スタートアップの起業家としてステークホルダーを気持ち良く動かし、潜在能力を開花させ、実力以上のチカラを発揮させるために必要なことは、気持ち良く人を動かす方法をマスターすることです。
なぜなら、身近な人間からの大きな期待を寄せて貰ったり、熱い励ましの言葉を受けることで、モチベーションが高まりチャレンジ精神や学習効果などの成果が劇手に上がる「ピグマリオン効果」が働くからです。
デール・カーネギーの「人を動かす」によれば、人を動かす秘訣は、この世にただ一つしかないと言われています。それは、自ら動きたくなる気持ちを起こさせることです。
そこで今回は、ピグマリオン効果と人のやる気を高め、成果に繋げる秘訣について解説します。
「心から人をケアできるかどうか?
自分がやっていることに心から期待してくれてる人間を自分の周りに置けるかどうか?
人の良さを引き出すことができるかどうか?
人を褒め称えることができるかどうか?
批判せずに人々にやる気を起こすことができるかどうか?
それらはすべてスタート初日からやるべきことなんだ。」
<リチャード・ブランソン>
■ピグマリオン効果とは?
ピグマリオン効果とは、「相手に期待をかけることによって、相手の成長が促される」という心理効果です。人の存在の根底には「自己肯定感」があり、「自己肯定感」の上に「有能感」というものがあり、両者を合わせたものが「自己重要感」になります。
「自己重要感」というと、
・人より優れた部分を持っている。
・人から尊敬されたい。
・自分は価値のある存在であると認めてもらいたい。
というような欲求と言われています。自己重要感と自己肯定感の一番の大きな違いは、自己重要感は、自分を認めるということに加え、相手の評価も加わることです。相手の良い評価を得ることで自己重要感も上がるといえます。
一方で、自己肯定感は、自分の中だけで完結します。自分が自分のことを肯定したらそれで良いのです。
自分のありのままを認める自己肯定感と、誰かの役に立っているという感覚との2つのバランスを維持することが、自己重要感を高めるポイントになります。
■マネジメントでピグマリオン効果を効果的に活用する方法
ピグマリオン効果の概要について解説したところで、企業におけるマネジメントにおいて、ピグマリオン効果を効果的に活用する方法を7つご紹介します。
1、裁量を与える
上司が部下に対して期待するだけではなく、部下に裁量を与えることでピグマリオン効果はより強く働きます。 なぜなら、上司が部下を信頼して仕事を任せているということを、言葉だけではなく行動で示すことになるためです。
例えば、「予算は20万円以内」や「時間は10時間まで」など数値で区切って裁量を与え、部下が自己判断で安心して判断できる範囲を決めるとよりスムーズでしょう。
2、期待を具体的に示す
ピグマリオン効果では上司からの期待がパフォーマンスの向上につながりますが、ピグマリオン効果の出やすい期待、出にくい期待がそれぞれ存在します。 ピグマリオン効果の出やすい期待とは次の通りです。
・部下が自主性を持って行動することに対して、肯定的な関心を持つ
・結果をあせらず、答えが出るまで見守る
・答えが出ないことに対して感情を露わにせず、内容が良く伝わっていない可能性などを考え、わかりやすく伝えるようにする
・答えを出す過程でヒントを出し、うまく行かなかったときは、正確なフィードバックを与える
・部下を要所要所で褒める
3、達成可能な課題を与えて自信につなげる
ピグマリオン効果は、上司が部下に達成可能な課題を与えて自信をつけさせることでも働きます。 小さなハードルをいくつか与えて自信を持たせ、そのあとから少し高めのハードルに挑戦させるようにするのがポイントです。
4、成果だけではなく目標へのプロセスも評価する
上司の目線からすると、つい目標に対して何%達成したかという結果ばかりを見てしまいがちですが、ピグマリオン効果を期待する場合、これは逆効果だと言えるでしょう。
部下が努力した部分や、目標達成につながる行動を上司が具体的に評価することで、部下は自分の能力を認められたと感じ、モチベーションアップにつながるためです。 評価をする際は成果だけではなく、必ずプロセスも含めて見るようにしましょう。
5、結果を出せない時はヒントを与える
上司が期待をかけたからといって、部下は必ずしもスムーズに目標達成ができるとは限りません。 経験の少なさからつまづいてしまったり、悩みを抱えて行動できなくなったりすることもあるでしょう。
そのような時は上司が随時ヒントを与え、寄り添うことで信頼関係が構築され、よりピグマリオン効果が強く発揮されるでしょう。
6、過剰な期待はしない
ピグマリオン効果を期待するからといって、部下に過剰に期待するのはあまり望ましいこととは言えません。
なぜなら、その期待が大きすぎるプレッシャーとなって部下にのしかかり、モチベーションや仕事の成果が逆に低下してしまう可能性があるからです。 部下の性格や現状置かれている状況に配慮し、能力値に合わせた期待をかけていく姿勢が重要だと言えます。
7、公平な評価制度を構築する
ピグマリオン効果をより発揮させるためには、公正・公平な評価制度に基づいた人事評価を行う事が大切です。
期待をかけられて努力をしたものの、評価につながらないのでは、部下も仕事に前向きな気持ちで取り組むことが難しくなってしまうでしょう。 納得感のある人事評価制度で部下を評価し、成長につなげることのできる環境構築に心掛けましょう。
■ピグマリオン効果の出やすい期待とは?
ピグマリオン効果の出やすい期待とは、具体的で部下に伝わりやすい期待であることがわかるでしょう。 反対にピグマリオン効果の出にくい期待とは次の通りです。
・部下の仕事に対して細かく指示や要求、命令をする
・自分の期待通りの結果にならない場合に感情を露わにする
・過度な期待をかけたり、褒めたりする
・部下のためと言いながら自分の利益を考える
上司として部下を育成するなら、やる気を引き起こす具体的な期待をかけるよう、心掛けなければなりません。
■経営者がピグマリオン効果を活用する方法
企業経営者の場合、他の取締役やステークホルダーを動かすことが欠かせませんが、上司が自分の部下や後輩に成長して欲しい時は、頭ごなしに上から目線で指図したり、怠慢行為があったとしてもネガティブな言葉で注意するのではなく、「あなたに期待していますよ」という態度を崩さないことが重要になります。
心理学者のロバート・ローゼンタールの論文によれば、ある小学校の生徒に知能テストを受けさせ、「伸びしろがある」とされた生徒たちは、期待されていない生徒よりも実際に成績を伸ばす生徒が続出したという実験データが発表されています。
これらのことが起きた理由としては、「この子たちには伸びしろがあるんだ」と担任教師が信じ込んだことにより、その生徒に対しての接し方が変わったことで、教師の期待が、生徒たちに良い影響を与えたからだと言われています。
ただし、親が自分の子供に高い期待を持つのは良いことですが、高すぎる期待は逆効果になります。マインドの高い親は、子供が全ての分野で優秀であることは期待していません。他と比べ一番になるのではなく、子供が最高の自分になれるように手助けをする姿勢が大事なのです。
■まとめ
ピグマリオン効果とは、他者からの期待を受けることで勉強や仕事のパフォーマンスが向上するという心理効果のことを指し、ビジネスにおいては上司が部下に具体的に期待を伝え、最後は公正・公平に評価することでより効果を発揮します。
過剰な期待をかけすぎず、現状に満足するほど褒め過ぎずといった加減が上司にとっては難しいですが、部下が仕事でつまづいた時に寄り添ったり、自信を付けさせたいという思いで行動したりすればその気持ちは必ず伝わるのではないでしょうか。
ぜひ、ピグマリオン効果を効果的に用いて、部下の成長を適切に促してみてください。
■最後に
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