ファシリテーションスキルを身に付ける重要性とは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 働き方改革   パーマリンク

会議やプロジェクトにおいて意見を集約したり合意を形成したりするのは容易なことではありません。有能な社員には、管理職として会議をまとめたりプロジェクトの方向性を決めたりできるスキルを身に付けて欲しいと思うことでしょう。ではどのようにして管理職にこのような能力、すなわちファシリテーションスキルを持たせることができるのでしょうか。今回はファシリテーションスキルが管理職に必要な理由とその磨き方について解説します。

■ファシリテーションスキルとは?
ファシリテーションとは、複数の人が集まって行う活動がスムーズに、かつ効率よく進められるようにサポートすることです。

ビジネスの場におけるファシリテーションは、会議やプロジェクトを進行するにあたって、参加者全員の発言をうながしたり、出された意見を簡潔にまとめたりしながら、中立的な視点に立って目標達成を目指すスキルのことを指します。こうしてファシリテーションを行う人は、ファシリテーターと呼ばれます。

■ファシリテーションが広まった背景
日本における日常は民俗的な同質性を特徴としていましたが、近年、民族や文化、宗教、言語、国籍、人種などといった多様性に富む社会が広がりを見せるなど、これまでの環境は変わりつつあります。さらに、ビジネスなどの組織構造は、縦社会から横に広がるネットワーク型組織へと変化し、価値観の違う人たちとの交流も増えているのです。

そうした時代の流れから、誰かに教えてもらう答えより、集団で考えてみんなで決める答えが求められるようになりました。こうした背景により、人の意見を引き出し、まとめてひとつの回答へと導く手法であるファシリテーションの重要性が広まったのです。

ファシリテーションという言葉がビジネスシーンで用いられるようになったのは、1960~70年代頃のアメリカが始まりだとされています。21世紀を迎え、新しいビジネスの形を必要とする風潮が勢いを増すにつれ、ファシリテーションが世界中で脚光を浴びるようになりました。グローバル化が進んだ現代では、様々な価値観を持つ人同士が協働していかなければなりません。こうした時代において、上手に場を盛り上げ、みんなの意見をまとめていく上で欠かせないのがファシリテーションだと言えるでしょう。

■ファシリテーションの目的
ファシリテーションは会議やミーティングなどビジネスの世界だけではなく、地域活動やグループ学習、生涯学習など人が集まる活動すべてに適用できる手法です。性別、年齢、職種などさまざまな価値観の人が集まるその集団を、ひとつの目標や目的に向かって進めるのは困難でしょう。

ファシリテーションによって、参加者の意見を引き出し、多くの意見をまとめ上げ、スムーズに場を進行するだけでなく、達成や完了といったゴールにたどり着くことが可能になります。

■ファシリテーションスキルが管理職に必要な3つの理由
ファシリテーションスキルは、特に多くの社員を監督する管理職に不可欠なスキルです。
業務においては、管理職がチームの目的、メンバー、アプローチの方法などを決めていきます。目標の共有やメンバーの意見の集約、活動のプロセス設計などを円滑に行うためには、管理職の社員がファシリテーションスキルを身に付けていなければなりません。

1、意見やアイデアが出やすくなる
1つ目は、より多くの意見やアイデアが出やすくなるからです。コミュニケーションが円滑に行われ、より多くの意見やアイデアが出れば、それだけプロジェクトが高度なものになっていくことでしょう。自由な雰囲気のなかで発言ができれば、会議の参加者のモチベーションアップにもつながります。

2、会議の時間が短縮する
2つ目は、会議の時間が短縮するからです。ファシリテーションスキルの高い管理職がいれば議論が横道にそれないように調整できるので、会議の時間が無駄に長くなりません。チームのメンバーが協力、チームワークが向上し一体感が生まれます。

3、意見交換やアクションが早くなる
3つ目は、他部門との意見交換や協力体制の構築がスムーズになるからです。プロジェクトを推進していくうえで必要なのは、さまざまな部門を横断しての意見の集約や判断です。他部門との意見交換や協力体制の構築などは管理職の社員が行う分野であり、さらにファシリテーションスキルが求められる業務範囲でもあります。

チームのメンバーに気を配りつつ、できる限り中立の立場を保ち決定を下すためには、かなりのスキルが必要となります。管理職に就く社員にファシリテーションスキルが求められるのにはこうした理由があるのです。

■ファシリテーションが上手な人の3つの特徴
1、どんな意見にも関心を向ける
上手にファシリテーションを行うためには、まず、その場にいるメンバー全員に当事者意識を持たせる必要があります。全員が「自分はこの場に欠かせない人間だ」と思い、自然と発言したくなるような空気を生み出しておくことが重要です。

そのためには、ファシリテーターは”最高の聴き役”になることが求められます。誰のどのような意見も肯定的に受け止め、「この人ならどんな話も聞いてくれる」と感じてもらうことで、たくさんの意見を引き出すことができるのです。

2、つねに目的や論点を意識する
ファシリテーターを設ける場には、必ず目指すべきゴールがあります。そのゴールへと着実に近づけていくのがファシリテーターの役目です。そのため、場に出される意見がゴールに向かうためのものか否か、冷静に見極める必要があります。

一歩引いた視点から全体を俯瞰し、「今は何について話し合っているのか」「この議論の先で求められている目的は何か」を見失わずにいることで、話が横道にそれてしまいそうな時には軌道修正をするなどし、効率よく活動を進めることが重要です。

3、メンバー全員の様子に気を配る
スムーズに活動を進めるためには、その場にいるメンバー全員の認識にズレがなく、決定事項に納得感を持っていることが不可欠です。メンバーのうち1人でも理解できていなかったり納得していなかったりすると、最後の最後で「待った」がかかってしまい、それまでの話し合いが白紙に戻ってしまいかねません。こうした事態を防ぐのも、ファシリテーターの務めです。

ファシリテーションが上手い人は、出された意見は都度復唱するなどして意識的に共有しつつ、不服そうな顔をしている人や困ったように首をかしげている人がいないか、つねにメンバーの反応に目を光らせています。
こうすることで、発言が少ない人にもいち早く気づき、フォローを入れられるようになるのです。ファシリテーションを行う上で、みんなの意思を確認するために欠かすことのできないポイントです。

それでは、実際にファシリテーションを行う際、どのようなステップを踏めばよいのかを見ていきましょう。

ステップ1:雰囲気づくり
まずは、その場にいるメンバー全員が発言しやすくなるような雰囲気をつくっていきます。

議題は一旦横に置いておき、ファシリテーターが何気ない話題を提示することで、みんなの意識を話し合いの場に集中させます。全員に一言ずつ話してもらったり、しりとりなどの簡単なゲームを行ったりするのもよいでしょう。

メンバーの気持ちがほぐれたら、この場が目指す目的と、発言におけるルール(発言者が話し終えるまで口を挟まない、少なくとも一度は意見を出すなど)を設けて共有しておきます。

ステップ2:意見出し
発言しやすい雰囲気が整ったところで、いよいよ本題に関する意見を募っていきます。「拡散プロセス」とも呼ばれる段階です。

ファシリテーターは、出された意見をオウム返しすることで「あなたの話を聞いていますよ」という態度を示して発言者を安心させたり、それまでに出た意見とは反対の立場やより広い枠組みなどを提示することで違った観点からの意見をうながしたりしながら、より多くの発言を引き出していきます。出された意見をホワイトボードなどに書きとめていくことも、ファシリテーターの役目です。

ステップ3:整理
ステップ2で出された意見を整理していきます。「収束プロセス」とも呼ばれる段階です。

ファシリテーターは、出された意見同士の共通項を探っていく方向にメンバーの意識を向けさせ、それぞれの発言を共通項ごとに分類していきます。すべての発言を分類し終えたら、ファシリテーターは分類結果が適切かどうかメンバーに問いかけ、全員が納得していることを確認します。

もし、ここで納得できていないメンバーがいれば、見過ごすことなく納得できるまで話を詰めていきます。

ステップ4:判断
ステップ3で整理した内容をもとに、最終的な判断を行っていきます。

ここで重要なのは、ファシリテーターが明確な判断基準を提示することです。
「最もメリットが大きく、最もメリットが少ないもの」「費用対効果が最も大きいもの」など、全員が納得できるような判断基準をもとに、望ましい結論を導き出していきます。

ステップ5:確認
最後に、ステップ4で出された結論に全員が納得しているかどうか、改めて確認をします。

その上で、出された結論を実行していくための具体的な行動を決めていきます。
「誰が」「何を」「いつ」行うか、という観点をもとに、きちんと成果が出るような行動計画を立てて初めてファシリテーションは完結します。

■ファシリテーションスキルの向上方法
ファシリテーションスキルは、生まれながらに持っているものではありません。企業として社員にファシリテーションスキルを身に付けて欲しいと思うなら、研修を繰り返すことによって訓練することが必要です。ファシリテーションスキルには、話し合いを円滑に進めるための「グランドルール」やどんな意見でも出してもらう「ブレーンストーミング」などがあります。

ブレーンストーミングではほかの人の意見を否定することなく、より一層具体的に検討していくスキルも必要とされます。意見を聞いてまとめ、最終的なゴールへと誘導することも重要です。こうしたスキルは実際に会議などを行ってみて初めて身に付くものです。

さらに自分が好ましいと思う意見に肩入れすることなく、中立の立場を保つのは簡単ではありません。つまり研修ではただ単に講義の形でファシリテーションスキルについて解説するよりも、実際に会議のシミュレーションを行ってトレーニングすることが必要になるのです。議題を決めてさまざまな意見を出してもらい、1人の社員がその意見をまとめるといった実践的な方法を用いれば、ファシリテーションスキルを素早く向上させることができるでしょう。

もちろん1回の研修でファシリテーションスキルが身に付くわけではないので、繰り返しトレーニングを行うことが重要です。会議だけでなく、ほかの状況も想定してファシリテーションスキルを磨く実習を行っていけば、管理職の社員だけでなくほかの社員のモチベーションアップにもつながるはずです。

■まとめ
ファシリテーション(facilitation)とは会議や研修、ミーティングなどさまざまな活動の場において、良質な結果が得られるように活動のプロセスをサポートしていくこと。

「司会がその場を進行する」ことを想像される方もいると思いますが、本質的には異なります。それはファシリテーションの一部にしか過ぎません。参加者が集団で問題を解決するため、認識の一致を確認したり、相互理解を深めたりするためのサポートをして、成果を生み出す手法がファシリテーションなのです。

ファシリテーションスキルを向上して活気のある企業にするには、効率よく最大限の業績を得るために、管理職であるマネジャーにファシリテーションスキルを身に着けてもらうことが重要です。ファシリテーションスキルを身につけた管理職の社員がいれば、自由な意見交換と速やかな意見集約、さらに効果的なプロジェクトの推進が行えるようになり、会社全体が活気にあふれていくことでしょう。

より有能な社員を育成し、会社の業績を伸ばしていくためにも、ファシリテーションスキル向上のための研修は欠かせないプロセスなのです。

ビジネスには、経験や能力、目標に向かう強い力も必要ですが、同時に他人と協力する力も見逃せません。最後はどうやって何を達成するかが、結局はビジネスの究極の目的です。そして協力するためには自分の感情をコントロールして、相手を動かす力となるファシリテーションスキルが重要になってくるのです。

日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、ファシリテーションスキル向上のための企業研修講師が揃っていますので、マネジメント人材の育成を強化したい企業様には、オススメの研修になります。

本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 連続起業家・著者・エンジェル投資家 新卒で日本食研株式会社を経て、25歳で起業。これまでに自身で複数のITベンチャーを創業する。 1997年の起業時は、新宿の高田馬場でWEB制作事業からスタート。その後、インターネット事業プロデュース会社として、日本初の事業であることにこだわり、クーポン専門サイト、地域コミュニティサイト、出前専門サイト、チケット共同購入サイトなど、数々の専門・特化型ポータルサイトを立ち上げる。 クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、クーポンやチケットとして携帯電話の画面上に表示するアイデアを考案し、20件以上の特許を申請し事業化を推進。2002年に業界で初めて、「携帯チケット」のソリューションを開発。KDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートでモバイルチケット入場を実用化させ、電子チケット事業のパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2014年プライドワークス株式会社を設立。日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」のプラットフォームを武器に、顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネを撲滅を推進し、「顧問料の中間マージンをゼロ」をコンセプトに業界で唯一、適正価格で顧問紹介サービスを提供している。

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