット支援の役割を担って頂きます。特に投資先のバリューアップのために、投資先の経営陣と定期的な事業ディスカッションを行います。

現在、日本のスタートアップでは、事業の成長ステージや投資ラウンド、プロダクトやサービスのトラクションの獲得や売上や利益の状態によって以下の5つに分類して紹介されます。

1、シードステージ
2、アーリーステージ
3、ミドルステージ
4、レイターステージ
5、株式公開(IPO

スタートアップの社外取締役の役割は、シードステージやアーリーステージは、管理業務よりもハンズオン支援に重きが置かれますが、ミドルステージまで辿り付いたベンチャー企業には、エグジットに向けた株式公開サポートやM&Aの支援を行います。

創業からエグジットまでのあらゆるフェーズにおいて、財務的な観点からの支援だけに留まらず、事業戦略立案など、幅広い経営課題に対してご自身の強みを活かしながら、企業価値向上に必要な実行支援を担います。

ハンズオンを成功に導くには、以下の然るべき5つのポイントを押さえる必要があります。

1、株式公開など明確なゴールを設定する。
2、ビジネスパートナーとして事業に参画する。
3、コミュニケーションを円滑にする。
4、期限を定めて組織改革に取り組む。
5、バリューアップの最適な手段を考える。

■まとめ
スタートアップの社外取締役は、上場会社の社外取締役とは、求められる役割が大きく異なり、ベンチャー企業の経営陣と深く関わり、ビジネスパートナーとして事業をハンズオンする考えを持ち、起業家と一緒に成長を応援していくというスタンスが必要です。

その上で社内の取締役ではなく、社外取締役として、自分だからできること、自分でなければできないことは何か、ご自身の得意分野と市場ニーズを深堀りし、独自の強みを企業の持続的な成長のために考え、実行支援を厭わない「アクセラレーター」として関与する心構えが必要になるのです。

アクセラレーターとなる社外取締役のゴールは、起業家と共に「事業のスケールアウトを達成すること」となります。

上場を目指す会社の社外取締役のミッションは、スタートアップが生み出した社会にインパクトを与える革新的なビジネスモデルの原石をダイヤモンドになるまで磨き上げ、起業家の成長を後押しつつ会社を「バリューアップ」し、株式公開を狙えるステージまでを牽引することを目指すことだと言えるのです。

本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 ★連続起業家★著者★人脈コネクター★KENJINSプロデューサー★「顧問のチカラ」伝道者★プライドワークス株式会社 代表取締役。 大学卒業後、日本食研株式会社を経て25歳で起業。複数のITベンチャーを創業する。業界初のサービスであることにこだわり、地域密着型コミットサイト、有店舗連動型ブランド品オークションサイト、日本初の出前サイト、セミナーチケット共同購入サイトなどを立ち上げる。クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、チケットや会員証として携帯電話の画面上に表示するアイデアを世界で初めて考案し、発明者として20件以上の特許を申請し権利を取得。2002年にKDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートで電子チケット入場を実用化させ、モバイルチケットのパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2012年に「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を出版。後に3部作となり累計販売部数は、75,000部を超える。2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設する。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、これまでの顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「サブスクリプション型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供している。特に複数の「営業顧問」の人脈ネットワークを活用した大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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