レイオフとは?解雇やリストラではなくレイオフをする理由とは?

投稿日: 作成者: KENJINS運営元代表 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

新型コロナの感染拡大のため世界的な外出規制や自粛が続く中、アメリカでは、サービス業をはじめとする多くの企業が業績悪化に苦しみ、レイオフを行う企業が増えています。ただし、日本においては、一時的あるいは永続的な解雇としてのレイオフは簡単ではありませので、ワークシェアリングの方が合っています。

その理由としては、業績悪化による解雇が厳しく規制されているためです。レイオフは日本では導入する会社は少ない雇用調整の制度になりため、あまり知られていません。そこで今回は、レイオフとワークシェアリングの違いなどについて解説します。

■レイオフとは?
レイオフとは、企業が景気変動や不況に伴い業績悪化した際、一時的な人件費抑制のために自社の都合で労働者の再雇用を前提とした一時的な解雇をすることになります。

レイオフは再雇用を前提として、一時的に行われる人員削減になります。企業経営において最もコストが掛かるのは人件費のため、経営が上手く行かなくなったときに従業員を一時解雇し、一定期間だけコストカットを行う形を取ります。

経営が安定してきたら、レイオフした従業員は再雇用されます。これにより、一時的な人件費の削減だけでなくスキルやノウハウを持った従業員が他社へ流出するのを防ぐ効果があります。

なお、企業の業績回復時は、一時的に解雇した労働者を優先的に再雇用する事を前提とするため、勤続年数の短い労働者からレイオフされ、再雇用時には、勤続年数の長い労働者が優先される事が一般的です。

■解雇とは?
雇用主が一方的に雇用契約を解消することを「解雇」といいます。解雇の他に雇用契約が終了する場合としては、従業員が一方的に雇用契約を解消する場合(自主退職)や、従業員と雇用主が双方の合意で雇用契約を解消する場合(合意退職)があります。

金融、サービス等、スキル・ノウハウが各企業に依存する要素の薄い業界では、合理化施策としてはレイオフではなく解雇を選択する傾向があります。

日本の企業では、法的規制等、労働者保護の観点からレイオフの活用事例は少ないです。類似施策として一時帰休等を活用するケースもあります。また、ヨーロッパ諸国の企業においても、労働組合や労働委員会から賛同を得る事が困難なため、日本と同様にレイオフの実施が難しいと言われています。

■ワークシェアリングとは?
ワークシェアリングとは、労働者同士で雇用を分け合うという意味の言葉です。欧州で失業者が急増したことを機に、ワークシェアリングが注目を集めました。このとき、失業対策の中の雇用を創出する手段のひとつとして、ワークシェアリングが導入されたのです。

日本でもコロナ渦の中で深刻な打撃を受けた業界が多いですが、ワークシェアリングにより一人ひとりの労働者が自分の働く時間を短くしたり、忙しく人手が足りない他社へ一時的に派遣したりすることですることで、レイオフや解雇で労働者の総人数を減らすことなく、雇用を維持する施策になります。

業績が悪化した企業では、人材の流出といった大きな問題に直面しがちです。そのため、「雇用を維持する」「貴重な経営資源のひとつであるヒトの流出を防ぐ」「経営の立て直しをスムーズに行う」などを目的としてワークシェアリングが行われるのです。

■日本におけるワークシェアリングへの取り組み
日本では、雇用機会拡大などの課題を解決するために、政労使による検討会議が開催され、2002年3月末に「ワークシェアリングに関する政労使合意書」という形でまとめられました。ワークシェアリングの基本的な考え方として、ワークシェアリングの取り組みに関する5原則が定められています。

1、ワークシェアリングとは、雇用の維持・創出を目的として労働時間の短縮を行うものである。我が国の現状においては、多様就業型ワークシェアリングの環境整備に早期に取り組むことが適当であり、また、現下の厳しい雇用情勢に対応した当面の措置として緊急対応型ワークシェアリングに緊急に取り組むことが選択肢の一つである。

2、ワークシェアリングについては、個々の企業において実施する場合は、労使の自主的な判断と合意により行われるべきものであり、労使は、生産性の維持・向上に努めつつ、具体的な実施方法等について十分協議を尽くすことが必要である。

3、政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、多様就業型ワークシェアリングの推進が働き方やライフスタイルの見直しにつながる重要な契機となるとの認識の下、そのための環境づくりに積極的に取り組んでいくものとする。

4、多様就業型ワークシェアリングの推進に際しては、労使は、働き方に見合った公正な処遇、賃金・人事制度の検討・見直し等多様な働き方の環境整備に努める。

5、緊急対応型ワークシェアリングの実施に際しては、経営者は、雇用の維持に努め、労働者は、所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の取り扱いについて柔軟に対応するよう努める。

■レイオフの目的
経営不振は、いつ回復するか分からないため、「レイオフではなく完全に解雇するリストラを行ったほうが良い」と感じる人もいるのではないでしょうか。

しかし、わざわざ再雇用を前提として解雇するのには、それなりの理由があります。まずは、レイオフが行われる主な3つの目的について確認してみましょう。

1、人件費の削減
レイオフを行う最大の目的は、やはり人件費の削減です。企業にとってコストに占める人件費の割合はかなり大きく、経営不振の状態で人件費を負担し続けるのは簡単ではありません。人件費を削減できれば、大幅なコストカットが期待でき、その余剰分を業績回復に直結する業務や費用に充てることができます。

しかし、企業にとって人材もまた宝ともいえる存在です。業績が回復した後に従業員を増やしたとしても、新人が戦力になるまでには時間と労力、そして育成コストもかかります。

そこで、役に立つのが業績回復した際に再雇用を約束するレイオフです。すでに、業務を経験した従業員を再雇用できれば、新たな従業員を採用するさまざまなコストも必要ありません。業績が回復するまで人件費をカットしたいものの、戦力となる従業員を完全に解雇するのは避けたい思惑もあり、従業員の調整に最適なレイオフを行うことが多いのです。

2、優秀な人材の流出を防ぐ
企業がリストラではなく、レイオフを選ぶのには「優秀な人材の流出を防ぐ」という目的もあります。リストラしてしまえば、その従業員が持っていた経験やスキルは失われてしまいかねません。人材の育成には、膨大な時間とコストがかかっているため、リストラですべてを無駄にしてしまうのは企業にとってはマイナスです。

しかも、リストラされた従業員は新たな仕事を求めて転職活動を始めるでしょう。このとき、まったく未経験の仕事よりは、同じ業種や業界の仕事のほうが働きやすいと考える人も多い傾向です。そうなると、人材を競合他社に取られてしまう可能性も高まります。

企業にとって、あまり重要ではない人材であればリストラで整理解雇すれば良いですが、「どの従業員にどのようなスキルがあるか」について、完全に把握するのは簡単ではありません。

「あまり重要ではない」と解雇した人材が、実は隠れた能力を持っている可能性もあります。リストラを行うと、たしかにコストは削減できますが、このように従業員の培ってきたスキルや優秀な人材が競合他社に取られる可能性があるのです。

この点、レイオフの場合は業績次第で再雇用ができるため、優秀な人材が他社に流出するリスクを防げます。業績が回復した後に業務へ復帰してもらえば、スムーズに生産性を高めることができるでしょう。

3、ノウハウを流出させない
リストラによって人材が流出することは、人材が持つ企業のノウハウまで一緒に流出することを意味しています。独自の技術やノウハウを知る従業員は、競合他社にとって非常に魅力的な存在です。リストラを聞きつけ、これ幸いと積極的にスカウトに乗り出す可能性もあるでしょう。

ノウハウは、企業ごとに大きく異なる場合もあり、仮に競合他社に渡れば成長をサポートすることにもなりかねません。これでは、企業の業績回復も難しくなる恐れがあります。

このように、育成した従業員の能力やスキルだけでなく、ノウハウまで流出することは企業にとって大きなデメリットです。最善なのは、一時的にコストカットしつつ、業績が回復するまで人材とともにノウハウの流出を防ぐことといえるでしょう。レイオフは、この目的に最適な人員削減の手法なのです。

■まとめ
レイオフは、完全に解雇するリストラとは違い、ノウハウや優秀な人材の流出を防ぐための一時的な人員整理を目的に一時的な解雇をする仕組みになります。現在の日本では、解雇規制の問題があるため実施するのは難しいですが、国として将来的な規制緩和も検討しており、将来的には実施される可能性もあります。

ただし、日本でも外資系企業の場合には、レイオフが断行されるケースがありますので、いざというときに慌てないためにも、レイオフについて正しく理解しておきましょう。

日本では、コロナ渦の中でレイオフや解雇では無く、「ワークシェアリング」を推進する会社も出始めています。特に、飲食業界やレジャー業界、アパレル業界、鉄道・航空業界では、若い世代も多く働いており業績悪化による人材への影響は避けられません。

今後は、働き方改革が推進されていくなか、リモートワークやテレワークといった働き方の興隆や、アウトソーシングが一般化したことにより、様々な分野でワークシェアリングやパラレルワーク、副業を含めて多様性のある働き方が進んでいくことでしょう。

本田季伸のプロフィール

KENJINS運営元代表 ★連続起業家★著者★人脈コネクター★KENJINSプロデューサー★「顧問のチカラ」伝道者★プライドワークス株式会社 代表取締役。 大学卒業後、日本食研株式会社を経て25歳で起業。複数のITベンチャーを創業する。業界初のサービスであることにこだわり、地域密着型コミットサイト、有店舗連動型ブランド品オークションサイト、日本初の出前サイト、セミナーチケット共同購入サイトなどを立ち上げる。クーポンサイトの運営時にバーコードを電子化し、チケットや会員証として携帯電話の画面上に表示するアイデアを世界で初めて考案し、発明者として20件以上の特許を申請し権利を取得。2002年にKDDIと共同で歌手の矢井田瞳のコンサートで電子チケット入場を実用化させ、モバイルチケットのパイオニアとして一躍注目を浴びる。 2012年に「賢人たちに学ぶ 道をひらく言葉」を出版。後に3部作となり累計販売部数は、75,000部を超える。2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設する。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している極端な顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、これまでの顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「サブスクリプション型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供している。特に複数の「営業顧問」の人脈ネットワークを活用した大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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