営業戦略の立て方を7ステップで実践解説

投稿日: 作成者: KENJINS運営会社社長 カテゴリー: 専門家インタビュー   パーマリンク

営業戦略を成果につなげる立案手順と実行のポイント

「売れる仕組み」を作るなら、手順を決めてから動くのが近道です。営業の目標、ターゲット、提供価値をバラバラにすると、改善が迷走します。そこで、筆者が実務で使った流れに沿って営業戦略を組み立てると考えてください。

まず現状を数字で棚卸しし、狙う市場と顧客像を絞ります。次に勝ち筋となる差別化を言語化し、提案内容とチャネルを設計します。ここで7ステップの中核になるのが、KPIと実行スケジュールの紐づけです。私は以前、既存顧客への提案書を見直し、次回商談までのToDoを全員で統一したところ、受注率が上向きました。

最後は検証して学習する体制を作り、週次で打ち手を更新します。重要なのは、作った計画を現場の判断基準に落とし込むことです。

目次

  1. 営業戦略とは何かを正しく理解する
  2. 営業戦略が必要になる理由
  3. 営業戦略の立て方7ステップ
  4. 営業戦略に役立つフレームワーク
  5. 営業戦略を成功させる実行管理のポイント
  6. 営業戦略の具体例から学ぶ考え方
  7. まとめ

営業戦略とは何かを正しく理解する

顧客ごとに「なぜ今買うのか」が説明できないと、提案は上滑りします。営業戦略とは、その問いに筋道を与える設計図です。誰に、何を、どんな順番で届けるかを決めることで、商談の質が揃い、活動量だけに頼りにくくなります。

たとえば私が担当した案件では、部門Aの課題を起点にメッセージを作り直し、初回面談の目的を「共通課題の特定」に固定しました。結果として、次回提案までの歩留まりが上がり、受注の再現性が増えたのです。

理解のコツは、戦略をスローガンで終わらせず実行の判断基準に落とすことです。狙う顧客と勝ち筋が決まっていれば、トークも資料もチャネルも自然に整います。

営業戦略と営業戦術の違い

成果が伸びないとき、やり方(作業)だけを増やしていないか確認すると見通しが立ちます。営業戦略は、誰にどの価値を届けて、どんな順序で商談を組み立てるかという方針です。対して営業戦術は、その方針を実現するための具体手段で、架電の時間帯、ヒアリング項目、提案資料の構成、フォローの頻度などが入ります。

つまり戦略は地図、戦術は徒歩ルートに近い関係です。私が以前関わったチームでは、毎日の架電数を増やしたのに受注が伸びず、ターゲットの優先順位と初回面談の目的がズレていました。戦略を揃えた後に戦術を再設計したところ、同じ架電数でも商談化率が上がったのです。ちなみに、戦術だけを変えても顧客の見え方は変わりません。次は「方針のズレ」を点検してください。

営業戦略と営業プロセスの関係

商談が増えているのに成果が伸びないとき、たいてい「何を基準に進めるか」が曖昧です。営業戦略と営業プロセスは別物ですが、切れずにつながっているべきだと私は考えています。戦略が市場の狙いと勝ち筋を決め、プロセスが商談の流れとして実装します。

たとえば、私は以前、ターゲットを中堅の工場部門に寄せたのに、案件化の判断基準が従来のままだったため、価格交渉ばかり早まりました。そこで営業戦略で定めた「設備更新の意思決定者」を前提に、ヒアリング項目と提案ステップを並べ替えたところ、適切な段階で意思決定につながる資料が出せるようになりました。

プロセスは運用ルールなので、戦略の変更が起きたら必ず更新してください。

営業戦略が必要になる理由

同じ商品を扱っているのに、受注率だけが毎月ぶれるチームがあります。原因は、顧客の状況や競合の動きが変わるのに、狙いを更新しないまま活動している点にあることが多いです。だからこそ営業戦略が必要になります。戦略があれば、誰を優先し、どの価値訴求を押し出し、どの段階でリソースを集中するかを判断できます。

実際に私が関わった案件では、展示会後の追客が属人化していて、商談化までの時間がばらついていました。そこで、ターゲット企業の優先度と提案テーマを見直し、次に打つべきアクションを明文化したところ、翌月から商談化率が安定し始めました。施策を増やす前に、判断軸を決めるべきだと感じます。

市場変化と顧客ニーズに対応するため

新しい競合の出現や価格改定が起きた瞬間に、これまでの提案資料が通用しなくなります。ここで放置すると、対応できたつもりでも顧客側の意思決定に刺さりません。そこで必要になるのが、営業戦略を前提にした更新です。市場変化を「脅威」ではなく「狙うべき論点」として整理し、顧客ニーズの中で優先順位が上がった要素を特定します。

筆者が試した限りでは、購買担当者がコスト削減よりも業務負荷の軽減を重視し始めたタイミングで、訴求順を切り替えるだけで商談の温度感が変わりました。ちなみに重要なのは、顧客の声を集めた後に“誰のニーズか”“どのタイミングで必要か”を言語化することです。これを外すと更新作業が増えるだけになります。

属人化を防ぎデータで改善するため

担当者の頑張りで回っている案件は、誰かが休むと急に止まります。そうなる理由は、商談の判断が経験や勘に寄り過ぎて、情報が共有されていないからです。だから属人化を防ぎデータで改善するために、まずは「見える化の範囲」を決めるべきです。商談化率、失注理由、提案後の次アクションなど、最低限の項目を同じフォーマットで記録します。

私は過去に、ヒアリングシートを個人ごとに変えていたチームを、項目を統一して集計できる状態にしました。その結果、失注の多くが特定の質問不足に集中していると分かり、初回で確認すべきポイントを改善案として配布できました。データが出たら、運用担当を固定せず、全員が確認できる場所に置くのが次の一手です。

営業戦略の立て方7ステップ

最初に「今月何を達成するか」を決めないと、商談の準備が毎回つながりません。そこで私は、狙う市場を選び、勝ち筋を文章に落とすところから始めるのが最短だと考えています。

手順としては、(1)目的設定 (2)現状整理 (3)ターゲット設計 (4)課題仮説 (5)価値提案づくり (6)打ち手とKPI設計 (7)実行と検証を順に回します。実際に私が担当したチームでは、KPIを商談化率に一本化し、提案の前工程で必ず論点確認を挟むルールにしたところ、失注理由のばらつきが減り、翌四半期の受注が伸びました。最後に営業戦略は作って終わりではなく、学習して更新する運用設計が必要です。

目標設定と現状分析

まず着手すべきは、数字で「勝ちたい状態」を固定することです。目標がふわっとしていると、商談で聞くべきことも、提案で強調するポイントも決まりません。だから私は、売上だけでなく商談化率や失注理由など、追う指標を先に置く運用をおすすめします。

次に現状分析ですが、ここは属人メモを集める作業ではなく、同じ型で事実を並べる作業にすべきです。私は以前、過去の失注データを「温度感」「比較軸」「決裁プロセス」の3項目に整理し直し、初回ヒアリング不足が原因の割合を見える化しました。ちなみに目標設定と現状が噛み合わない場合は、目標側を下げるのではなく、実現手段を組み替えるべきです。

ターゲット顧客と提供価値の明確化

商談で刺さらないとき、原因は「何を売っているか」より「誰のために役立つか」を言い切れていないことが多いです。私はターゲット顧客を、業種ではなく意思決定までの状況で切り分けます。たとえば同じ製造業でも、投資計画が変わる時期かどうかで刺さる提案が変わります。

提供価値は、特徴ではなく成果に置き換えて説明するのが最短です。私は以前、コスト削減の訴求だけで進めた案件が失注し、原因を調べると「現場負荷を減らす道筋」が伝わっていませんでした。そこで提供価値を“導入後に誰の作業がどれだけ減るか”に変え、初回面談の問いを設計し直したところ、次回提案が通るようになりました。

営業戦略では、この明確化がぶれないための前提になるべきです。

営業プロセス設計とチャネル選定

次の商談がいつ来るかは運任せにできません。だからこそ、売り込みの前後で「何をするか」を時系列で決めるべきです。私は営業プロセスを、リード獲得から初回接触、要件ヒアリング、提案、クロージング、フォローまでの判断ポイントに分解して設計しています。設計があると、担当者が変わっても温度感が落ちにくく、改善もしやすくなります。

同時に、チャネルは目的から逆算します。メールで反応が薄い企業には、同じ提案でも電話で仮説確認を挟む方が前に進みました。ちなみに、迷うときは「その顧客が意思決定に近づくまで、誰がどの情報を必要とするか」で選ぶのが最短です。設計と選定を同じ地図でつなげる意識が、成果の差になります。

KGI・KPI設定と実行計画への落とし込み

「なんとなく忙しいのに成果が出ない」状態は、目標が活動量に置き換わっているサインです。KGIは最終の到達点、KPIはそこへ向かう途中の指標です。ここを分けずに数字を追うと、会話や提案の質ではなく作業量だけが増えます。私はKGI・KPI設定を決めたら、次に実行計画へ落とすべきだと考えています。たとえば、受注率をKGIに置き、失注理由の分類と商談化率をKPIにし、週次で誰が何を検証するかまで書きます。

ちなみに、計画をチームに共有するときは、次アクションが「自分の仕事」だと誤解されないようにするのがコツです。では、今週のKPIは何を改善すればKGIに近づくでしょうか?

営業戦略に役立つフレームワーク

商談の場で「何から話すか」が決まっていないと、毎回同じ説明に戻りがちです。だから私は、営業戦略を考えるときは、フレームワークで論点を固定するのが近道だと考えています。たとえばSTPは、狙う顧客を絞り、提供価値の切り口を整理するために使えます。

さらに4Pは、価格だけでなくチャネルや販促の設計まで一緒に考えられるので、打ち手の抜け漏れを減らせます。私は以前、提案が伸びない理由が「訴求テーマはあるのに導線が弱い」ことだと分かり、フレームで整理したら改善点が一瞬で見えました。ちなみに営業戦略は、思いつきで増やすより、観点を揃えて優先順位を決めるのが効果的です。

3C分析 SWOT分析 PEST分析の使い分け

施策を増やす前に、判断の材料がそろっているかを確認すると早いです。3C分析は自社だけでなく「顧客」と「競合」を並べて捉えるため、戦う相手と勝ち方の方向づけに向きます。SWOT分析は強み弱み、機会脅威を一覧にし、提案の改善点と優先順位を見つけやすい枠組みです。

PEST分析は市場や制度、景気、技術など外部要因を分解するので、売り方が変わる前触れの把握に効きます。私は実際に、同じ商材でも市場の規制強化が起きた年に、PESTで論点を先に置いたら反論対応が整い、提案の通過率が上がりました。迷ったら用途が違うと割り切り、情報の種類ごとに使い分けてください。

4P分析 4C分析で施策を具体化する

提案が抽象的なまま終わると、現場は結局「前と同じこと」を繰り返します。だからこそ、施策を決める段階で、売り方の要素を分解して組み立て直すのが効果的です。4P分析では、製品・価格・販促・流通を軸に、何をどう提供し、どこでどう届けるかを具体化します。

一方4C分析は、顧客価値・顧客コスト・利便性・コミュニケーションに寄せて考えるので、表現が“売り手目線”から離れます。私は以前、価格だけを下げようとした提案を、利便性とコミュニケーションの改善に切り替え、同じ条件でも成約までの期間が短くなりました。重要なのは4Pで設計しつつ、4Cで“顧客の納得”に接続することです。

営業戦略を成功させる実行管理のポイント

実行が続かないと、営業戦略は立派でも成果につながりません。私は「計画→実行→確認→修正」を回す設計が最優先だと考えています。まず、毎週見る指標を実行の単位に落とし込みます。たとえば商談化率なら「初回面談の実施数」や「ヒアリング項目の充足率」まで分解し、担当者がその場で判断できるようにします。

次に、更新のタイミングを固定してください。これは料理でいえば、火加減を毎回食べる直前に決めるのではなく、タイマーと温度計で管理するようなものです。あらかじめ締切日と見直し会を決め、ズレが出た要因を記録します。最後に、改善は“全員で一斉”より“該当箇所だけ早く”が効果的です。

ツール活用 データ管理 PDCA運用

属人化したチェックをやめるなら、まず使う道具を決めるのが先です。私の経験では、タスク管理と商談ログを分けずに一元化すると、情報の取り違えが減ります。次にデータ管理ですが、入力ルールを固定し、誰が見ても同じ解釈になる項目名にそろえるべきです。

ここでPDCA運用に切り替えます。計画は月次、実行は週次、確認は商談後すぐ、というように時間軸をずらすと回りやすいです。実際に私が試した限りでは、失注理由をフォームで入力し、翌営業日に改善案を一度だけ出す運用にしたことで、再発が減りました。ちなみに、ツールは増やすより統一する方が効果が出ます。

営業戦略でよくある失敗と対策

「戦略を作ったのに、結局なにも変わらない」と感じる場面があるはずです。よくある失敗は、方針が“思い付きの寄せ集め”になり、優先順位が決まっていないことです。結果として現場は、目の前の問い合わせ処理に戻り、改善が積み上がりません。対策として営業戦略は、狙う顧客と提供価値、そして捨てる施策まで決めるべきです。

もう一つは、KPIが売上そのままで運用できず、週次の検証ができないパターンです。私は以前、商談化率と失注理由をKPIに移したら、打ち手の優先度が揃い、会議が“議論”から“判断”に変わりました。数字は少なめでも、観測できる形に落としてください。

営業戦略の具体例から学ぶ考え方

同じ提案でも、着地が違うと受注までの距離が変わります。そこで参考にしたいのが、勝ちパターンを分解して再現する考え方です。私は以前、既存顧客向けの営業で、問い合わせの多い製品だけを追っていたために納得感が薄い状態でした。

そこで営業戦略を、ターゲットを「意思決定が近い部署」に寄せ、提供価値を「導入後の運用負荷を下げる」に統一しました。結果として初回商談の質問が揃い、提案書の章立てもその価値に直結するようになりました。

学ぶべきは、特定の手法より“選んだ前提”です。次に自社で同じ流れにするなら、顧客の状況→価値→進め方を1枚のメモにまとめてから実行してください。

まとめ

営業の成果は、方針を作って終わりではなく、現場が毎週判断できる形に整えたときに伸びます。今回の流れは、目標と現状の握り方から始まり、ターゲットと提供価値、プロセスとチャネル、KGI・KPI、実行管理、そしてデータ運用へ接続する考え方です。

最後に営業戦略を“回る仕組み”にするには、数字の見直し頻度と改善の責任者を固定してください。私は担当者が入れ替わっても成果が落ちにくい運用にできた経験があります。結論として、次に着手するなら「KGIに紐づくKPIを1つだけ決め、今週の行動に直結させる」ことをおすすめします。

本田季伸のプロフィール

Avatar photo 連続起業家/著者/人脈コネクター/「顧問のチカラ」アンバサダー/プライドワークス株式会社 代表取締役社長。 2013年に日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」を開設。プラットフォームを武器に顧問紹介業界で横行している顧問料のピンハネの撲滅を推進。「顧問報酬100%」「顧問料の中間マージン無し」をスローガンに、顧問紹介業界に創造的破壊を起こし、「人数無制限型」や「成果報酬型」で、「プロ顧問」紹介サービスを提供。特に「営業顧問」の太い人脈を借りた大手企業の役員クラスとの「トップダウン営業」に定評がある。

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