スタートアップアイデアが事業計画書のみで市場に受け入れられるものかを判断するのはほとんど不可能です。
また、商品やサービスを開発して実際にプロダクトを市場に投入するまでは、本当に売れるかどうか分からないことがあります。
そのような際に効果的な取り組みが、MVPと呼ばれる試作品を作り、市場に試験的に投入して顧客の反応を見ることです。
なぜなら、MVPにとって顧客の反応を見た上で受け入れられるように改良できるからです。
そこで今回は、MVPの効果とリーンスタートアップ方式でMVPを作るメリットついて解説します。
■MVPとは?
MVPとは小さなレベルの試作品のことで、「Minimum Viable Product」の頭文字を取ってMVPと呼ばれます。直訳すると「実用最小限の製品」であり、意訳すると、「顧客に価値提供できる最小限の機能を持った試作品」といった意味になります。
新規事業開発における最大のリスクは、「誰も必要としない製品」を作ってしまう事です。全く必要とされない(つまり市場が存在しない)製品を作っても、当然ビジネスとして成立しません。
しかし、新規事業開発で「誰も欲しがらない製品」を作ってしまう事はよくあることです。
このような際にまず試作品を市場に投入し、実際の顧客の反応を試すと市場にニーズにマッチしているか確認することが可能になります。そして顧客が示した反応から製品を改良して、確実に顧客に受け入れられる製品に組み直していくことが可能になります。
■スタートアップでのMVPの必要性
MVPは、「リーンスタートアップ(Lean Startup)」というシリコンバレー発の起業の方法論の中で紹介されて、一般的に知られるようになりました。
MVPは完全な製品を目指さず、実用最低限の製品としますが、かといって出来の悪いものをリリースするわけではありません。
いくらAARRRでサービスの成長を考えられても、需要が無いプロダクトの開発に時間やコストをかけてはグロースハックに関する知識もなんの意味も成しません。
アイデアに具体性を持たせ、顧客のニーズを探るためにも、MVP=必要最低限の能力を兼ね備えたプロダクトの製作はリソースの限られた全てのスタートアップに必要不可欠なのです。
■MVPの効果とアプローチの3つのメリット
莫大な資金を投下しプロダクトを開発しても顧客の反応が今ひとつだった場合、何が原因なのかが特定し難くなってしまいます。スタートアップでは特に様々な機能の改善を含めてのアプローチでは、時間的にも労力的にも限界が生じてしまうでしょう。
1、コストや時間をかけずに計測できる
一般的に、完全な製品となるまで開発を続けると、非常に多くの時間やコストがかかります。そのため、MVPをつくる際は必要最低限と決まっているのです。
まず “顧客に価値提供できる最小限の機能をもった試作品” を最短、最小限の費用”でリリースし、本当にその製品は、顧客に価値提供出来るのか仮説と検証するのです。
製品の本質的な価値以外に部分を、全て後回しする事で、開発期間、コストを下げる事が可能になりますし、製品開発において最重要である顧客の具体的なフィードバックを、早いタイミングで取得する事が出来ます。
MVPの提供を繰り返すことで、正確な顧客ニーズの素早い把握も可能となりますし、改善を繰り返してより多くの顧客が満足する製品・サービスに練り上げていくこともできます。
MVPは、顧客の反応による改善点を特定しやすいため、正規製品・サービスのリリースを早めることが可能になるのです。
2、市場で競争優位に立てる
MVPを最低限に整え、いち早く計測することで、先行利益を獲得できます。これにより市場で優位に立ちやすくなり、利益も出しやすなります。
また、MVPのアプローチによって、比較的早期に製品・サービスを市場に出すことができるため、収益化の時期を早めることも可能になります。製品・サービスの改良に素早く対応できるため、市場の成長が早い業界で優位に立てる可能性が高まります。
更に「試作品やサービスに改善を施して、再び顧客に提供する」というPDCAのサイクルを繰り返すことで、起業や新規事業の成功率が飛躍的に高まるとされています。
これらの効果から、後から市場に競合が参入しても、市場の認知度と開発スピードで差をつけることができるのです。
3、いち早く顧客の声を拾える
素早く市場に製品やサービスを出せるため、最重要である顧客の具体的なフィードバックを早く拾うことができます。これにより改善や伸ばすべき箇所も早く見つけられるでしょう。
製品が完成したら市場に投入されますが、当該製品が市場に受け入れられるかどうかは、課題となります。顧客が製品やサービスを気に入り、彼らのニーズを満たしているのかどうかが重要となるのです。
顧客からのフィードバックを取得することで、製品やサービスが改善され、より顧客が望む形で市場に投入できるでしょう。
MVPを開発することでプロダクトをマーケットに投入した後に、市場からのフィードバックによって顧客にとって本当に必要なものを提供できるようになるため、顧客満足度も向上して自社の信頼度も高まります。
■まとめ
新規事業やスタートアップには、まずコストをそれほどかけずに最低限の製品や、最低限のサービス、最低限の機能を持った試作品を短期間で作り、顧客に提供することで顧客の反応を観察することが大切です。
MVPのアプローチのメリットは、
1、開発期間を短く出来る。
2、開発費用を削減できる。
3、顧客フィードバックを早く得られる。
といった点です。つまりコストをかけずに、仮説検証のサイクルを早く回す事が出来るのです。MVPを提供する事で得られた顧客フィードバックを元に、製品の改善や方向転換を行い、資金が尽きる前に、「顧客が必要とする製品」へと進化させる事が可能になります。
その観察結果を分析し、製品、サービスが市場に受け入れられるか否か判断し(市場価値が無ければ撤退も考慮)、試作品やサービスに改善を施し、機能などを追加して再び顧客に提供します。
このサイクルを繰り返すことで、起業や新規事業の成功率が飛躍的に高まるはずです。
■最後に
スタートアップが不確実性の高い新規事業を成功させるために、MVPのアプローチは非常に有効です。日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」には、様々な業界経験のある5000人を超える顧問やプロフェッショナルが在籍しています。
そのため、新たなプロダクト開発や新規事業の立ち上げのシーンで、MVPを駆使した新規事業の立ち上げ支援が可能です。そのため、MVPの新規事業開発を検討される際は、必ずやお力になれますので是非、一度お声がけ下さい。
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