グロースハックとは?新規事業にグロースハックが必要な訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

TwitterやFacebook、Dropboxなど、ここ数年間で急成長を遂げたインターネットサービスが多く存在します。

その急成長を支えた一つの要因が「グロースハック」だと言われています。

そのため、インターネットサービスの分野でビジネスを成長させるには、グロースハックを専門に行う「グロースハッカー」の存在が鍵になります。

そこで今回は、グロースハックとは、新規事業にグロースハックが必要な訳について解説します。

■グロースハックとは?
グロースハックとは、マーケティング部門や、プロダクト部門などと部門横断的に連携し、製品価値や市場ニーズを正しく把握するデータ分析や、様々な実験的アプローチを高速で検証、改善する事で急成長に結びつけるマーケティング手法です。

グロースハックは、英語で「growth hack」と表記されます。日本語では、「サービスを急成長させる方法」を意味します。

グロースハッカーの役割は、端的に言うと広告費やマーケティング予算をかけずに、ユーザーをよりエンゲージメントの高い状態に持って行くことです。

言い換えるとトライアンドエラーを繰り返しながら、新たな成果を創造できる人を、広くグロースハッカーと定義することができます。

グロースハッカーのHackという言葉にはネガティブな印象が含まれることもありますが、この場合はポジティブな意味で使われており「成長を推進・維持し続ける」といった意味合いも含まれています。

従来的なマーケティング担当者とは異なり、プロダクトについても深く理解する必要があります。従来のマーケティングでは、広告を出稿したり、SEOやアクセス解析を行います。もちろん、グロースハックでもこれらのことは行います。

しかし、グロースハックでは、それらに加えて、「サービスに成長・拡散の仕組み」を入れることを行います。

このように、グロースハックでは、サービス自体に、ユーザーが使用・拡散するような「仕組み」を入れることができるかに重点を置いていることがグロースハックと従来のマーケティングとの違いになります。

■グロースハッカーとは?
グロースハッカーとは、世界でもっとも最先端のIT職種のひとつです。

インターネットサービスの分野で存在が重要視されはじめた「グロースハッカー」は、グロースハックを専門に行い、サービスの成長を促す人あるいはチームのことです。

シリコンバレーで流行し、日本のIT業界にもその需要は急速に広まっています。

優秀なグロースハッカーは、複数の施策を連続的かつ継続的に行って行きます。豊富な広告費や予算がなくても、サービスのユーザー数やリテンション率を飛躍的に伸ばすことができるプロ人材です。

そのため、グロースハッカーはスタートアップだけでなく、すでにユーザーを多く抱えているエスタブリッシュメント企業からも引っ張りだこになっています。

具体的には、以下のような施策を行っています。

1、市場の需要に合致したサービス作り
2、口コミによる情報伝播
3、データ分析からの仮説、検証、改善の高速回転
4、広告収入に依存しない運営設計
5、サービス内にPV向上などができる仕組みを埋め込む
6、デザインやコンテンツの見直し

その他、インターネットサービスの基本的な部分までグロースハッカーの施策に含まれています。

■グロースハックを行う真の目的
グロースハックの目的は言葉の通りグロース(成長)で、その成長のモニタリングとして、主にウェブサービスやアプリで使われる分析フレームワークであるAARRR(アー)モデルが有名です。

AARRRは、「Acquisition」「Activation」「Retention」「Referral」「Revenue」という5つの段階でサービスの成長は構成される、ということを表しています。日本語にすると「獲得」「活性化」「継続」「紹介」「収益」を意味します。

AARRRは、サービスの成長を獲得>活性化>継続>紹介>収益の5つのステップに分けて、目的・目標を定め、分析し、部分改善をしていくことで、最終的には全体改善を実現するものです。

■グロースハックを成功に導く6つのステップ

1、Acquisition(サービス・製品の開発)
グロースハックを成功させるためには、良いサービス・製品を開発する必要があります。その上で自社のサービスを「AARRR」の5つのステップに分けます。

まずはAcquisition、ユーザー獲得のフェーズとなります。この段階ではサービス自体をいかに広く知らしめ、実際に訪問して貰えるかを考えます。

グロースハックにおいては、完璧な製品を提供するよりもその都度ニーズを満たすために改善を施すことが大切です。

そのため、初めから100%の製品を出そうとしてローンチまでに時間をかけるよりも、まず出して反応を見て改善する、といったリーンスタートアップの方法論を念頭に置いておくことで、より早く結果にたどり着けるようになります。

2、Activation(データを基に現状把握)
2段階目のフェーズがActivation、「利用」のフェーズ。Webサービスを展開するサイトを訪問してもらったら次は実際に利用して貰うことが大切です。

サービスを運用していく中でユーザーのデータを収集し、分析していきます。収集したデータを基に、現状どのような課題があるのかを把握します。

ユーザーの特性や性別、年齢といった基本的な情報はもちろんですが、グロースハックを施すためには「行動分析」を行うことが大切です。

ユーザーがいつ、どこで、どんな行動を行っているか?その行動はサービス提供者にとって望ましいものなのか、それとも避けるべきものなのか?といった観点でユーザーの行動を詳細に分析します。

グロースハックの成功はデータの収集と、分析の正確さに依存するため、丁寧に行うようにしましょう。

3、Retention(仮説を立てる)
Retentionとは「継続」フェーズです。Activateしてもらったユーザーに継続して、できるだけ頻繁に、長く利用してもらうことを目指すフェーズをいいます。

データを基に現状を把握できれば次は、仮説を立てます。各ステップで見つけた課題に対し、それらを解決する仮説とKPI(施策の中間評価指標)を立案します。

例えば、行動を分析した結果「継続的に利用してくれている人は〇〇という行動を取る傾向にある」といったデータを取得をできれば、「〇〇という行動を増やせば、継続的に利用してくれるユーザーが増える。

そのために〇〇のボタンをわかりやすい場所に設置すればよいのではないか」といった仮説を立てます。

4、Referral(実践&検証)
Referralとは「紹介」フェーズです。ユーザーに対して、友人や知人にWebサービスを紹介してもらうことを目指します。

また、サービスの改善のために機能やサービスの設計をし、A/Bテスト、ユーザビリティの改善、ユーザーインターフェースの比較など、様々な方法で検証します。よく使用される方法はA/Bテストで、実施の際にはツールを導入するのが一般的です。

グロースハックにおいてA/Bテストは下記のような場面で用いられます。

・広告やボタンの画像やデザイン
・ページのエンゲージメント率測定
・コンバージョン率測定

5、Revenue(実装して改善を施す)
Revenueとは「収益化」フェーズです。文字通り、ユーザーにできるだけ多くの収益につながる行動を取ってもらうことを目指します。検証後の機能やサービスを実装します。

実装後のデータも収集、分析が必要です。ユーザーの反応を伺いながら、データを基にまた新たな課題、つまりユーザーが心地よく使用できていない部分についてどのような改善を施すことができるか考えます。

改善のために機能やサービスの設計をし、A/Bテスト、ユーザビリティの改善、ユーザーインターフェースの比較など、様々な方法で検証します。各ステップ毎に効果が出たものを実装していき、最終的に収益につなげていきます。

6、 PDCA(高速で繰り返す)
実装して改善を施すことができても、ここで終了ではなく、そこからさらに改善を施すためにサービス価値や市場ニーズをあらゆる面から精査し、アクセス数や売り上げなど様々な実験的アプローチを高速で検証、改善することで急成長に結びつけます。

このループを行う上で大切なのが「高速に回すこと」です。

高速に回すことで常にユーザーのニーズをサービスに取り込むことで、継続的に利用してもらえるようになり、継続的に事業が成長する仕組みを作り上げることが可能になります。

高速で施策を回すことを「Rapid Iteration」とも呼び、サービスの持続的成長を目的とするグロースマーケティングにおいては「行動理解」「的確な目標・指標設計」と共にこれら3つの軸が重要視されています。

一般的にグロースハック実施のためにはOODAループが用いられます。

OODAループとはObserve(観察)、Orient(方向付け、状況判断)、Decide(決定)、Act(行動、実行)の頭文字をとったもので、私たちが生きる複雑で混沌とした世界を生き抜くために必要なフレームワークです。

■グロースハックを始めるポイント
従来のマーケティング担当者は、自分たちのプロダクトやサービスに認知のないユーザーを顧客にすることが役割になっています。

AAARRモデルではサービスごとにこのフェーズを分析し、重要な部分をKGIとして定め成長のボトルネックを解消させていきます。

一方でグロースハッカーは、AARRR(アー)モデルでリードを獲得するだけでなく、ロイヤル顧客にどうやって育てていくかを考えて改善していく役割を担います。

その過程で様々な施策を考え、失敗を恐れずに周りを巻き込み実行していく、まさに起業家としての資質が必要になります。

そのため、グロースハックで行う施策の75%~90%は失敗すると言われています。

失敗に対して決してめげず、また新たな施策を編み出し、PDCAサイクルをどんどん回していく必要があります。

■まとめ
グロースハックとは「サービスを成長させるために、徹底的に効果測定をし、継続的に改善を続けていく」という考え方です。

具体的には、サービスや製品を利用するユーザーの動向データなどを元に、分析し、テストや改善施策のPDCAサイクルを迅速に回していくことで、継続的な顧客獲得や売上拡大を図り、最終的には企業の成長を目指す手法です。

比較的新しい概念であるグロースハックですが、既にWebマーケティングの世界では常識となっています。

近年、グロースハックが注目されている理由として、大量の広告費やマーケティング費用をかけずに効果を出せる方法だからです。

グロースハックを実践するグロースハッカーは、マーケターとエンジニアの両方の要素を兼ね備えていることが大切です。

Webサイトの改善にとどまらず、商品やサービス、さらにはそれを提供する企業の進化に対しても貢献が期待されています。

グロースハッカーは、起業家視点を持ち、自らが考え、WEBを駆使し大量の顧客獲得をしたり、圧倒的な売上を上げる仕組みを構築するなど、自分一人でもビジネスをスケールさせていくことができるネット事業のプロデューサーだと言えます。

■最後に
グロースハッカーは、成長を自身のコンパスにしている人のことを指します。彼らは実現可能な成長への可能性を徹底的に精査し、成功を実現させる役割を担います。

起業家のように無から有を生み出すゼロイチの仕事までやり抜くのがグロースハッカーの特徴になります。

ただし、大規模な新規事業を立ち上げ、ビジネスをスケールアウトさせるべく、グロースハックを行う際には、各専門分野の人材が横断的に繋がったチームがあるとビジネスの成功確率が高まります。

メンバーは事業の目標や戦略を理解しているリーダーを軸に、データ分析の専門家となるアナリストや、システムとデザインの変更を担うエンジニアやマーケッターがその役割を担います。

そのため、実際にグロースハックを行うには、マーケティングのノウハウだけでなくデザイナーやライター、プロデューサー、エンジニアなど複数の要素を兼ね備えた人材またはチームが必要になります。

Facebookでは専門の「グロースチーム」発足により全世界で12億人を超えるユーザーを獲得できたと言われています。

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業界トップクラスの知見を持つ、ベンチャー企業の現役の経営者や革新的なIT企業のボードメンバーなど、起業家精神が極めて強く、課題解決の実行支援を行えるグロースハッカーが多数在籍しています。

即戦力のプロが多いため、WEB系の新規事業立上げやネット系のスタートアップの革新的な新規事業のスケールアウトだけでなく、ビジネスモデルの再構築や事業ピポッドを強力にバックアップすることが可能です。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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