Off-JTとは?Off-JTの意味・人材育成を教育訓練で開発すべき訳

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

企業を取り巻く環境の変化が激しさを増す昨今では、そのスピードに人材の育成がついていけないのが実情です。人事担当者にとって、配属先部署に丸投げせず、OJTとOff-JTをきちんと企画することは、重要な役割になります。

画一的な方法だけでは、多様化する人材開発や専門能力の向上には即応しきれないのも事実です。

そこで、今回は、Off-JTとは?Off-JTの意味・人材育成を教育訓練で開発すべき訳について解説します。

■Off-JTとは?
OFF-JTとは「Off The Job Training」の略称で、職場外で行われる訓練を指します。通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練として、セミナーや研修の形で実施されることが多いです。

人材育成を担当する部署が担当したり、外部の講師や団体を招いたりして実施します。対象や目的によって実施の時期は異なりますが、定番となっているタイミングも少なくありません。

OFF-JTは「職場外研修」と呼ばれ、職場を離れて社内の担当部署が考案したメニューや外部の研修機関が作成したプログラムを受講し、必要な知識やスキルの習得を図るというものです。

やはり、新入社員研修に始まって管理職研修に至るまで、階層別に実施されるケースが多いようです。

OFF-JTでは、今後の業務で求められる基礎をしっかり教えることが重視されています。講師が講義を行う座学のスタイルが主流ですが、グループワークなどの作業形式を取り入れるケースも増えています。

■Off-JTの内容
厚生労働省が発表した平成29年の「能力開発基本調査」では正社員に対してOFF JTを実施した事業所は75.4%。特に規模が大きい企業ほど、OFF JTの実施率は高く、産業別にみるとインフラ関連や金融業での実施が多いと報告されています。

Off-JTは一般的には、集合研修や座学、グループワーク等を活用し業界知識やビジネス知識を学びます。業界やビジネスの基礎、理論、原理原則といった「型」をインプットすることで基礎を構築します。

しかし、型だけ学んでも実際の現場でそのまま使えるとは限りません。そこで、実際に学んだ知識を応用してアウトプットしてさらにインプットするためにOJTを活用します。

Off-JTで学んだことをOJTで実践していきながら、先輩社員などから会社ごとの慣例(社内ルール)や詳細を指導され、一人で問題なく業務が行える(独り立ち)まで行います。

■OFF-JTのメリット
OFF-JTも魅力的な手法として、多くの企業が従業員の教育に取り入れています。ここでは、OFF-JTのメリットについて解説します。

1、習得スキル・知識の均質化
OFF-JTでは、研修やセミナーを通して対象社員を教育することで、習得スキル・知識の均質化が期待できます。

OJTでは職場の上司や先輩によって指導方法が異なるため、指導担当者の保有スキル・知識にばらつきがあります。そこで、OFF-JTを実施することで、社員全体の知識やスキルの着実な底上げにつなげることができます。

また、従業員の階層が変わる節目でOFF-JTを実施することで、対象者に各階層に期待する専門性を持たせることも可能です。このように、階層などの単位ごとに、画一化された育成を行えるというメリットがあります。

2、業務知識の学習機会
OFF-JTがあることで、業務知識の学習機会が生まれるというメリットがあります。職場では、上司や先輩が自身の業務を抱えているため、指導の時間を確保できないケースも珍しくありません。繁忙期や人手が足りない状況では、現場で指導を行うことが困難となります。

OFF-JTであれば、職場の状況に左右されずに、学習機会を設けることができます。

■なぜOff-JTが必要なのか?
OFF JTで学ぶ内容は知識の土台となる「型」で、業界動向やマネジメントの基礎、理論や原理原則のインプットを目的にしています。

「OJTで、現場で働きながら必要な知識だけ学んでいけばいいのでは」という意見もあります。しかしこれはやや早計です。なぜなら、通常の業務を行いながらの指導は時として十分に指導ができないことがあるからです。

部署によっても異なりますが、年間を通して「繁忙期」、「閑散期」があるように、1ヶ月の間にも忙しい時期とそうでない時期があります。

多忙な時にOJTを行うというのは、人手に余裕がなければ行うことが難しく、教えなければならないことが抜けてしまうといった問題も発生します。

そもそも通常業務をしながらの指導は簡単ではないのです。教える側は、通常業務と指導の両方を兼ねる必要があり、仕事の手を抜くことはできませんから、指導に集中できないこともありえます。

そのため、Off-JTで基礎をつくっておけば、仮に繁忙期のOJT であっても学んだことを少なからず活かして乗り越えることができるのです。

また、指導する側も、一から百まで教える必要もないため、効率よくOJTを進めることが出来ます。

■OJTがうまくいかない理由
実際、Off-JTとOJTを組み合わせて研修を用意している企業が多いですが、Off-JTは教える内容や順番が決まっておりスムーズに運びやすい一方、OJTがうまくいかない企業が多いように思えます。

その理由として、指導の専門家ではないため、十分な指導が行えるかどうか、教える側の力量に依存してしまうのです。

・担当者の時間確保が難しい(ので後回しにしてしまう)
・担当者に任せっきりで、周りの人間のフォローがなく長期的な視点で見ていない
・OJTが仕組み化されていない(担当者がバラバラ)
・指導が出来る適任者がいない(中間社員の育成が出来ていない)

教える側と教えられる側それぞれの相性もあり、充分に指導できたか不明確になるという理由があります。

Off-JTは最低一名担当者がいれば研修を進めていけますが、OJTになると、新人社員が配属された部署ごとに指導員が必要となります。指導員は通常業務プラス新人の指導となるため、時間を作って教えていくことを求められます。

また、仕組み化されていない企業も多く、「まずはこれだけ分かれば良いだろう」「とりあえず仕事を振ればいい」と短期間で考えてしまい、半年、一年の長い視野でOJTを考えることなく進めてしまい、結果的に新人社員がただの『小間使い』の状態になってしまうことも少なくありません。

また、人手不足や、既存社員の退職など、指導員に適した社員がいない(人材が育っていない)こともあり、OJTができないという会社もあります。

■OJTをうまく回すためには?
OJTには以上のような課題がありますが、部署に任せきりにするのはなく、必ず人事担当者が全体を管理していくことで解決することができます。

つまり、現場に任せてしまうとどうしても短期的な視点や属人的な教育になってしまいがちになりますが、人事部が長期的な視点でロードマップをひき、進捗をトレースしていくことで“立ち消え”や“停滞”を防ぐことができるのです。ただし、人事部が社員育成尾の現場に実際の育成に直接介入することは難しいです。

最初は厳密ではなく、ある程度の道筋を事前に当該部署と話し合い、意思統一しておきます。

部署で必要なスキルセット(もしくはマインド)が整理できれば、新入社員が足りないスキルを補完するOff-JTを用意し、そのうえでOJTを行い、成長度合をきちんとトレースしていくことができます。

■OJTには事前の準備が必要な理由
仕事に必要な知識は、多岐にわたります。なかにはすぐには必要なくても仕事をステップアップするために必要な知識もあり、それらは都度仕事で覚えるよりも、OFF JTを利用して徹底的に学ぶやり方が適しているのです。

OJTをするためには、事前の準備が必要で、決して“場当たり的”にしてはいけません。

事前の準備とは、新入社員を採用する時から指導する内容やテキスト、指導に適する人員がいなければどう対処するかを検討しておくこと、Off-JTの企画などさまざまです。こうすることで仕組み化でき、かつ指導そのものがおざなりにならず、新人を受け入れる心構えもできてきます。

また、指導員だけが準備や心構えをするのではなく、社員全員が新人の良き手本であると意識することも大切な点です。もちろん、指導員は大切ですが、OJTは指導員だけがやっていれば良い、という考えではダメです。

新入社員一人ひとりが独り立ちするまで支えていく、という気持ちを表すことで、新入社員も「会社に歓迎されている」という気持ちになり、精神的にも前向きに研修に取り組むことができます。

人事担当者はOff-JTとOJTの企画を部署とともに練るだけではなく、受け入れる体制づくりにも気をつかっていきましょう。

■OJTの間接的効果にも期待する
Off-JTとOJTのどちらの研修も「ヒト」が教え伝えていくものです。人が行うからこそ会社の独自ルールや習慣、細かい点を教えることが出来ます。

また、研修を通して同期との仲間意識や、先輩社員との協調性が生まれ、結果的にそれらが会社の強み、付加価値となっていくのです。OFF JTは多くの場合、グループ研修など同じ仕事をしている従業員が一堂に会して行います。

日々の業務に追われていると同じような専門知識を持った人々が集まったり、専門の外部講師の話を聞いたりする機会はありません。職場環境に関係ない場所で集中的に知識を仕入れることが重要なのです。

人事担当者にとっては採用のみならず、教育という面でも相当な労力がかかり、責任も重要です。しかし、この企画こそが人事の醍醐味、面白みといっても過言ではありません。

そして仕組みづくりだけでなく、会社の文化や人材の育成への姿勢といった大切な考え方も研修を通して新入社員だけではなく関わる社員全員も伝えていくような間接的な効果も見越して仕事ができるのも人事担当者のやりがいだといえます。

■まとめ
人材育成は人事担当者や経営者にとって、組織の命運を分ける重要な課題です。グローバル化や職種の垣根を超えた産業の活発化が進み、人材もそれに適した人が求められるようになりました。それにより、企業が行うべき研修も広範囲にわたっています。

人を成長させるのは人の力で人材開発の現場で広く支持され続けているシステムがOFF JTになります。企業にとっては深い専門知識やノウハウを持った人材の育成は不可欠で、そのような目的にもOFF JTは役割を果たしてくれるでしょう。

人材は採用した時点では一人の人間でしかなく人材を人財に変えるのは人材開発のフィールドなのです。

■最後に
人材育成にイノベーションを起こしたいがその方法や糸口が分からない。従来のビジネスの中で普段気づかないノウハウや取り組みを知りたい。新規事業のアイデアのヒントを導き出すことに繋がるようなフレームワークを知りたい。

課題解決に繋がる原因特定の方法や問題解決を効率よく行う方法について学びたい。リーダーとして経営戦略を学び、組織内に取り入れ社内で実勢ができるようにしたい。

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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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