どれほど優れた人材や経営資源が揃っていても、100%新規事業が成功する保障はありません。
そのため、不確実性の高い新規事業において、いかにリスクを最小限に抑えつつ成功可能性を高めるかは非常に重要なポイントになります。
そんな中で「リーンスタートアップ」は、新規事業が成功する可能性を高める起業論として、世界中で脚光を浴びています。
そこで今回、リーン型の新規事業立上げとは?リーンスタートアップが有効な訳について解説します。
■リーン型の新規事業立上げとは?
リーン型の新規事業立上げとは、コストをかけずに最低限の製品・サービス・機能を持った試作品を短期間でつくり、顧客の反応を的確に取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していくマネジメント手法のことになります。
革新的なビジネスモデルを用いつつ、無駄を徹底的に排除した上で事業の急成長を目指す起業論になるとも言えます。
スタートアップの新規事業の立ち上げでは、確実にアイデアが市場に受け入れられる保障はありません。それを踏まえてリーンスタートアップでは、小規模な仮説検証を繰り返していくことにより、アイデアの質を昇華させる新規事業立上げの取り組み方になります。
■リーンスタートアップのメリット
リーンスタートアップのメリットとは、「仮説が間違っていた際に生じる損失を最小限に抑えることで、新規事業の成功可能性を向上させられる」点です。
新規事業を立ち上げたり、新たなプロダクトを開発し、市場に投入したとしても最初から100%ユーザーのニーズに合致する製品・サービスを提供できるとは限りません。
仮説検証の段階で多大な時間と費用を費やしていた場合、失敗した際の損失は非常に大きくなります。一度失敗したら、二度とチャレンジできない恐れもあります。
しかしながら、リーンスタートアップでは、費用やコストは最小限に抑えた上で、試行錯誤を繰り返しながら製品・サービスの質を高めていきます。ですので、一度製品の投入が失敗したとしても、損失を最小限に抑えられます。
つまり、一回あたりの損失を最小限にすることで、挑戦できるチャンスを増やせる訳です。この点は、リーンスタートアップの大きなメリットになります。
■リーンスタートアップの4つのプロセス
リーンスタートアップでは、以下の4つのプロセスを短時間かつ低コストで繰り返すことで、新規事業を展開して行きます。
1、仮説の構築
最初のプロセスでは、ターゲット顧客の属性を基に「このような製品・サービスは受け入れられるのでは?」という仮説を立てます。
その後、仮説に基づいた製品・サービスを、極力費用と時間をかけずに開発します。仮説構築のプロセスで開発する製品・サービスは、「MVP(Minimum Viable Product)」と呼ばれています。
最初はアイデアといった仮説をもとに新しい製品・サービスの企画を作成し、「顧客のニーズに合わせて、どのような製品・サービスが望ましいのか」という仮説を立て、新規ビジネスのアイデアに絞り込みます。
練り上げたアイデアをもとに製品・サービスを、なるべくコストと時間をかけることなく開発します。
アイデアを思いついたら(仮説の構築)、完璧でなくてもいいから形にし、MVP(Minimum Viable Product)と呼ばれる実用最小限の製品を開発し、顧客に試して貰うことが成功の鍵になると言えます。
2、仮説の計測
次に、仮説を検証するプロセスに入ります。具体的には、開発したMVPを少人数の顧客に対して提供し、その反応を観察します。続構築に基づいて作成された製品やサービスの試作品(MVP)が、どのような反応となるのかを見極めます。
まず計測=Measure:アイデアに基づいた試作品(MVP)をコストをかけずに製作して、少人数の顧客に提供して反応をみます。
その上で開発されたMVPを、アーリーアダプター(Early Adopters: 初期採用者)という流行に敏感かつ情報収集を自ら行って判断している人々に提供して、実際に製品やサービスを活用してもらい、その反応を確認します。
試作品に色々な機能を盛り込みたくなりますが、あくまでこの段階は計測だと考えると良いでしょう。とにかく最小限の機能を備えた試作品で試すことが重要です。あまりに盛り込みすぎると実験にはならず、時間や労力のムダになってしまいます。
3、検証で得たデータからの学習
このプロセスは、検証結果が表れる段階になります。たとえば少人数の顧客に対してMVPを提供した場合、売上高や顧客からのフィードバックなど、何かしらの学びを得られるでしょう。
計測の結果をもとに、MVPを改善していくことを「学習=Learn」といいます。一般顧客により受け入れてもらえる形として組み直していくのです。
アーリーアダプターの反応から、最初に立てた仮説に誤りがあるという判断となった際は、仮説そのものを見直して、方向性を大きく変えましょう。思うような結果が出ない場合は、即座に製品やサービスの改良に取り組み、軌道修正して、事業内容を一新します。
仮に計測が失敗しても、テストを何度も積むことで経験を次に活用できます。それこそが事業の成功率を向上させる秘訣だといえるでしょう。なお、テストするメリットは、これ以上続けても成功しないと判断が下された場合、早期に撤退できる点です。
4、意思決定
最後に、検証で得たフィードバックなどの学びを基に、意思決定を行うプロセスとなります。顧客から得たフィードバックを基に、次にどのような行動を取るかを意思決定します。
この方向転換はバスケットボールの用語になぞらえて「ピボット」と呼ばれているのです。
そして、顧客にとって何が最上の価値なのかを見極められるまで、市場の反応を確認しながら「構築→計測→学習」のサイクルを繰り返します。
再構築は一見遠回りのようにも感じられますが、試行錯誤型の経営戦略は、イノベーションの成功確率を劇的に高める効果があるのです。
■Bプランとしてピポッドも厭わない
ベンチャーのみならず大企業の新規事業立ち上げにも、「構築→計測→学習」のサイクルは取り入れられていますし、良い組織の条件の一つに、常に新しいものを取り入れる新陳代謝の良さが挙げられています。
十分なニーズがある製品・サービスを開発できていれば、本格的な開発を行う意思決定を行います。まだまだ改善の余地がある場合には、MVPの改良→検証というプロセスに戻るでしょう。
もしくは、「根本的に仮説が間違っていた」というケースも考えられます。その場合には、仮説自体を変更しビジネスモデルの「ピボット」する選択も一つの手になります。
■まとめ
今回は、リーンスタートアップのプロセスやメリットについて解説しました。需要に繋がらない製品やサービスをただの思い込みから開発してしまう際に発生する「ムダ」を省くためのマネジメント手法だと言われています。
何事にも本質を理解していないと、想定外のことが発生した際、意思決定や行動が表面的になってしまいがちです。
情熱のみでプロダクトをつくったり、ツールの使い方を知っているだけだったり、プロセスに固執しすぎたりすれば、不十分となってしまうでしょう。
リーンスタートアップの考え方を取り入れることで、新規事業のリスクを低減しつつ、成功の可能性を高めることが可能です。
■最後に
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