サプライチェーン・マネジメントとは?SCMを導入するメリット

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

一昔前は、大量生産大量消費の時代で、より多くの製品を効率よく生産することを求められていました。

しかし、現在は必要以上に製品を作っても現金化されない在庫が増えるばかりです。こういった状況では、製品を大量に作るよりも、市場のニーズに合わせて必要なものを必要な分だけ作ることのほうが重要です。

一方では、現在、世界的に半導体が非常に不足しており、思うような生産ができず深刻な打撃を受けているメーカーが沢山あります。半導体は、銀行のATM、鉄道、インターネット、通信などのほか、高齢者介護のための医療ネットワークなど、社会インフラの運営に中心的な役割を果たしています。

このような事態を回避するために、需要予測などの需要に関する情報をサプライチェーン全体で共有し、競争力をつけようという企業が増えています。

そこで今回、サプライチェーン・マネジメントとは?SCMを導入するメリットについて解説します。

■SCM(サプライチェーン・マネジメント)とは?
SCM(サプライチェーン・マネジメント)とは、供給業者から最終消費者までの業界の流れを統合的に見直し、プロセス全体の効率化と最適化を実現するための経営管理手法です。

サプライチェーンでは、部分最適の和が必ずしも全体最適を意味するわけではなく、サプライチェーン全体のバランスを見て連携管理することが重要な要素になります。

なぜなら、サプライヤー、メーカー、物流、小売の関係性を1つ1つを最適化するのではなく、サプライチェーン全体を統括して最適化を図るのがサプライチェーンマネジメントだからです。

つまり、原材料が調達されてから商品が消費者に渡るまでの生産・流通プロセスの全体を俯瞰し、モノの流れ、お金の流れを情報の流れと結びつけ、サプライチェーン全体で情報を共有、連携し、全体最適化を図ることが必要になると言えます。

■サプライチェーン・マネジメントの語源
SCMという言葉は、ブース・アレン・ハミルトンのK.R.オリバーとM.D.ウェバーが、1982年に初めて用いたとされています。プロダクト開発、調達、製造、発送、販売といった各プロセスでの在庫量や滞留時間などを削減することで、顧客には最短かつタイムリーに製品を供給します。

また、業界全体としてはリードタイムの縮小、在庫の縮小、設備の稼働率向上などによるコスト削減、経営の効率化を目指す取り組みになります。

具体的には、小売店でのPOS入力や、営業担当者の報告などの販売・受注実績から需要予測をして、発注、生産、出荷・物流、販売などの計画を最適化します。そのプロセスの内容に従って生産、購買、物流を実施します。

例えば、米国ウォルマートではSCMを進化させ、供給業者も巻き込んで商品計画から売上予測、商品補充の業務プロセスをひとまとめにしたCPFR(Collaborative Planning Forecasting and Replenishment)と呼ばれるビジネスモデルを構築しています。

■サプライチェーンマネジメントが注目される背景
近年、多くの企業でサプライチェーンマネジメント(SCM)の構築・再構築が進んでいる。なぜサプライチェーンマネジメントが注目されているのか、大きくは以下の3つが考えられます。

1、企業のグローバル化
企業のグローバル化が進み、生産、調達、販売をめぐる世界規模のネットワークが張り巡らされています。グローバルな生産・物流プロセスの中では、各プロセスの情報を一元的に管理して全体最適を図らないと競合に後れを取ってしまいます。

このような状況下において、サプライチェーン全体でモノ・カネ・情報の流れを連携管理する必要性が高まっていることが、サプライチェーンマネジメントが注目される理由の一つになっています。

2、労働環境の変化
現在、様々な業界で少子高齢化による労働人口の減少などの影響で、人手・人材不足が深刻化しています。また、労働条件の問題などから、物流の業界では特に、配達員となる(トラックドライバー)が不足しています。

このように労働環境が変化している状況で、各企業はより効率的な物流の在り方を求められています。このような際には、部分最適化ではなく、サプライチェーンマネジメントによって、仕入れ量を適正化して無駄な物流を省いたり、卸売企業、販売店舗などへの配達のタイミングを最適化する必要があります。

3、ビジネスモデルの変化
アマゾン、楽天市場などインターネットを利用した通信販売(EC)が普及し、販売と配送が一体化したビジネスモデルの台頭しています。

今やほとんどのアパレルブランドがECに対応しており、家具・家電などの大型商品も含めて、ECで購入できるモノは幅広い。また、フードデリバリーも充実してきており、出前非対応のレストランの料理を専門の配達員が配達する「UberEATS」という新しいサービスも登場しています。

このように、ビジネスにおいて販売と配送が切っても切り離せない時代となっている以上、サプライチェーンマネジメントによって、統合的な管理体制を構築することが求められているのです。

■サプライチェーンマネジメントを導入する4つのメリット

1、リードタイムの短縮
リードタイムとは、工程の開始から終了までの時間のことで、仕入れ・生産・販売など、それぞれの業務に存在しています。流通においては様々なリードタイムが存在しています。

仕入リードタイム、製造リードタイム、販売リードタイムなど、すべての業務にリードタイムがあります。

サプライチェーンマネジメントを行うことで、サプライチェーン全体でうまく連携が取れるので、リードタイムを短縮し、ニーズの高い商品をスピーディーな供給が可能になります。

2、在庫の最適化
在庫が過剰になると、商品の生産費用や在庫の保管費用がかさみ、経営を圧迫してしまいます。逆に、在庫が不足すると、販売機会を失い、顧客満足度を下げる要因となります。在庫数は、多すぎず少なすぎず、適切な量を管理しなければなりません。

適正在庫とは、市場のニーズとキャッシュフローの関係性を踏まえた上で、多過ぎず少な過ぎない在庫を保管するということです。

サプライチェーンマネジメントを行えば、各業務プロセスの情報を共有できるので、需要を予測し、供給計画や在庫数の最適化が可能になります。

3、需要変動への素早い対応
サプライチェーンマネジメントによって、各業務プロセスの情報を集約すれば、経営の課題や問題点も発見することが容易になります。リードタイムの削減と在庫管理に適正化によって機会損失を無くし、キャッシュフローをよくすれば売上は自然と向上します。

その理由としては、サプライチェーンマネジメント向けのソリューションサービスを利用すれば、市場分析や需要変動の予測も行えるので、市場の浮き沈みに資金繰りを圧迫されないように素早い対応が可能になるからです。

最近では、SCM構築のためのパッケージソフトも多くあり、SAPやi2テクノロジー等が有名です。これらの情報システムそのものを、SCMと呼ぶ場合もあります。

4、商慣行の世界標準化
大手のメーカーの場合、調達・生産・販売などを国内だけで賄えるケースは少なく、サプライチェーンはグローバルに拡大していいます。

そのため、サプライチェーンを一元管理するためには、日本の商慣行を押し付けるのではなく、世界標準のビジネスルールで全体最適化を図る必要があります。

現在、SCMの進化は、物流業界に大きな変化をもたらしています。より短いリードタイムやきめ細かい要求に応えるため、大規模な物流センターの拡充、陸海空の複合輸送システムの構築、物流網システムの効率化などが進んでいます。

■SCMの取り組みの課題と普及状況
サプライチェーンマネジメント一般に、大企業ほどSCM導入が進んでいます。SCMシステム導入にあたっては、投資や現場で運用の工数など経営資源を必要とするため、大企業に比べて中小での導入は低いです。

五千人以上の大企業ではSCMの導入は5割を越えているが、従業員千人未満の中小企業で導入は2割を切っているという研究結果もあります。2000年前後に第一次サプライチェーンマネジメントのブームが起きましたが、多くの企業が期待していた程の結果を出せなかったと言われています。

その原因は企業によってさまざまですが、「企業間での利害対立」や「サプライチェーンマネジメントへの参画意識の薄さ」など、ある程度共通する課題もあったようです。

もともと販売や生産などの部門ごとに、それぞれがそれぞれの目標や計画に沿って業務をしているため、サプライチェーンという大きな枠組みに参画している意識が希薄で、システムが定着しないということもあったようです。

システムを理解し、定着させられる技術を持った人材が不足していたケースなどもありました。運用に合わせ組織レベルでの改革が必要あり、システム導入を目的にしてしまう危険性を理解したうえで取り組むことが大切です。

■まとめ
1つの商品・商材を消費者に届けるためには、企業間での取引だけではなく、生産する側の動きも重要になります。

例えば、企業内でも部署間のやり取りが円滑に進むかどうかでスピード感が変わってきますし、消費者の声がどの程度届くかどうかも企業内の体制が大きく関係してくるでしょう。

こうしたサプライチェーン全体を通して最適化させる取り組みを「SCM(サプライチェーン・マネジメント)」と言います。商品・商材が流通していく中で様々な仕事が発生しますが、SCMを推し進めていくことで作業時間の短縮(リードタイム削減)が可能になります。

業務改善を実現するためには、原材料・部品調達から生産・物流・販売を経て、エンドユーザーの手に渡るまでのサプライチェーン全体の見直し、最適化する必要があります。

現在、半導体チップや半導体チップを使った製品が世界的に求められているにも関わらず、半導体の87%は台湾、韓国、中国で生産され、世界のチップの54%は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)社で製造されています。

企業にとっては、半導体不足がサプライチェーンのボトルネックとなり、多くの企業が生産の減速や停止を余儀なくされています。その中でも、半導体への依存度が高まっている自動車業界が最も大きな影響を受けています。

コロナの時代を生き抜くには、コスト競争とバランスを取りながら、サプライチェーン寸断の影響度を適切に把握することが大切です。政府が推奨する生産のマルチ拠点や複数サプライヤーでの代替供給の体制構築も念頭におく必要があるでしょう。

■最後に
新型コロナウイルスによって半導体業界を問わず、世界のサプライチェーンが甚大な影響を受けている状況です。マーケットの需要が高いにも関わらず、予期せぬパンデミックの長期化によって生産や物流がストップし、事業の縮小や撤退に追い込まれた企業も少なくありません。

以下のような原因は、労働環境やビジネスモデルの変化だけではありません。

・必要な部品が調達できない。
・在庫の補充が間に合わない。
・需要予測などの判断が遅れる。

アフターコロナ時代では、社内の知見・経験だけでBCPを策定するのではなく、専門家の意見を取り入れながら、サプライチェーンマネジメントに取り組むことが打開策に繋がります。

特に現場での実務経験があり、専門的な知識や経験を有する顧問をパートナーとして迎い入れることは、大きなブレイクスルーの契機となるでしょう。

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本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 ★連続起業家★著者★人脈コネクター★KENJINSプロデューサー★「顧問のチカラ」伝道者★プライドワークス株式会社 代表取締役。 大学卒業後、日本食研株式会社を経て25歳で起業。複数のITベンチャーを創業する。業界初のサービスであることにこだわり、地域密着型コミットサイト、有店舗連動型ブランド品オークションサイト、日本初の出前サイト、セミナーチケット共同購入サイトなどを立ち上げる。クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、チケットや会員証として携帯電話の画面上に表示するアイデアを世界で初めて考案し、発明者として20件以上の特許を申請し権利を取得。2002年にKDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートで電子チケット入場を実用化させ、モバイルチケットのパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2012年に「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を出版。後に3部作となり累計販売部数は、75,000部を超える。2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設する。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、これまでの顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「サブスクリプション型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供している。特に複数の「営業顧問」の人脈ネットワークを活用した大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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