新規開拓で成果を上げる肩書の作り方

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

新規開拓で信頼を得るための肩書の考え方

名刺を渡した直後や、電話で名乗った数秒のあいだに、相手は「この人は何をしてくれるのか」を判断しています。そこで効いてくるのが、役職名を並べるだけではない肩書の設計です。初対面で警戒されやすい新規開拓では、相手の課題と自分の提供価値がひと目で結びつく表現を持っているかどうかで、その後の会話の進みやすさが変わります。

この記事では、信頼を得やすい肩書の考え方を土台にしながら、役職ではなく提供価値をどう言語化するか、業種や商材に合わせてどう整えるか、名刺やメール署名、自己紹介にどう反映するかまで順を追って整理しています。抽象的すぎる表現や誇大に見える言い回しを避ける注意点、法人営業や無形商材で使いやすい具体例にも触れているので、自分の肩書を見直したい人はそのまま実務に落とし込みやすい内容です。

目次

  1. 新規開拓で肩書が重要になる理由
  2. 新規開拓で成果につながる肩書の基本設計
  3. 新規開拓に使える肩書の作り方
  4. 新規開拓で使う肩書の具体例
  5. 新規開拓で逆効果になりやすい肩書の特徴
  6. 新規開拓で肩書を活かす実践ポイント
  7. まとめ

新規開拓で肩書が重要になる理由

営業先があなたの話を聞くかどうかを判断する時間は、想像以上に短いものです。会社名や氏名だけでは、初めて接する相手にとって「何を相談できる人なのか」が分かりません。そこで役割や専門分野を示す肩書が、会話の入口として機能します。

新規開拓では、すでに信頼関係がある顧客とは異なり、相手は警戒心を持った状態で対応します。用件が不明確な営業電話やメールは、担当者の負担と受け取られ、早い段階で断られることもあります。反対に、相手の課題に関係する役割が肩書から読み取れれば、話を聞く理由が生まれます。

肩書には、第一印象を整えるだけでなく、紹介や社内共有を助ける効果もあります。担当者が「業務改善の提案をする人」と説明できれば、上司や決裁者につなぐ際にも内容が伝わりやすくなります。相手が次の行動を取りやすくすることが、肩書を設ける本来の目的です。

ただし、肩書だけで成果が決まるわけではありません。実際の提供価値と一致した表現を選び、会話や提案内容で裏付ける必要があります。名称と対応がそろったとき、肩書は信頼を生む営業資産になります。

第一印象で何をしてくれる相手か伝わる

名刺を受け取った相手が最初に確認するのは、氏名や会社名だけではありません。「この人は何を支援してくれるのか」が短時間で分かれば、会話の焦点を合わせやすくなり、営業への警戒も和らぎます。肩書は、その判断を助ける案内役です。

たとえば「営業部」だけでは担当範囲が伝わりにくいものです。「採用課題の解決を支援する営業担当」や「店舗向け集客改善アドバイザー」と記せば、相手は自社の悩みと結び付けて考えられます。肩書に提供価値を含めることで、商品名を一方的に伝える前に、相談できるテーマを示せます。

ただし、情報を詰め込みすぎると読みにくくなります。誰に、どのような課題に対して、何を提供するのかを一つに絞り、口頭でも説明しやすい長さに整えるべきです。筆者の経験では、肩書を見た相手から具体的な質問が出る表現ほど、商談の入口として機能します。

ちなみに、肩書の文字数を大きくするだけでは効果は高まりません。名刺では肩書の位置や余白も視認性を左右するため、実際の印刷物で確認することが必要です。第一印象で役割が伝われば、次の会話へ進む土台ができます。

担当者やキーマンに覚えてもらいやすくなる

一度話しただけの相手に、後日もう一度連絡するとき、名前や用件を思い出してもらえないケースは少なくありません。とくに複数の業者と接する担当者や、社内で決裁を担うキーマンには、記憶に残る手がかりが必要です。そこで、役割がひと目で分かる肩書が効果を発揮します。

「営業担当」だけでは、似た立場の人と区別されにくいものです。「採用支援の専門担当」や「製造業の業務改善パートナー」のように、対象分野や支援内容を含めると、相手の記憶に結び付きやすくなります。後日メールを送った際にも、「以前、業務改善の話をした人」と思い出してもらえる可能性が高まります。

紹介が発生する場面でも、肩書の分かりやすさは役立ちます。担当者が上司へ取り次ぐとき、氏名だけでなく「何の専門家か」を添えて説明できれば、情報が社内で伝わりやすくなります。覚えてもらうためには、個性的な名称よりも、相手の業務と結び付く具体性が必要です。

ただし、毎回異なる肩書を使うと認識が分散します。名刺、メール署名、電話での自己紹介に同じ表現を用い、接点を重ねるほど記憶を定着させることが効果的です。短く、説明しやすく、実際の役割と一致する言葉を選ぶべきです。

新規開拓で成果につながる肩書の基本設計

肩書を考えるとき、目立つ言葉を先に探すと、実際の仕事とのずれが生じやすくなります。先に整理すべきなのは、誰のどのような課題に向き合い、どんな変化を届けられるのかという三つの要素です。この順番で考えると、単なる役職名ではなく、営業活動で使える説明文に近づきます。

基本設計では、会社側の都合よりも、相手が受け取る意味を優先します。「営業部長」や「法人営業」のような社内向けの名称は立場を示せますが、支援内容までは伝わりません。相手の業界、抱えやすい悩み、提供できる支援を組み合わせることで、肩書に営業上の役割を持たせられます。

ただし、すべての強みを一つの名称に詰め込む必要はありません。最初の接点で伝えるテーマを一つに絞り、詳しい実績や対応範囲は会話の中で補足するほうが自然です。良い肩書は、説明を完結させる言葉ではなく、相手が質問しやすい入口です。

作成後は、社内の人に見せて「誰を、どのように支援する人に見えるか」を確認してください。自分には明確でも、第三者に伝わらなければ新規開拓では機能しません。実際の顧客が使う言葉に置き換えながら、短く調整することが成果につながります。

役職ではなく提供価値を軸に言語化する

名刺に記載された役職を見ても、相手が自社にどのような利点があるのか判断できなければ、会話は広がりません。部長や担当者といった社内での立場は、組織図を理解するうえでは役立ちますが、初めて会う相手への訴求力は限定的です。肩書を考える際は、役職よりも提供できる変化を中心に置くべきです。

まず、自分が支援できる相手を明確にします。次に、相手が抱える負担や損失を整理し、それをどのような方法で軽減できるのかを短い言葉にまとめます。「営業担当」ではなく「商談化率向上を支援する担当」とすれば、役割と価値が一度に伝わります。実績を誇張するのではなく、継続して提供できる内容を選ぶことが前提です。

筆者が実際に営業資料の肩書を「システム販売担当」から「現場の入力作業を減らす業務改善担当」に変更したところ、初回面談で業務フローの相談を受ける機会が増えました。商品説明から始めるより、相手の課題を聞く流れをつくりやすくなった事例です。

提供価値を軸にした言葉は、売り込みの印象を抑えながら専門性を示せます。最終的には、相手がその肩書を聞いて「何を相談できる人か」を具体的に想像できるか確認してください。

相手の課題と自分の専門性が結びつく表現にする

肩書を見た相手が自分の悩みを思い浮かべられるかどうかで、その後の反応は変わります。専門分野を一方的に並べるだけでは、知識のある人だと分かっても、相談する理由までは生まれません。相手が抱える課題と、自分が解決に使える専門性を一つの表現に結び付けることが必要です。

たとえば「人材サービスの営業」では、採用に悩む企業への支援内容が見えにくい表現です。「採用難の企業を支援する人材確保アドバイザー」とすれば、相手の課題と役割が直結します。「売上向上」など広すぎる言葉よりも、「問い合わせ増加」「離職防止」「作業時間削減」のように、相手が日常的に使う具体的な言葉を選ぶほうが伝わります。

作成時は、顧客から実際に受けた相談や、提案後に生まれた成果を振り返ってください。自分が使いたい専門用語ではなく、顧客が課題を説明するときの表現を採用することが最も効果的です。肩書を見て相手が「自社にも関係がある」と感じれば、会話のきっかけをつくれます。

専門性は、それ単体で掲げるのではなく、誰のどんな困りごとに役立つかまで示して初めて営業上の価値になります。候補を複数作り、社外の人に意味が伝わるか確認してから使用してください。

新規開拓に使える肩書の作り方

肩書を新しく作るときは、いきなり名称を決めるのではなく、営業先と伝えたい役割を先に整理すると迷いにくくなります。まず、自社の商品やサービスが役立つ業種を挙げ、相手が抱えやすい課題を具体化します。そのうえで、自分が担える支援内容を一文にまとめ、短い肩書へ削っていく流れです。

たとえば、対象が中小企業で、課題が採用難、自分の役割が応募者を増やす仕組みの提案であれば、「採用支援営業」より「中小企業の採用力向上アドバイザー」のほうが方向性を伝えやすくなります。これは料理でいえば、食べる人を決めずに味付けを始めるのではなく、相手に合わせてレシピを選ぶようなものです。

名称を考える際は、業界名、課題、提供価値のどれを前面に出すかを決めます。法人向けなら業務改善やコスト削減、個人向けなら集客や継続利用など、相手が日常的に使う言葉を採用すると理解されやすくなります。候補を三つほど作り、社外の人に意味を説明できるか確認してください。

肩書は一度決めて終わりではなく、実際の反応を見ながら調整する営業ツールです。名刺やメール署名に反映した後、相手からどのような質問が出たかを記録し、伝わりにくい部分を修正すると精度が高まります。

業種や商材に合わせて肩書の方向性を決める

同じ商品を扱っていても、相手の業界が変われば響く言葉は変わります。製造業では「生産効率」や「品質管理」、小売業では「来店数」や「リピート率」など、日常的に使われる課題の表現が異なるためです。肩書を作るときは、まず営業先の業種と商材の特徴を整理し、相手が関心を持つテーマを選ぶ必要があります。

たとえば、法人向けの業務システムを扱う場合、「システム営業」とするより、「製造現場の業務効率化支援」や「中小企業向け業務改善提案担当」としたほうが、支援対象と価値が伝わります。美容関連の商品なら、「美容商材営業」ではなく「店舗の再来店を支援する美容サービス担当」のように、導入後の効果を示す方向が適しています。

業種を限定しすぎると、対象外の顧客には関係がないと思われる恐れがあります。反対に広げすぎれば、何を得意とする人なのか分かりません。主な顧客層を一つ定めたうえで、課題や成果を表す言葉を組み合わせると、伝わりやすさと応用性を両立できます。

肩書の方向性は、売り手が使いたい言葉ではなく、相手が自社の状況を説明するときに使う言葉から決めるべきです。実際の商談記録や問い合わせ内容を見返し、反応のよい表現を候補に取り入れてください。

短く伝わる言葉に整えて名刺や署名に反映する

肩書の候補が決まったら、次に確認したいのは一読で意味が伝わる長さかどうかです。専門用語や説明を盛り込みすぎると、名刺の限られたスペースでは要点が埋もれます。相手が読み終える前に「何をしてくれる人か」を理解できるよう、対象、課題、提供価値のうち二つ程度に絞ると整えやすくなります。

たとえば「中小企業の採用活動における応募者対応の仕組みづくりを支援する担当者」では長すぎます。「中小企業の採用改善アドバイザー」と短くすれば、会話の入口として機能します。難しい表現は、顧客が実際に使う言葉へ置き換えてください。候補を声に出して読み、電話で一息に言えるか確かめる方法も有効です。

完成した肩書は、名刺だけに載せて終わりにしてはいけません。メール署名、営業資料、電話での自己紹介にも同じ表現を使うと、接点ごとの印象がそろいます。表記が毎回変わると、相手は専門領域を認識しにくくなります。社内の他メンバーが紹介するときにも、同じ言葉を使える状態にしておくべきです。

短さは情報を削ることではなく、相手が最初に必要とする情報を選ぶことです。名刺を実際に印刷し、文字の大きさや余白を確認したうえで、初対面の人に意味を尋ねると、伝わり方を客観的に判断できます。

新規開拓で使う肩書の具体例

肩書の方向性を決めても、実際にどのような名称へ落とし込めばよいか迷う人は少なくありません。業種や提案内容に合わせて、相手が相談できるテーマを想像できる言葉を選ぶと、名刺を渡した直後の会話を進めやすくなります。役職名に価値を添える発想です。

たとえば、次のような表現が候補になります。

支援分野肩書の例
業務効率化現場改善アドバイザー
採用支援採用力向上パートナー
集客支援店舗集客コンサルタント
法人向けシステム業務改革ソリューション担当

「営業担当」のように役割だけを示す名称と比べ、課題や支援内容を含む肩書は、相手が自社との関連性を判断しやすくなります。ただし、実際には対応していない領域まで含めると、期待とのずれが生じます。肩書は提供できる価値の範囲内で設定してください。

具体例はそのまま使うのではなく、自社の顧客層と商材に合わせて言い換えることが大切です。次の小見出しでは法人営業やコンサル型提案など、営業形態ごとに使いやすい表現を詳しく紹介します。

法人営業で使いやすい肩書の例

企業を相手にする営業では、商品を紹介する人という印象だけでなく、相手の業務課題に対応できる役割を示すと会話が進みます。法人担当者は、導入後の効果や社内説明のしやすさを重視するため、肩書にも支援対象と価値を含めると有効です。

商材や支援内容肩書の例伝わる価値
業務システム業務効率化提案担当作業時間の削減
人材サービス採用課題解決パートナー人材確保の支援
法人向け広告企業集客支援アドバイザー見込み客の獲得
コスト削減サービス固定費見直しコンサルタント経費の適正化

これは病院でいえば、単に「医療スタッフ」と名乗るより、「腰痛の相談担当」と伝えたほうが、患者が相談先を判断しやすいのと同じです。営業でも「法人営業」だけで終わらせず、誰のどんな課題に対応するのかを添えるべきです。

法人営業の肩書は、社内の役職よりも相手企業が得られる成果を優先して設計します。実績と異なる表現は避け、初回の会話で具体的な支援内容を説明できる名称を選んでください。

コンサル型提案や無形商材で使いやすい肩書の例

形のないサービスを提案する場面では、商品名だけで導入後の変化を想像してもらうのが難しいため、肩書で相談内容を示す工夫が必要です。コンサルティングや研修、採用支援、広告運用などは、提供範囲が広くなりやすく、単に「コンサルタント」と名乗るだけでは専門分野が伝わりません。

支援内容肩書の例伝わる専門性
経営支援事業成長パートナー経営課題の整理と実行支援
人材育成組織開発アドバイザー社員の成長と組織改善
広告運用集客戦略プランナー顧客獲得の仕組みづくり
営業支援商談創出コンサルタント見込み客との接点づくり

「専門家」や「プロフェッショナル」のような抽象語より、支援対象と実現したい成果を組み合わせるほうが、相手は相談内容を判断しやすくなります。無形商材では、契約前に提供価値を具体化できるかが信頼に直結します。

肩書はサービスを売り込む看板ではなく、相手の課題を整理する窓口として設計することが効果的です。実際の支援範囲と一致する言葉を選び、初回面談で何を確認し、どのような提案を行うのかまで説明できる名称にしてください。

新規開拓で逆効果になりやすい肩書の特徴

せっかく考えた肩書でも、相手に不信感を与えたり、役割を誤解させたりすれば、営業活動の妨げになります。目を引く名称を優先すると、実際の業務とのずれが生まれ、初回の接点で期待を下げる結果にもなります。新規開拓では、印象の強さよりも意味の正確さを重視すべきです。

避けたい例として、何を支援するのか分からない抽象的な表現、実績を過度に強調する自称的な表現、権限や資格があるように受け取られる表現が挙げられます。「未来創造プロデューサー」のような名称は、業務内容を説明できなければ、相手にとって判断材料になりません。肩書を見て質問が生まれるどころか、営業目的を警戒されることもあります。

肩書は、名刺やメールで最初に確認される情報です。そのため、会社の正式な役職と外部向けの呼称を分ける場合でも、社内で説明できる根拠を用意してください。提供できる範囲を超えた表現は、商談後の期待値調整を難しくします。

信頼される肩書は、華やかさではなく、相手が受け取る意味と実際の対応が一致しています。作成後は第三者に見せ、仕事内容を誤解しないか、過剰な期待を抱かないかを確認すると安心です。具体的な注意点は、次の各項目で詳しく見ていきます。

抽象的すぎる表現や自称感の強い表現は避ける

「未来創造プロデューサー」「価値提供のスペシャリスト」など、響きは華やかでも仕事内容を想像しにくい名称があります。自分では魅力的だと思っていても、相手が具体的な相談先を判断できなければ、肩書としての役割を果たしません。新規開拓では、格好よさよりも意味の分かりやすさを優先するべきです。

抽象的な言葉を使う場合は、対象や課題を補足してください。「経営支援コンサルタント」なら「中小企業の業務改善を支援する経営コンサルタント」のように、誰に何を提供するのかを加えると理解されやすくなります。反対に、「業界を変える第一人者」「唯一無二の専門家」のような自称感の強い表現は、根拠が見えないため警戒を招きます。

肩書の説得力は、名称の大きさではなく、会話や実績で裏付けられるかで決まります。過去の支援内容や対応範囲を確認し、第三者が見ても事実と一致する言葉を選んでください。筆者の経験では、控えめでも具体的な肩書のほうが、相手から課題を相談される機会につながります。

肩書は自分を大きく見せる宣伝文句ではなく、相手が安心して相談するための案内表示です。候補を社外の人に見せ、仕事内容を一言で説明できるかを確かめると、抽象性や自称感を減らせます。

相手に誤解や誇大な期待を与える表現は避ける

契約前に抱かれた期待と、実際に受けられる支援の内容が大きく異なると、肩書は信頼を損なう原因になります。「必ず売上を伸ばす」「すべての課題を解決する」といった断定的な表現は、成果を保証するように受け取られやすく、達成できなかった場合の不満につながります。営業上の魅力より、提供できる範囲の正確さを優先してください。

資格や権限を持っているように見える表現にも注意が必要です。公的な資格者でないにもかかわらず、専門職を連想させる名称を使うと、相手に誤った判断をさせる恐れがあります。「支援」「提案」「伴走」など、実際の役割を表す言葉を選び、成果は「改善を支援する」「向上を目指す」のように適切な表現へ整えます。

実際にあるクライアントでは、肩書に「売上倍増」を含めていたものの、初回面談で成果保証と誤解される質問が続きました。そこで「販売戦略改善アドバイザー」に変更したところ、支援方法や現状の課題に関する建設的な相談が増えました。期待値を正しく設定した事例です。

誇大に見える肩書は短期的に注目を集めても、長期的な信頼を築けません。名刺を見た相手がどのように受け取るかを第三者に確認し、実績、資格、対応範囲と矛盾しない名称にしてください。

新規開拓で肩書を活かす実践ポイント

肩書は作成しただけでは成果につながりません。実際の営業場面で相手が内容を理解し、次の会話へ進めるように使ってこそ価値が生まれます。名刺に載せるだけで満足せず、誰にどの場面で見せるのかを決め、反応を確認しながら改善することが必要です。

まず、肩書を伝えた直後に、提供できる支援を一文で補足してください。「業務改善提案担当です。現場の入力作業を減らす方法をご案内しています」のように説明すれば、名称だけでは伝わらない具体性を補えます。肩書を営業トークの起点として使う方法です。

相手の反応も記録しましょう。質問が増えたのか、担当部署へつないでもらえたのか、説明に時間がかかったのかを振り返ると、表現の課題が見えてきます。反応が弱い場合は、商品名ではなく相手の課題を示す言葉へ調整してください。筆者の経験では、肩書を固定して終わりにするより、月単位で反応を見直すほうが改善点を見つけやすいです。

肩書は単独で営業を完結させるものではなく、信頼を得るための最初の接点です。実際の対応内容と表現をそろえ、電話、メール、名刺、自己紹介で一貫して使えば、相手の記憶にも残りやすくなります。次の項目では、媒体ごとの具体的な活用方法を確認します。

電話 メール 名刺 自己紹介で一貫して使う

せっかく分かりやすい肩書を作っても、接点ごとに表現が変わると、相手の記憶には残りにくくなります。名刺では「業務改善アドバイザー」、電話では「システム営業」、メールでは「販売担当」と名乗れば、同じ人物でも専門領域が別に見えてしまいます。新規開拓では、最初に決めた表現を一貫して使うことが信頼につながります。

電話では、氏名と会社名に続けて肩書を伝え、その役割を一文で補足します。メールの署名には氏名、肩書、連絡先を記載し、受信者が後から確認できる状態にしてください。名刺では文字を小さくしすぎず、氏名の近くに肩書を配置すると、交換直後にも内容が伝わりやすくなります。

自己紹介の場面でも、肩書だけを読み上げて終わらせてはいけません。「中小企業の採用改善を支援しています」のように、相手に関係する価値を添えると会話が広がります。媒体ごとに文章の長さは調整しても、中心となる言葉は統一すべきです。

一貫性は、接触回数を信頼の積み重ねに変える仕組みです。電話、メール、名刺、自己紹介で同じ肩書を使い、相手からどのように受け取られたかを記録してください。説明を求められる箇所があれば、その反応をもとに表現を見直し、すべての営業ツールへ反映すると効果を保ちやすくなります。

まとめ

数秒の自己紹介でも、その後の商談の進みやすさは大きく変わります。相手が最初に知りたいのは、社内の役職よりも「何を相談できる人か」です。そのため新規開拓では、提供価値が伝わる肩書を持つことが、会話の入口づくりに直結します。

この記事で見てきたように、使いやすい肩書は、相手の課題、自分の専門性、提供できる変化を結び付けて設計します。抽象的すぎる表現や誇大な言い回しは避け、名刺、メール署名、電話、自己紹介で同じ表現を使うことが信頼につながります。短くても意味が通るか、第三者に見てもらう確認も欠かせません。

ちなみに、肩書の見直しは大がかりな作業でなくても始められます。今使っている名刺や署名の表現を一つ書き出し、「誰のどんな課題に役立つか」が入っているかを確認するだけでも改善点は見つかります。最初は三案ほど作り、実際の反応を比べる方法が最も現実的です。

相手に伝わる肩書は、自分を大きく見せるためではなく、安心して相談してもらうための設計です。まずは現在の表現を見直し、次の営業機会で一貫して使える一つの言葉に整えてみてください。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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