社長の転職が難しい訳?社長の肩書を持つプロ経営者になるコツ

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 働き方改革   パーマリンク

外資系企業では、外部の企業で働いているエグゼクティブ人材をヘッドハンティングし、経営トップの社長として招くケースは一般的です。

ライバルとの競争が激化した昨今、経営革新を推進したい日本の会社では、これまでの企業体質に染まっていない「プロ経営者」を迎い入れ、いきなり社長として起用する会社が増えています。

一方で大手企業の代表取締役やCEOを経験したエクゼクティブの転職活動は、相応しいポジションを用意したり、高額な年収が必要になるため、簡単な話ではありません。

そこで今回、社長の転職が難しい訳、社長の肩書を持つプロ経営者になるコツについて、解説します。

■社長の転職が難しい訳
オーナー企業の元社長がサラリーマンとして転職する際には、知識や経験、スキルがあっても、経営者としての「プライド」が大きな障害になるケースが多いと言われています。

特に自身で起業家として会社を起こした経験がある場合、大手企業の雇われ社長とは、経営者としてのマインドが全く異なります。

代表取締役としての経験が豊富な社長の転職活動において、最大の障害となるのは「自身のプライド」と「強すぎる気質」にあると言っても過言ではありません。

社長として十分な知識、経験、スキルが備わっていても、企業規模を問わず、プライドが高く勝気な元社長は、人事担当者から見ても明らかにオーバースペックであると見なされます。

特に起業した経験のある社長は、一般社員として受け入れる会社からは、扱いにくいと思わてしまうケースが多いです。

その理由としては、社長と従業員とでは、根本的に求められる資質や能力が異なるためだと考えられています。

その点をしっかりと理解した上で転職活動に臨まなければ、社長としての経験がある経営人材がスムーズに転職活動を進めることは難しいと言えます。

■社長としてヘッドハンティングされることもある
大手企業の社長の場合、入社した時点から会社の規模が大きいため、経営者に求められる資質は、そこで働く人の「マネジメント」の能力の高さになります。

スタートアップの起業家が保有している、「起業家精神」とは、無縁のビジネス環境で社長になる人も多いです。

少ない経営資源の中で、ゼロベースでの新規事業の立ち上げたり、革新的なイノベーションに繋がるようなアイデアを出すことは得意でない社長も多いです。

基本的に、大手企業の雇われ社長の場合、創業者に気に入られて次期社長に抜擢されたり、学歴や派閥の強さにより、社内政治が上手い人が経営者に選ばれることが多くなります。

また、上場会社や投資ファンドの場合、企業経営の経験が豊かな人物が社長になる対象となり、社外取締役や株主から諮問された人事委員会が社長を選ぶことあります。

圧倒的な経営センスでビジネスを飛躍させ、会社を大きく成長させた実績のある社長は、マスコミに登場する機会もあり、業界でも有名人になるため、「プロ経営者」として、「三顧の礼」で迎いれられるケースもあります。

「三顧の礼」(さんこのれい)は、故事成語のひとつでになります。目上の人物が、格下の者の許に三度も出向いて丁重に何かをお願いをすることを意味します。

中国の三国志の時代に、劉備(りゅうび)が諸葛亮(しょかつりょう)を迎える際に、三度訪ねたとする故事に由来しています。

■プロ経営者とは?
プロ経営者とは、特定の会社で輝かしい実績を上げ、有名企業の現役社長が異なる業界での経営手腕を買われ、外部からいきなり企業のトップに就任する経営人材のことを指します。

「プロ経営者」という名称は、複数の企業を経営者という立場で渡り歩く人物を表す俗語になります。創業者とはキャリアが異なり、通常は、社外からヘッドハンティングされて、雇われ社長として経営のトップに就任します。

組織行動研究所の所長である古野庸一氏は、プロ経営者を次のように定義しています。

「プロ経営者とは、事業を取り巻く環境、扱う商品や事業、部下が変わっても、業界平均以上の業績を上げていく知識、スキル、資質を備え、卓越した経営者である。」

日本の大手企業でも「プロ経営者」を起用する動きが広がっている要因としては、あらゆる業種で市場環境が急速に変化しているからです。

グローバル競争が激化する中、大手企業でも旧態依然とした古い体質になっている場合、社内のしがらみに囚われない、スピーディな経営改革が求められていることが挙げられます。

ただし、プロ経営者になるために必要な転職活動では、人物に対する評価基準が大きく変わってくるため、社長とサラリーマンの転職とは、全く異なる扱いになります。

スタートアップの起業家として革新的なビジネスを創出した経験がある社長が、何らかの理由により社転職を行う際には、自身のプライドを含めた内面の問題と、企業サイドに受け入れて貰えるかの二つの実情を掴んで置くこと欠かせません。

■社長の転職が難しい3つの理由

1、ハイスペック過ぎて嫌煙される。
書類選考において「元社長」の肩書きは、マイナスに働いてしまうこともあります。

その理由としては、経営的な知識、経験、スキルは魅力的なポイントになりますが、トップマネジメントの経験者であるイメージが強すぎ、「社長以外のポジションではマッチしない」というイメージが拭い去れないためになります。

多くの企業では、長期的なスパンで期間戦力になるCXO人材を探し求めています。

また、元社長という肩書で転職活動を行う場合には、以下の点からハードルが高くなります。

・社長以外のポジションでは務まらないではないか?
・役員報酬が非常に高額になるのではないか?
・将来的に社長として独立を目指すのではないか?

2、プロ経営者として成果を上げることが使命
プロ経営者は、バイアウトファンド(PEファンド)から投資先の企業のバリューアップを目的として送り込まれるケースも多くあります。

バイアウトファンドの投資先に送られる「プロ経営者」に求められる役割は、「企業価値を最大化すること」です。新たな成長戦略の源泉は、「技術資源の価値とブランド力の最大化」です。

多くの日本企業は、コスト削減や効率化に専念しているうちに「技術資源の価値とブランド力」を最大にできず、世界の市場競争で多くの機会を逃がし、競争力と収益力と成長力で遅れをとっています。

バイアウトファンドは、事業会社への投資を行い、その会社の企業価値を向上させた上で売却し利益を得るファンドのことです。

プロ経営者に求められる最大のミッションは、経営者として「企業価値を最大化」することになります。

経営幹部に求められるスキルには、経営戦略の立案、マネジメント、技術資源の向上、マーケティング、営業など様々ありますが、特に重要視されるのが、「マーケティング」と「営業」の強化になります。

最も大事な要素は、新たな顧客を創造し、いかに売上を上げられるかどうかという点になります。

3、書類選考の時点で落とされるケースが多い。
社長としての経験がある人が求人サイトを活用して転職活動を行う場合、人事部が一時選考をしている際には、他の人材との待遇面のバランスやポジションを考慮した結果、上層部は上げず書類選考の段階で落とされてしまうケースが非常に多くなります。

その理由としては、今後、社長として経営に携わる意思がない元社長も存在していますが、アピールする機会が限られている書類選考では、自身のキャリアや考え方をすべて伝えることは難しいからです。

ただし、元社長の肩書きを評価する企業も存在するため、書類選考が大きなハードルになる点はしっかりと覚悟した上で、社長であったことを武器にプロ経営者を目指して、転職活動に根気強く臨むことが大切になります。

■社長の転職活動のポイント
近年では、バイアウトファンド業務が急拡大し、ファンドの投資額が急激に増加しています。

このような背景から投資先の「企業価値」をより向上できるようにそれに伴った投資先幹部(CEO、COO、CFO、経営企画など)のニーズが増加しています。

大手企業の代表取締役社長の経験があるシニア人材が転職活動をする場合には、一般的な求人情報誌やインターネットの求人サイトではなく、エグゼクティブ人材に特化した転職エージェントを介して新たな転職先を探すケースが多くなります。

ハイクラス専門の転職エージェントとは、プロの視点で企業と求職者をマッチングしたり、面接対策などのサポートを提供したりする人材紹介サービスになります。

人材紹介会社を活用した方が良い理由としては、第三者がいることで「志望先とのコミュニケーションを直接取りやすい点」が挙げらます。

特に小規模の転職エージェントは、クライアントとなる企業の経営者との関係性が密接であることと、転職を希望する元社長からも好まれる傾向にあります。

■まとめ
社長として豊富なキャリアを持つハイクラスな経営人材であっても、一般的な転職活動の採用フローでは、代表取締役や取締役社長として培った知見をアピールできる機会は限られてきます。

「プロ経営者」として、大手企業の社長としての経験が豊富な経営人材は、複数の企業で経験とノウハウを蓄積しています。

特にこれまでに関与した会社の業績が好調に推移している場合、経営に関して再現性のある「成功法則」を見出しており、知見が他の企業経営でも応用が利かせることが可能だと言えます。

一方で、社長としての経営経験のない大手企業のコンサルタント出身者は、外部から複数の企業の経営を見ているので、経営ノウハウやスキルには長けています。

大手のコンサルタント会社で活躍した優秀なコンサルタントの場合、様々なフレームワークを駆使して経営者に対し、適切なアドバイスをしたり、提案書のアウトプットを行うことは得意分野になると思います。

だからといって、大手のコンサルティングファーム出身の優秀なコンサルタントは、自らは経営戦略や打ち出した施策を実践せず、机上の空論でアドバイスを行うのが主な仕事になるため、プロ経営者として最適であるとは限りません。

一方で会社社長は、株主や従業員、取引先などのステークホルダーから、厳しい監視を受け、常に結果や責任を求められる立場にあります。

大手企業を対象にした経営コンサルタントの場合、報酬が高額になりますが、社長としての責任は求められていません。

社長として大きな責任を負いながら、経験した経営のスキルや知見は、外部の経営コンサルタントにはない人的資産になります。

社長として培った経験を武器に、プロ経営者を目指したり、上場会社の社外取締役として自身の魅力を存分に伝えたい場合には、転職活動の方法の視点を変え、創意工夫を取り入れるべきだと言えます。

「最も危険な毒は達成感です。その解毒剤は、毎晩、翌日に何をより良くできるかを考えることです。」

<イングヴァル・カンプラード>IKEA創業者

■最後に
社長経験のあるエグゼクティブの転職活動には、様々なハードルが存在しています。

日本の場合、年功序列で出世するビジネスマンが多く、外部から社長の肩書きを持つ人がジョインする場合、その会社の経営幹部やマネージャーから抵抗を受けることも多々あります。

また、直ぐに結果を出さないと評価されにくい部分も大きいですが、起業家として会社を創業したことのある人が、転職活動に取り組む場合には、周囲との人間関係の構築が予想以上に難しいです。

スタートアップの起業家としては、必要不可欠な「起業家精神」も、社長として培った信念も、一般的なサラリーマンに戻る場合には、大きな障害になってしまうケースもあるでしょう。

また、社長経験のある優秀な人物の場合、転職以外にも複数の会社の顧問として活躍したり、スタートアップのボードメンバーになり取締役として経営に参画したり、上場会社の社外取締役に就任するなどの選択肢も存在します。

本人の希望や企業の期待によって最適な選択肢は変わってくるため、自身の最終的な目的を明確にした上で、社長としての経験が活かせ、社会貢献に繋がったり、人から感謝されるような道を慎重に選ぶようにすると良いでしょう。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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