優秀な人材を採用したいと考える企業は、求職者から「志望動機」を聞くことで、会社や仕事への理解度や仕事へのモチベーションの高さを知ろうとしています。
そのため、特定の会社で働きたいと考える場合には、「なぜ数ある会社の中から、他社ではなくこの企業を選び応募したのか」を整理して伝えることが採用の決め手になるケースも多々あります。
ラブレターと同様に経営者や人事が、志望動機を見て会いたいと感じたり、面談の質問で志望動機の質疑をした際に、この人と一緒に仕事をしたいと考えて貰うために、魅力的な内容にブラッシュアップすることが大事になります。
そこで今回、志望動機とは、新卒採用・中途採用で志望動機の内容が大事な訳について、解説します。
■志望動機とは?
志望動機とは、履歴書と面接で応募する企業に入社意欲を伝え、応募先の企業で働きたいと思った理由を説明することで、企業に入社後の活躍イメージを持って貰うための項目を指します。
志望動機は英語で「reasons for application」と表記されます。日本語で志望動機は、応募した企業で働きたいのかを伝える理由を意味します。
新卒採用、中途採用において、採用担当者が重視するものの1つが「志望動機」になります。志望する業界や企業にもよりますが、特に人気が高い企業であればある程、応募が殺到するため、質の高い志望動機を書かなければ選考を突破してくことはできません。
応募企業への熱意を伝えるためには、応募企業だからこそ入社したい理由を説明し、自身の経験とスキルを関連付けした上で、応募企業で発揮できる職務能力を伝える必要があります。
志望動機で採用担当者が知りたいのは、「なぜ自社なのか」、「自社でかなえたいことは何か」、「入社したらどのように貢献できるのか」の3点になります。
・応募企業を選んだ理由
・活かせる経験・スキル
・入社後に実現したいこと
志望動機では、「その企業だからこそ実現できること、実現したいこと」を書くことが大事です。
応募企業の業界や競合との違い、企業理念への共感など、企業研究の成果を伝えつつ、自分の具体的な経験・エピソードに紐づけることで説得力を持たせましょう
■志望動機が重要な理由
ある調査によると、20%以上の企業が「履歴書の中で最も重視する項目」に挙げています。
これは「職歴」につぐ2番目の高さになります。このことからも、志望動機がいか重要なポイントであるかが分かります。
企業の採用担当者は、応募者から志望動機を聞き、確認することによって、自社への理解度や入社意欲の高さを見極めたいと考えています。
面接官が志望動機を質問してくる理由は、自社への志望度、熱意を見るためです。企業のすべてを知ることは難しくても、それを知ろうと努力する姿勢が重要といえます。
採用担当者は応募者の「志望動機」から様々な事柄を読み取ります。
・自社の強みや特色、理念を理解しているか?
・募集の背景や求める人材を把握しているか?
・競合他社ではなく自社を選んだ理由は何か?
・自社で活かせるどんな強みを持っているか?
・どんなキャリアビジョンを描いているのか?
なぜその業界、企業でないといけないのか、企業においてどのような仕事に従事したいのか、強みをどこで活かすことが出来るのかを研究し、それを伝えることで面接官に熱意を伝えます。
採用担当者が「この応募者と一緒に働きたい」と思うような志望動機が伝えることができるよう、準備をしましょう。
■志望動機と自己PRとの違い
企業は会社に貢献してくれる人材を望んでいます。志望動機を考えていて混同しがちなのが、自己PRです。
1、志望動機:個別の企業を志望した理由(未来のビジョン)
志望動機は、志望度の高さや会社の社風・ビジョンとマッチする人材かどうかを企業に伝えるために、選考を受ける企業・職種を志望する理由を伝えます。
志望動機では、自身がこれまでやって来た事の話で終わらせるのではなく、応募企業のどのような部分に魅力を感じ、応募する企業を選んだ理由と入社後に実現したいことを未来のビジョンとしてを伝えると効果的です。
2、自己PR:自分の強み(過去から現在の内容)
自己PRは、自分のスキルが何で、それを仕事にどう活かして取り組むかと仕事に取り組む姿勢を強みとして伝えます。
仕事へのこだわりや過去の経験でアピール材料になる経験・実績を整理した上で、それを企業の特色や理念と関連付けて、入社したい理由に繋げることが大切です。
■採用担当者が応募者の「志望動機」から読み取ること
採用担当者が重要視するポイントのうち次の3つを説明していきます。
1、会社の売上UPに貢献できる人材かどうか
応募先の採用担当者は、応募者の志望動機を読んで「会社の売上UPに貢献できる人材かどうか」を判断します。
どれだけ企業や仕事に魅力を感じている応募者でも、自社のプラスにならない人材では採用されません。
会社は、顧客を創造し、価値を提供することで継続的なビジネスを行うこと目的に運営されています。
企業側は、応募者のキャリアアップを目的に採用活動を行っていません。事業や募集している職種に対して、自分が転職したらどのように貢献できるかをしっかりと伝えましょう。
企業が人を採用するのは、事業拡大による人員募集であったり、既存事業で退職者が出たため、その人員補充だったりします。
その延長で志望動機を読んで、一緒に働けるかどうかを判断する形になります。
2、会社の組織文化にフィットするかどうか
採用担当者は、志望動機を読んで、会社の組織文化にフィットするかどうかを判断します。
なぜなら、どれだけ華々しい経歴の持ち主でも、会社が大事にしている価値観と合わなければ、双方が幸せになるのは難しいからです。
使い回しの志望動機では本気度が伝わらないことも、彼女向けのラブレターだと思えばイメージしやすいのではないでしょうか。
仕事面だけでなく、企業の風土やカルチャーについても理解し、好きな部分や共感する部分を伝えましょう。
3、長く勤務して貰えるかかどうか
20代のうちに3年以内の転職を複数回繰り返している場合や、1社の在籍期間が1年を下回るケースが複数回ある場合に、ジョブホッパーと認識されます。
企業は「採用する社員には、できるだけ長く勤めてもらいたい」と考えています。企業や事業が拡大するフェーズであれば、ある程度の年数は腰を据えて在籍してほしいと考える人事がほとんどではないでしょうか。
ジョブホッパーは短い期間で転職を繰り返しているため、職場に定着しない人という印象を持たれがちです。そのため、転職市場ではネガティブに捉えられる場合がほとんどです。
採用活動をして人を雇っても、すぐに退職してしまったら会社にとってはマイナスです。
そのため、志望動機を読んで、長く続けて貰えるかどうかを判断します。長く続けてもらえそうという印象を与えられれば、採用される確率が上がります。
■志望動機の書き方のコツ
志望動機は、応募書類として書面でも伝えますし、面接でも必ずと言っていいほど聞かれます。
1、志望動機と企業の魅力を結びつける
採用担当者は、応募動機を読めば情報収集、企業研究をきちんと行っているかどうかが分かります。
志望動機というと、応募先企業の事業内容、商品・サービス、業績や市場シェア、社風など、魅力に感じたことを伝えればいいと考える人も多いのですが、それだけでは「志望動機」として不十分です。
企業としては、能力があることも大事ですが「この企業で働きたい!」という強い熱意を持っている人に働いてもらいたいと考えています。
なぜなら、熱意があれば長期に渡ってモチベーションを維持でき、課題や困難にも負けずに成長していけるだろうと考えるためです
説得力を持って「なぜ、この会社を選んだのか」を伝えるためにも、しっかりと情報収集を行ってから志望動機をまとめるようにしましょう。
2、オリジナルの内容で志望動機を作る
熱意・志望度が低いと、すぐに諦めたり辞めてしまったりする傾向があり、企業側からしても雇用のリスクが大きくなります。
なぜ、ほかの企業ではなく、御社を選んだのかという点について伝えましょう。そのためには、他社にはないその企業ならではの特色を深く理解し、中でもどのようなポイントに共感を持ち、魅力を感じたかを整理する必要があります。
志望動機をまとめるに当たって、まずは自分がなぜ応募をしようと思ったのか、入社することによって成し遂げたいことは何かを思い出してみましょう。
例えば、大手企業では与えられる裁量が小さいので、より大きな裁量を持てるスタートアップを選び、人材ビジネスの仕事に就きたいということが、志望動機になる人もいます。
3、自分のスキル・実績とあわせる
スキルや経験を具体的に伝えることで、採用担当者は「採用したら〇〇のプロジェクトで即戦力として活躍してくれそうだ」など、あなたの採用に具体的なイメージを持ち始めます。
自分なら、その企業で力を発揮できる・活躍できるということを、実績を根拠に伝えられるとなおよいでしょう。
採用担当者はあなたが入社した際の会社の変化や成長をイメージするための材料が得られるでしょう。
例えば、達成志向が高く、自分で裁量を持って進められた仕事はすべて目標を達成してきた。大きな裁量を与えてくれる御社なら、業績に貢献できるなど、自分の強みや経験を活かせることを、志望動機になぞらえてアピールしましょう。
■まとめ
志望動機は、自分がなぜその会社に入りたいのか、なぜその仕事をしたいのかを企業に伝えるための重要な項目になります。
志望理由を伝えなければ採用する側は応募理由が分からず、当然採用されることもありません。
志望動機では、「なぜその会社で働きたいのか」という理由を記載する必要があります。企業がこの質問をするのは、学生の興味や入社目的を把握するためです。
従ってしっかりと業界・企業研究をおこなったうえで、会社の何に魅力を感じているのか、他社ではなくなぜその企業を志望しているのかを具体的に記載します。
さらに業界・企業研究で得た情報をもとに、入社後のビジョンを織り混ぜることも効果的です。
企業が「この人はなぜ応募してきたのだろう」と、あなたに興味関心をもってくれて、初めて選考のコミュニケーションが始まります。この興味関心からくる質問に回答することから採用選考は始まるといっても過言ではありません。
もし、志望動機が見つからない場合は、「そもそもの転職理由について整理できていない」「企業研究が足りていない」などの可能性があります。
これまでの自分の経験・スキルを棚卸しして、転職によって何を実現したいのか、自分が発揮できる強みは何かを整理しましょう。
その上で「応募企業のどんな部分に重なるのか」「具体的にどう実現・貢献できるのか」に結びつけていくと良いでしょう。
「世間でやり手と呼ばれるような機敏で活動的な成功者は、ほとんど何をするにも、明確な目標をもって動いている。
彼らは明確な動機と計画に従って行動し、目指すものを知り、そこに達するまで諦めないことを固く決意しているので、だいたいは目的を達成する。」
<アンドリュー・カーネギー >
■最後に
現在、自分の新しい可能性を探す場として、社会人向けのインターンへの注目が高まっています。日本でも大学生は、就活活動の前段階でのインターンに参加することが当たり前となってきました。
中途採用でもミスマッチが多い中、社会人インターンは、お互いのミスマッチを防ぐ最善の手段になります。
社会人インターンとは、社会人が現職のまま、副業として本業とは、別の企業の業務を体験することができる、新たな取り組みのことです。
企業か中途採用者を受け入れる際には、できるだけ自社に合った社員を希望するのは当然のことです。
面接だけではわからないような仕事ぶりや性格などの相性を知るために社会人インターンシップを行うのは良い手段だと言えるでしょう。
社会人インターンとは、社会人が現職のまま、副業として本業とは、別の企業の業務を体験することができる、新たな取り組みのことです。
インターンでは、現職と異なる環境で働くことになるため、転職前に気になる企業の内情を知っておきたいなど、現状の環境を大きく変えずに転職の判断が可能なところが参加者側のメリットといえます。
これまで日本では兼業・副業を原則禁止とする企業が多く見られました。
しかし、厚生労働省が推進している「働き方改革」により、2018年から兼業・副業を容認する流れが生まれました。
政府が兼業・副業を容認した主な理由としては、「人生100年時代に向けて、社会人一人ひとりのスキルアップの助けになる」「起業のきっかけになる」ためです。
そのため、「本業を続けながら、余った時間を有効活用して副業を始めたい」というビジネスマンが増えています。
日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」では、ハイスキルで優秀なエグゼクティブ人材に副業としてビジネスに参画して貰うことで、新たなイノベーションを作り出すことを目的に、現役ビジネスマンの社会人インターンシップを推進しています。
年齢を問わず、大手企業で成果を上げた実績のあるプロ人材に副業として、プロジェクトに参加して貰うことによって、圧倒的な成果を期待している会社もあります。
まずは顧問や副業から参画し、経営者や他のCXOとの相性が合えば、取締役としての転職や社外取締役の就任などに繋げる、新たなエグゼクティブサーチを推進しています。
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