近年、ソフトウェア開発会社や動画配信サービス会社、音楽配信会社など、デジタル系の商品やサービスを問わず、多くの企業が新たなビジネスモデルとして取り入れ始めているのが、「サブスクリプション」の事業になります。
「サブスク」という言葉自体は聞いたことがあっても、実際にどんな意味なのか、通常のサービスとの違いが良く分からないというビジネスマンも多いのではないでしょうか?
サブスクリプションのサービス領域としてはファッション、美容、飲食、教育、ソフト、各種物品、食品、自動車、音楽配信、動画配信、ニュース配信、電子書籍など、その対応分野は非常に多岐に渡り、幅広い業界・業種の企業が参入している状況です。
国内BtoCサブスクリプションの市場規模は2023年には3,000億円増の1.4兆円に達し、BtoBの領域を加えると6兆円規模のマーケットになると予測されています。
そこで、今回は、サブスクリプションとは何か、ストック型のビジネスモデルの優位性について解説します。
「顧客満足度のカギを握るものは何か。それは「目に見えない価値」です。様々な場面で、ゲスト(顧客)が出会う従業員のホスピタリティ(もてなし)が見えない価値の源泉です。」
<砂山起一>
■サブスクリプションとは?
サブスクリプションとは、商品の購入代金やサービスの利用料を毎回請求するのではなく、一定期間利用することができる権利に対して料金を請求するビジネスモデルです。
サブスクリプションは、消費者が製品やサービスごとにお金を支払うのではなく、それを一定期間利用できる「権利」に対してサービス利用料を支払うマネタイズの仕組みになります。
近年では、サブスクとも略され、英語では「予約購読」や「定期購読」という意味の言葉です。
通常だと、消費者が1つの製品購入や、1つのサービスの利用にお金を払う形が一般的ですが、サブスクリプションでは、購入する対価としてお金を支払うのではなく、定期的な利用期間に対して代金を支払う形になります。
消費者はモノを所有することから利用することへと志向が変化しているのです。
■サブクスリプションの事例
Adobeのソフトウェアが買い切り型から「サブスクリプション」に変えユーザーに利用権を与えたことからスタートし、現在は音楽配信サービスのSpotifyやApple musicなどでも採用されています。
近年は、特に動画配信サービスの「Amazonプライム」、「Netflix」などが有名です。
サブスクリプションは、データやソフトウェアを利用するといったデジタル領域で広まりましたが、最近は洋服や家具、車、サプリメントや食品など、非デジタル業界の製品にもサービスが拡大しています。
■定額制と月額制のサブスクリプションの違い
日本では、サブスクリプションを略して「サブスク」と呼ばれることが多く、消費者に浸透つつあります。
毎月サービスに課金する「月額定額制」のモデルはほぼサブスクリプションと同義に使われますが、この2つには決定的な違いがあります。
一般的な定額制や月額制は顧客に固定の商品やサービスを提供することがゴールになります。
ですが、サブスクリプションは更に踏み込んで、顧客の必要としている商品やサービスを通じた顧客満足度に注目しています。
一方、サブスクリプションは、顧客ニーズ分析、顧客満足度の改善などでLTV(顧客生涯価値)の向上を継続的に目指すため、ゴールがない点が大きな違いと言えます。
■BtoCサブスクリプションの市場規模が拡大する背景
BtoCサブスクリプションの市場規模が拡大している背景としては、「心の豊かさを重視する」消費者が、増えているからです。
つまり、「物の豊かさを重視する」消費者の価値観の変化が大きく影響し、「できるだけモノを持たない暮らしに憧れる」ようなライフスタイルに変化していることが挙げられます。
【消費者がサブスクリプションを利用するメリット】
・モノを持つ必要がなく、モノを置くスペースや管理する手間もかからない。
・利用開始するためのコストが抑えられ、利用開始のハードルが下がる。
・期間中は利用し放題のため、使えば使うほど1回あたりの金額がお得。
今後も「モノを所有する」から「コトとして利用する」へ移行する消費者は増えていくと考えられます。
■サブスクリプションを提供する企業側の3つのメリット
1、サービス利用のハードルが下がる。
通常の商品販売の場合、その商品単価の満額をユーザーは支払う必要があるため商品によっては単価が高くなりすぎてユーザーが利用してくれないケースがあります。
しかし、サブスクリプションを利用することで、初期の導入コストを引き下げてサービス利用のハードルを引き下げられます。
2、利用状況のデータの蓄積ができる。
通常の商品販売の場合、1度商品の購入したりサービスを利用するだけで顧客との接点が切れてしまいます。
しかし、サブスクリプションの場合は定期利用になるため、ユーザーの利用状況を日々集計していくことができます。
更なるサービスの向上や商品開発をおこなっていく上でも貴重なデータを獲得できるというわけです。
3、継続的な売上を試算することができる。
サブスクリプションでは定期利用になるため、利用者数のデータとサービス単価を掛け合わせて売上の試算が円滑におこなえます。
反対に、通常販売の場合は様々な要素から試算をおこなうため結果的に想定していた売上との乖離が生まれやすいとも言えます。
■企業向けのシステム開発もサブスクリプションにシフト
システム開発の分野では、サブスクリプションを導入することで、顧客側と企業側の両方にメリットがあります。
従来のITサービスは、SI(System Integration)型が一般的でした。利用者にとっては、「自分たちの欲しいシステムをオーダーメイドで実装・納品しても貰い、その製造対価を支払う」というスタイルです。
このようなビジネスモデルはフロー型と呼ばれ、サービス提供側は継続した案件の受注がなければ収益が安定しないという問題がありました。
これに対してSaaS+サブスクリプションモデルは、ストック型になります。
利用者が一度そのサービスを気に入ると、継続して利用します。そのため、サービス提供側にとっては、収益が読みやすくビジネス計画を立てやすいというメリットがあります。
■サブスクリプションのデメリット
一方でサブスクリプションによって企業側と顧客側の両方にデメリットもあります。
1、企業側のデメリット
・サービス開始時点で、即利益にはつながらない
・日々変動する市場やニーズにあわせたコンテンツが必要
・新規コンテンツを導入するためにはコストがかかる
2、顧客側のデメリット
・使わなくても料金は発生する
・利用開始のハードルが低いからこそ、いろいろ契約してしまい費用がかさみやすい
・使わない機能や興味のないサービスも含まれている
サブスクリプションを開発する際には、こうしたデメリットを解決するための施策も考えてみると良いでしょう。
■サブスクリプションの事業を展開するポイント
サブスクリプションの事業のポイントとしは、顧客のニーズに答えるなどして、いかに顧客との関係性を継続していくかが成功の鍵となります。
【サブスクリプションの事業を行うポイント】
・料金プランをいくつかに分ける。
・利用権の範囲を変える。
・サービスを休止可能にする。
・無料お試し期間を入れる。
・カスタマーサクセスを強化する。
サブスクリプションのビジネスモデルで顧客が継続してサービスを利用してくれれば利益がストックされて行きます。
しかし、サブスクリプションで事業を持続的に拡大するためには、「カスタマーサクセス」という考え方が必要になります。
これまで、法人営業の営業マンが定期的なフォローを行うケースはありましたが、「顧客に対してサービスを継続して使って貰う」というミッションに正面から向き合う部門は、どのサービス提供者も保有しておりませんでした。
カスタマーサクセスの本質は、問題が発生してからそれに対処する「守り」の姿勢ではなく、そもそも問題を発生させない「攻め」の姿勢です。
顧客が自分たちの提供するサービスを使って利益を得られるようにすることを目的としているのです。
■まとめ
サブスクリプションは、料金を支払うことでサービスを利用する権利が得られサービスを指します。基本的に、料金を支払い続ける限り利用することが可能になります。
更にサービスの内容により異なりますが、特定の商品だけではなくサービスに含まれる様々な商品を利用することができます。
サブスクリプションは、昔ながらあったビジネスモデルでしたが、近年の消費者ニーズに合わせて急速に普及してきました。顧客数を増やし、より長く継続してもらえれば、単品を購入してもらうよりも高い収益が見込めるモデルでもあります。
これからビジネス展開することを考えている企業は、サブスクリプションの導入も検討してみましょう。
「ウチの商品ではサブスクリプションはできない」と思う企業も多いと思いますが、意外と考え方次第で通常の商品やサービスでもサブスクリプションで提供することができます。
自分にあった服を毎月届けるサービスなどもサブスクリプションにあたるため、自社の商品やサービスに適用できないか、一度考えてみることが大事です。
自社の売上が低迷している、もっと良いビジネスモデルはないかと考えた時に、まずは既存のサブスクリプションを基に、自社にあったサービスを考えると良いでしょう。
■最後に
サブスクリプションは、利用するユーザーのニーズや需要・必要としている部分に注目し、そこに応える価値を用意するモデルになります。
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