パーキンソンの法則とは?パーキンソンの法則を打開する秘策

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 運営会社社長   パーマリンク

大手企業の雇われ社長の中には、自分の地位を高めるため、あるいは仕事の負担を減らすために無駄に部下を増やすことを望む「ボスタイプ」の経営者がいます。

反対に起業家の中には、自分が率先して難しい仕事を引き受け、プロジェクトの先頭に立つことで売上という成果を上げ、会社を牽引し不要なコストを削減するために懸命な努力を惜しまないリーダータイプもいます。

いぜれにせよ経営は結果が全てになりますので、どちらが正しいとは言い切れません。

そこで、今回は、それらを説明する「パーキンソンの法則」をテーマに、社長としての適切なお金と時間の使い方について解説します。

「お金を使った後で、残った分を貯金するのではない。貯金したあとで、残った分を使うのだ。」

<ウォーレン・バフェット>

パーキンソンの法則を聞いたことがない方に質問ですが、仕事や私生活で以下のような経験をしたことはありませんか?

●子供の頃に夏休みの宿題を8/31になってから焦って取り組んだことがある。
●フリーランスのデザイナーになったが仕事がいつも納期ギリギリになる。
●与えられた仕事が早く終われず、いつもダラダラと残業ばかりしている。
●サラリーマンとして毎月貰う給与は、食事や洋服代に全額使い切ってしまう。
●ビールを箱ごと買う習慣があり、お酒があればあるだけ全て飲んでしまう。

もしも、上記のような経験をしたことがある人は、パーキンソンの法則による可能性が高いです。

■パーキンソンの法則とは?
パーキンソンの法則とは、人間は必要以上に時間やお金を与えられると、全て使ってしまうという無駄使いに関する法則になります。人間の習慣と言うものは、癖のようなものになりますので、多くの人が無意識に持っているものです。

パーキンソンの法則によれば、お金にルーズな人の場合、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」とされています。

このような傾向を持つ人は、高額な年収を稼ぎだすプロ野球選手や芸能人などのに当てはまる傾向が高いです。サラリーマンの人でも沢山働いて収入が劇的に増えても、貯蓄がほとんど増えないという人には、パーキンソンの法則が働いているからなのです。

行動経済学の中にも「メンタルアカウンティング」(心の会計)」という言葉があります。

メンタルアカウンティングとは、給与は生活費に使うが、競馬やパチンコ、協定などのギャンブルで得たお金は豪快に遣うといったように、お金の入手法や稼ぎ出した環境によって無意識にお金を使い分ける心理傾向のことです。

しかも、その勘定は極めて不合理な部分が多く、この「メンタルアカウンティング」が、無駄遣いの要因の一つだとも言われています。

■パーキンソンの法則の起源
パーキンソンの法則は、1958年に英国の歴史政治学者の「シリル・ノースコート・パーキンソン」が著書『パーキンソンの法則:進歩の追求』で提唱したものです。

著書の中では、「国に所属する役人の数は、なすべき仕事量と関係なく増え続ける」という主張からなり立っています。

パーキンソンの法則の元々の起源は、1958年当時のイギリスにおける行政の組織や運営の分析から生み出されたもので、以下の2つがよく知られています。

第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。

第一法則は、英国の官僚制における役人の状況を観察し、仕事の有無に関わらず役人の数が一定割合(年率5.17〜6.56%)で増加していることから導き出されました。

地位が高くなると直ぐに部下を増やしたがる、お互いに不要な仕事を作り合うといった役人の持つ習性により、人数が増えたことによる一人が抱える仕事量の負担が若干少なくなったが、労働時間の減少には繋がらないと解明しています。

第二法則は、政府からその年に与えられた予算財源を常に使い切ってしまい、税負担が際限なく増加してしまうイギリス国家財政状況の観察から導き出されました。

つまり、パーキンソンの法則によれば、「人は時間やお金といったあらゆる資源を、あればあるだけ使ってしまう」ことを意味しています。

「30分で終わるはずの会議も1時間で設定していると、1時間ぎりぎりまで終了しない。」
「年収がアップし収入が増えたはずなのに、その分支出も増え、お金がまったく貯まらない。」

などのエピソードは身近な事例が沢山思い浮かびますが、パーキンソンの法則は、組織で働くビジネスマンの残業時間の削減やサラリマンが貯蓄に取り組む際の大きな戒めにもなります。

■起業家としてお金の大切さを知る必要性
例えば、自身の経験からもインターネットバブル時代にも大規模な第三者割当増資により、簡単に億単位の資金調達をした若手の起業家の中には、「パーキンソンの法則」が見事と言えるほどに、ピッタリと当てはまる経営者が何人もいました。

先程、説明した「メンタルアカウンティング」と考え方は同じになります。

自己資金や銀行借り入れで新規事業を立ち上げ、多大な時間や労力を掛けて苦労しながらも、何とか事業を軌道に乗せる経営者は、ようやく獲得できた売上収益を一瞬で使い切るような無駄遣いするようなことは絶対にしません。

また、人格を磨いている一流の経営者であれば、ビジネスの活動を通じて人や社会の役に立ち、顧客の喜ばれた結果として得られた大事な売上や利益であれば、それを無駄遣いするような発想は、まともな経営者であれば持たないはずです。

しかし、アーリーステージの段階で、未上場でありながらも株価が急激に跳ね上がり、第三者割当増資により3億円から10億円近くもの「フリーキャッシュ」が、現金として会社の口座に振り込まれた起業家の心理状態は、どのように変化するでしょうか?

現在、エンジェル投資家が増えていますが、経営者として成功を勝ち取り、自己資金でファイナンスに応じる個人投資家が未上場の会社の起業家に対して数千万のお金を投資するにあたっては、ビジネスモデルの優位性だけでなく、経営トップの品格やモラルを何よりも重視します。

つまり、お金を稼ぐ上での起業家としての人間性や社会貢献の姿勢があるかどうかも品定めします。

ただし、ベンチャー企業への投資を専門にするベンチャーキャピタルの場合、投資担当者はサラリーマンであり、自己資金で投資する訳ではないため、リスクマネーで投資を行ってくれます。

ですので、中には5億~10億という大規模な投資判断をしてくれたお陰で、その資金を有効に活用することで会社が短期間で大きく成長を遂げることがあるのも事実です。

一方では、リスクを背負い賢明に努力をした結果、会社を大企業と言われるまで一台で大きくした経営トップですら、株式公開を果たした時点で「巨万の富」を得たことで、心身のバランスが崩れ、パーキンソンの法則に陥る創業者もいます。

マイクロソフトの創業者であるビルゲイツやFacebookの創業者のマークザッカーバーグのように余裕資金を慈善団体に寄付したり、有望なスタートアップの起業家に投資することは、「生きたお金の使い方」となり、社会にお金を循環するため非常に素晴らしい行いであると断言できます。

ですが、日本の場合では、海外の成功者のように慈善団体に寄付をする崇高な経営者は少ないと言えます。

ベンツやフェラーリなどの高級車を何台も購入したり、競馬に出場できるような競走馬を購入するなど、意味不明なお金の使い方を始めてしまった結果、放漫経営に陥り自ら破綻を招く残念な経営者や投資家もいるのが実情です。

■パーキンソンの法則への対策方法
パーキンソンの法則への対処方法としては、起業家ならば資金の使用使途を事前に検討し、何に投資するかをしっかりと見極め、組織図と役割を考え必要さ最低限の優秀な人材を採用し、少数精鋭で仕事の量、時間、質についてコントロールすることです。

また、プロジェクトを起案しスタートする際には、必ず目的となる会社のビジョンとビジネスを通じて成し遂げるミッションを設定し、最終的な方向性とそれぞれの仕事の期限を設定することが必須要件になります。

その理由としては、プロジェクトに目的と締切があることは仕事に強大な影響力を及ぼし、仕事で成果を上げる上で何が最も重要なのかという道しるべになり、ゴールに向けて短期間に集中力を発揮してビジネスの成功へと導けるからです。

目的や締切のないプロジェクトは、成功確率が著しく低く、予定表の中で何週間も何ヵ月も、時には何年も無駄使いが放置されてしまいます。

一流のモノ作りをすることで有名な職人の場合には、その道の達人として仕事をしているため、稼働時間を増やしても増やさなくても、生み出す結果のクオリティは変わらないと言われています。

つまり、慣れている仕事や経験があるプロジェクトであるにも関わらず、無駄に時間と労力、コストを掛けている社長や会社については、ビジネスを展開する上での生産性が悪いと言わざるを得ません。

常にそのような事態に陥りがちの社長は、パーキンソンの法則から抜け出すための対策として、仕事の中身について最適化を図り、最重要事項への投資と時間と期限を決めることです。

クライアントから与えられた納期や時間に対して、いつもオーバーしてしまうことが多いフリーランスであれば、納期よりも早い締め切りを設け、早めの完成期限を設定することがポイントになります。

その上でマルチタスクはせず、自分で決めた期限までに最重要のタスクを完了させることにフォーカスすると効果的です。

スタートアップの起業家の場合、経営資源がもとより社長の時間を何に投資するかがビジネスの結果に大きく関係します。

ですので、例えば、ステイクホルダーが参加する会議などでは、会議の目的とゴールを明確にし参加者にも事前に伝えておくことが大切になります。

逆に言えば、会議の終了となる予定時刻を超えても、会議の目的が達成されずゴールにたどり着かなければ、結果が出るような議論を進めることが欠かせません。

つまり、起業家に場合には、大事な仕事はタスクフォース化することことを徹底し、「時間」を掛けることではなく、「成果」を上げる考え方を持つことが大切だと言えるのです。

■まとめ
パーキンソンの法則は、人間であれば誰しもが持っている「怠け」を言語化したものです。

ビジネスマンが仕事をする上ででは、この法則の重要性を自己認識し、目的や締め切りを明確に設定しない限り、与えられた時間にまでに良い仕事を終わらせ、成果を上げることは、人間心理的に難しいです。

経営者であれば会社の経営資源の配分のみならず、社長個人の収入と支出も同じ原則が当てはまる形になりますので、パーキンソンの法則を良く理解し、適切な対策をしておくことで無駄を防くことが可能になります。

ただし、トップセールスマンやスタートアップの起業家など、世の中で「成功者」と呼ばれる人は、大量のビジネス書を買い混む「衝動買い」と思われるような不可解な行動を取ることもあります。

これには、「パーキンソンの法則」も多少は関係していますが、本質的には短期間でスキルアップを目指したり、短期間での自己投資を行うことで価値あるアウトプットを実現するためなど、大事な理由があるため否定しません。

また、最近ではコロナ渦の影響などで既存のビジネスが低迷してしまい、業種を転換が必要不可欠になり、新規事業にチャレンジするために莫大な資金を投資する決断が必要となる勝負のタイミングもあるのは確かなことです。

そのような際には、自分が人生で何を成し遂げたいのか?、究極のゴールは何なのか?を明確にしておくことで、無駄なコストを省き、本当に必要な事柄に、経営資源を投資することが可能になります。

経営者として無駄なモノに大事な時間と労力、コストを掛けるのは良くないですが、時には社運を賭けたプロジェクトには思い切って、それなりの資金調達をしたり、将来に投資するという判断力を養うことも必要だと言えるのです。

■最後に
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本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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